ニッセイアセットマネジメントが運用する、ニッセイAI関連
株式ファンド『AI革命』。
三井住友アセットマネジメントのグローバルAIと並んで、
非常に人気のあるファンドです。
「ニッセイAI関連株式ファンドって投資対象としてどうなの?」
「ニッセイAI関連株式ファンドって持ってて大丈夫なの?」
「ニッセイAI関連株式ファンドより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。
AI革命は為替ヘッジあり/なし、年1回決算/年2決算の組み合わせで
計4コースありますが、今日は一番人気の高い年1回決算の
AI革命(為替ヘッジ無)を見ていきたいと思います。
それ以外のコースを検討の方にも参考になるように書いて
いますので、ご安心ください。
ニッセイAI関連株式ファンド『AI革命(為替ヘッジなし)』の基本情報
投資対象は?
投資形態はファンド・オブ・ファンズで、世界的な運用会社で
あるTCWインベストメント・マネジメント・カンパニーが設定
・運用するケイマン籍投資信託を通じて世界中のAI関連企業の
株式に投資しています。
AI関連企業というのは、AIに関する製品やサービスを
開発・提供している企業のことです。
AIを使って銘柄選定などをしているAIファンドとは異なり
ますので、注意してください。
国別の投資比率を見ると、90%近くがアメリカの企業と
なっており、現状、日本企業は含まれていません。
現在は52銘柄に投資をしています。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を
入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少
していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬ
マイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。
ニッセイAI関連株式ファンド『AI革命(為替ヘッジなし)』は、
現在、500億円ほどになっており、2018年以来、純資産が減少
しつづけていましたが、コロナショック後に回復しています。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。
そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
『AI革命(為替ヘッジなし)』の実質コストは1.89%と
なっており、かなりコストが高くなっています。
ケイマン籍投資信託に投資するだけで年間0.6%ものコスト
が生じていますので、コストを支払う価値があるのか試され
ていると言えますね。
購入時手数料 | 3.3%(税込)※上限 |
信託報酬 | 1.8925%(税込) |
信託財産留保額 | 0 |
実質コスト | 1.89%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り
ニッセイAI関連株式ファンド『AI革命(為替ヘッジなし)』の評価分析
基準価額の推移は?
AI革命(為替ヘッジなし)の直近の基準価額は、
コロナショック後に急上昇しています。
これだけ上昇幅が大きいとコロナショックでの下落
があまりインパクトがないように見えてしまいますね。
テクノロジー関連株が今の相場を牽引していますので、
その恩恵を受けた形ですね。
※引用:モーニングスター
利回りはどれくらい?
続いて、AI革命(為替ヘッジなし)の利回りを見ていきます。
直近1年間の利回りは25.56%となっています。
3年平均利回りも20%近いパフォーマンスとなっており、
非常に優秀です。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | 25.56% |
3年 | 18.13% |
5年 | – |
10年 | – |
※2020年8月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している先進国株式(特定地域)ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
AI革命(為替ヘッジなし)は北米株式カテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォ
ーマンスのファンドに投資をしたいと思うので、同カテゴリー
内でのパフォーマンスのランキングを調べました。
AI革命(為替ヘッジなし)は、競合ひしめく米国株カテゴリー
において、常に上位10%に入る好成績を残しています。
上位●% | |
1年 | 7% |
3年 | 9% |
5年 | – |
10年 | – |
※2020年10月時点
年別のパフォーマンスは?
