このところ純資産総額が急激に増えている明治安田 J-REIT
戦略ファンド(毎月分配型)『愛称:リート王』。

 

ここ数年で3~4倍純資産が増えています。なぜこんなに
大人気になったのでしょうか?

 

そこには、他のファンドとは一味違った分配金の出し方を
している明治安田アセットの戦略が見え隠れします。

 

今日はリート王について詳しく見ていきましょう。

 

 

明治安田 J-REIT戦略ファンド(毎月分配型)『愛称:リート王』の基本情報

投資対象は?

リート王は、日本の金融商品取引所に上場されているリート(不動産
投資信託証券)と日本国債に投資をしていきます。

 

少額から投資ができて、自分ではまず直接投資ができないような
オフィスビルやホテルにも分散投資ができるということで、不動産
投資にもともと興味がある人にとても人気があります。

 


※引用: 交付目論見書

 

投資先の内訳を見ると、オフィス不動産が一番多く、次いで、
工業用不動産が続きます。

 

このような一般の投資家が自分では投資できないような投資
先に投資ができるのが魅力ですね。

 

純資産総額は?

純資産総額は投資信託を見極める際にとても大切なポイ
ントです。

 

純資産総額が多いと、思い通りにポートフォリオを組み
替えられますが、純資産総額が小さいと、銘柄をタイミ
ングよく入れ替えることができなかったりします。

 

またコストの面から見ても、ファンドが小さいとコストが
嵩みます。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

リート王の純資産総額は、約300億円を超えてきており、
2017年以降の急激な純資産の増加が特に目にとまります。

 

主な要因としては、分配金をかなり大きく増加させていた
ことが要因ですね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

投資信託にかかる費用について、販売時の手数料・信託
報酬・解約時の信託財産保留金以外にも費用がかかること
を知っていますか?

 

これを実質コストと言います。

 

実質コストは売買時の手数料や取引の際の税金、保管費用などが
含まれており、信託報酬だけを見て、ファンドを比較していると
落とし穴にはまることがあります。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

リート王の実質コストは、信託報酬と比較して、0.1%程度
上乗せされており、内訳を見てみると、売買委託手数料と
なっていましたので、資金流入に伴う買い付けコストが
上乗せされたと考えられます。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 0.99%(税込)
信託財産留保額 0.2%
実質コスト 1.08%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

明治安田 J-REIT戦略ファンド(毎月分配型)『リート王』評価分析

基準価額の推移は?

リート王の基準価額はこの3年間緩やかな下落傾向でしたが、
コロナショックの影響で、20%ほど下落をしています。

 

一方で、分配金を受け取らずに再投資して運用した場合の
基準価額(青線)を見てみると、右肩上がりに成長している
ことがわかりますので、

 

基準価額がほとんど上昇していないところから見ても、かなり
高い分配金が分配されていることがわかります。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

リート王の利回りは1年平均利回りが▲11.35%と2桁のマイナス
となっています。しかし、J-REITカテゴリーでは、上位10%
以内にランクインしており、いかにJ-REIT市場が今回のコロナ
ショックでやられたかがわかります。

 

3年、5年平均利回りはなんとかプラスを維持しており、
同カテゴリー内で、上位10%以内に入っていますので、
パフォーマンスは同カテゴリー内ではかなり優秀である
と言えます。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲11.35% 6%
3年 +1.28% 10%
5年 +1.57% 11%
10年

※2020年4月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出しているJリート ランキング

 

標準偏差は?

標準偏差は基準価額の変動幅の大きさを比較するときに
役立ちます。

 

リート王の平常時の標準偏差は7~8程度です。しかし、
今回のコロナショックで標準偏差が23まで跳ね上がり
ました。

 

ここから言えることはJ-REITというのは、コロナショック
のような暴落が起きた場合に、基準価額がかなり大きく
下落するということです。

 

株式並みに変動幅が跳ね上がりますので、不動産への
投資だと思って甘く見ていると間違いなく痛い目に遭います。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 23.33 4%
3年 14.63 4%
5年 12.38 4%
10年

※2020年4月時点

 

年別のパフォーマンスは?

