10年以上前から運用されており、投資家から根強い人気を集めている東京海上アセットの東京海上セレクション・外国株式インデックス。つみたてNISA、iDeCoでも採用されており、純資産総額を着実に伸ばしています。
今日は、東京海上セレクション・外国株式インデックスは投資をする価値があるのか、評価や評判、実質コストなどについて独自目線で分析したいと思います。
「東京海上セレクション・外国株式インデックスって持ってて大丈夫なの?」
「東京海上セレクション・外国株式インデックスって投資対象としてどうなの?」
「東京海上セレクション・外国株式インデックスより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
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東京海上セレクション・外国株式インデックスの基本情報
投資対象は?
東京海上セレクション・外国株式インデックスの投資対象は、日本を除く先進国の株式で、MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース)と連動する投資成果を目指して運用を行います。
東京海上セレクション・外国株式インデックスの国別、地域別の構成比率は下図のようになっており、米国を中心に先進国株式約1000銘柄で構成されています。
※引用:マンスリーレポート
ファンドの組み入れ銘柄を見てみましょう。北米の組み入れ比率が高いので、上位はすべて米国株ですが、アップル、マイクロソフト、アマゾンとあなたも聞いたことがある大手企業が上位を占めています。
※引用:マンスリーレポート
つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?
東京海上セレクション・外国株式インデックスのつみたてNISAとiDeCoの対応状況ですが、つみたてNISAもiDeCoも対応しています。つみたて投資を検討している人は積極的に活用していきましょう。
つみたてNISA | iDeCo |
〇 | 地方銀行多数、東京海上日動火災、明治安田生命 |
※2022年10月時点
純資産総額は?
続いて、純資産総額はどうなっているか見ていきます。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
インデックスファンドの運用において、純資産総額というのも見るべきポイントです。ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることができず、インデックスから乖離してしまうリスクがあります。
東京海上セレクション・外国株式インデックスは2015~16年から着実に純資産を積み上げており、現在では330億円を超える水準にまで増えています。コストが高い割に非常に人気があるファンドです。規模感は問題ないですね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託には信託報酬や購入時手数料がかかりますが、実際にそれ以外にも印刷費用や監査費用、有価証券取引税などのコストがかかります。
これを実質コストと言いますが、インデックスファンドにおいて、実質コストというのは何よりも重要な項目です。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
MSCIコクサイ・インデックス連動型のファンドは各社が作っていますが、運用リターンはベンチマークに連動するため、どこも差がつきません。そうすると、実質コストの部分で良し悪しを決めることになるわけです。
東京海上セレクション・外国株式インデックスの実質コストは0.295%となっており、近年のインデックスファンドと比べると若干割高ですが、この程度なら許容範囲と言えます。
購入時手数料 | - |
信託報酬 | 0.22%(税込) |
信託財産留保額 | - |
実質コスト | 0.295%(概算値) |
※引用:最新 運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
信託報酬の比較
MSCIコクサイに連動するインデックスファンドは各運用会社が設定していますので、ここでは各社の信託報酬を比較してみたいと思います。
現在は、三菱UFJ国際のeMAXIS Slim 先進国株式インデックスとニッセイアセットのニッセイ外国株式インデックスファンドとが同じ信託報酬で最安値となっています。東京海上セレクション・外国株式インデックスは残念ながら上位争いからは若干出遅れています。
各社譲れない戦いがあるようで、毎年のように信託報酬が下がっていきます。投資家としては非常にありがたい限りです。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.1023%(税込) |
ニッセイ 外国株式インデックス | 0.1023%(税込) |
iFree外国株式インデックス | 0.209%(税込) |
たわらノーロード先進国株式 | 0.10989%(税込) |
※2022年10月時点
東京海上セレクション・外国株式インデックスの評価分析
基準価額をどう見る?
東京海上セレクション・外国株式インデックスの基準価額は、コロナショックで大きく下落しましたが、2022年には、最高値を更新し、堅調に推移しています。
※引用:モーニングスター
利回りはどれくらい?
つづいて、東京海上セレクション・外国株式インデックスの運用実績を見てみましょう。
直近1年間の利回りは5.46%です。3年、5年、10年平均利回りも約12%を超えており、インデックスファンドであれば十分でしょう。
ただ、利回りだけでを見て投資判断をしてはいけません。他の類似ファンドをパフォーマンスを比較してから投資をしましょう。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | 5.46% |
3年 | 16.56% |
5年 | 11.66% |
10年 | 15.31% |
※2022年10月時点
同カテゴリー内での利回りランキングは?
東京海上セレクション・外国株式インデックスは、日本を除く海外カテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、誰しも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をしたいものです。そこで同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングを調べました。
東京海上セレクション・外国株式インデックスはどの期間でも上位30%にランクインしており、インデックスファンドとしては十分な順位と言えます。
上位●% | |
1年 | 25% |
3年 | 15% |
5年 | 9% |
10年 | 20% |
※2022年10月時点
年別のパフォーマンスは?
