近年、リスクを4%以内に抑え堅実に増やしていける投資
として、注目を集めている投資のソムリエ。

 

下落リスクが嫌な人にとっては、またとない商品のように
見えます。

 

正直、リスクを抑えた運用のファンドには、あまり良い
イメージを持っていませんでしたが、今回のコロナショック
で評価を見直す必要が出てきたと感じています。

 

今日は、私が独自の目線で、投資のソムリエを分析していきます。

 

 

投資のソムリエの基本情報

投資対象は?

まず投資対象は、国内、先進国、新興国の公社債、株式、
リートで、下図のように安定資産と、リスク性資産を
分けることで、適宜資産配分を変更していきます。

 

そして投資対象はすべてインデックスファンドと
なっています。

 


※引用:交付目論見書

 

もともと基本配分比率は、安定資産として、国内債券・先進国
債券の割合が約50%、リスク性資産が株式・リート・新興国債券
が約50%なのですが、

 

現在は安定資産の割合が75.6%、リスク性資産が21.3%と
なっており、かなりリスクを警戒したポートフォリオに
なっていますね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

運用の特徴は?

投資のソムリエの一番の運用の特徴は、基準価額の変動
リスクが年率4%程度になるようにリスクを抑えながら、
運用すると言う点です。

 

勘違いしてはいけないのが、年率4%程度のリターンを
目指すというわけではないということですね。

 

そして、市場環境に合わせて、下図のように、リスク性
資産の価格が下落する局面では、安定資産の比率を高め、
安定資産が下落する局面では、リスク性資産の割合を増
やすという運用を機動的に行います。

 

なかなか機動的にリスク性資産の割合を調整するのは、
難しいのですが、今回のコロナショックでは、見事に
機動的な分配が功を奏しており、他のファンドと比較
して、明らかに下落幅を抑えることに成功しています。

 

2020年1~3月のリターンでマイナスを出していない
のはとても素晴らしいですね。

 


※引用:交付目論見書

 

純資産総額は?

続いて、投資のソムリエの純資産総額はどうなっているか
見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた
投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで
銘柄を入れ替えることができなかったり、純資産総額が
大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまくで
きず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、
事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

投資のソムリエの現在の純資産総額は約1900億円を突破
しており、コロナショックの影響もほぼ受けずに純資産
が右肩上がりに上昇しています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

投資のソムリエの実質コストは、1.59%となっており、
非常に割高になっています。何より、投資対象はパッシブ
ファンドであるにもかかわらず、この手数料は割高です。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.54%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.59%

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

投資のソムリエの評価分析

基準価格をどう見る?

投資のソムリエの現在の基準価額は12000円程度です。

 

2020年のコロナショックで下落したかと思いきや、
すでに大きく反発しており、2018年の初旬の下落と
同程度の下落に収まっています。

 

たぶん機動的な分配が行われたからこその結果だと
思いますが、それにしてもこの下落幅の小ささは
見事としか言いようがありません。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

投資のソムリエの直近1年間の利回りは+4.25%と同カテ
ゴリー内では上位1%に入る高パフォーマンスです。

 

中長期のパフォーマンスを見ても、3年平均、5年平均
利回りは上位1桁にランクインしており、今回のコロナ
ショックをうまく回避したことが大きな要因となって
います。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解
していますか?

 

もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいて
ください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 +4.25% 1%
3年 +2.86% 2%
5年 +1.52% 4%
10年

※2020年4月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド
達も参考にしてみてください。

10年平均利回りランキングで見る圧倒的に優れた投資信託まとめ

 

標準偏差は?

標準偏差まで確認する人はあまりいませんが、投資の
ソムリエの基準価額のブレの大きさを知るには役立ちます。

 

恐るべきは、コロナショックでほとんどのファンドが
大きな影響を受けているにもかかわらず、標準偏差が
ほとんど上昇していないということです。

 

リーマンショック級と言われたコロナショックでも、
基準価額の変動幅を通常の相場と同程度に抑えられる
というのは素晴らしいですね。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存
じでしょうか?

 

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておい
てくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 2.37 2%
3年 2.68 3%
5年 3.02 3%
10年

※2020年4月時点

 

年別のパフォーマンスは?

