大和証券投資信託が設定するロボット・テクノロジー関連株
ファンド『ロボテック』。

 

この投資信託が投資対象とするロボティクス関連企業の株式は、
AIやヘルスケアと並んで投資家に人気のテーマのひとつです。

 

今日は、ロボテックについて徹底的に分析していきたいと思います。

 

 

ロボット・テクノロジー関連株ファンド『ロボテック』の基本情報

投資対象は?

ロボテックの投資対象は、日本を含む世界のロボット関連企業の
株式に投資をします。

 

ロボット関連企業とは、ロボット・テクノロジーの開発や製造など
により、ビジネスを展開する企業です。

 

もう少し具体的な例を出すと下図のようなビジネスを展開する企業
ですね。

 

少子高齢化による労働力不足、高成長を続ける新興国の労働力代替、
医療技術発展への寄与など、ロボット技術の成長への期待と需要は
年々高まっており、ロボット製品を提供する企業の株式は大変有望です。

 

このような銘柄を投資対象とすることは、時宜を捉えていると
言えるでしょう。

 

※引用:交付目論見書

 

ロボテックの組入銘柄数は58銘柄で、6割が米国となっています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

組入上位銘柄を見てみると、ほとんどがアメリカの企業と
なっており、キーエンスとTSMCだけ日本と台湾の
企業となっています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

運用の特徴は?

ロボテックの実質的な運用者は、フランスの大手保険系運用会社
であるアクサ・インベストメント・マネージャーズです。

 

同社はグローバル株式運用に定評があります。

 

ところが残念なことに、ロボテックは昔ながらの非効率かつ高コスト
な設計のファンドです。

 

ロボテックはアクサ・インベストメント・マネージャーズが運用する
「アクサIM・グローバル・ロボット関連株式ファンド(為替ヘッジ無し)
(適格機関投資家専用)」にほぼ100%投資し、そこからマザーファンド
を通じて運用対象の株式を買い付けています。

 

※引用:交付目論見書

 

これならば、「アクサIM・グローバル・ロボット関連株式ファンド」
を公募ファンド化して投資家はそれを買い付けるようにすればコスト
の大幅な削減につながります。

 

しかし、このような二重構造にした理由は設定当初の最大の販売会社
である大和証券の思惑が働いているように思えます。

 

すなわち、投資家とアクサ・インベストメント・マネージャーズとの
間に大和証券系列の運用会社を挟むことで、投資家から報酬を中抜き
してグループ全体の利益を最大化しようとしているのです。

 

純資産総額は?

続いて、ロボテックの純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額
だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替
えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

ロボテックの純資産残高は2015年の設定以来、右肩上がりに上昇して
いましたが、2018年に入ってからはパフォーマンスが優れず、4000億
あった純資産も3000億円をきりました。それでも、2,800億円はあり
ますので、十分おおきなファンドと言えますね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

ロボット・テクノロジー関連株投資信託『ロボテック』の実質コストは
1.815%となっており、カテゴリーの中では、平均的な水準です。

 

ただ、上述の通り、理解しがたい二重構造になっていることにより、
投資家としてはコスト増になってしまっています。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.815%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.815%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

ロボット・テクノロジー関連株ファンド『ロボテック』の評価分析

基準価格をどう見る?

ロボット・テクノロジー関連株投資信託『ロボテック』の基準価額は
2018年に20%近い下落を見せましたが、2019年にはそれをはるかに
上回る勢いで上昇しました。

 

ロボット関連銘柄の底堅さを物語っています。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

ロボテックの直近1年間の利回りは+36.02%で、海外株式カテゴリー
でも上位1割に入っています。3年平均利回りも14.82%で
同カテゴリー内で上位10%内にランクインしており、非常に
優れた結果を残しています。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 36.02% 7%
3年 14.82% 7%
5年
10年

※2020年1月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

 

標準偏差は?

標準偏差は基準価額の変動幅の大きさを把握するのに役立ちます。

 

直近のロボテックの標準偏差は22で先進国株式ファンドと比べると
約1.5倍の変動をすることがわかります。

 

パフォーマンスは十分優れているのですが、この価格の変動の大きさは
投資家からするとかなり精神的につらい時があるでしょう。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 22.34 92%
3年 18.90 98%
5年
10年

※2020年1月時点

 

年別のパフォーマンスは?

ロボテックの四半期別のパフォーマンスを見てみましょう。

 

2018年は18%とかなり大きく下落しましたが、2019年には
下落分を余裕で取り戻す成果を残しています

年間利回り
2019年 36.02%
2018年 ▲18.30%
2017年 36.22%
2016年 7.36%
2015年
2014年

※2020年1月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、低コストの
インデックスファンドとパフォーマンスを比較しておいて
損はありません。

 

今回は、代表的な先進国株式ファンドであるeMAXIS slim
先進国株式インデックス
と比較しました。

 

また、ロボット関連企業に同じく投資しているファンドと
パフォーマンスを比較しています。

 

結果は、eMAXIS Slim先進国株式インデックスと比べると
ロボテックもiTrustロボも高いパフォーマンスとなって
いることがわかります。

 

ロボット関連銘柄ファンド同士を比較すると、iTrust ロボ
のほうがかなりパフォーマンスでは上回っているようです。

 

ここまで差があると、iTrustロボに投資をするほうがよいですね。

 


※引用:モーニングスター

 

分配金の推移は?

ロボテックの分配金の推移を見てみましょう。

 

パフォーマンスが良かった2017年~2018年にかけては、300円超の
分配金が年2回出ています。

 

2019年は分配金が出ると思いましたが、結局分配はありませんでした。

 

また、このブログでは何度も言っていますが、分配金は受け取らずに
再投資したほうが投資効率は確実に高くなります。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2019年 0円
2018年 300円
2017年 1,250円
2016年 0円

※2020年1月時点

 

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知る
うえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

 

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入
している人が多いということなので、評判がいいということです。

 

ロボテックは、2018年頭までは順調に資金流入が続いていましたが、
パフォーマンスの悪化とともに、直近では資金が流出超過となりました。

 

2019年は引き続き資金流出が続いており、評判が落ちていますが、
パフォーマンスから考えても、そこまで流出する理由がわかりません。

 

先進国株式インデックスに何も考えずに投資するよりもはるかに
高いパフォーマンスが期待できますね。

 


※引用:モーニングスター

 

ロボット・テクノロジー関連株ファンド『ロボテック』の今後の見通し

すでに日本や米国の株価バリュエーションは相当に高い水準に
あると考えられることから、「ロボテック」に限らず株式型の
ファンドはこれまでのような伸びは期待できないと考えます。

 

また、米中貿易戦争などの政治リスクによる突発的な暴落も気がかりです。

 

しかし、ロボティクス技術は今後の世界的な課題を解決する手段の
ひとつとして、まだまだ需要があり、本ファンドが投資する企業の
業績も順調に伸びるものと予想します。

 

よって、仮に株式市場に「○○ショック」のような事態が生じて
大幅に下落したとしても、「ロボテック」が投資するような銘柄の
下値圧力は限定的であり、ダウンサイドリスクに強いファンドとして
機能すると考えます。

 

コストとファンドのストラクチャーについては疑義があるものの、
「ロボテック」のテーマについてはポジティブに捉えられます。

 

パフォーマンスもインデックスファンドを大きく突き放しているので、
今後に期待したいファンドですね。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点