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『ぶなの森』損保ジャパン・グリーン・オープン の評価や評判は?利回りはどう?

1999年に運用を開始したエコ・ファンドのぶなの森は国内ESG投資の草分け的な存在です。

近年では多くの投資家がESG投資に興味を持っていますが、果たして、損保ジャパン・グリーン・オープン 『愛称:ぶなの森』とはどのようなファンドなのか、徹底分析していきます。

「損保ジャパン・グリーン・オープン 『愛称:ぶなの森』って投資対象としてどうなの?」

「損保ジャパン・グリーン・オープン 『愛称:ぶなの森』って持ってて大丈夫なの?」

「損保ジャパン・グリーン・オープン 『愛称:ぶなの森』より良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。

損保ジャパン・グリーン・オープン 『愛称:ぶなの森』の基本情報

投資対象は?

損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』の投資対象は、日本の株式です。

国内ESG投資の草分け的な存在であり、環境問題に積極的に取り組む企業の中から、割安株を選定し、投資をしていきます。持続可能なインベストメントチェーン(投資の連鎖)の好循環を通じて、長期的な資産形成の実現と持続可能な社会の実現を目指しています。

ぶなの森はTOPIX(配当込み)をベンチマークとしており、中長期的にベンチマークを上回る成果を目指します。

業種別の構成比率をいると、電気機器の比率が高くなっていますね。


※引用:マンスリーレポート

損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』の現在の組入銘柄数は69銘柄で構成されており、組入上位10銘柄は以下のようになっています。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

つづいて、損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』の純資産総額を見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』の純資産総額は、現在約398億円です。運用期間は長いですが、パフォーマンスはあまり大したことがないので、純資産も400億円程度で収まっています。規模としては問題ないですね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託を運用する際には、購入時手数料や信託報酬以外にも、実際にはコストがかかっています。具体的には、株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用などが該当します。

これを実質コストと言いますが、実質コストが信託報酬よりもかなり高くなっていることもありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』の実質コストは1.706%となっており、割高です。何より購入時手数料もしっかり3.3%かかるので、投資をする際は慎重に判断してください。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.65%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.706%(概算値)

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

損保ジャパン・グリーン・オープン 『愛称:ぶなの森』の評価分析

基準価額をどう見る?

損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』の基準価額を見てみましょう。

2021年、2022年は横ばいでしたが、2023年は大きく上昇しました。日経平均が30,000円を大きく超えてきた恩恵を受けていますね。


※引用:ウエルスアドバイザー

利回りはどれくらい?

それでは、損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』の運用実績を見ていきます。

直近1年間の利回りは32.79%となっています。どの期間においても、6%以上の利回りはありますので、悪くないと言えます。

ただし、この時点で良し悪しを判断するのは時期尚早です。他の類似ファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしましょう。

平均利回り
1年 +32.79%
3年 +20.70%
5年 +6.69%
10年 +8.76%

※2023年10月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』は、国内大型バリューカテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

利回りが良く見えても、実は同カテゴリー内では、ランキングが低かったということがよくあります。

損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』は、思ったよりもランキングは低く、どの期間でも平均以下のランキングです。

上位●%
1年 89%
3年 73%
5年 82%
10年 60%

※2023年10月時点

年別のパフォーマンスは?

82%年別の利回りを見てみましょう。

年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。

2018年、2020年はマイナスとなっていますが、それ以外の年では、しっかりプラスの運用ができています。このくらいマイナスが少ない運用ができていると投資をしやすいですね。

年間利回り
2023年 +26.08%(1-9月)
2022年 +4..35%
2021年 +18.48%
2020年 ▲6.79%
2019年 +12.98%
2018年 ▲18.39%
2017年 +21.35%
2016年 +5.42%
2015年 +9.86%
2014年 +10.70%

※2023年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』に投資をするかを考える上で、超低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスの比較は必須です。

パフォーマンスが大きく劣るようであれば、わざわざ高いコストを支払ってまで投資をする価値がないからです。

そこで、今回は、損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』日経225に連動するニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを比較しました。