投資のソムリエの年別のパフォーマンスも見てみましょう。

 

マイナスの年は3%程度出ていますが、今回のコロナショック
で、まだマイナスになっていないというのが驚異的です。

 

そのため他のバランスファンドと比べて明らかにパフォーマ
ンスが優れる結果となっています。

 

機動的な分配はあくまでも理想論であり、そうそうできる
ものではないという持論ですが、投資のソムリエは機動的な
分配が実際にできていると認めざるをえません。

年間利回り
2020年 0.35%(1-3月)
2019年 +8.10%
2018年 ▲3.00%
2017年 +3.74%
2016年 +3.27%
2015年 ▲3.29%
2014年 +7.77%

※2020年4月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

投資のソムリエに投資を検討する上で、類似ファンドとの
パフォーマンス比較をしてみましょう。

 

投資のソムリエほどリスクをとっていないファンドがなか
なかないため、今回は投資のソムリエと同様に8つの資産に
分散投資をするeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
比較してみます。

 

2020年3月までは、明らかなにeMAXIS Slim バランスが
上回っていましたが、コロナショックの影響で、パフォー
マンスが見事に逆転しました。

 

数年もすれば、またeMAIXS Slim バランス(8資産均等型)
がまた上回ってくると思いますが、バランスファンドの
中でもリスクが全くことなります。

 

とにかく手堅く着実に増やしたいという人は、投資のソム
リエを選択したほうが、安心しながら相場を眺めていら
れるでしょう。

 

一方で、リスクをある程度とってでも増やしたいという人は
eMAIXS Slim バランス(8資産均等型)でよいかもしれません。

 

こう比較をしても、投資のソムリエの下落幅の小ささは
目を見張るものがありますね。

 


※引用:モーニングスター

 

最大下落率は?

投資のソムリエに投資をする前に、最大でどの程度下落する
可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

 

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく
下落した相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

 

それではここで投資のソムリエの最大下落率を見てみましょう。

 

最大下落率は2015年の4.85%となっています。リスクをかなり
抑えた運用をしていますので、下落率もかなり小さいですね。

 

何よりコロナショックがあったにもかかわらず、最大下落率
が更新されていないのは素晴らしいです。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲2.92%
3カ月 ▲4.50%
6カ月 ▲4.85%
12カ月 ▲4.35%

※2020年4月時点

 

分配金の内訳と余力は?

投資のソムリエは年2回の分配をしています。金額にして
30円ですので、運用に大きな影響を与えることはなさそうです。

 

ただ、あってもなくても変わらないような分配をするくらいであれば、
分配金は再投資に回したほうが間違いなくおすすめですね。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2019年 60円
2018年 60円
2017年 60円
2016年 60円
2015年 60円
2014年 60円

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を
知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

 

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入して
いる人が多いということなので、評判がいいということです。

 

直近、投資のソムリエも資金が毎月流入していますので、評判は
良いと言えます。リスクを取りたくない投資家からの評判が高い
のだと思います。

 

今回、コロナショックを乗り切ったという評判が広まれば、
さらに資金の流入が加速してもおかしくありませんね。


※引用:モーニングスター

 

投資のソムリエの今後の見通し

投資のソムリエはリスクを取ることを毛嫌いする日本人に
とても好かれる設計になっていると思います。

 

リスクを4%以内に抑える運用という戦略を打ち出しては
いるものの、コロナショックのような急落相場でも、
果たしてちゃんと機能するのかと、正直、私は疑って
いました。

 

今でも、機動的に相場の状況にあわせてアセットクラスを
変更するなど至難の業だと思っています。

 

しかし、投資のソムリエについては、少なくともコロナ
ショックでは機動的な配分の変更を行うことで、うまく
相場を乗り切りました。

 

コストは確かに割高ですが、下落をかなり抑えたという
実績はとても評価できます。

 

私は通常、バランス型ファンドをおすすめはしておらず、
今もそのスタンスは変わりません。

 

ただ、相場を読み切って、ポートフォリオを入れ替える
ことができる凄腕の運用チームが裏にいるのであれば、
検討する価値があると思っています。

 

今回のコロナショックのような相場でも安心しながら、
運用していきたいという人には、十分検討する価値が
あるファンドだと思いま。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点