異常に高い分配金で注目を集めている明治安田アセットマネジメントの
明治安田 J-REIT戦略ファンド(毎月分配型)『愛称:リート王』

ここ数年で純資産が増えていますが、なぜこんなに大人気に
なったのでしょうか?

そこには、他のファンドとは一味違った分配金の出し方をしている
明治安田アセットの戦略が見え隠れします。

「リート王って持ってて大丈夫なの?」

「リート王って投資対象としてどうなの?」

「リート王より良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。

今日はリート王について独自目線で、徹底分析していきます。


明治安田 J-REIT戦略ファンド(毎月分配型)『愛称:リート王』の基本情報

投資対象は?

リート王は、日本の金融商品取引所に上場されているリート(不動産
投資信託証券)と日本国債に投資をしていきます。

少額から投資ができて、自分ではまず直接投資ができないような
オフィスビルやホテルにも分散投資ができるということで、不動産
投資にもともと興味がある人にとても人気があります。


※引用: 交付目論見書

投資先の内訳を見ると、オフィス不動産が一番多く、次いで、
各種不動産が続きます。

このような一般の投資家が自分では投資できないような投資
先に投資ができるのが魅力ですね。※引用:マンスリーレポート

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

つみたてNISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

そこで、つみたてNISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

つみたてNISA iDeCo
× ×

※2021年9月時点

純資産総額は?

純資産総額は投資信託を見極める際にとても大切なポイント
です。

純資産総額が多いと、思い通りにポートフォリオを組み
替えられますが、純資産総額が小さいと、銘柄をタイミ
ングよく入れ替えることができなかったりします。

またコストの面から見ても、ファンドが小さいとコストが
嵩みます。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

リート王の純資産総額は、約300億円を超えてきており、
2017年以降の急激な純資産の増加が特に目にとまります。

主な要因としては、分配金をかなり大きく増加させていた
ことが要因ですね。

ファンドの規模としては全く問題ありません。

※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託にかかる費用について、販売時の手数料・信託
報酬・解約時の信託財産保留金以外にも費用がかかること
を知っていますか?

これを実質コストと言います。

実質コストは売買時の手数料や取引の際の税金、保管費用などが
含まれており、信託報酬だけを見て、ファンドを比較していると
落とし穴にはまることがあります。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

リート王の実質コストは、信託報酬と比較して、0.1%程度
上乗せされており、内訳を見てみると、売買委託手数料と
なっていましたので、資金流入に伴う買い付けコストが
上乗せされたと考えられます。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 0.99%(税込)
信託財産留保額 0.2%
実質コスト 1.08%(概算値)

※引用:最新運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

明治安田 J-REIT戦略ファンド(毎月分配型)『リート王』評価分析

基準価額をどう見る?

リート王の基準価額はこの3年間で20%近く下落しています。

一方で、分配金を受け取らずに再投資して運用した場合の
基準価額(青線)を見てみると、20%程度上昇していますので、
過剰な分配がされていることで、基準価額が回復してきていない
ということがわかります。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

リート王の利回りは1年平均利回りが25.46%と大きくプラス
になっています。

プラスにはなっているものの、コロナショックで下落した分を
ようやく取り戻したような形です。

どの期間を見ても、7%以上の利回りを確保できていますので、
リートとしては十分な利回りだと言えます。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 25.46%
3年 11.05%
5年 7.61%
10年 12.65%

※2021年9月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出しているJリート ランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

せっかく投資をするのであれば、同じカテゴリー内でも、
優れたファンドに投資をするべきです。

リート王は国内RIETカテゴリーに属しています。

このカテゴリー内でのランキングを確認すると、3年、
5年、10年平均利回りは上位30%以内となっており、
非常に優秀な成果を出していることがわかります。

上位●%
1年 80%
3年 29%
5年 23%
10年 21%

※2021年9月時点

年別のパフォーマンスは?

