日本株においては、大型株より中小型株のほうが中長期で見てパフォーマンスが優れているというのは有名な話です。

そして、小型株というのは銘柄数で見ても圧倒的に数が多く、十分に企業が調査されておらず、将来の日本を担うような優れた企業が眠っています。

そんな小型株に特化したファンドが新光日本小型株ファンド『愛称:風物語』です。今日はこの風物語について独自目線で分析していきます。

「風物語って投資対象としてどうなの?」

「風物語って持ってて大丈夫なの?」

「風物語より良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。今日は、風物語について徹底分析していきます。


新光日本小型株ファンド『風物語』の基本情報

投資対象は?

風物語は新光小型株マザーファンドを通じて、日本の小型株に投資をしていきます。そして、成熟産業の勝ち組企業、地味な業種変化企業、リベンジ企業、新規公開企業の4つのカテゴリーにおおきく分けて、企業を選定していきます。

風物語の組入銘柄数は77銘柄となっており、その上位銘柄を見てみましょう。

1位のイーレックスはバイオマス発電の大手で、電力小売り事業を行っています。2位の東邦チタニウムはチタン精錬大手で、近年は積層セラミックコンデンサ向けニッケル粉も手掛けています。3位の共立メンテナンスシステムは学生寮やビジネスモデル、リゾートホテルの運営を行っています。


※引用:マンスリーレポート

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

風物語のつみたてNISAとiDeCoの対応状況ですが、残念ながら、どちらも対応していません。

つみたてNISA iDeCo
× ×

※2022年10月時点

純資産総額は?

続いて、風物語の純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで売買できなかったり、コストが嵩みますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

風物語の純資産総額は、現在152億円程度となっています。中小型株ファンドはあまり純資産が増え過ぎると、運用に支障が出るので、この規模あれば十分でしょう。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

風物語の実質コストは1.82%となっており、非常に割高となっています。購入時手数料もかかってくるので、普通のファンドであれば、まず投資をしてはいけないファンドです。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.76%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.82%(概算値)

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

新光日本小型株ファンド『風物語』の評価分析

基準価額をどう見る?

風物語の基準価額は、2020年のコロナショックで大きく下落しましたが、それを吹き飛ばすかのように、コロナショック後は急伸しました。しかし2022年入り、コロナショック以上に大きく下落しています。

小型株ファンドというのはどうしても値動きが大きくなりますね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

つづいて、風物語の運用実績を見てみましょう。

直近1年間の利回りは▲21.11%と大きくマイナスなっています。ただ、3年、5年平均利回りは約10%以上のプラスとなっており、悪くありません。

ただ、この利回りだけで判断をしてはいけません。他の類似ファンドと比較をしたうえで、投資をするようにしてください。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 ▲21.11%
3年 +11.11%
5年 +9.87%
10年

※2022年10月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

風物語は、国内小型株のグロースカテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

風物語は直近1年は下位30%に入っていますが、3年平均、5年平均利回りでは上位10%程度にランクインしていますので、十分優秀なファンドであると言えます。

上位●%
1年 76%
3年 13%
5年 6%
10年

※2022年10月時点

年別の運用利回りは?

風物語の年別の運用パフォーマンスを見てみましょう。

2018年、2022年はマイナスリターンとなっていますが、それ以外の年ではかなり高いパフォーマンスを残すことができています。

このパフォーマンスであれば、投資する価値が十分にあります。

年間利回り
2022年 ▲16.89%(1-9月)
2021年 +6.29%
2020年 +40.22%
2019年 +28.70%
2018年 ▲11.13%
2017年 +51.65%
2016年 +3.16%
2015年 +14.26%
2014年 +16.37%

※2022年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

風物語に投資するにあたって、より低コストで運用できるインデックスファンドとのパフォーマンスを比較しておいて損はありません。

今回は、日経225をベンチマークとするニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを比較してみました。

※引用:モーニングスター

コロナショック以降は大きく風物語が差を広げていましたが、2022年以降はその差がほぼなくなっています。それでも3年平均利回りでは4%近く差をつけていますので、インデックスファンドに投資をするよりも断然いいです。

それではさらに長期のパフォーマンスではどうなっているでしょうか?

風物語 ニッセイ日経 225
1年 ▲21.11% ▲10.29%
3年 +11.11% +7.77%
5年 +9.87% +6.77%
10年 +13.08%

※2022年10月時点

より長期のパフォーマンスでも風物語が大きく差をつけています。値動きの大きさがネックにはなりますが、高いコストを支払ってでも投資をする価値があると言えますね。

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

せっかくアクティブファンドに投資をするのであれば、同じカテゴリーの中でも優秀なファンドに投資をしたいと思うもの。

今回は、風物語と同じく小型株カテゴリーで非常に優秀な運用を行っている東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンと比較をしました。


※引用:モーニングスター

3年間の運用では、終始、風物語が大きくリードした結果となっています。

ただし、5年平均利回りでは、東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンが上回っています。どちらも優れたファンドですので、日本株ファンドに投資をするのであれば、こういったファンドに投資をしていきましょう。

風物語 東京海上ジャパン
1年 ▲21.11% ▲16.84%
3年 +11.11% +7.65%
5年 +9.87% +13.80%
10年

※2022年10月時点

最大下落率は?

投資するのであれば、ファンドがどの程度下落する可能性があるのかは知っておきたいところです。

もちろん標準偏差から変動幅を予測することはできますが、やはり過去にどの程度下落したことがあるのかを調べるのがおすすめです。

期間 下落率
1カ月 17.31%
3カ月 ▲21.57%
6カ月 ▲22.23%
12カ月 ▲21.11%

※2022年10月時点

風物語は2021年11月~2022年4月までの半年間で最大▲22.23%下落しています。小型株ファンドでこの程度の下落で済んでいるというのは悪くないですね。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

分配金の推移は?

風物語は毎年7月に分配金を出しています。2014年以前から1000円の分配を安定的に出していますが、私からすると、この程度の分配金を出すのであれば、分配金は税金もかかるので、再投資してほしいと思ってしまいます。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2022年 0円
2021年 1,000円
2020年 1,000円
2019年 1,000円
2018年 1,000円
2017年 1,000円
2016年 1,000円

※2022年10月時点

評判はどう?

風物語の評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。資金が流入しているということは、それだけ風物語を購入している人が多いということなので、評判がよくなっているということです。

風物語は、2022年に入り、資金の流入超過が続いています。正直、2022年のパフォーマンスを考慮すると、なぜ資金流入超過となっているのか不可解ですが、大きく下落したことで、誰も風物語を売却せずに保有を続けている関係で、流入超過になっているのかもしれません。


※引用:モーニングスター

新光日本小型株ファンド『風物語』の評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

風物語は少なくとも国内中小型株、大型株ファンドの中でも、トップクラスのパフォーマンスなので、ファンドの上限が来て、投資ができなくなる前に、買い付けしておくのも悪くありません。

国内株式だと、多くの投資家は国内大型株ファンドを保有する傾向にありますが、本当にリターンを追求するのであれば、中小型株ファンドはおすすめです。

もちろん、ファンドの値動きは、かなり大きくなりますが、その値動きに負けずに長期保有をできたときは、あなたの資産が大きく増えているはずです。

ぜひあなたのポートフォリオの一部に国内中小型株ファンドを組み入れることを検討してはいかがでしょうか。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点