世界の高配当利回り公益株に投資するファンドの先駆的
存在として、圧倒的な人気を集めたピクテ・グローバル・
インカム株式ファンドです。

 

2007年に純資産総額が2兆円を超えて以来、下落の一途を
たどっていましたが、2019年以降、また人気が出始めて
います。

 

直近、コロナショックの影響で基準価額が大きく下落し、
分配金利回りも跳ね上がりました。そうすると、今後の
分配金の支払いが厳しくなってきそうですが、はたして
どうなのでしょうか?

 

今日はピクテ・グローバル・インカム株式ファンドについて
しっかり分析していきたいと思います。

 

 

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配)の基本情報

投資対象は?

投資対象は世界の高配当利回りの公益株(電力、ガス、
水道、電話、通信、運輸、廃棄物処理、石油供給などの
企業)に投資を行い、特定の銘柄や国に集中せずに分散
投資を行います。

 

公益企業というのは、日常生活に不可欠なサービスであり、
そのため景気の良し悪しに左右されにくく、収益基盤が
相対的に安定するのが特徴の一つです。

 

今回のコロナショックでも他の株式ファンドと比較すると
下落幅が確かに小さくなっており、公益企業は暴落時に
株価への影響が小さいことが証明されました。

 

現在、組み入れ銘柄は54銘柄で、組み入れ銘柄の予想平均
配当利回りは3.4%となっています。

 

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで
銘柄を入れ替えることができなかったり、純資産総額が
大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまくで
きず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、
事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配)は、
2008年に2兆円という巨額の資金が集まっていましたが、
徐々に減っていきました。

 

しかし直近でまた人気が盛り返し始めており、すでに
1兆円をこえる規模にまで膨れ上がってきています。

 

規模としては、全く問題ありませんね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配)の
実質コストは1.81%となっており、購入時手数料も高く、
積極的におすすめできる商品ではありません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.85%(税込)
信託報酬 1.81%(最大)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.81%(税込)

※引用:運用報告書

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドよりはるかに優れた海外株式ファンド特集

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配)の評価分析

基準価額をどう見る?

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドの直近の基準
価額の動向を見てみましょう。

 

2017年には4000円近くあった基準価額が直近のコロナ
ショックの影響で2400円近くまで下落しています。

 

その影響で、分配金利回りはとても高くなっており、
今後、配当がかなり厳しくなることが予想されます。

 

分配金を再投資したときの基準価額(青線)を見ると、
ここ3年の利益を一瞬で吹き飛ばしています。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドの利回を見てみ
ましょう。

 

直近1年間の利回りは▲6.58%となっています。3年、5年
平均利回りを見ても、同じようにかなり厳しい水準です。

 

10年平均利回りはプラスですので、直近でこういった暴落
があるとどうしてもパフォーマンスは悪く見えてしまいますね。

 

ただ、カテゴリー内の順位を見ると、他の同類ファンドと
比べて、上位にランクインしていることから、社会の基盤を
支えるような銘柄は下落に強いということがよくわかります。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲6.58% 23%
3年 +1.75% 27%
5年 +0.00% 25%
10年 +4.41% 8%

※2020年4月時点

 

標準偏差は?

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドの標準偏差を
見てみると、同カテゴリー内では非常に優れていること
がわかります。

 

安定したリターンを追求しているため、利回りは高くあり
ませんが、基準価額のブレは小さく抑えられていますね。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのは
ご存じでしょうか?

 

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいて
くださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 21.95 51%
3年 14.92 12%
5年 13.62 6%
10年 13.87 9%

※2020年4月時点

 

年別のパフォーマンスは?

