モーニングスターのファンド・オブ・ザ・イヤーを何度も
受賞しているダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース。

 

モーニングスターが高い評価をしているからという理由で、
購入が促進されてしまっていると思いますが、未だ多くの
方が保有しているファンドです。

 

ダイワ・US-REITは為替ヘッジ有/無と毎月分配型/年1決算型の
4コースが用意されています。

 

今日は、その中でも最も人気の高いダイワ・US-REIT・オープン
(毎月決算型)Bコースを徹底分析していきます。

 

現在、保有している方はぜひ参考にしてください。

 

 

ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースの基本情報

投資対象は?

ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースの投資対象は、
米国のリートで、配当利回りがFTSE NAREITエクイティREIT・
インデックス以上のパフォーマンスとなるように運用しています。

 

現在の組み入れ銘柄数は31銘柄となっており、構成比の上位を
見てみると、ヘルスケアが15.2%、産業施設が14.4%、データセンター
が14.2%となっています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

運用体制は?

マザーファンドの運用においては、コーヘン&スティアーズ・
キャピタル・マネジメント・インクが運用指示を行っています。

 

コーヘン&スティアーズ社は米国初のリート専門会社として、
1986年に設立されており、現地調査による分析能力では、業界
随一と言われています。

 

運用・調査経験年数が25年以上のベテランファンドマネージャーが
ファンド設定以来一貫して、担当しています。

 

純資産総額は?

続いて、ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースの
純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む
可能性がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースは、2011年
ごろから資産が爆発的に増え始め、一時期は7500億円ほど
になりました。

 

しかし、毎月分配型の風当たりが強くなっていることもあり、
純資産総額は5000億円近くまで減少しています。

 

純資産の規模としては全く問題ありませんね。


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

 

ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースの実質コストは
1.75%とかなり割高の設定です。

 

購入時手数料も考えると、初年度は5%を超えてくるため、慎重に
ならなければいけません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%※上限
信託報酬 1.672%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 1.75%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースの評価分析

基準価額の推移は?

ダイワ・USリート・オープン・Bコースの直近3年間の基準価額
の推移を見てみましょう。

 

分配金を受け取らずに再投資をした場合の基準価額(青線)は
3年間で約20%ほど上昇していましたが、コロナショックで、
それまでの利益がすべて吹き飛びました。

 

さらに基準価額を見るとは3年間で40%近く下落しており、
基準価額の下落に歯止めがかからなくなっています。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースの直近1年の
利回りは▲9.97%となっています。

 

半年前と比べると、コロナショックの影響で、かなり利回りが
悪化しています。

 

5年平均利回りも1.5%程度しかなく、運用会社と販売会社が
毎年受け取る信託報酬のほうが高くなっているような状況です。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年1月 2020年7月
1年 24.19% ▲9.97%
3年 5.82% ▲0.22%
5年 3.89% 1.57%
10年 11.68% 9.65%

※2020年7月時点

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースは、国際RIETの
特定地域カテゴリーに属しています。

 

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンス
のファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォー
マンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

 

ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースは、直近1年間で
大きくマイナスとなりましたが、それでも同カテゴリー内では
上位20%程度にランクインしています。

 

どの期間を見ても、上位20%台にいますので、ランキングから
見ると十分優秀な成果を出していると言えます。

 

コロナショックで世界的にリートがダメージを受けたことが
ここからもわかりますね。

平均利回り(上位●%) 2020年1月 2020年7月
1年 21% 21%
3年 43% 26%
5年 39% 27%
10年 25% 25%

※2020年7月時点

 

年別のパフォーマンスは?

ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースの年別の
パフォーマンスを見てみましょう。

 

ここ5~6年はプラスとマイナスのリターンを交互に繰り返して
おり、トータル見てもほとんどプラスになっていません。

 

この程度のパフォーマンスであれば、あえて米国リートに
投資をせずとも、他のアセットクラスのファンドに投資を
したほうが大きなリターンを期待できそうです。

年間利回り
2020年 ▲14.96%(1-6月)
2019年 24.19%
2018年 ▲6.13%
2017年 1.64%
2016年 ▲0.96%
2015年 3.14%
2014年 49.63%

※2020年7月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースに投資を
する前により低コストで運用できるインデックスファンド
とのパフォーマンスは比較しておいて損はありません。

 

今回は、S&P米国リート指数に連動するeMAXIS 米国リート
インデックスとパフォーマンスを比較してみました。

 

2019年以降は、ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)
Bコースのパフォーマンスが上回り始め、コロナショック
以降はさらにその差を広げています。

 

米国リートに投資をするのであれば、高いコストを支払って
でもアクティブファンドに投資をする価値があると言えますね。

 


※引用:モーニングスター

 

ダイワ US-RIET eMAXIS 米国リート
1年 ▲9.97% ▲14.65%
3年 ▲0.22% ▲3.00%
5年 1.57%
10年 9.65%

※2020年7月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

続いて、ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースに
投資をするのであれば、同じくアクティブファンドで、米国
リートに投資をしているファンドとパフォーマンスを比較して
おきたいところです。

 

