大和住銀のEV革命やBNYメロンのモビリティ・イノベーションファンド、
日興アセットのグローバルMaaSなど、傍から見ると、いったい何が
違うのかわからないファンド運用会社各社で設定されています。

組み入れ銘柄を見ていくと、実は色々と違いがあることがわかるのですが、
今日は、三井住友アセットマネジメントのグローバル自動運転関連株式ファンド
について、私が独自の目線で分析、評価していきます。

「グローバル自動運転関連株式ファンドって投資対象としてどうなの?」

「グローバル自動運転関連株式ファンドって持ってて大丈夫なの?」

「グローバル自動運転関連株式ファンドより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。


グローバル自動運転関連株式ファンドの基本情報

投資対象は?

まずグローバル自動運転関連株式ファンドの投資対象は、自動運転技術の
進化・普及により業績拡大が期待される世界の企業の株式です。

自動運転技術が進化することで、下記のようなレーダー、センサー、
データ制御分などの分野が成長していくと考えられています。


※引用:交付目論見書

現在の組入銘柄数は42銘柄となっており、国別の構成比は60%超が
アメリカとなっています。


※引用:マンスリーレポート

業種別の組入比率を見てみると、自動運転技術を支えるテクノロジー、
半導体、電気通信サービス等の比率が高くなっています。


※引用:マンスリーレポート

運用体制は?

実際の運用においては、ニューバーガー・バーマン・グループが
投資助言を行っています。

ニューバーガー・バーマンは1939年創立の運用会社で社員数1900名を
誇るかなり規模、歴史ともに深い会社となります。

純資産総額は?

続いて、グローバル自動運転関連株式ファンドの純資産総額は
どうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を
入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少して
いると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを
生む可能性がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

グローバル自動運転関連株式ファンドは2017年の設定以来、着実に
純資産総額を増やしていましたが、2018年の後半からは純資産が
減少しています。

現在は500億円程度となっているので、純資産の規模としては
全く問題ありませんね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

グローバル自動運転関連株式ファンドの実質コストは、1.910%と
なっており、かなり高い水準です。

購入時手数料も合わせると1年目は5%も取られますので、通常であれば、
まずおすすめしないファンドです。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.903%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.910%※概算値

※引用:最新運用報告書

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

グローバル自動運転関連株式ファンドの評価分析

基準価格をどう見る?

グローバル自動運転関連株式ファンドの基準価額はコロナショックで大きく
10000円を割り込みましたが、その後、大きく反発して、最高値を更新
しています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

つづいて、グローバル自動運転関連株式ファンドの運用実績を
見てみましょう。

直近1年間の利回りは20.02%と非常に高い利回りで運用ができています。

ただし、3年平均利回りは1%しかなく、変動が大きいことがわかります。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 20.02%
3年 1.09%
5年
10年

※2020年11月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

グローバル自動運転関連株式ファンドは、日本を含む
グローバル株式カテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。

グローバル自動運転関連株式ファンドは同カテゴリー内でも
平均よりはよいパフォーマンスとなっています。

ただし、全体の平均程度であるということは、それ以外にも
多くの優れたファンドがあることを意味します。

上位●%
1年 22%
3年 52%
5年
10年

※2020年11月時点

年別のパフォーマンスは?

グローバル自動運転関連株式ファンドの年別のパフォーマンスも
見てみましょう。

2018年は30%近いマイナスとなっており、スタートからかなり
厳しい展開となりました。

その後、2019年、2020年で挽回していますが、トータルで見ると、
まだまだ他のファンドには負けています。

年間利回り
2020年 12.67%(1-9月)
2019年 31.58%
2018年 ▲28.85%
2017年

※2020年11月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

テーマ型ファンドへの投資を検討するのであれば、少なくとも
低コストのインデックスファンドよりはパフォーマンスが優れて
いなければ、投資するに値しません。

グローバル自動運転関連株式ファンドは米国株の比率がかなり高い
ので、米国株の比率が同程度の先進国株式ファンドと比較をして
みましょう。

今回は、超低コストで人気のeMAXIS slim 先進国株式インデックス
と比較をしてみました。


※引用:モーニングスター

結果は、3年間のどの時点においても、eMAXIS Slim先進国株式の圧勝です。

実質コストが10分の1くらいになりますので、これだけパフォーマンスに
差がつくのであれば、あえてグローバル自動運転関連株式ファンドに
投資をする理由もありません。

