いちよしアセットマネジメントが設定・運用する、
いちよし・中小型成長株ファンド『愛称:あすなろ』。

 

親会社のいちよし証券・グループ会社のいちよし経済研究所
とともに伝統的に中小型・割安・成長株のリサーチに定評が
あり、それは大手金融機関のアナリストやファンドマネージャ
ーたちも一目置くところです。

 

そのような同社の旗艦ファンドである本ファンドはどのような
ものか、みていきましょう。

 

 

いちよし 中小型成長株ファンド『あすなろ』の基本情報

投資対象は?

投資対象はいちよし中小型成長株マザーファンドを通じて、
日本の中小型株式に投資しています。企業の成長性、株価
水準の割安度合などをもとに銘柄を発掘していきます。

 

現在は、約77銘柄に投資をしており、上位の企業を見て
みると、1位のアンリツは電子計測器などを作る会社です。

 

2位の岩谷産業はLPガス、産業ガスを中心に、ガス・エネ
ルギー関連事業を展開しています。

 

3位のNITTOKUはコイル自動巻線機の最大手です。

 

あまりなじみのない企業が上位にランクインしているので、
逆に面白いと言えるかもしれません。

 


※引用;マンスリーレポート

 

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を
入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少して
いると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを
生む可能性がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

いちよし 中小型成長株ファンド『あすなろ』の純資産額は
約500億円で、ピーク時の1,000億円の約半分にまで純資産
が減少しています。

 

それでも、500億円の規模がありますので、中小証券や
第二地銀が販売会社の割には立派な水準と言えます。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

中小型成長株ファンド『あすなろ』の実質コストは1.66%
とカテゴリー内ではかなり高いです。

 

購入時手数料と合わせると、初年度は5%程度取られますので、
購入には慎重にならざるを得ません。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.584%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.66%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

中小型成長株ファンド『あすなろ』の評価分析

基準価額をどう見る?

いちよし 中小型成長株ファンド『あすなろ』の直近の基準
価額は10,500円近辺です。

 

2018年以降下落トレンドにあった中で、2020年に入り、
コロナショックの影響を受けて、一時は16000円まで
上昇していた基準価額が10000円近辺まで戻ってきて
しまっています。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

いちよし 中小型成長株ファンド『あすなろ』の直近1年の
利回りは、▲24.28%です。同カテゴリーの中でも下位20%
に入っており、コロナショックをうまく乗り切れなかった
ことがわかります。

 

3年平均利回りもマイナス4%となっており、同カテゴリー内
では、こちらも下位20%に入っており、優れた結果を残せて
いません。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲24.28% 83%
3年 ▲4.08% 79%
5年
10年

※引用:2020年4月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング

 

標準偏差は?

いちよし 中小型成長株ファンド『あすなろ』の基準価額の変動が
大きいかを調べるには標準偏差が役立ちます。

 

日経平均と連動するインデックスファンドでも16~17程度ですので、
変動幅は通常の株式ファンドよりは変動幅が大きいことがわかります。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 21.64 54%
3年 19.16 31%
5年
10年

※引用:2020年4月時点

 

年別のパフォーマンスは?

いちよし 中小型成長株ファンド『あすなろ』の年別のパフォ
ーマンスも見てみましょう。

 

2017年、2019年は2桁以上のプラスを出していますが、2018年
2020年は20%以上のマイナスとなっており、せっかく稼いだ
利益が相殺されてしまっています。

 

これでは、高いコストを支払ってまで投資をするメリットを
感じません。

年間利回り
2020年 ▲27.17%(1-3月)
2019年 +17.30%
2018年 ▲22.57%
2017年 +38.87%
2016年

※引用:2020年4月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

いちよし 中小型成長株ファンド『あすなろ』への投資を
検討するのであれば、低コストのインデックスファンド
よりパフォーマンスが優れていることは最低条件です。

 

今回は、日経225に連動するニッセイ 日経225インデックス
ファンドとパフォーマンスを比較してみます。

 

一時期はあすなるのほうが勝っている時期もありますが、
2019年に入ってからはニッセイ 日経225インデックスファ
ンドのほうが優れた成果を残しています。

 

3年間で15%も差がつくとなると、さすがにあすなろを
選択する理由がなくなりますね。

 


※引用:モーニングスター

 

最大下落率は?

いちよし 中小型成長株ファンド『あすなろ』に投資をする
前に、最大でどの程度下落する可能性があるのかを知って
おくことは非常に重要です。

 

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく
下落した相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

 

それではここであすなろの最大下落率を見てみましょう。

 

最大下落率は2020年1月~3月の▲27.17%となっています。
コロナショックの影響はやはり大きかったようです。

 

中小型株ファンドは大きなリターンが期待できる一方で、
下落するときはかなり大きく下落しますので、そのリスク
を理解した上で、投資をするようにしてください。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまう
かもしれません。

 

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れ
の可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲15.64%
3カ月 ▲27.17%%
6カ月 ▲21.30%
12カ月 ▲24.28%

※引用:2020年4月時点

 

評判は?

中小型成長株ファンド『あすなろ』の評判はネットでの
書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえ
で一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

 

資金が流出しているということは、それだけあすなろを
解約している人が多いということなので、評判が悪いと
いうことです。

 

2019年3月以降は毎月資金が流出超過となっており、評判が
下がっていることがわかります。

 

やはりインデックスファンドにパフォーマンスで負けて
しまっているようでは、積極的に投資をしようとは思え
ないといったところでしょう。

 


※引用:モーニングスター

 

中小型成長株ファンド『あすなろ』の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

 

今回のコロナショックで改めて中小型株の怖さという
ものがわかったと思います。

 

たしかに中小型ファンドの中には、日経225に連動する
インデックスファンドをはるかに上回るパフォーマンス
を出しているファンドもあります。

 

しかし、そのようなファンドはごく一部で、あすなろの
ように暴落時には日経225に連動するインデックスファンド
を下回ることが多いです。

 

ここで、小型株ファンドを信じ続けられるかが勝負を
分けるのですが、間違いなく言えるのは、大きく下落
したタイミングで売却するのが一番の悪手です。

 

ようやく株価も底をついたような動きをしていますので、
高いコストを支払い続けるのは嫌かもしれませんが、
基本は保有を続けるスタンスがおすすめです。

 

新規で購入を検討している場合は、日経225に連動する
インデックスファンドに投資をしたほうがよいですね。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点