今回は、ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースと
同じく米国リートに投資をしているアクティブファンドである
フィデリティ・USリート・ファンドB新光US-RIETオープン
と比較をしました。

 

直近3年間のパフォーマンスではダイワ・US-REIT・オープン
(毎月決算型)Bコースが一番優れていることがわかります。

 

ただし、後述しますが、5年、10年の平均利回りで見ると、
少し様相が変わってきます。

 


※引用:モーニングスター

 

5年平均、10年平均利回りでは、ダイワ・US-REIT・オープン
(毎月決算型)Bコースよりも、フィデリティ・USリート・
ファンドBのほうがパフォーマンスで上回っており、どちらに
投資をするべきか悩ましいところではあります。

 

ただ、大きくどちらのファンドに投資をしてもパフォーマンス
は変わらないでしょう。

ダイワ US-RIET フィデリティUSリート
1年 ▲9.97% ▲9.99%
3年 ▲0.22% ▲0.85%
5年 1.57% 1.73%
10年 9.65% 10.58%

※2020年7月時点

 

最大下落率は?

投資を検討するのであれば、基準価額がどの程度下落する可能性が
あるのは知っておきたいところです。

 

標準偏差からある程度は予測できますが、最大下落率を直接確認した
ほうがイメージがわきますね。

 

ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースは2008年9月~
2009年2月の間に最大▲59.35も下落しています。

 

リートはリスクが低いと思われがちですが、下落するときは大きく
下落しますので、その点は心にとめておきましょう。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲31.27%
3カ月 ▲49.05%
6カ月 ▲59.35%
12カ月 ▲57.18%

※2020年7月時点

 

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

 

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

 

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
▲778円 480円 ▲62%

※2019/7/22~2020/7/21

 

ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースの直近1年間の
分配健全度は▲62%となっています。

 

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

 

ここまで分配健全度がマイナスになるファンドも珍しいですが、
ファンドの運用がうまくいっていないにもかかわらず、高い
分配金を支払っているようなファンドだとこのような数値に
なりがちですので、注意が必要です。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

 

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

 

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

 

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

 

ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースの分配金利回りは
かなり高いので、大きな分配金を受け取ることができます。

 

ただ、ファンドの運用利回りがマイナスなので、あなたが
受け取っている分配金のほとんどはあなたが投資した資金
が戻ってきているに過ぎないということです。

 

これでは分配金利回りが高くても全く意味がありません。

 

未だ多くの投資家が勘違いをしながら、分配金利回りが
高いファンドに投資をしていますが、くれぐれも気を
つけてほしいと思います。

運用利回り 分配金利回り
1年 ▲9.97% 22.9%
3年 ▲0.22%
5年 1.57%
10年 9.65%

※2020年7月時点

 

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

 

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

 

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

 

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

 

ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースの
分配金余力は、まだ40カ月以上ありますので、減配の
心配はないと言えます。

 

ただし、分配利回りが異常に高くなっており、今後急速に
分配金余力が減少していくと思われるので、油断はできな
い状況です。

分配金 繰越対象額 分配金余力
177期 40円 1,774円 45.3カ月
178期 40円 1,780円 45.51カ月
179期 40円 1,760円 45カ月
180期 40円 1,726円 44.1カ月
181期 40円 1,695円 43.3カ月
182期 40円 1,746円 44.6カ月
183期 40円 1,772円 45.3カ月
184期 40円 1,735円 44.3カ月
185期 40円 1,696円 43.4カ月
186期 40円 1,708円 43.7カ月
187期 40円 1,771円 45.2カ月
188期 40円 1,736円 44.4カ月

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

積立NISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

 

そこで、積立NISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

積立NISA iDeCo
× ×

※2020年7月時点

 

評判はどう?

ネット上の書き込みでは、「詐欺商品だ!即刻解約すべきだ!」と
かなり厳しいコメントが目立ちますが、実際に月次の資金流出入額
を見ると、思った以上に資金流出が起きていません。

 

フィデリティ・US・リートでは、2017年もかなり資金流出があった
のですが、ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースは思った
以上に流出していません。

 

これだけ悲惨な運用をしているファンドにここまで資金が
集まってしまう状況というのは、残念でなりませんね。

 


※引用:モーニングスター

 

ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースの評価まとめと今後の見通し

USリートの成長率は年間4~6%が想定されており、
今後、コロナショックの影響が落ち着いてこれば、
一桁中盤の利回りは期待できると思います。

 

ただ、ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコースは、
コロナショックで基準価額が大きく下落した結果、分配金
利回りが、22%を超えています。

 

22%の分配金を賄えるほど米国リートの利回りは高くありません
ので、今後は基準価額の下落がどんどん続き、タコ足配当も
さらに加速していきます。

 

このようなサイクルに入ったファンドに今から投資をしても、
あなたが得られるメリットはほとんどないと言えます。

 

まだ米国リートの運用利回りが高いのであれば、投資を検討
する余地もありますが、株式ファンドよりもパフォーマンスは
落ちます。

 

かつ、下落するときは、株式ファンドよりも大きく下落する
傾向がありますので、あえて米国リートを保有するメリットが
見当たりません。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点