設定から20周年を迎え、盛り上がりを見せている、フィデリティ・日本成長株・ファンド。純資産総額も4000億円に迫っており、長期間に渡り、投資家から愛されているファンドです。

今日は、フィデリティ・日本成長株・ファンドについて独自目線で徹底分析していきます。

「フィデリティ・日本成長株・ファンドって投資対象としてどうなの?」

「フィデリティ・日本成長株・ファンドって持ってて大丈夫なの?」

「フィデリティ・日本成長株・ファンドより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。


フィデリティ・日本成長株・ファンドの基本情報

投資対象は?

投資対象は高い成長が期待できる日本企業です。将来の企業価値を徹底的に調査・分析して高成長が期待できる企業を選別します。

当ファンドの運用担当者が注目している切り口は、①自働化・省人化②省エネ③ヘルスケア④デジタル革命⑤新興国の消費拡大です。

フィデリティの強みでもある全世界にまたがるネットワークを活用し、仕入先や関係会社はもちろん、海外の競合他社の情報まで調査し、銘柄選定を行っていきます。


※引用:交付目論見書

業種別で見ると、電気機器や情報・通信業の比率が高くなっているのが特徴の一つです。


※引用:マンスリーレポート

現在の組入銘柄数は約182銘柄で上位銘柄は下図のようになっています。

電気機器や機械系の企業が占めています。気になるのは組入銘柄数がかなり多いため、基準価額の動きがTOPIXや日経平均とかなり似通っているのではないかという点です。

あまりこの点に気づかない人もいるのですが、銘柄数が多くなればなるほど、日本全体に投資をしていることになるので、TOPIXや日経平均に値動きが近くなってしまいます。

その結果、高いコストを支払ってまで投資する価値がなくなっている可能性があるので注意してください。


※引用:マンスリーレポート

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

つみたてNISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと思います。そこで、つみたてNISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

つみたてNISA iDeCo
× 〇 イオン銀行、岡三証券、ソニー銀行、ゆうちょ銀行など

※2022年10月時点

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

純資産総額が小さいと運用が効率的に行えず、余計なコストが発生したり、運用会社も運用に力を入れないため、パフォーマンスが優れないといったデメリットが発生します。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

フィデリティ・日本成長株・ファンドは純資産の規模が一時は2000億円規模まで減りましたが、また盛り返してきており、現在は4,340億円ほどになっています。かなり巨大ファンドですので、規模としては全く問題ありません。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

フィデリティ・日本成長株・ファンドの実質コストは1.727%となっており、割高です。購入時手数料と併せて5%近く取られますので、積極的にはおすすめできません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.683%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.727%(概算値)

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

フィデリティ・日本成長株・ファンドの評価分析

基準価額をどう見る?

フィデリティ・日本成長株・ファンドの基準価額はコロナショック後大きく上昇しましたが、2022年に入り、また大きく下落しています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

フィデリティ・日本成長株・ファンドの直近1年間の利回りは▲16.49%と、かなり大きくマイナスになっています。ただ3年、5年、10年平均利回りは安定してプラスのリターンを生んでいます。

投資信託は長期保有が前提になりますので、単年の利回りはあまり参考にしなくても構いません。ただ、他の類似ファンドとパフォーマンスを比較するまでは投資判断をしないようにしてください。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 ▲16.49%
3年 +8.32%
5年 +4.28%
10年 +11.84%

※2022年10月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している国内大型株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

せっかく投資をするのであれば、同じカテゴリー内でも、優れたファンドに投資をするべきです。

フィデリティ・日本成長株・ファンドは国内大型成長株カテゴリーに属しています。

このカテゴリー内でのランキングを確認すると、3年を除いて平均以下の順位です。

上位●%
1年 80%
3年 32%
5年 79%
10年 78%

※2022年10月時点

年別のパフォーマンスは?

