明治安田アセットが運用するファンドの中で一番パフォーマンスが
優れているといっても過言ではないグローイング・カバーズ。

 

もともと悪いファンドではなかったのですが、2017年のパフォーマンスが
圧倒的だったことから注目が集まり、急速に純資産額を増やしています。

 

今日は、グローイング・カバーズについて、私が独自の目線で分析、評価
していきます。

 

 

新成長株ファンド『グローイング・カバーズ』の基本情報

投資対象は?

まずグローイング・カバーズの投資対象は国内株式で、新成長銘柄が
対象です。

 

新成長銘柄とは、高い成長余力を有しているものの、経営上の課題、
困難に直面したため本来の実力を発揮できなかった企業の中で、
それらの経営障壁を克服しつつある企業を言います。

 

イメージとしては、下図のような時間軸にいる企業のことですね。

 


※引用:交付目論見書

 

もう少し具体的に組入銘柄を見ていきましょう。

 

現在、新成長株 グローイング・カバーズは50銘柄で構成されて
います。

 

1位のエニグモはアパレルのソーシャル通販サービス「バイマ」を
運営している企業です。

 

2位のジャパンマテリアルは半導体・液晶工場向けの特殊ガス装置
と特殊ガスを販売しています。

 

3位のエムスリーは医療従事者を対象とした医療ポータルサイトを
運営しています。

 

半年間で上位銘柄は半分ほどが入れ替わっているような状況です。

2020年1月 2020年7月
1 レーザーテック エニグモ
2 エスプール ジャパンマテリアル
3 エムスリー エムスリー
4 ジャパンマテリアル 日本M&Aセンター
5 寿スピリッツ ローツェ
6 NITTOKU デジタルアーツ
7 朝日インテック レーザーテック
8 日本M&Aセンター エスプール
9 日本エム・ディ・エム エラン
10 ローツェ メディアドゥ
銘柄数 52銘柄 50銘柄

※引用:マンスリーレポート

 

運用体制は?

グローイング・カバーズが圧倒的な実績を残せているのは、
エンジェルジャパン・アセットマネジメントという国内中小型株式に
特化した投資顧問会社の投資助言を受けていることが大きな要因です。

 

エンジェルジャパンは私が投資をしているジェイリバイブの投資助言も
行っています。

 

アクティブファンドは、運用チームの体制がすべてを決めるといっても
過言ではありませんが、エンジェルジャパンが他の投資顧問会社と違うのは、

 

①面談は基本経営者と直接行っている。

当たり前のように感じるかもしれませんが、経営者も忙しいので、
実際は会社のNo.2やNo.3と面談することも多いのが現状です。

 

変化の大きい企業ほど、経営者の意思決定が大きなファクターと
なりますので、トップの考えを把握できているというのは大きな
強みとなります。

 

②チーム全員が面談の場に出席する。

年間延べ1000社の経営者と会うだけでも大変ですが、ヒアリングした
情報に偏りがないように、チーム全員で面談し、意見を共有しあうと
いうのは、大きな強みになります。

 

③5年先までの収益予想シートを作成している。

5年先までの収益予測を作っている会社を他に知りませんが、こういった
他がやっていないような細かい作業が銘柄選定の上で差別化ポイントに
なっているのだと思います。

 

大きな金額を運用している機関投資家は時価総額の大きな企業についての
調査しか興味がなく、ジャスダックやマザーズに上場している規模の
小さな企業に対しては、アナリストが1人もついていないのが現状です。

 

逆に言えば、そういった企業は正しく株価が評価されていない可能性が高く、
しっかりリサーチができている投資顧問会社からすると、大きなリターンを
得るチャンスにつながるというわけです。

 

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だ
と思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性
がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

一時期は1000億円近い規模のファンドでしたが、現在の
グローイング・カバーズの純資産総額は、約430億円
ですので、半分以下にまで下落しています。

 

ただ、純資産の規模としては全く問題ありません。


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

新成長株 グローイング・カバーズの実質コストは、2.02%となっており、
かなり高くなっています。

 

パフォーマンスが悪ければ、まずおすすめできないファンドです。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.87%(税込)
信託財産留保額 0.3%(税込)
実質コスト 2.04%

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

新成長株ファンド『グローイング・カバーズ』の評価情報

基準価格をどう見る?

グローイング・カバーズの現在の基準価額は2018年以降、
かなり大きく上下に変動しています。

 

コロナショックでは、一時30%以上の下落となりましたが、
そこからわずか数カ月でもとの高値水準まで戻してきました。

 

大きく下落してもしっかり戻してこれるファンドというのは、
投資家としても安心感がありますね。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

グローイング・カバーズの直近1年間の利回りは18.84%です。

 

半年前と比べると、リターンがだいぶ落ちましたが、3年、
5年、10年の平均利回りは約10%以上となっており、優れた
結果を残していることがわかります。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年1月 2020年7月
1年 32.26% 18.84%
3年 19.51% 11.03%
5年 21.96% 17.33%
10年 19.85% 19.77%

※2020年7月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

グローイング・カバーズは、国内小型グロース株カテゴリーに
属しています。

 

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。

 

グローイング・カバーズは、どの期間においても、
上位20%以内にランクインしており、非常に優秀な
成果を残しています。

 

半年前と比べても大きく順位の変動はないと言えますね。

平均利回り(上位●%) 2020年1月 2020年7月
1年 9% 15%
3年 24% 20%
5年 6% 7%
10年 22% 15%

※2020年7月時点

 

年別のパフォーマンスは?

