インデックスファンドの低コスト競争において、最前線で戦っているアセットマネジメントOneのたわらノーロードシリーズ。iDeCoやつみたてNISAに採用されており、純資産総額を着実に伸ばしています。
今日は、たわらノーロード先進国株式の評価や評判、実質コストなどについて独自目線で分析したいと思います。
「たわらノーロード先進国株式って持ってて大丈夫なの?」
「たわらノーロード先進国株式って投資対象としてどうなの?」
「たわらノーロード先進国株式より良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
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たわらノーロード先進国株式の基本情報
投資対象は?
たわらノーロード先進国株式の投資対象は、日本を除く先進国の株式で、MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース)と連動する投資成果を目指して運用を行います。
たわらノーロード先進国株式の国別、地域別の構成比率は下図のようになっており、米国を中心に先進国株式約1280銘柄で構成されています。
※引用:マンスリーレポート
ファンドの組み入れ銘柄も見てみましょう。北米の組み入れ比率が高いので、上位はすべて米国株ですが、アップル、マイクロソフト、アマゾンとあなたも聞いたことがある大手企業が上位を占めています。
※引用:マンスリーレポート
つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?
たわらノーロード先進国株式のつみたてNISAやiDeCoの対応状況を見ておきましょう。つみたてNISAもiDeCoも対応していますので、これらを積極的に活用しない手はないですね。
つみたてNISA | iDeCo |
〇 | 楽天証券、イオン銀行、みずほ銀行、ソニー銀行等 |
※2022年10月時点
純資産総額は?
続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。インデックスファンドの運用において、純資産総額というのも見るべきポイントです。
ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることができず、インデックスから乖離してしまうリスクがあります。
たわらノーロード先進国株式は下図のように2015年の新規設定以来、純資産総額を伸ばしており、現在の純資産総額は約2,140億円となっています。ファンドの規模としては全く問題ありません。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託には信託報酬や購入時手数料がかかりますが、実際にそれ以外にも印刷費用や監査費用、有価証券取引税などのコストがかかります。
これを実質コストと言いますが、インデックスファンドにおいて、実質コストというのは何よりも重要な項目です。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
MSCIコクサイ・インデックス連動型のファンドは各社が作っていますが、運用リターンはベンチマークに連動するため、どこも差がつきません。そうすると、実質コストの部分で良し悪しを決めることになるわけです。
たわらノーロード先進国株式の実質コストは0.179%となっており、かなり割安です。この手数料で世界の先進国株式に投資ができるのは魅力的ですね。ただ、他のファンドも同程度に信託報酬を下げてきているので、比較はしたほうがよいでしょう。
購入時手数料 | 0 |
信託報酬 | 0.10989%(税込) |
信託財産留保額 | 0 |
実質コスト | 0.179%(概算値) |
※引用:最新 運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
信託報酬の比較
MSCIコクサイに連動するインデックスファンドは各運用会社が設定していますので、ここでは各社の信託報酬を比較してみたいと思います。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.1023%(税込) |
ニッセイ 外国株式インデックス | 0.1023%(税込) |
iFree外国株式インデックス | 0.209%(税込) |
たわらノーロード先進国株式 | 0.10989%(税込) |
※2022年10月時点
現在は、三菱UFJ国際のeMAXIS Slim 先進国株式インデックスとニッセイアセットのニッセイ外国株式インデックスファンドとが同じ信託報酬で最安値となっています。
たわらノーロード先進国株式も上位争いには参戦していますが、少し遅れをとっていますね。各社譲れない戦いがあるようで、毎年のように信託報酬が下がっていきます。投資家としては非常にありがたいです。
たわらノーロード先進国株式の評価分析
基準価額をどう見る?
たわらノーロード先進国株式の基準価額は、コロナショックで大きく下落し、一時は10,000円に迫る勢いでしたが、それ以降は堅調に推移しています。
※引用:モーニングスター
利回りはどれくらい?
つづいて、たわらノーロード先進国株式の運用実績を見てみましょう。
直近1年間の利回りは5.33%で、3年、5年平均利回りは10%を超えていますので、インデックスファンドで、これくらいのリターンが期待できるのであれば、かなり優れたファンドのように見えます。
ただ、この段階で判断するのはやめてください。他のファンドとパフォーマンスを比較してから正しく判断するようにしましょう。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | +5.33% |
3年 | +16.61% |
5年 | +11.65% |
10年 | - |
※2022年10月時点
同カテゴリー内での利回りランキングは?
たわらノーロード先進国株式は、日本を除く海外カテゴリー属しています。
投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。
たわらノーロード先進国株式はどの期間でも上位30%以内にランクインしており、インデックスファンドとしてはかなりすごい順位です。
上位●% | |
1年 | 30% |
3年 | 11% |
5年 | 10% |
10年 | - |
※2022年10月時点
年別のパフォーマンスは?