フィデリティ・日本成長株・ファンドの年別のパフォーマンスも見てみましょう。

マイナスの年もありますが、総じてプラスの年が多く、悪くないパフォーマンスに思えます。ただ、先ほど調べたのように同カテゴリー内でのランキングはかなり低いので、注意してください。

年間利回り
2022年 ▲15.81%(1-9月)
2021年 +11.89%
2020年 +20.32%
2019年 +28.81%
2018年 ▲24.09%
2017年 +30.70%
2016年 ▲0.71%
2015年 +11.70%
2014年 +7.74%

※2022年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、インデックスファンドとのパフォーマンスの比較は必ずしておいたほうが良いです。

特にフィデリティ・日本成長株・ファンドは組入銘柄数が200銘柄近いので、日経平均やTOPIXの動きに近くなる可能性があります。

そこで、今回は日経225に連動するニッセイ 日経225インデックスファンドのパフォーマンスを比較しました。


※引用:モーニングスター

2021年まではフィデリティ・日本成長株ファンドが大きくリードする場面もありましたが、2022年以降はほぼ互角の戦いをしています。

ただ、より長期のパフォーマンスはどうでしょうか。

フィデリティ・日本成長株F ニッセイ 日経225インデックスF
1年利回り ▲16.49% ▲10.29%
3年平均 +8.32% +7.77%
5年平均 +4.28% +6.77%
10年平均 +11.84% +13.08%

※2022年10月時点

5年、10年平均利回りで見ると、ニッセイ 日経225インデックスファンドのほうが上回っており、このパフォーマンスだとあえて高いコストを支払って、フィデリティ・日本成長株ファンドに投資をしようと思えません。

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、他のアクティブファンドとパフォーマンスを比較してから投資をしても遅くありません。

今回は、フィデリティ・日本成長株・ファンドと同じく大型株カテゴリーのスパークス・新・国際優良日本株ファンド『厳選投資』と比較をします。


※引用:モーニングスター

直近のパフォーマンスはフィデリティ・日本成長株ファンドのほうが優れていることがわかります。

ただ、5年、10年の平均利回りとなると、厳選投資が大きくリードするようになっており、この結果を見ると、高いコストを支払うのであれば、厳選投資のようなファンドに投資をしたいと思ってしまいますね。

フィデリティ・日本成長株F 厳選投資
1年利回り ▲16.49% ▲22.13%
3年平均 +8.32% +5.38%
5年平均 +4.28% +5.59%
10年平均 +11.84% +16.29%

※2022年10月時点

最大下落率はどれくらい?

投資するにあたって、最大どの程度下落する可能性があるのか知っておくことは非常に重要です。

結局、多くの人が、大きな下落を経験すると、もうこれ以上は損をしたくないと思い、基準価額が大きく下がったタイミングで売却してしまうからです。

フィデリティ・日本成長株・ファンドの最大下落率は、2007年11月~2008年10月で▲49.21%となっています。

期間 下落率
1カ月 ▲23.63%
3カ月 ▲35.63%
6カ月 ▲41.44%
12カ月 ▲49.21%

※2022年10月時点

リーマンショックと比べると、今回のコロナショックはたいしたことがなかったと言えます。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

評判はどう?

フィデリティ・日本成長株・ファンドの評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流出しているということは、それだけこのファンドを解約している人が多いということなので、評判が悪いということです。

フィデリティ・日本成長株・ファンドは全体として、資金流出している月が多く、評判がいいとは言えません。

インデックスファンドよりパフォーマンスが劣っていますし、あえて高いコストを支払ってでも投資をしたいという人が少ないということですね。


※引用:モーニングスター

フィデリティ・日本成長株・ファンドの評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

20年という長期間の間、多くの投資家から愛され続けているファンドというのは、それだけでも素晴らしいのですが、残念ながら、時代にあった内容になっているとは限りません。

特に、実質コストが1%後半となっており、近年の低コストファンドと比べると、10倍くらいの差があります。

運用会社としては儲けの源泉なので、そうそう信託報酬をさげることはありませんが、投資家が気づかないとどうにもなりません。

直近はインデックスファンドにパフォーマンスで負けており、最低限の条件もクリアできていません。

悪くはないのですが、この程度のパフォーマンスのアクティブファンドであればいくらでもありますし、あえて自分のポートフォリオに組み入れるべき1本ではないでしょう。

高いコストを支払ってアクティブファンドに投資をするのであれば、少なくともインデックスファンドに負けていない厳選投資のようなファンドに投資をすることをおすすめします。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点