一時期は8000億円を越えるほど大人気だった大和投信の
ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)。

 

過剰な分配が続いたことで近年はとにかく不人気となっており、
当時の半分以下の水準まで低下しています。

 

果たして今からでも投資する価値があるのか、今日はダイワ米国
リート・ファンド(毎月分配型)を徹底分析していきます。

 

 

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなしの基本情報

投資対象は?

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)の投資対象は、
米国REITです。

 

米ドル建資産のポートフォリオの配当利回りが市場平均以上に
なることを目指します。

 

世界のREITの市場規模は160兆円ほどありますが、その60%超が
米国REITを占めており、この約160銘柄から銘柄を選定していき
ます。

 

現在は約30銘柄まで絞り込んでいるようです。

 


※引用:交付目論見書

 

投資対象をもう少し細かく見てみると、ヘルスケアや産業施設、
データセンターの比率が高くなっています。


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するように
してください。

 

純資産総額は大きいほうが、ファンドマネージャーが資金を運用する際に
効率よくできたり、保管費用や監査費用が相対的に低くなりますので、
コストが低く抑えられます。

 

また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に
力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので
注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)は2015年頃まで
8000億円を超える規模になっていましたが、基準価額の下落
とともに、純資産を減らしています。

 

とは言っても、未だ2000億円の純資産がありますので、
規模としては全く問題ありません。

 

ようやく毎月分配型ファンドのデメリットに気づいた投資家も
増えてきており、解約が続いているような状況です。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用がかかって
いることをご存知ですか?

 

これを実質コストと言いますが、実質コストには、株式売買手数料や
有価証券取引税、監査費用などが含まれています。

 

特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストがかなり
割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)の実質コストは1.75%と
かなり割高です。

 

それに加えて高い購入時手数料もかかりますので、購入した初年度から
5%近く資産が目減りしてしまいます。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.672%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 1.75%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなしの評価分析

基準価額の推移は?

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)の基準価額は直近3年間で
約40%ほど下落しています。

 

コロナショック前までは、高い分配金を支払いながらも
基準価額はほぼ平行線でしたが、コロナショックで一気に
悪化しました。

 

分配金を支払わずに運用した場合の基準価額(青線)を見ると、
3年間で30%程度は上昇していましたが、コロナショックの影響
で今までの利益がすべて吹き飛びました。

 

急落相場でのRIETはやはり怖いですね。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)の直近1年間の
利回りは▲10.92%です。

 

3年平均、5年平均利回りもぱっとしない結果となっており、
運用会社に支払う信託報酬のほうが高くなっています。

 

10年平均利回りは依然として高い水準なので、今後利回りが
回復してくることを祈りたいところです。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年1月 2020年7月
1年 +24.30% ▲10.92%
3年 +6.00% ▲0.49%
5年 +4.05% 1.49%
10年 +11.76% 9.59%

※2020年7月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外REIT ランキング

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)は、国際RIETの
特定地域カテゴリーに属しています。

 

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンス
のファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォー
マンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

 

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)は、直近1年間で
大きくマイナスとなりましたが、それでも同カテゴリー内では
上位30%程度にランクインしています。

 

どの期間を見ても、上位30%台にいますので、ランキングから
見ると十分優秀な成果を出していると言えます。

 

半年前と比べると、コロナショック前後で順位に大きな
変動はなかったようです。

平均利回り(上位●%) 2020年1月 2020年7月
1年 18% 29%
3年 36% 32%
5年 35% 30%
10年 19% 32%

※2020年7月時点

 

年別のパフォーマンスは?

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)の年別のパフォー
マンスも見てみましょう。

 

2014年に50%近くのとてと高いリターンを獲得したあとは、
なんともパッとしないパフォーマンスが続いています。

 

2019年はついに米国リートが復活してくるかという流れ
でしたが、今回のコロナショックでまだ先になりそうです。

2020年 ▲15.85%(1-6月)
2019年 24.30%
2018年 ▲5.81%
2017年 +1.73%
2016年 ▲0.96%
2015年 +3.39%
2014年 +49.70%

※2020年7月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)に投資を
する前により低コストで運用できるインデックスファンド
とのパフォーマンスは比較しておいて損はありません。

 

今回は、S&P米国リート指数に連動するeMAXIS 米国リート
インデックスとパフォーマンスを比較してみました。

 

2019年以降は、ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)
のパフォーマンスが上回り始め、コロナショック以降は
さらにその差を広げています。

 

米国リートに投資をするのであれば、高いコストを支払って
でもアクティブファンドに投資をする価値があると言えますね。


※引用:モーニングスター

 

ダイワ 米国リート eMAXIS 米国リート
1年 ▲10.92% ▲14.65%
3年 ▲0.49% ▲3.00%
5年 1.49%
10年 9.59%

※2020年7月時点

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

続いて、ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)に
投資をするのであれば、同じくアクティブファンドで、米国
リートに投資をしているファンドとパフォーマンスを比較して
おきたいところです。

 

今回は、ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)と
同じく米国リートに投資をしているアクティブファンドである
フィデリティ・USリート・ファンドBダイワ・US-RIET・
オープン(毎月決算)Bコース
と比較をしました。

