近年、医療業界では、テクノロジー主導のイノベーションが次々と起こっています。AIやロボットによる診療や治療、IoTによる遠隔医療システム、次世代シーケンサーによる遺伝子情報に基づく個別医療の実現などです。

こうした先進医療の分野には、先進的な技術力をもつIT企業が続々と市場に参入しており、今後の成長に期待が持てます。

今日は、そんな先進医療に特化した野村ACI先進医療インパクト投資を徹底分析していきます。
※Bコースを中心にAコース~Dコースを比較していきます。

「野村ACI先進医療インパクト投資って投資対象としてどうなの?」

「野村ACI先進医療インパクト投資って持ってて大丈夫なの?」

「野村ACI先進医療インパクト投資より良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。


野村ACI先進医療インパクト投資の基本情報

投資対象は?

野村ACI先進医療インパクト投資は新興国を含む世界各国の先進医療関連企業の株式に投資をしていきます。

インパクト投資というのは、社会的な課題の解決に取り組む企業に投資をすることで、投資収益と社会課題の解決の両方を追求する投資のことです。

野村ACI先進医療インパクト投資では、①革新的治療の提供、②医薬品・医療サービスへのアクセス、③医療費削減のソリューション、④効果的な医療機器・サービスの提供を投資のテーマとして、銘柄を選定していきます。

テーマ別の銘柄数は以下のようになっています。


※引用:マンスリーレポート

また国別の構成比を見てみると90%近くがアメリカ株式となっており、実質、米国株ファンドと言っても差し支えなさそうです。


※引用:マンスリーレポート

運用体制は?

実質的な運用はアメリカン・センチュリー・インベストメンツ(ACI)が行います。ACIは約60年間、質の高いアクティブ運用を行っています。

また、ACIの創業者が設立した非営利団体「ストワーズ医学研究所」がACIの実質的な支配株主となっており、ACIの配当がストワーズ医学研究所の活動原資となっており、医学・医療の発展に貢献しています。

名実ともに、投資収益と社会課題への取り組みを実践している企業と言えるでしょう。

純資産総額は?

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで売買できなかったり、コストが嵩みますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

野村ACI先進医療インパクト投資 Bコースは現在約816億円ほどの規模です。

Aコース~Dコースの純資産の合計をすると1,955億円を超えてきており、ここまで資金を集めることができているのは、投資で収益だけでなく、社会課題も解決できるということで、多くの投資家の心をつかんだようです。

規模としては全く問題ないレベルですね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

野村ACI先進医療インパクト投資Bコースの実質コストは1.83%とかなり割高です。

購入時手数料を合わせると、5%を超えてくるため、相当優れたパフォーマンスが優れていなければ投資する気になれない水準です。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.815%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.83%(概算値)

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

野村ACI先進医療インパクト投資の評価分析

基準価額をどう見る?

野村ACI先進医療インパクト投資Bコースの基準価額の推移を見てみましょう。コロナショックでも大きく下落しましたが、それ以降着実に基準価額を伸ばしています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

つづいて、野村ACI先進医療インパクト投資Bコースの運用実績を見てみましょう。

直近1年間の利回りは+6.23%、3年平均利回りは17%とパフォーマンスを見ると、かなり好調のように見えます。

ただ、この利回りだけを見て、投資判断をしてはいけません。他のファンドと利回りを比較してから投資をするようにしてください。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 +6.23%
3年 +17.56%
5年
10年

※2022年10月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

野村ACI先進医療インパクト投資Bコースは、海外株式の北米カテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

野村ACI先進医療インパクト投資Bコースは、3年平均利回りは上位30%に入っており、悪くない順位であることがわかります。

上位●%
1年 43%
3年 28%
5年
10年

※2022年10月時点

年別のパフォーマンスは?

野村ACI先進医療インパクト投資Bコースは2019年~2021年まで毎年2桁プラスとなっており、2022年も株式ファンドの多くが下落する中で、マイナス幅をかなり抑えられています。

年間利回り
2022年 ▲1.34%(1-9月)
2021年 +27.85%
2020年 +12.31%
2019年 +22.73%

※2022年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

高コストのアクティブファンドに投資をするのであれば、その前に類似のインデックスファンドとパフォーマンスを比較しておかなければいけません。

比較をしてみると、より正確に投資判断ができるようになります。

野村ACI先進医療インパクト投資Bコースは90%が米国株式なので、S&P500に連動する米国株式ファンドであるiFree S&P500インデックスとパフォーマンスを比較してみました。

※引用:モーニングスター

コロナショックでは下落幅の小さかった野村ACI先進医療インパクト投資ですが、2021年以降はiFree S&P500インデックスに大きく差をつけられています。

これでは高いコストを支払ってまで投資をする価値はありません。

野村ACI先進医療 iFree SP500
1年 +6.23% +9.24%
3年 +17.56% +19.59%
5年 +14.72%
10年

※2022年10月時点

Aコース、Bコース、Cコース、Dコースどれがいいの?

さて、野村ACI先進医療インパクト投資に投資をする上で、Aコース~Dコースでどれに投資をすればよいのか悩む人も多いと思います。

そこで、A~Dコースのパフォーマンスを比較しました。


※引用:モーニングスター

直近のパフォーマンスで見ると、為替ヘッジ無で分配金無のBコースが一番パフォーマンスで優れています。為替ヘッジ無分配金有のDコースも同じようなパフォーマンスですね。

ですので、為替ヘッジは為替のことを考えたくないという人はヘッジ有、円安になるだろうと思う方はヘッジ無を選択すればよいと思います。

最大下落率は?

野村ACI先進医療インパクト投資Bコースに投資をする前に、最大でどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではここで野村ACI先進医療インパクト投資Bコースの最大下落率を見てみましょう。

期間 下落率
1カ月 ▲13.07%
3カ月 ▲11.58%
6カ月 ▲9.08%
12カ月 ▲5.18%

※2022年10月時点

最大下落率は2018年12月の1カ月で▲12.03%となっています。コロナショックよりも2018年の下落のほうが大きかったようですね。

評判はどう?

評判がどうなのかを判断するうえで資金の流出入額が役に立ちます。資金が流入超過になっているということは、それだけ購入している人が多いということです。つまり評判が良いということです。

それでは、野村ACI先進医療インパクト投資はどうでしょうか。

2019年の後半からは大半の期間で資金が流出しており、評判はよくないようですね。インデックスファンドにパフォーマンスで負けてしまっているので、当然と言えば、当然です。


※引用:モーニングスター

野村ACI先進医療インパクト投資の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

医療というテーマは今後社会的な課題になるのは間違いないのですが、過去に医療をテーマにしたテーマ型ファンドは色々と登場しているものの、高いパフォーマンスを出し続けているファンドというのは、ほぼありません。

先進医療×AI、ロボ、5Gといった今、話題のテーマなので、期待したいところではありますが、購入時手数料、信託報酬ともにかなり高く、インデックスファンドにもパフォーマンスで負けてしまうようでは投資価値がありません。

今後、パフォーマンスもインデックスファンドより優れており、社会課題の解決にも貢献できるようなファンドが多数出てくると、世の中がもっと良くなると思うので、そんなファンドの登場に期待したいところです。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点