バランス型ファンドは投資初心者から常に人気がありますが、
最近よく目にする8資産均等型バランスファンドも非常に人気が
あります。

 

ただ、気を付けなければいけないのが、バランス型ファンドで
あれば、分散効果もあるし、リスクも低いであろうと何も考えずに
投資をしていると痛い目を見る可能性があるということです。

 

今日はその点にも触れながら、三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slim
バランス(8資産均等型)について徹底的に分析したいと思います。

 

 

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の基本情報

投資対象は?

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の投資対象は、国内・海外の
株式、債券およびREITとし、下図のように8つの資産クラスに
均等配分を目標にします。

 

アクティブファンドのようにアセットクラスを機動的に変更しない
ことがひとつの特徴ですね。


※引用:交付目論見書

 

そして、それぞれの資産クラスごとに、下記のようにベンチマーク
を設定し、それぞれ連動するように運用成果を目指します。

 

ここで、注意が必要なのが、ベンチマークに採用されている指数が
まともな指数であるかという点です。

 

多くの人がベンチマークに何が採用されているかについて、何も考えず
に投資をしてしまっていますが、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)に
おいて、一番確認すべきポイントは、この点だと言っていいでしょう。

 

特に、新興国株式と新興国債券のインデックスファンドは
各社でベンチマークが異なっているため、パフォーマンスに
大きな影響を与えているので必ずチェックしてください。

 


※引用:交付目論見書

 

ちなみに現在のポートフォリオの構成は以下のように
なっています。ほとんど基本配分率からずれては
いませんね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

続いて、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の純資産総額は
どうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

 

インデックスファンドの運用において、純資産総額は必ず
チェックしておきたいポイントです。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を
入れ替えることができず、インデックスから乖離してしまう
リスクがあります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は、下図のように2017年の
新規設定以来、純資産総額を伸ばしており、現在の純資産総額は
約540億円となっています。

 

毎月、安定的に純資産総額を伸ばしており、さすがの人気と
言えます。


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

特にスマート・ベータ指数といって、FTSE RAFI エマージング
インデックス(円換算)のようなベンチマークが使われていると、
実質コストが上がりやすいので、必ず確認するようにしてください。

 

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の実質コストは0.219%と
なっています。

 

バランスファンドでこの低コストは魅力的と言えますね。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 0
信託報酬 0.154%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 0.219%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コストも加味して、私がオススメする最強インデックスファンド特集

類似ファンドの信託報酬の比較

続いて、各社が出している8資産均等型バランスファンドの
信託報酬を比べてみます。

 

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) は信託報酬ベースで
見ると、最安となっています。

 

本来であれば、実質コストで比較をしたいところですが、
残念ながらベンチマークとなっている指数が各ファンドで
それぞれわずかに異なることから、実質コストを比較する
意味がありません。

 

のちほど類似ファンドのパフォーマンスについては、比較
をしますが、現時点ではeMAXIS Slimバランス(8資産均等型) と
たわらノーロードバランス8資産均等型が優勢です。

ファンド 信託報酬(税込)
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 0.154%
たわらノーロード バランス(8資産均等型) 0.154%
iFree8資産バランス  0.242%
ニッセイ・インデックスバランス(8資産)  0.1749%

※2020年7月時点

 

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の評価分析

基準価額の推移は?

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の基準価額は、2020年
初めまで着実に上昇していましたが、コロナショックで15%
近く下落し、一時は10000円を割り込みました。

 

その後、50%以上戻してきましたが、バランスファンドでも
大きく下落することが、よくわかったのではないでしょうか。

 

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) などはバランス型の中でも
積極的にリスクを取って分散投資をしていくファンドですので、
下落するときは、そこそこ大きく下落しますので、注意してくだ
さい。


※引用:モーニングスター

 

利回りは?

つづいて、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の運用実績を
見てみると、直近1年間の利回りは▲1.70%となっています。

 

3年平均利回りはプラスですが、半年前のパフォーマンスと
比べると、かなり悪化しました。

 

信託報酬を1%近く取られるようなファンドであれば、利益が
ほとんど残っていないので、さすが最安コストのファンドである
と言えます。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年1月 2020年7月
1年 16.30% ▲1.70%
3年 1.88%
5年
10年

※2020年7月時点

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) は、バランス型ファンドの
バランスカテゴリーに属しています。

 

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンス
のファンドに投資をしたいと思うので、同カテゴリー内でもパフォー
マンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

 

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) は半年前は上位20%程度の
位置にランクインしていましたが、コロナショック後は順位を
落とし、平均以下の水準となっています。

平均利回り(上位●%) 2020年1月 2020年7月
1年 21% 69%
3年 36%
5年
10年

※2020年7月時点

 

年別のパフォーマンスは?