 

直近3年間のパフォーマンスではダイワ・US-REIT・オープン
(毎月決算型)Bコースが一番優れていることがわかります。

 

ただし、後述しますが、5年、10年の平均利回りで見ると、
少し様相が変わってきます。


※引用:モーニングスター

 

5年平均、10年平均利回りでは、ダイワ・US-REIT・オープン
(毎月決算型)Bコースよりも、ダイワ米国リート・ファンド
(毎月分配型)のほうがパフォーマンスで上回っており、
どちらに投資をするべきか悩ましいところではあります。

 

ただ、この差は誤差の範囲なので、どちらに投資をしても、
そこまでパフォーマンスに大きな差がつくことは今後も
ないでしょう。

ダイワ 米国リート ダイワ US-RIET
1年 ▲10.92% ▲9.97%
3年 ▲0.49% ▲0.22%
5年 1.49% 1.57%
10年 9.59% 9.65%

※2020年7月時点

 

最大下落率は?

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)に投資をする前に、
最大でどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことは非常に
重要です。

 

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

 

それではここでダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)の
最大下落率を見てみましょう。

 

最大下落率はリーマンショック時に6カ月間で最大59.81%下落しました。
さすがにここまでの下落はそうそう来ないと思いますが、株式ファンド
と同程度の下落は起こりうると思っておいてください。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲31.54%
3カ月 ▲49.48%
6カ月 ▲59.81%
12カ月 ▲57.72%

※2020年7月時点

 

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

 

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

 

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
▲742円 360円 ▲105%

※2019/7/22~2020/7/21

 

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)の直近1年間の
分配健全度は▲105%となっています。

 

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

 

ここまで分配健全度がマイナスになるファンドも珍しいですが、
ファンドの運用がうまくいっていないにもかかわらず、高い
分配金を支払っているようなファンドだとこのような数値に
なりがちですので、注意が必要です。

 

コロナショックの影響もありますが、マイナス100%を超える
というのは、ファンドのパフォーマンスに対して、相当
無理をした分配をしていることになります。

 

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

 

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

 

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

 

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)の分配金利回りは
15%とかなり高いので、大きな分配金を受け取ることができます。

 

ただ、ファンドの運用利回りがマイナスなので、あなたが
受け取っている分配金はあなたが投資した資金が戻って
きているに過ぎないということです。

 

これでは分配金利回りが高くても全く意味がありません。

 

繰り返しになりますが、分配金利回りと運用利回りは
違いますので、注意してください。

運用利回り 分配金利回り
1年 ▲10.92% 15.5%
3年 ▲0.49%
5年 1.49%
10年 9.59%

※2020年7月時点

 

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

 

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

 

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

 

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

 

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)の分配金
余力は、まだ90カ月以上ありますので、減配の心配は
ないと言えます。

 

ただし、分配利回りが異常に高くなっており、今後急速に
分配金余力が減少していくと思われるので、油断はできな
い状況です。

分配金 繰越対象額 分配金余力
177期 50円 2,686円 54.7カ月
178期 50円 2,636円 53.7カ月
179期 30円 2,615円 88.1カ月
180期 30円 2,592円 87.4カ月
181期 30円 2,562円 86.4カ月
182期 30円 2,620円 88.3カ月
183期 30円 2,638円 88.9カ月
184期 30円 2,611円 88.0カ月
185期 30円 2,582円 87.0カ月
186期 30円 2,563円 86.4カ月
187期 30円 2,706円 91.2カ月
188期 30円 2,682円 90.4カ月

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

積立NISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

 

そこで、積立NISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

積立NISA iDeCo
× ×

※2020年7月時点

 

評判はどう?

それでは、ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)の
評判はどうでしょうか?

 

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を見る
ことで、評判がわかります。

 

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪くなって
いれば、資金が流出超過になります。

 

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)は2016年まで大きく
資金が流入していましたが、減配されると同時に資金の流出が
止まらなくなっています。

 

2017年以降は毎月資金が流出しており、評判は下がる一方です。

 

パフォーマンスもそこまで優れず、無理な分配を続けている
ので当然の結果と言えますね。


※引用:モーニングスター

 

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなし評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

 

米国リート市場は、経済活動が徐々に再開されたことや景気の
持ち直しが想定よりも早まったことを支援材料に上昇したものの、
コロナの感染増加ペースが再加速したことから、不安定な
動きを続けています。

 

ここからもう一段大きく下落するというのは考えづらいですが、
ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)にとっては、コロナ
ショックの下落は相当大きな影響を与えました。

 

過剰な分配をしているところにコロナショックが来たこともあり、
分配金利回りは急上昇し、基準価額の下落に歯止めがかかりません。

 

分配金余力はまだ余裕がありますが、基準価額の下落が止まらない
ので、減配のリスクがまったくないとも言い切れません。

 

何より、明らかにファンドの収益よりも高い分配金を出して、
投資家を騙すような運用をしているダイワ米国リート・ファンド
(毎月分配型)にあえて投資をする理由がないと言えます。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点