先進国高利回り債券と聞くと、複数の先進国に分散投資をしていく
イメージを持つ人が多いと思いますが、この先進国高金利債券ファンド
『グローバル・トップ』はその時々で金利の高い国の債券に集中して
投資をしていく珍しい運用を行っています。

なかなか債券ファンドで思うようなパフォーマンスを出せている
ところは少ないですが、グローバル・トップはどうなのでしょうか?

グローバルトップには、毎月決算型と年1回決算型がありますが、
今日は、人気の高い毎月決算型を中心に分析していきます。

年1回決算型を保有している人もしくは、購入を検討している人にも
参考になるように分析していますので、参考にしてくださいね。


先進国高金利債券ファンド『グローバル・トップ』の基本情報

投資対象は?

グローバル・トップの投資対象は、世界主要国の国債、政府保証債、
国際機関債等です。

先進国の中で、利回りが相対的に高い国を複数選定し、重点配分する
ことで利子収入の獲得を目指します。

現在の国別の構成比を見ると、オーストラリアとニュージーランドに
偏っていることがわかります。

組入られている債券の格付けを見てみると、AAA格のみで
構成されており、信用リスクはほぼないと言えます。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

続いて、グローバル・トップ の純資産総額はどうなっているか
見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性
がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

グローバル・トップ は一時期1200億円を超えていましたが、
直近では500億円前後を推移しています。

規模の大きさとして問題はなさそうです。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

グローバル・トップ の実質コストは1.25%とカテゴリー内では
平均的な水準です。

ただ、そもそもそこまで高くないリターンしか期待できない中で、
1.25%も手数料を取られては、投資家の利益が全然出ません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.2%(税込)
信託報酬 1.21%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.25%(概算値)

※引用:最新の運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

先進国高金利債券ファンド『グローバル・トップ』の評価分析

基準価額をどう見る?

グローバル・トップの基準価額は、3年間で10%近く上昇しています。

一方、分配金再投資基準価額(青線)を見ると、3年間で
約20%は上昇していますので、直近3年間は分配金を受け取りつつ、
さらに運用益が出ていることがわかります。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

グローバル・トップ の直近1年間の利回りは2.08%となっており、
3年平均利回りが+6.27%、5年平均利回りが+5.20%となっています。

直近1年を除くと海外債券カテゴリーで上位30%以内の
パフォーマンスなので、優れた結果を残していますね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 +2.08% 89%
3年 +6.27% 10%
5年 +5.20% 8%
10年 +5.26% 34%

※2021年10月時点

標準偏差は?

標準偏差は基準価額の変動の大きさを比較するときに役立ちます。

グローバル・トップの標準偏差は日本株式ファンドや海外株式ファンドと
比較すると約3分の1程度の変動に抑えられており、リスクを抑えて、
運用したい人にとってはおすすめです。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 4.84 73%
3年 4.20 54%
5年 5.29 54%
10年 9.42 83%

※2021年10月時点

年別の運用パフォーマンスは?

グローバル・トップの年別のパフォーマンスを見てみると、
マイナスリターンとなっている年も多々あります。

ですので、投資をする際は、毎年安定してプラスが出る
わけではないことを前提に投資をしてください。

年間利回り
2021年 +1.21%(1-6月)
2020年 +13.83%
2019年 +5.04%
2018年 ▲2.40%
2017年 +6.28%
2016年 ▲2.21%
2015年 ▲7.62%
2014年 +16.09%

※2021年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

類似ファンドの実質コスト比較

高いコストを支払ってまでアクティブファンドに投資をするのであれば、
低コストのインデックスファンドとのパフォーマンスを比較しておいて、
損はありません。

今回は、先進国債券の代表的なインデックスファンドである、
eMAXIS Slim 先進国債券インデックスとグローバル・トップを
比較してみました。

結果は終始、グローバル・トップが勝っています。
これでは、あえて高いコストを支払ってでも投資をする価値が
ありますね。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

投資を検討するうえで、標準偏差などから、価格変動の範囲をある
程度は予想できますが、やはり実際に下落した度合いをみたほうが
イメージがわきます。

グローバル・トップ は2013年5月~2013年7月の間に最大▲12.45%
下落しています。

先進国債券であれば、これぐらいの下落率で済むでしょう。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲8.82%
3カ月 ▲12.45%
6カ月 ▲10.12%
12カ月 ▲11.56%

※2021年10月時点

分配金の推移は?

続いて、分配金の推移を見ていきましょう。

グローバル・トップは、2019年ごろから毎月35円の分配金を出し
続けていましたが、現在では20円に切り下げられました。

基準価格に対する分配金の割合を示す分配利回りは3%と
かなり健全な水準になっていますので、ここから大きく
減配される心配はないでしょう。

このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
129期 20円 11円 368円
130期 20円 4円 364円
131期 20円 4円 360円
132期 20円 0円 370円
133期 20円 11円 358円
134期 20円 5円 353円

評判はどう?

グローバル・トップの評判はネットでの書き込みなどで調べる
方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の
資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけグローバル・トップ
を購入している人が多いということなので、評判が良いということです。

グローバル・トップ は、2017年~2018年は一次的に資金の
流入超過となっていましたが、2018年からはまた流出超過と
なっています。

毎月分配型ファンドに対する風当たりはやはり強いですね。


※引用:モーニングスター

先進国高金利債券ファンド『グローバル・トップ』の今後の見通し

先進国の債券に投資をしていくのであれば、大きな失敗をすることは
ないと思います。

直近ではパフォーマンスも改善しており、低コストのインデックス
ファンドよりもパフォーマンスで上回っています。

これであれば高いコストを支払ってでも投資をする価値が出てきます。

ただ、債券ファンドの場合は、債券を満期まで保有するわけでなく、
途中で売却して、新しい債券を買い直すこともありますので、運用が
うまく行かないとマイナスが生じます。

債券ファンドに投資するような人は、手堅く資産を増やしたい人ですので、
債券ファンドのように、マイナスになる可能性があるものより、米国債等に
直接投資をして、満期まで保有し、着実に収益を得るという戦略のほうが
良い結果となると思います。

販売会社が儲からないので、積極的に紹介はしていませんが、SBI証券など
のネット証券でもタイミングによっては、出回りますので、定期的に
チェックをしていれば、米国債を購入することはできますよ。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点