つづいて、東京海上セレクション・外国株式インデックスの年別のパフォーマンスを見てみましょう。
2018年は2桁のマイナスとなりましたが、それ以外の年ではしっかりとプラスを残しています。インデックスファンドで2桁プラスが出るのであれば、文句は出ないですね。
長期で保有すれば安定的にプラスが出ますので、くれぐれも直近のパフォーマンスが悪いからといって、すぐに解約するのはやめてください。
年間利回り | |
2022年 | ▲5.11%(1-9月) |
2021年 | 38.59% |
2020年 | +8.62% |
2019年 | +28.81% |
2018年 | ▲11.17% |
2017年 | +18.75% |
※2022年10月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは類似ファンドとのパフォーマンスの差は?
インデックスファンドに投資をするのであれば、同じベンチマークを採用している他のファンドとのパフォーマンスの比較は事前にしておきたいところです。
今回は、東京海上セレクション・外国株式インデックスと同じようにMSCIコクサイ・インデックスを採用しているeMAXIS Slim先進国株式インデックスとのパフォーマンスを比較してみました。
※引用:モーニングスター
東京海上セレクション・外国株式インデックスはかなり競ってはいますが、終始、パフォーマンスで劣後しています。これは実質コストベースでみたときにeMAXIS Slim 先進国株式インデックスよりも、コストがかかっているということです。
どちらにも投資ができる証券会社に口座を持っているのであれば、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスを選択するほうが良いですね。
東京海上 外国株式 | Slim 先進国 | |
1年 | 5.46% | 5.43% |
3年 | 16.56% | 16.65% |
5年 | 11.66% | 11.72% |
10年 | 15.31% | - |
※2022年10月時点
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
世間ではインデックスファンドが正という風潮が強いため、アクティブファンドなど検討さえもしていないという方も多いと思います。
しかし、数は少ないですが、長期に渡り圧倒的な成果を残しているアクティブファンドも存在しており、インデックスファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。
そこで、今回は先進国株式のアクティブファンドである大和住銀DC海外株式アクティブファンドとパフォーマンスを比較しました。
※引用:モーニングスター
直近ではかなり競っていますが、終始大和住銀DC海外株式アクティブファンドのほうがパフォーマンスで上回っています。
もちろんインデックスファンドへの投資もよいですが、一部の資金はリスクを取って、アクティブファンドに投資をするというのも面白いと思います。
東京海上 外国株式 | 大和住銀DC | |
1年 | 5.46% | ▲14.29% |
3年 | 16.56% | 17.00% |
5年 | 11.66% | 12.98% |
10年 | 15.31% | 17.63% |
※2022年10月時点
最大下落率はどれくらい?
投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気になるのが、最大どの程度、資産が下落する可能性があるのかという点かと思います。
事前にどの程度下落をする可能性があるのかを知っておくと、実際に大きな下落があったときでも落ち着いて対処できますので、知っておいて損はありません。
そこで、東京海上セレクション・外国株式インデックスの最大下落率を調べました。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲14.94% |
3カ月 | ▲21.55% |
6カ月 | ▲22.24% |
12カ月 | ▲19.23% |
※2022年10月時点
東京海上セレクション・外国株式インデックスは2011年4月~9月の半年間で22.24%の下落を記録しています。
ただ、しっかり長期で保有すれば、プラスのリターンが出ていますので、急に相場が下げたからといって、焦って売ってしまわないようにしてください。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
※2022年10月時点
評判はどう?
ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを購入しているということなので、評判がいいということになります。
東京海上セレクション・外国株式インデックスは2021年8月に大口の資金流出があったようですが、それ以外の月は資金流入超過となっているので、評判は良いと言えます。
※引用:モーニングスター
東京海上セレクション・外国株式インデックスの評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
先進国株式に投資ができるインデックスファンドは1本は持っておきたいところですので、コスト面から考えると、あえて、東京海上セレクション・外国株式インデックスに投資をする理由がありません。
あなたがメインで使っている証券口座で取り扱っているファンドが東京海上セレクション・外国株式インデックスしかないということであれば、仕方ないですが、
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスやニッセイ外国株式インデックス、たわらノーロード先進国株式インデックスといったファンドがあれば、そちらを選択するべきでしょう。
また、インデックスファンドも優れたファンドがありますが、アクティブファンドの中にもインデックスファンドをはるかに上回るパフォーマンスのファンドが何本も存在しています。ですので、アクティブファンドにもどんなファンドがあるのか調べてみると良いと思います。
先進国株式ファンドのおすすめはどれ?10年平均利回りランキング ベスト20を発表!
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点