つづいて、たわらノーロード先進国株式の年別のパフォーマンスを見てみましょう。
2018年、2022年はマイナスとなりましたが、それ以外の年ではしっかりプラスの運用ができています。
インデックスファンドに投資をしていて、これだけ2桁プラスが出るのであれば、文句は
出ないですね。
短期で見ると、マイナスの年もありますが、長期で保有すれば安定的にプラスが出ますので、くれぐれも直近のパフォーマンスが悪いからといって、すぐに解約するのはやめてください。
年間利回り | |
2022年 | ▲5.19%(1-9月) |
2021年 | +38.33% |
2020年 | +8.98% |
2019年 | +28.77% |
2018年 | ▲11.10% |
2017年 | +18.60% |
2016年 | +3.02% |
※2022年10月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは類似ファンドとのパフォーマンスの差は?
インデックスファンドに投資をするのであれば、同じベンチマークを採用している他のファンドとのパフォーマンスの比較は事前にしておきたいところです。
今回は、たわらノーロード先進国株式と同じようにMSCIコクサイ・インデックスを採用している他ファンドとのパフォーマンスを比較してみました。
※引用:モーニングスター
ほぼほぼどのファンドも同じパフォーマンスですが、わずかにeMAXIS Slim先進国株式インデックスがリードしています。たわらノーロード先進国株式(赤線)はニッセイ外国株式インデックスよりはパフォーマンスで上回っていますね。
同じ指数に連動するファンドなのになぜ?と思うかもしれませんが、これが実質コストの差です。コストがかかっていない分、eMAXIS Slim先進国株式インデックスのパフォーマンスが高いということです。
ただ、見てわかる通り、3年間でのパフォーマンスの差はわずかであり、あなたがよく利用する証券会社で取り扱いのあるファンドを選択すれば十分です。
たわらノーロードシリーズのパフォーマンスの差は?
たわらノーロード先進国株式への投資を検討している人であれば、それ以外のカテゴリ―のインデックスファンドとのパフォーマンスの差はどうなのだろうと気になると思います。
そこで、たわらノーロードシリーズで人気の高いインデックスファンドとパフォーマンスを比較しました。
※引用:モーニングスター
僅差でたわらノーロードNYダウが一位で、たわらノーロード先進国株式は2位となっています。
一口に株式ファンドと言っても、内容によってパフォーマンスが全く変わりますので、慎重に選択してください。
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
世間ではインデックスファンドが正という風潮が強いため、アクティブファンドなど検討さえもしていないという方も多いと思います。
しかし、数は少ないですが、長期に渡り圧倒的な成果を残しているアクティブファンドも存在しており、インデックスファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。
そこで、今回は先進国株式のアクティブファンドである大和住銀DC海外株式アクティブファンドとパフォーマンスを比較しました。
※引用:モーニングスター
終始、大和住銀DC海外株式アクティブファンドのパフォーマンスが上回っていますが、直近はかなりパフォーマンスで競っています。
より長期のパフォーマンスになるとその差が顕著に出てきますね。
たわら先進国 | 大和住銀DC | |
1年 | +5.33% | ▲14.29% |
3年 | +16.61% | +17.0% |
5年 | +11.65% | +12.98% |
10年 | - | +17.63% |
※2022年10月時点
たわらノーロード先進国株式も優れたファンドですが、一部の資金はリスクを取って、アクティブファンドに投資をするというのも面白いと思います。
最大下落率はどれくらい?
投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気になるのが、最大どの程度、資産が下落する可能性があるのかという点かと思います。
下記に、ファンド設定来の最大下落率を期間別に集計したものを載せます。
たわらノーロード先進国株式は2020年1月~3月の3カ月で21.64%の下落を記録しています。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲15.06% |
3カ月 | ▲21.64% |
6カ月 | ▲15.97% |
12カ月 | ▲11.19% |
※2022年10月時点
こんなに下落するの?と思ったかもしれませんが、しっかり長期で保有すれば、プラスのリターンが出ていますので、急に相場が下げたからといって、焦って売ってしまわないようにしてください。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
評判はどう?
ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。
資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを購入しているということなので、評判がいいということになります。
2015年の新規設定以来、毎月資金流入しており、着実に純資産を増やしています。直近まで業界で最安値水準のコストだったのが流入の大きな要因だと言えるでしょう。
※引用:モーニングスター
たわらノーロード先進国株式の評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
先進国株式に投資ができるインデックスファンドは1本は持っておきたいところですので、たわらノーロード先進国株式は十分に選択肢の1つになってくると思います。
実質コストの差でわずかにeMAXIS Slim 先進国株式インデックスやニッセイ外国株式インデックスには遅れをとってはいますが、ほぼ誤差の範囲なので、そこまで気にする必要がありません。
ただ、今後のことを考えた場合、eMAXIS Slimシリーズは信託報酬の最安値を公言していますので、他のファンドが信託報酬を下げれば、ほぼ間違いなく追随するはずです。
そう考えると、eMAIXS Slim 先進国株式インデックスを保有しておけば、他社の信託報酬がどうのこうのと考える必要はなくなりますので、どちらも投資ができる証券会社なのであれば、Slimシリーズを選択するのが無難でしょう。
また、インデックスファンドも優れたファンドがありますが、アクティブファンドの中にもインデックスファンドをはるかに上回るパフォーマンスのファンドが何本も存在しています。
ですので、アクティブファンドにもどんなファンドがあるのか調べてみると良いと思います。
先進国株式ファンドのおすすめはどれ?10年平均利回りランキング ベスト20を発表!
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点