リート王の年別のパフォーマンスを見てみましょう。

マイナスの年もありますが、マイナスが続くという年は
なく、翌年はプラスで終わることが多いです。

2桁プラスを出している年も多く、トータルで言えば、
しっかりとプラスの運用ができていることがわかりますね。

年間利回り
2021年
+19.75%(1-6月)
2020年 ▲11.75%
2019年 +24.57%
2018年 +11.58%
2017年 ▲5.65%
2016年 +8.45%
2015年 ▲1.97%
2014年 +22.89%

※2021年9月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

類似ファンドとのパフォーマンス比較

リート王への投資を検討するのであれば、インデックス
ファンドとのパフォーマンス比較はしておきたいところです。

今回は、国内の代表的な指数である東証REIT指数に連動する
ニッセイ Jリートインデックスファンドとパフォーマンスを
比較してみました。

※引用:モーニングスター

結果は、わずかですが、リート王のほうがパフォーマンス
で勝っています。

なかなかインデックスファンドに勝てないJリートファンドが
多いので、これは高評価です。

年平均利回り リート王 ニッセイJリート
1年 25.46% 26.54%
3年 11.05% 10.72%
5年 7.61% 7.02%
10年 12.65%

※2021年9月時点

最大下落率は?

リート王に投資をする前に、最大でどの程度下落する
可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、
大きく下落した相場でも落ち着いて保有を続けられる
からです。

それではリート王の最大下落率を見てみましょう。

最大下落率は2020年2月~2020年4月までの3カ月間で
▲26.36%下落しています。やはりコロナショックで
J-RIETは大きなダメージを受けたことがよくわかりますね。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲18.09%
3カ月 ▲26.36%
6カ月 ▲26.06%
12カ月 ▲21.53%

※引用:2021年9月時点

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
652円 1,320円 149%

※2020/9/23~2021/9/21

リート王の直近1年間の分配健全度は149%となっています。

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

リート王の場合は100%を超えていますので、毎月分配金を
ファンドの収益から受け取れただけでなく、受け取った以上に
ファンドの収益がでているということがわかります。

ただ、あくまでも直近1年間の話であり、3年間で見ると、
分配健全度は100%を切っています。

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

リート王の分配金利回りは高いので、大きな分配金を受け
取ることができます。

ただ、ファンドの運用利回りのほうが低いので、あなたが
受け取っている分配金の約半分はあなたが投資した資金
が戻ってきているに過ぎないということです。

運用利回り 分配利回り
1年 25.46% 15.2%
3年 11.05%
5年 7.61%
10年 12.65%

※2021年9月時点

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

リート王は直近で減配されていますが、分配金余力は、
あと20カ月程度ですので、さらに減配されてもおかしくありません。

分配金 繰越対象額 分配金余力
106期 120円 2,676円 23.3カ月
107期 120円 2,591円 22.6カ月
108期 120円 2,517円 22.0カ月
109期 120円 2,416円 21.1カ月
110期 120円 2,301円 20.2カ月
111期 120円 2,201円 19.3カ月
112期 120円 2,106円 18.6カ月
113期 120円 2,015円 17.8カ月
114期 120円 1,952円 17.3カ月
115期 100円 1,873円 19.7カ月
116期 100円 1,776円 18.8カ月
117期 100円 1,931円 20.3カ月

※引用:最新運用報告書

評判はどう?

次にリート王の評判を見てみましょう?

資金の流出入額はファンドの評判を確認する上で役に立ちます。
資金が流入超過になっているということは、それだけ多くの投資家
がファンドを購入しているということになります。

リート王は、どんどん資金流入額が増加しており、まさに評判が
どんどん上り調子でしたが、2019年末以降は、資金流出に転じて
います。

異常な分配を続けていたので、当然長続きするはずもないわけですが、
未だに高い分配利回りを見て、飛びついてしまっている人たちが
いるようです。

※引用: モーニングスター

明治安田 J-REIT戦略ファンド(毎月分配型)『愛称:リート王』の評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

Jリートは株式よりも大きく下落することが多いアセット
クラスですが、平均すると毎年5~6%の安定的なリターンを
期待できる投資先として十分魅力があると思っています。

ただ、インデックスファンドに勝てないアクティブファンドが
ほとんどであり、なかなかオススメできません。

その点、リート王は、ニッセイ Jリートインデックスファンドにも
勝っており評価できますが、毎月分配型になっている点でかなり
評価が下がります。

何より、投資家からの資金を集めるという目的だけのために、
分配金を異常に高くして、見かけの分配金利回りを高くする
手口は私は好みません。

毎月分配型でなければ、十分投資する対象として、期待が
持てましたが、これではダメですね。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点