グロ自動運転関連 slim 先進国株式
1年 20.02% 1.51%
3年 1.09% 4.19%
5年
10年

※2020年11月時点

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

せっかくアクティブファンドに投資をするのであれば、
同じカテゴリーの中でも優秀なファンドに投資をしたい
と思うもの。

今回は、同じく海外株式ファンドで非常に優秀な運用が
されている大和住銀DC海外株式アクティブファンド
パフォーマンスを比較しました。


※引用:モーニングスター

グローバル自動運転関連株式ファンドも直近1年間は優れた
運用ができていますが、中長期で高い成果を出し続けている
大和住銀DC 海外株式アクティブファンドと比較をすると、
見劣りします。

無理に今流行りのテーマ型ファンドを選ばずとも、長期で
高いパフォーマンスを維持し続けている優れたファンドに
投資をしたほうが最終的には大きなリターンが手に入ります。

グロ自動運転関連 大和住銀DC
1年 20.02% 31.86%
3年 1.09% 15.41%
5年 13.32%
10年 15.65%

※2020年11月時点

最大下落率は?

グローバル自動運転関連株式ファンドに投資をする前に、最大で
どの程度下落する可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではここでグローバル自動運転関連株式ファンドの最大下落率を
見てみましょう。

最大下落率は2018年1月~12月の▲28.85%となっています。設定して
すぐにこの下落は厳しいですね。

中長期で保有すればある程度は回復してくると思いますが、今回の
場合はファンドをスイッチングしたほうが賢明です。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲16.01%
3カ月 ▲21.80%
6カ月 ▲24.76%
12カ月 ▲28.85%

※引用:2020年11月時点

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入している人が
多いということなので、評判がいいということです。

グローバル自動運転関連株式ファンドは2017年の新規設定以来、
毎月資金が流入していましたが、2018年末についに流出超過と
なりました。

今後の成長に期待している方が多いということなのだとは思いますが、
あえてリスクの高いファンドを選ぶよりも堅実にインデックスファンドを
選べば十分だと思います。


※モーニングスター

グローバル自動運転関連株式ファンドの評価まとめと今後の見通し

2018年の1月にラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市(CES)では、
アメリカのタクシー配車サービス大手のLyftがラスベガス市内でタクシーの
完全自動運転デモ走行が行い、かなり高い評価を受けています。

グーグルから分社したWaymoもアリゾナ州のフェニックスで公道テストを
始めました。

スマートフォンが私たちの世界に欠かせないツールになったように、
自動運転や自動宅配といった世界もすぐそこまで来ていることが
何となくイメージできるのではないでしょうか?

一方で、内閣府が出した下記の資料を見ると、疑問点が出てきます。

他社のアナリストも同じようなことを言っているので、ある程度
共通認識になっていると思うのですが、自動運転が普及するのは、
早くても2020年代後半以降になるということです。

私も興味深いテーマではあると思いつつも、まだ10年程度はかかる
のではないかと思っています。

スマートフォンや携帯電話も一時期から急激に市場に浸透しましたが、
自動運転自動車もまさに同じようなパターンで浸透するでしょう。

しかし、今から投資をするのは、少し時期尚早だと思います。

少なくとも自動運転技術を開発している個別銘柄の株式に投資をする
というのであれば、それは構いません。

しかし、購入時に3%取られ、毎年2%近く手数料が取られるファンドの場合、
いつブームが来るかも定かではないものに期待をして投資をしておくというのは、
デメリットしかありません。

話を聞くと、将来性があるなと思ってしまう人が多いと思いますが、
いつ実現できそうなのか、そのあたりの具体性をしっかり確認しないと、
あなたは毎年手数料分だけコストを支払って終わることになりますよ。

直近、数年はインデックスファンドなど、購入時手数料がかからないファンドで
様子を見ながら、自動運転技術の普及が一般に浸透してきたと思ったタイミングで、
購入すれば十分だと思います。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点