リート王の年別のパフォーマンスを見てみましょう。

 

プラスの年とマイナスの年が交互にきています。他の
J-RIETファンドであれば、利益を相殺してしまうような
運用しかできていませんが、リート王の場合はしっかり
プラスのリターンが出るような運用ができています。

 

相対的に見ても、他のJ-REITと比べると優れた運用が
できていると言えますね。

年間利回り
2020年 ▲22.64%(1-3月)
2019年 +24.57%
2018年 +11.58%
2017年 ▲5.65%
2016年 +8.45%
2015年 ▲1.97%
2014年 +22.89%

※2020年4月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

リート王への投資を検討するのであれば、インデックス
ファンドとのパフォーマンス比較はしておきたいところです。

 

今回は、ニッセイ Jリートインデックスファンドとパフォー
マンスを比較してみました。

 

結果は、わずかですが、リート王のほうがパフォーマンス
で勝っています。

 

なかなかインデックスファンドに勝てないJリートファンドが
多いので、これは高評価です。

 


※引用:モーニングスター

 

最大下落率は?

リート王に投資をする前に、最大でどの程度下落する
可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

 

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、
大きく下落した相場でも落ち着いて保有を続けられる
からです。

 

それではリート王の最大下落率を見てみましょう。

 

最大下落率は2019年10月~2020年3月までの6カ月間で
▲23.42%下落しています。やはり今回のコロナショックで
J-RIETは大きなダメージを受けたことがよくわかりますね。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲18.09%
3カ月 ▲22.64%
6カ月 ▲23.42%
12カ月 ▲11.35%

※引用:2020年4月時点

 

分配金は?

リート王の分配金は2017年5月から毎月200円となっていま
したが、2019年6月からは分配金が120円に減配されました。

 

これまで分配金利回りが高すぎたので、当然と言えば当然
なのですが、分配金利回りの高さに多くの投資家が飛びついた
ので、ある意味、明治安田の戦略通りと言えます。

 

減配して120円になったとは言え、いまだ分配金利回りはかなり
高いですし、分配金余力も20カ月程度であり、そこまで余裕は
ありませんので、近々減配されてもおかしくありません。

 

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
94期 120円 2,517円
95期 120円 2,901円
96期 120円 2,950円
97期 120円 3,399円
98期 120円 101円 3,301円
99期 120円 110円 3,193円

評判はどう?

次にリート王の評判を見てみましょう?

 

資金の流出入額はファンドの評判を確認する上で役に立ちます。
資金が流入超過になっているということは、それだけ多くの投資家
がファンドを購入しているということになります。

 

リート王は、どんどん資金流入額が増加しており、まさに評判が
どんどん上り調子でしたが、2019年末以降は、資金流出に転じて
います。

 

今の分配を続けていれば、今年中にも減配される可能性があります
ので、さらに資金流出は続くでしょう。

 


※引用: モーニングスター

 

明治安田 J-REIT戦略ファンド(毎月分配型)『愛称:リート王』の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

 

Jリート自体は、毎年5~6%の安定的なリターンを期待できる
投資先として十分魅力があると思っています。

 

ただ、インデックスファンドに勝てないアクティブファンドが
ほとんどであり、なかなかオススメできません。

 

その点、リート王は、ニッセイ Jリートインデックスファンドにも
勝っており、評価できますが、毎月分配型になっている点でかなり
評価が下がります。

 

何より、投資家からの資金を集めるという目的だけのために、
分配金を異常に高くして、見かけの分配金利回りを高くする手口は
私は好みません。

 

毎月分配型でなければ、十分投資する対象として、期待が持てましたが、
これではダメですね。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点