※引用:ウエルスアドバイザー

直近3年間では、ほぼ全期間において、損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』が大きくリードしています。

一方、5年、10年平均利回りでは、ニッセイ 日経225インデックスファンドのパフォーマンスのほうが優れており、この結果を見ると、あえて高いコストを支払ってまで、損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』に投資をするメリットを感じません。

年平均利回り 損保ジャパン・グリーン・オープン 『愛称:ぶなの森』 ニッセイ日経 225
1年 +32.79% +25.03%
3年 +20.70% +13.02%
5年 +6.69% +7.56%
10年 +8.76% +9.99%

※2023年10月時点

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』に投資をするかを検討するのであれば、アクティブファンドともパフォーマンスを比較しておきましょう。

投資信託は6000本以上ありますので、もっと優れたファンドが見つかるかもしれません。

今回は、国内の大型株カテゴリーで中長期で高いパフォーマンスを残している厳選投資とパフォーマンスを比較しました。


※引用:ウエルスアドバイザー

こちらも直近3年間においては、損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』が大きく差をつけています。

しかし、10年平均利回りでは、厳選投資のほうが大きく上回っており、長期で高いリターンを目指すのであれば、厳選投資を選択するのも悪くありません。

年平均利回り 損保ジャパン・グリーン・オープン 『愛称:ぶなの森』 厳選投資
1年 +32.79% +27.48%
3年 +20.70% +8.05%
5年 +6.69% +5.79%
10年 +8.76% +13.60%

※2023年10月時点

最大下落率は?

投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。

特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。

そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。

それでは、損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』の最大下落率を調べてみましょう。

期間 下落率
1カ月 ▲21.35%
3カ月 ▲35.27%
6カ月 ▲41.68%
12カ月 ▲45.62%

※2023年10月時点

損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』の最大下落率は2007年11月~2008年10月で▲45.62%となっています。リーマンショック級の下落が来たら、これくらいの損失は出ることを覚悟しておいてください。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

評判はどう?

損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』の評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。

資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。

それでは、損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』の評判を見てみましょう。

流入超過となっている月と流出超過となっている月が同じくらいであり、お世辞にも評判が良いとは言えません。中長期のパフォーマンスでインデックスファンドに負けてしまっているので、ある意味仕方のないことかもしれませんね。


※引用:ウエルスアドバイザー

NISAとiDeCoの対応状況は?

投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。

損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』はNISAのみ取り扱いがありますので、投資をする場合は積極的にこの制度を活用していきましょう。

NISA iDeCo
〇 損保ジャパンDC証券、みちのく銀行、大垣共立銀行

※2023年10月時点

損保ジャパン・グリーン・オープン 『愛称:ぶなの森』の評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

アクティブファンドに投資をするのであれば、最低限、インテックスファンドよりもパフォーマンスが上回っている必要があります。

しかし、損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』は、直近数年はインデックスファンドに勝ってはいますが、長期の利回りでは負けてしまっています。

そうすると、あえて高いコストを支払って、損保ジャパン・グリーン・オープン 『ぶなの森』に投資をする理由がありません。

「エコファンド」「ESG投資」と聞くと、自分が持続的な社会の実現に貢献しているような気分になれますので、そういった気分を感じたい人は投資をしてもいいですが、こういったテーマ型ファンドの大半はインデックスファンドにパフォーマンスでは勝てません。

ですので、パフォーマンスを重視するなら、インデックスファンドで十分ですし、何かしら崇高な目的を持って投資をしたいという人は、ぶなの森に投資をしてみるのもいいかもしれませんね。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点

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ネコみたいに気楽に生きたい投資マニア いのねこ

【理論より実践】で役立つ投資情報を配信中。投資歴20年超。元大手証券マン。投資経験は100案件超。 【保有資格】1級ファイナンシャルプランニング/プライマリープライベートバンカー/MBA/証券外務員一種/宅地建物取引士/AFP/相続診断士/競売不動産取扱主任者/

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