超低コストのインデックスファンドと言えば、必ず名前が挙がる三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズ。
今日は、その中でも、eMAXIS Slim国内株式(日経平均)を徹底分析していきます。
「eMAXIS Slim国内株式(日経平均)って投資対象としてどうなの?」
「eMAXIS Slim国内株式(日経平均)って持ってて大丈夫なの?」
「eMAXIS Slim国内株式(日経平均)より良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)の基本情報
投資対象は?
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)の投資対象は、日本の株式です。日経225の値動きを示す「日経平均トータルリターン・インデックス」をベンチマークとして、運用しています。
業種別の構成比率をいると、電気機器の比率が高くなっていますね。
※引用:マンスリーレポート
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)の現在の組入銘柄数は225銘柄で構成されており、組入上位10銘柄は以下のようになっています。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
つづいて、eMAXIS Slim国内株式(日経平均)の純資産総額を見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)の純資産総額は、現在約400億円です。運用期間が短いこともあり、純資産の伸びはそこそこですが、着実に純資産が増えていることからも、人気はあるファンドです。規模としても問題ないですね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託を運用する際には、購入時手数料や信託報酬以外にも、実際にはコストがかかっています。具体的には、株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用などが該当します。
これを実質コストと言いますが、実質コストが信託報酬よりもかなり高くなっていることもありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)の実質コストは0.148%となっており、日経225に連動するインデックスファンドの中ではコスト最安値の一角となっています。購入時手数料もかかりませんので、投資家にとっては、とても嬉しいですね。
購入時手数料 | なし |
信託報酬 | 0.143%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 0.148%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)の評価分析
基準価額をどう見る?
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)の基準価額を見てみましょう。
2021年、22年は横ばいでしたが、2023年は大きく上昇しており、日経平均30,000円突破の恩恵を大きく受けています。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
それでは、eMAXIS Slim国内株式(日経平均)の運用実績を見ていきます。
直近1年間の利回りは25.23%となっています。5年平均利回りも7%ありますので、悪くない運用ができていることがわかります。
ただし、この時点で良し悪しを判断するのは時期尚早です。他の類似ファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしましょう。
平均利回り | |
1年 | +25.23% |
3年 | +13.17% |
5年 | +7.70% |
10年 | ー |
※2023年10月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)は、国内大型グロースカテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。
利回りが良く見えても、実は同カテゴリー内では、ランキングが低かったということがよくあります。
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)は、全期間上位30%以内にランクインしており、インデックスファンドとしてはかなり優秀です。
上位●% | |
1年 | 26% |
3年 | 22% |
5年 | 22% |
10年 | ー |
※2023年10月時点
年別のパフォーマンスは?
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)の年別の利回りを見てみましょう。
年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。
まだ運用期間が短いですが、マイナス幅も抑えられており、プラスの年は2桁プラスの年も多くこれなら投資をしやすいですね。
年間利回り | |
2023年 | +23.69%(1-9月) |
2022年 | ▲7.53% |
2021年 | +6.36% |
2020年 | +18.12% |
2019年 | +20.57% |
※2023年10月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略インデックスファンドとのパフォーマンス比較
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)に投資をするかを考える上で、超低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスの比較は必須です。
パフォーマンスが大きく劣るようであれば、わざわざ高いコストを支払ってまで投資をする価値がないからです。
そこで、今回は、eMAXIS Slim国内株式(日経平均)と日経225に連動するニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
同じ日経225をベンチマークとしているので、当然の結果ではありますが、ほぼ互角のパフォーマンスです。信託報酬及び実質コストの差だけ、eMAXIS Slim国内株式(日経平均が上回りました。
あえて選ぶのであれば、eMAXIS Slim国内株式(日経平均ですが、メインの証券口座で取り扱いのあるほうを選べば十分なレベルの誤差です。
年平均利回り | eMAXIS Slim 日経平均 | ニッセイ日経 225 |
1年 | +25.23% | +25.03% |
3年 | +13.17% | +13.02% |
5年 | +7.70% | +7.56% |
10年 | ー | +9.99% |
※2023年10月時点
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)に投資をするかを検討するのであれば、アクティブファンドともパフォーマンスを比較しておきましょう。
投資信託は6000本以上ありますので、もっと優れたファンドが見つかるかもしれません。
今回は、国内の大型株カテゴリーで中長期で高いパフォーマンスを残している厳選投資とパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、ほぼ全期間において、eMAXIS Slim国内株式(日経平均)のパフォーマンスが上回っています。
これであれば、高いコストを支払わずにインデックスファンドに投資をした方が良いと言えます。
年平均利回り | eMAXIS Slim 日経平均 | 厳選投資 |
1年 | +25.23% | +27.48% |
3年 | +13.17% | +8.05% |
5年 | +7.70% | +5.79% |
10年 | ー | +13.60% |
※2023年10月時点
最大下落率は?
投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。
特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。
そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。
それでは、eMAXIS Slim国内株式(日経平均)の最大下落率を調べてみましょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲10.29% |
3カ月 | ▲19.21% |
6カ月 | ▲12.00% |
12カ月 | ▲10.14% |
※2023年10月時点
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)の最大下落率は2020年1月~2020年3月で▲19.21%となっています。20%くらいの下落は数年に1度くらいはあるので、慣れておく必要がありますね。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。
評判はどう?
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)の評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。
資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。
それでは、eMAXIS Slim国内株式(日経平均)の評判を見てみましょう。
思ったよりも、流出超過となっている期間もありますが、全体的に流入超過となっている月が多いです。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)はどちらも取り扱いがありますので、投資をする場合は積極的にこの制度を活用していきましょう。
NISA | iDeCo |
〇 | 松井証券 |
※2023年10月時点
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)の評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
インデックスファンドに投資をするのであれば、同じ日経225をベンチマークとする他のインデックスファンドよりもパフォーマンスで上回っていることが最低条件です。
その点、eMAXIS Slim国内株式(日経平均)は、コストも最安値水準にあり、パフォーマンスも他のファンドと比べれば、優れているため、十分投資対象になり得ます。
また他のアクティブファンドと比べても、カテゴリー内ではかなり上位に位置していますので、アクティブファンドにわざわざ投資をする必要もないでしょう。
直近10年程度は、日経225のパフォーマンスがかなり好調であることから、このくらいの利回りがずっと期待できるのでは?と思いがちですが、実際は、もっと悪くなることもあると思うので、年5~6%くらいが妥当な水準だと思って投資をするのがおすすめです。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点