グローイング・カバーズの年別のパフォーマンスも見てみましょう。

 

2018年をのぞいて、毎年、非常に高い利回りを残せています。
これくらい高い利回りを維持できるのであれば、投資する価値が
あると言えますね。

 

ただし、値動きはあなたが想像している以上に大きいので、その
値動きにしっかりと耐えうる金額で投資をしていく必要があります。

年間利回り
2020年 7.85%(1-6月)
2019年 32.36%
2018年 ▲17.27%
2017年 55.89%
2016年 17.92%
2015年 34.02%
2014年 18.38%

※引用:2020年7月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

グローイング・カバーズに投資をするうえで、インデックスファンドより
パフォーマンスが優れていなければ投資する意味がありません。

 

今回は、日経225に連動するニッセイ 日経225インデックスファンド
比較しています。

 

結果はグローイング・カバーズの圧勝です。中長期でみても圧勝して
おり、これくらいのパフォーマンスをアクティブファンドには期待
したいですね。

 


※引用:モーニングスター

 

5年、10年の長期でもインデックスファンドをはるかに上回る
パフォーマンスとなっていますので、これなら高いコストを
支払ってでも投資を価値があると言えます。

グローイング・カバーズ ニッセイ日経 225
1年 18.84% 6.78%
3年 11.03% 5.52%
5年 17.33% 3.70%
10年 19.77% 10.82%

※2020年7月時点

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

せっかくアクティブファンドに投資をするのであれば、
同じカテゴリーの中でも優秀なファンドに投資をしたい
と思うもの。

 

今回は、国内小型株カテゴリーの中で非常に高い成果を
残している東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン
とパフォーマンスを比較しました。

 

結果は、東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン
圧勝となりました。

 

グローイング・カバーズも決して悪いファンドではないのですが
東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンと比較をすると、
どうしても見劣りしてしまいます。


※引用:モーニングスター

 

グローイング・カバーズ ジャパン・オーナーズ
1年 18.84% 22.76%
3年 11.03% 21.06%
5年 17.33% 20.52%
10年 19.77%

※2020年7月時点

 

最大下落率はどれくらい?

投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気になるのが、
最大どの程度、資産が下落する可能性があるのかという点かと思います。

 

下に、ファンド設定来の最大下落率を期間別に集計してものを載せておきます。
グローイング・カバーズは1年間で52.26%下落したことがあります。

 

リーマンショックを経験したファンドだと、この程度の下落は起こり得ると
思っておいたほうがよいでしょう。

 

しかし下落したあとはしっかり戻してきますので、下がったところで
売ってしまわないようにしてください。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲21.61%
3カ月 ▲32.07%
6カ月 ▲33.52%
12カ月 ▲52.26%

※引用:2020年7月時点

 

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

積立NISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

 

そこで、積立NISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

積立NISA iDeCo
× ×

※2020年7月時点

 

評判はどう?

ネットで評判を確認することができますが、それはあくまでも一部の
人の声です。そこで、月次の資金流入額を見ることで、ある程度評判の
良し悪しの判断がつきます。

 

資金が流入超過となっていれば、人気がでてきており、流出超過と
なっていれば、人気に陰りがみえると判断できます。

 

グローイング・カバーズの場合、2019年は資金流出が続いていますが、
パフォーマンスが悪くないだけに、ここまで評判が落ちる理由がわかりません。

 


※引用:モーニングスター

 

新成長株ファンド『グローイング・カバーズ』の評価まとめと今後の見通し

運用の巧拙を決定するのは、運用チームの体制次第です。

 

上述しましたが、10年以上優秀な成績をおさめている運用チームと
いうのは、必ず独自の強みを持っています。

 

銘柄を絞り込んでの運用はよくも悪くもリスクが高いので、自身がない
アナリストはまずやろうとしません。

 

そういう意味でも50銘柄程度に絞り込んで運用を続けるエンジェルジャパンは
自分たちの運用に自信を持っている証拠です。

 

また低コストのインデックスファンドと比べても、圧倒的に優れた
パフォーマンスを残せており、十分に投資する価値があると言えますね。

 

今後も高い利回りが期待できるファンドではありますが、やはり
値動きは大きいので、それに耐えうるだけのメンタルと資金コント
ロールは必須になります。

 

儲けたい思いだけで全力投資するようなことはくれぐれもしないで
ください。

 

また、国内小型株ファンドには他にも優秀なファンドが何本もあります。

 

前述の東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンなどが良い例
です。

 

ぜひ他のファンドとも比較をした上で、投資をするべきか判断をして
ください。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点