美の追求に資すると考えられる製品やサービスを提供する企業に投資をしていく三菱UFJ国際のワールド・ビューティー・オープン。美をテーマにしたファンドというのは、ほとんど聞いたことがないので面白い切り口のテーマ型ファンドとなっています。

ワールド・ビューティー・オープンは為替ヘッジありとなしがありますが、今回はより人気の高い為替ヘッジなしを見ていきましょう。

「ワールド・ビューティー・オープンって投資対象としてどうなの?」

「ワールド・ビューティー・オープンって持ってて大丈夫なの?」

「ワールド・ビューティー・オープンより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。


ワールド・ビューティー・オープンの基本情報

投資対象は?

ワールド・ビューティー・オープンの投資対象は世界中のビューティー・ビジネス、つまり美容関連の事業を展開している企業株式です。

下図のように「本来の美しさを魅せる」「本来の美しさを磨く」「本来の美しさを支える」というテーマで大きく分けて、銘柄を選定していきます。

テーマ型のファンドは数多くありますが、このような美に特化したファンドは良くも悪くも斬新です。


※引用:交付目論見書

国別の資産構成比を見ると、アメリカが約50%、フランスが約18%、日本が約10%を占めています。

業種別で見ると、生活必需品の比率が6割となっています。生活必需品のカテゴリーに分類されている企業というのは、資生堂やファンケルといったいわゆる化粧品メーカーが該当します。


※引用:マンスリーレポート

具体的に組入銘柄を見てみましょう。現在の組入銘柄数は35銘柄となっており、日本企業でいうと、ファンケルが上位に組入られています。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

純資産総額は、運用のコストに影響してくる部分ですので、投資を検討するのであれば、必ず確認しなければならないポイントです。

特に資産規模が10億円以下の場合は、償還のリスクや、ファンドの入れ替えなどで予期せぬコストが発生したりすることもありますので、要注意です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ワールド・ビューティー・オープンの直近の純資産総額は、ヘッジ無コースが約230億円となっています。2018年10月以降は、正直そこまで高いパフォーマンスでは、なかったため、純資産も伸び悩んでいます。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ワールド・ビューティー・オープンの実質コストは1.88%とかなり割高です。購入時手数料も3%しっかりかかるので、気軽に投資をしないようにしてください。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.804%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.88%(概算値)

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

ワールド・ビューティー・オープンの評価分析

基準価額をどう見る?

ワールド・ビューティー・オープンの直近の基準価額はこの3年間10000円前後をうろうろしています。

分配金を受け取らずに再投資して運用した場合の基準価額(青線)を見てみると、直近3年間で30%程度は上昇していますので、運用益が出ていないというわけではないですね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

つづいて、ワールド・ビューティー・オープンの運用実績を見てみましょう。

直近1年間の利回りは▲0.92%です。3年・5年平均利回りは8%を超えているので、悪くありません。

ただ、この利回りだけを見て、投資判断するには時期尚早です。しっかりと他のファンドとパフォーマンスを比較したうえで、投資をするようにしてください。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 ▲0.92%
3年 9.13%
5年 8.06%
10年

※2022年10月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

ワールド・ビューティー・オープンは、日本を含むグローバル株式カテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

ワールド・ビューティー・オープンは、1年、5年平均は平均水準、3年平均は下位30%に位置しており、他にもっと優れたファンドが多数あることがわかります。

このように単に利回りだけを見ていると、気づけないことが色々見えてきますので、カテゴリー内での比較や類似ファンドとの比較は必ずするようにしてください。

上位●%
1年 43%
3年 73%
5年 49%
10年

※2022年10月時点

年別のパフォーマンスは?

ワールド・ビューティー・オープンの年別のパフォーマンスも見てみましょう。

2018年、2022年は10%近いマイナス。2019年、2021年は約20%のプラスなので、総じてプラスでは、運用できていますね。ただ他のファンドと比べるとリターンが少ないです。

年間利回り
2022年 ▲10.46%(1-9月)
2021年 +24.61%
2020年 +10.44%
2019年 +18.12%
2018年 ▲8.76%
2017年

※2022年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

ワールド・ビューティー・オープンへの投資を検討するのであれば、インデックスファンドよりもパフォーマンスが優れているのは、最低条件です。

ワールド・ビューティー・オープンの場合、資産構成比が類似したファンドがほとんどないため、今回は非常に人気の高いインデックスファンドであるeMAXIS Slim先進国株式インデックスと比較しました。


※引用:モーニングスター

終始、eMAXIS Slim先進国株式インデックスのほうがパフォーマンスで上回っており、これでは、高いコストを支払ってまで、アクティブファンドに投資をしようと思いません。

より長期のパフォーマンスではどうでしょうか?

