1991年6月設定と実に30年運用し続けている、歴史の長い
利益還元成長株オープン『愛称:Jグロース』。

 

30年超の運用期間がある割に純資産総額は250億円t程度
ですが、パフォーマンスはさすが長寿ファンドといった
ところです。

 

今日はこの『Jグロース』について徹底分析していきたい
と思います。

 

 

利益還元成長株オープン 『Jグロース』の基本情報

投資対象は?

Jグロースの投資対象は、名前の通り日本に上場されている
株式のうち今後の成長が期待できる企業、自己資本利益率が
高い企業、株主への利益還元が期待できる企業を厳選し投資します。

 

企業の厳選には豊富な知識を持つファンドマネージャーと
アナリストが直接企業を訪問し収集した情報・データを
もとに行います。

 


※引用:交付目論見書

 

組入銘柄は119銘柄となっており、TOPIXをベンチマーク
としています。

 

組入銘柄の上位を見てみると、電気機器や情報・通信業等の
業種の比率がTOPIXと比較して高くなっています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで
売買できなかったり、コストが嵩みますので、事前に確認
すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

Jグロースは一時期1000億円を超える純資産総額でしたが、
今は、246億円まで減っています。

 

ただ、200億円あれば規模としては問題ありません。

 

こういった息の長いファンドがもっと評価されるように
なると、投信業界も変わってくる気がしますね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

Jグロースの実質コストは0.948%です。

 

アクティブファンドの中では、割安ですが、
インデックスファンドと比べると、どうしても見劣りします。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.2%(税込)※上限
信託報酬 0.902%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 0.948%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

利益還元成長株オープン 『Jグロース』の評価分析

基準価額の推移は?

Jグロースの基準価額は2018年の初めに下落をし始め、
2019年末には高値を更新したのですが、コロナショック
でまた大きく下落しました。

 

他の株式ファンドと比べると、2018年~2019年はかなり
苦戦していたようですね。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

つづいて、Jグロースの運用実績を見てみましょう。

 

直近1年間の利回りは4.40%となっています。

 

10年平均利回りは2桁になっていますが、それ以外の
期間では4%前後しか出せておらず、直近の運用は
なかなか思うような成果が出ていません。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年8月
1年 4.40%
3年 4.04%
5年 3.76%
10年 11.40%

※2020年8月時点

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

Jグロースは、国内の大型株カテゴリーに属しています。

 

投資をするのであれば、大型株カテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。

 

Jグロースは、5年、10年平均利回りで見ると、上位20%
程度にランクインしていますが、直近のパフォーマンスは
平均的な水準にとどまっています。

 

平均利回り(上位●%) 2020年8月
1年 47%
3年 62%
5年 20%
10年 11%

※2020年8月時点

 

年別の運用パフォーマンスは?

Jグロースの年別のパフォーマンスを見てみると、
決して悪くはないように見えます。

 

しかし、後述しますが、他の優秀なアクティブファンド
と比較をするとどうしても見劣りしてしまいます。

 

年間利回り
2020年 ▲1.31%(1-6月)
2019年 26.19%
2018年 ▲17.62%
2017年 30.57%
2016年 ▲1.82%
2015年 16.99%
2014年 12.53%

※2020年8月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

Jグロースに投資するにあたって、より低コストで運用
できるインデックスファンドとのパフォーマンスを比較
しておいて損はありません。

 

今回は、日経225をベンチマークとするニッセイ 日経225
インデックスファンド
とパフォーマンスを比較してみました。

 

※引用:モーニングスター

 

直近3年間では、常にニッセイ 日経225インデックスファンドの
ほうがパフォーマンスで上回っており、この結果を見ると、
高いコストを支払ってまで投資をするメリットを感じません。

 

もう少し長い期間で比較したものが次のデータになります。

 

Jグロース ニッセイ日経 225
1年 4.40% 2.84%
3年 4.04% 4.79%
5年 3.76% 2.81%
10年 11.40% 10.34%

※2020年8月時点

 

5年、10年のパフォーマンスで見ると、わずかですが、
Jグロースのほうが上回っています。

 

ただ、直近のパフォーマンスがインデックスファンドに
負けていることから、あえてこのファンドを選ぶかで
言うと、あまりおすすめはしません。

 

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

せっかくアクティブファンドに投資をするのであれば、
同じカテゴリーの中でも優秀なファンドに投資をしたい
と思うもの。

 

今回は、同じく国内大型株カテゴリーで中長期で高い
パフォーマンスの残しているスパークスの厳選投資
とパフォーマンスを比較しました。

 


※引用:モーニングスター

 

終始、Jグロースは厳選投資よりもパフォーマンスで
劣っています。

 

では、もう少し長期のパフォーマンスではどうでしょうか。

 

Jグロース 厳選投資
1年 4.40% 9.86%
3年 4.04% 9.23%
5年 3.76% 8.07%
10年 11.40% 16.23%

※2020年8月時点

 

5年、10年平均利回りで見ても、厳選投資が明らかに
優れており、これだけ大きく差がつくと、あえて、
Jグロースを選択する理由がなくなってしまいます。

最大下落率は?

Jグロースに投資をするのであれば、最大でどの程度下落する
可能性があるのかは知っておきたいところです。

 

Jグロースの最大下落率は、2007年11月~2008年10月の1年間で
最大▲50%となっています。

 

やはり株式ですので下落するときは大きく下落します。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかも
しれません。

 

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの
可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲21.21%
3カ月 ▲35.72%
6カ月 ▲43.79%
12カ月 ▲50.00%

※2020年8月時点

 

分配金は?

Jグロースの分配金は、毎年6月に1度分配金を出しています。

 

2018、2019、2020年は100円以上の分配金を出しています。

 

ただ、分配金利回りでは数%でしかないので、はたして
この程度の分配金にどれだけの人が興味があるのか甚だ疑問です。

 

それよりも全部投資にまわして、よりリターンを追求して
ほしいものです。

 

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情が
ない限りは、分配金を受けとることはおすすめしません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2020年 280円
2019年 130円
2018年 200円
2017年 10円
2016年 10円

※2020年8月時点

 

評判はどう?

評判がどうなのかを判断するうえで資金の流出入額が役に
立ちます。

 

資金が流出超過になっているということは、それだけ解約
している人が多いということです。

 

つまり評判が悪くなっているということですね。

 

Jグロースはどうでしょうか?

 

5年間ほぼ毎月資金が流出超過となっていますので、人気が
落ちていることがわかります。

 

さきほど、比較をしたように、直近ではインデックスファンド
にもパフォーマンスで負けてしまっていますので、今のままの
運用では、評判が戻ってくるのは難しいと言えます。

 


※引用:モーニングスター

利益還元成長株オープン 『Jグロース』の今後の見通し

最後にJグロースの今後の見通しはどうでしょうか?

 

先にこのファンドの償還日が2021年6月25日までと
言うことをおしらせします。

 

まだ信託期間を延ばす可能性も十分にありますので
なんとも言えませんが、終わるのを前提に言いますと、
あと1年とちょっとしか運用期間がないのです。

 

パフォーマンスはインデックスファンドを上回っており、
悪くはありませんが、ベストとも言えません。

 

そうすると、あえてJグロースを選択する理由はないと
思います。国内大型株のアクティブファンドに投資を
したいのであれば、厳選投資を選択するのが無難ですね。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点