AI革命(為替ヘッジなし)の年別のパフォーマンスを見てみましょう。
2018年はマイナスで終わりましたが、多くのファンドで10%超
のマイナス幅を記録した中で、かなり健闘したほうだと言えます。
年間利回り | |
2020年 | 16.65%(1-6月) |
2019年 | 32.08% |
2018年 | ▲6.97% |
2017年 | 28.70% |
※2020年8月時点
考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。
ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。
>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略
インデックスファンドとのパフォーマンス比較
AI革命(為替ヘッジなし)への投資を検討するのであれば、
少なくとも低コストのインデックスファンドよりはパフォー
マンスが優れていなければ投資する価値がありません。
AI革命(為替ヘッジなし)は、米国株に投資をしていきます
ので、米国の代表的な指数であるS&P500に連動する
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と比較をしました。
※引用:モーニングスター
コロナ前まではeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が優位でしたが、
コロナショック後はAI革命(為替ヘッジなし)が大きく差を
広げています。
こういった下落相場では、銘柄の出し入れを自由に行えるアクティブ
ファンドがまさに強みを発揮しますね。
AI革命ヘッジ無 | Slim 米国株式 | |
1年 | 25.56% | 5.36% |
3年 | 18.13% | – |
5年 | – | – |
10年 | – | – |
※2020年8月時点
類似ファンドとのパフォーマンス比較
アクティブファンドに投資をするのであれば、他のアクティブ
ファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。
今回は、AI革命(為替ヘッジなし)と同じように米国株に
投資をしているアライアンス・バーンスタインの
米国成長株投信Bコースとパフォーマンスを比較しました。
※引用:モーニングスター
ほぼ互角ですね。
とはいえ、アライアンスバーンスタインの米国成長株投信
も相当優秀なファンドです。
この2本であれば、どちらも投資対象として候補にあがって
おかしくないファンドですね。
AI革命ヘッジ無 | 米国成長株B | |
1年 | 25.56% | 22.20% |
3年 | 18.13% | 18.26% |
5年 | – | 12.34% |
10年 | – | 18.65% |
※2020年8月時点
為替ヘッジ有と無のパフォーマンス比較
AI革命(為替ヘッジなし)への投資を検討している人も、
為替ヘッジ有と無のどちらが良いのか悩む人もいると
思います。
私のスタンスとしては、そもそも今後の長期の為替の
予想をすることは不可能に近いので、わずかな金額
ではありますが、ヘッジコストがかからない為替ヘッジ無
で良いと思っています。
ただ、為替リスクがどうしても気になる人は為替ヘッジ有
を選択すればよいでしょう。
実際、この2ファンドのパフォーマンスを比較してみました。
※引用:モーニングスター
直近3年間の運用では、AI革命(為替ヘッジなし)のほうが
パフォーマンスで上回っています。
ただ、あくまでも為替がヘッジ無しに有利に働いただけなので、
今後はどうなるかわかりません。
AI革命ヘッジ無 | AI革命ヘッジ有 | |
1年 | 25.56% | 26.71% |
3年 | 18.13% | 17.45% |
5年 | – | – |
10年 | – | – |
※2020年8月時点
最大下落率はどれくらい?
投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が
気になるのが、最大どの程度、資産が下落する可能性がある
のかという点かと思います。そこで過去の最大下落率を見て
みます。
AI革命(為替ヘッジなし)は2018年10月~12月の3カ月間で
最大19.53%近く下落ました。
まだ運用期間も短いので、この程度で済んでいますが、今後
30~40%近い下落も起こり得ると思っておいたほうがよいで
しょう。
一番、やってはいけないのが、大きく下落したタイミングで
精神的に耐えられずに売却してしまうことです。
それを防ぐためには、事前にどの程度下落するかを把握して
おくことで、もし大きな下落相場がきても焦って売却する
リスクを抑えることができます。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかも
しれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの
可能性を限りなく低くすることが可能です。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲13.41% |
3カ月 | ▲19.53% |
6カ月 | ▲15.17% |
12カ月 | ▲6.97% |
※2020年8月時点
評判はどう?
AI革命(為替ヘッジなし)の評判はネットでの書き込みなどで
調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、
月次の資金流出入額です。
資金が流入しているということは、それだけAI革命
(為替ヘッジなし)を購入している人が多いということ
なので、評判が良いということです。
近年、パフォーマンスがかなり改善されてきていますが、
資金は流出が続いており、評判はそこまでです。
もう少し評価をされても良いと思いますね。
※引用:モーニングスター
ニッセイAI関連株式ファンド『AI革命(為替ヘッジなし)』の今後の見通しは?
メガトレンドとなっているAIはまだまだ有望な領域と言えます。
特にアメリカのシリコンバレー銘柄は、相当にバリュエーションが
高くなりつつあると言えど、今後の伸びしろを考えても投資価値は
あると考えられます。
また、AI関連銘柄は2018年10月末の株式市場の暴落時に
おいても、他のセクターと比較して下落は限定的でしたし、
今回のコロナショックでもその底堅さを感じれました。
これらを勘案すると、コストが高い点だけが非常に残念ですが、
AI革命(為替ヘッジなし)はeMAXIS Slim 米国株式と比較を
しても優れた成果を残していますし、
優秀なアクティブファンドと比較をしても遜色ないパフォー
マンスですので、検討する価値のある1本と言えますね。
当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。
その理由をこちらで話をしています。
>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点