続いて、ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドの
直近7年間の年別のパフォーマンスを見てみましょう。

 

下落に強い銘柄で構成されているので、年別のリターンも
悪くないかと思いきや、マイナスの年も多く、正直そこまで
優れた成果を残せているわけではありません。

 

リターンを追求するのであれば、いまいちですね。。

年間利回り
2020年 ▲15.68%(1-3月)
2019年 +25.10%
2018年 ▲4.55%
2017年 +8.53%
2016年 ▲0.34%
2015年 ▲10.07%
2014年 +22.50%

※2020年4月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

高いコストのアクティブファンドに投資を検討するので
あれば、より低コストで投資ができるインデックスファンド
とパフォーマンスを比較しておいて損はありません。

 

今回は、グローバルに分散投資ができるeMAIXS 全世界株式
とパフォーマンスを比較しました。

 

直近3年で比較をすると、ほとんどの期間でeMAXIS 全世界
株式のほうが優れていることがわかります。

 

これを見る限り、あえて高いコストを支払ってまで、
ピクテ・グローバル・インカム株式に投資をするメリット
を感じません。

 


※引用:モーニングスター

 

最大下落率は?

投資を検討するのであれば、基準価額がどの程度下落する
可能性があるのは知っておきたいところです。

 

標準偏差からある程度は予測できますが、最大下落率を直接
確認したほうがイメージがわきますね。

 

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドは2008年1月~2008年
12月の間に最大▲46.52%も下落しています。

 

株式ファンドですので、最大下落率はどうしても大きくなり
がちです。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかも
しれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、
元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲20.27%
3カ月 ▲34.60%
6カ月 ▲39.34%
12カ月 ▲46.52%

※2020年4月時点

 

分配金の推移と分配金余力は?

分配金の推移を見てみると、2014年ごろから毎月50円の
分配を維持していましたが、ついに2019年に減配され
ました。。

 

分配金余力はまだ約30カ月あるので、少し余裕があります
が、そろそろ注意が必要な水準にまで来ています。

 

基準価額に対する分配金の割合を示す分配金利回りは約20%
となっており、ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド
(毎月分配)にとっては、かなり過剰な分配を行っていること
になります。

 

今後、タコ足配当の影響が出てきて、基準価額の下落が加速
する可能性があります。

 

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情が
ない限りは毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
168期 50円 1,145円
169期 40円 1,146円
170期 40円 1,147円
171期 40円 1,150円
172期 40円 1,151円
173期 40円 1,152円

評判はどう?

では、かなり苦しい運用が続いているピクテ・グローバル・
インカム株式ファンドですが、評判はどうなのでしょうか?

 

こちらに月次の資金流出入額を載せました。資金流出入額
というのは、このファンドの人気度、評判をはかる指標で
あり、流出=人気がない、評判が悪い。流入=人気がある。
評判がいい。ということになります。

 

2018年以降は、パフォーマンスが悪くないので、資金が
流入超過となっています。ただ、私からすると、ここまで
資金が流入する根拠がわかりません。

 

あるとすると、基準価額が下落してきたことで、配当利回り
が高くなってきたことによる影響だと思われます。

 


※引用:モーニングスター

 

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配)の今後の見通し

いかがでしたでしょうか?

 

今回、コロナショックの影響で、基準価額が大きく下落
しました。

 

今までも、そこそこ分配金利回りは高くなっていたので
すが、今回の下落で一段と利回りが高くなりました。

 

正直、分配金利回りが20%というのは、ファンドの収益力
をはるかに上回っています。今後、タコ足配当が続くと、
基準価額の下落に拍車がかかり、負のスパイラルに突入
してしまうでしょう。

 

長年守っていた分配金を50円に引き下げたにもかかわらず、
コロナショックの影響で、ほぼ意味がなくなりました。

 

ただ、運用会社としては、分配金を引き下げると資金の
流出が起きますので、できるだけ下げたくないというのが
本音です。

 

そのため、分配金の引き下げは後手後手に回ることが多く、
その結果、分配金のうち、運用リターンで賄いきれなかった
分、基準価額の下落が続くでしょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

安定的に分配金が支払われていると、どうしてもファンドに
ついて詳しく調べたりしなくなってしまいます。

 

一方で、このようにしっかりファンドを分析していくと、
どのあたりい問題があるのかわかるようになります。

 

インデックスファンドにパフォーマンスで負けている点も
気になりますし、コスト面もかなり割高です。さらに、
今後は、分配金の支払いが重たくなり、基準価額の下落
にも拍車がかかります。

 

と考えると、あえて投資をする銘柄ではないと思います

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点