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の年別のパフォーマンスを
見てみましょう。

 

トータルで見ると、パフォーマンスはわずかにプラス程度に
留まっています。

 

2018年以降はどのファンドもパフォーマンスが奮わないので
仕方ない側面もあります。

年間利回り
2020年 ▲7.33%(1-6月)
2019年 16.30%
2018年 ▲6.70%
2017年

※2020年7月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) に投資をするのであれば、
他のバランス型のインデックスファンドとパフォーマンスを
比較しておいて損はありません。

 

今回は、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) と同じく、8資産
均等型のバランスファンド3本と比較をしました。

 


※引用:モーニングスター

 

まず気になるのがパフォーマンスにかなりばらつきがあると
いう点です。

 

iFree 8資産バランスeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)が
他の2ファンドと比べてパフォーマンスが劣っています。

 

これは、新興国株式のインデックスファンドと新興国債券の
インデックスファンドが各社で異なっており、その違いによる
影響だということです。

 

もちろん実質コストによる差もわずかにありますが、一番
大きな影響を与えているのは、組入られているファンドが
そもそも違うということです。

 

こう比較をしてみると、たわらノーロード バランス(8資産
均等型)やニッセイ・インデックスバランスFに投資をした
ほうがよいことがわかりますね。

 

信託報酬の安さだけで選んでいるとこういった点に気づか
ないので、ぜひ比較する癖をつけてください。

 

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)に投資するのであれば、
8資産に分散投資をしているアクティブファンドとパフォーマンス
を比較するのもやっておいて損はありません。

 

アクティブファンドの場合は8資産均等型ではなく、
相場の状況に合わせて8資産の投資比率を変更して
運用するファンドになります。

 

今回は、リスクを抑えながら運用するリスク抑制世界8資産
バランスファンド『しあわせの一歩』
とパフォーマンスを
比較してみます。

 

直近の結果では、わずかですが、しあわせの一歩のほうが
パフォーマンスで上回っています。


※引用:モーニングスター

 

注目すべきは、アクティブ運用になると8資産に分散投資を
してもかなり値動きが変わってくるということです。

 

しあわせの一歩は特にリスクを抑制する投資戦略ですので、
値動きの幅がeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)とは、
全く異なります。

 

コストで見れば、しあわせの一歩のほうが高いのですが、
こう比較してみると、値動きの幅が小さく着実に利益を
伸ばしているしあわせの一歩に投資をしたほうが、

 

気持ちの余裕を持って投資ができるのではないでしょうか。

 

近年はどうしても低コストのインデックスファンドばかりに
注目が集まりがちですが、アクティブファンドの中にも
優秀なファンドがありますので、うまく使い分けてください。

 

最大下落率は?

投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気になる
のが、最大どの程度、資産が下落する可能性があるのかという点だと
思います。

 

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は過去3カ月で最大16%近く
下落したことがあります。

 

バランス型ファンドといっても、株式やREITの比率が高いため、
この程度は下落しうることは事前に把握しておいてください。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲12.27%
3カ月 ▲16.34%
6カ月 ▲12.02%
12カ月 ▲9.68%

※2020年7月時点

 

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

積立NISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

 

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は積立NISA、iDeCo
ともに対応していますので、投資をするのであれば、
これらを有効活用しない手はありません。

iDeCo
SBI証券(セレクトプラン)、松井証券、マネックス証券

※2020年7月時点

 

評判はどう?

続いて、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の評判を見てみましょう。

 

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

 

資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを購入している
ということなので、評判がいいということになります。

 

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は、2017年の新規設定以来、
毎月資金流入しています。

 

毎月大きく金額にブレがなく流入していますので、評判は上々と
いうことがわかります。


※引用:モーニングスター

 

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の評価まとめと今後の見通し

ファンドの運用ではアセットアロケーションが重要だ。ということを
聞いたことがある投資家の方も多いかと思います。

 

そうするとeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)のような、初めから
8つの資産に分散してあるファンドはお手軽で魅力的に見えるでしょう。

 

ただ、8資産に分散投資をしているならどのファンドでも同じか
というとそういうわけではありません。

 

さきほど比較したように、組入られているインデックスファンドが
わずかに異なるため、パフォーマンスにも影響が出てきます。

 

少なくとも現時点では、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)より
優れたパフォーマンスの8資産均等型のバランスファンドが
存在します。

 

またeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は思ったより値動きが
大きいと感じている人もいると思います。

 

その場合は、しあわせの一歩のような8資産のバランスを機動的に
組み替えて、リスクを抑えながら手堅く運用するようなアクティブ
ファンドへの投資も検討してみるとよいと思います。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点