ワールドビューティ slim 先進国
1年 ▲0.92% 5.43%
3年 9.13% 16.65%
5年 8.06% 11.72%
10年

※2022年10月時点

5年平均利回りでもeMAXIS Slim先進国株式インデックスのほうがパフォーマンスで上回っており、なおさらワールド・ビューティー・オープンへ投資するメリットがなくなりました。

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、他のアクティブファンドをパフォーマンスを比較してから投資をしても、遅くはありません。

そこで、今回は先進国株式を投資対象にアクティブ運用している大和住銀DC海外株式アクティブファンドを比較をしました。


※引用:モーニングスター

大和住銀DC海外株式アクティブファンドは非常に優秀なファンドなので、これと比べてしまうとというのはありますが、終始、ワールド・ビューティー・オープンが後れを取っています。

大和住銀DC海外株式アクティブファンドは中長期で優れたパフォーマンスを残していますので、こういうファンドに投資をしていきたいですね。

ワールドビューティ 大和住銀DC
1年 ▲0.92% ▲14.29%
3年 9.13% 17.00%
5年 8.06% 12.98%
10年 17.63%

※2022年10月時点

最大下落率は?

ワールド・ビューティー・オープンに投資をする前に、最大でどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではここでワールド・ビューティー・オープンの最大下落率を見ていきましょう。

期間 下落率
1カ月 ▲12.84%
3カ月 ▲16.60%
6カ月 ▲12.31%
12カ月 ▲14.24%

※2022年10月時点

ワールド・ビューティー・オープンの最大下落率は2020年1~3月の3カ月間で最大▲16.60%となっています。

景気の影響を受けづらいとされるディフェンシブ銘柄を多く組み入れているため、下落幅は小さく収まる傾向があるようです。この点は評価できますが、プラスのリターンが伴わなければあまり意味がないです。

分配金の推移は?

ワールド・ビューティー・オープンは年2回の決算時(6月、12月)に分配を行います。

2021年は分配金利回りで20%近くの分配なので、下手にタコ足配当のREITに投資をするよりもはるかに多くの分配金を受け取れます。

かつ投資元本を取り崩すわけではなく、運用益から支払われるので、健全な分配金です。

分配金
2022年 0円
2021年 2,175円
2020年 893円
2019年 228円
2018年 582円
2017年 1,147円

※2022年10月時点

評判はどう?

ワールド・ビューティー・オープンの評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけワールド・ビューティー・オープンを購入している人が多いということなので、評判が良いということです。

ワールド・ビューティー・オープンは2022年に入ってから資金流入している月が多いのですが、その金額が小さいことから以前のような人気はなくなっていることがわかります。

パフォーマンスもそこまで優れているわけではないので、当然と言えば、当然の結果ですね。


※引用:モーニングスター

ワールド・ビューティー・オープンの評価まとめと今後の見通しは?

いかがでしょうか?

ワールド・ビューティー・オープンが投資する美容関連株は、いわゆるディフェンシブ銘柄と一部重なる側面があるため、株価の下落局面でも下値リスクは比較的限定的と言われています。

新興国では、経済成長が減速しながらも中間所得層の品質や機能性に対するこだわりから高価格帯化粧品が選考されています。

先進国においても、手の届くぜいたく品として市場が拡大しています。

また高齢化の進展によて機能性の高いアンチエイジング向け化粧品が人気を博すとともに、自然派志向の高まりからオーガニック素材を原料とした化粧品への需要が高まっています。

ただ、テーマ型ファンドは、そのテーマに将来性を感じられるかというのが一番重要ですが、「美」というテーマに対して、疎い私からすると、いまいち今後、伸びるテーマなのかイメージがわきません。

また現状、実質コストがかなり高くなっている点とインデックスファンドにパフォーマンスで負けている点を考慮すると、積極的に投資をするようなファンドではないと思います。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点