設定から20周年を迎え、盛り上がりを見せている、フィデ
リティ・日本成長株・ファンド。純資産総額も3000億円を
超えており、長期間に渡り、投資家から愛されているファ
ンドです。。

 

ただ、実際に分析してみると、このファンドに投資をして
いて大丈夫?という点が色々と見つかりました。

 

今日は、フィデリティ・日本成長株・ファンドについて独自
目線で分析していきます。

 

 

フィデリティ・日本成長株・ファンドの基本情報

投資対象は?

投資対象は高い成長が期待できる日本企業です。将来の
企業価値を徹底的に調査・分析して高成長が期待できる
企業を選別します。

 

当ファンドの運用担当者が注目している切り口は、①自働化
・省人化②省エネ③ヘルスケア④デジタル革命⑤新興国の
消費拡大です。

 

フィデリティの強みでもある全世界にまたがるネットワーク
を活用し、仕入先や関係会社はもちろん、海外の競合他社の
情報まで調査し、銘柄選定を行っていきます。

 


※引用:交付目論見書

 

業種別で見ると、電気機器や機械の比率が高くなっている
のが特徴の一つです。

 


※引用:マンスリーレポート

 

現在の組入銘柄数は約270銘柄で上位銘柄は下図のように
なっています。

 

電気機器や機械系の企業が占めています。気にのは組入
銘柄数がかなり多いため、基準価額の動きがTOPIXや
日経平均とかなり似通っているのではないかという点です。

 

あまりこの点に気づかない人もいるのですが、銘柄数が多く
なればなるほど、日本全体に投資をしていることになるので、
TOPIXや日経平均に値動きが近くなってしまいます。

 

その結果、高いコストを支払ってまで投資する価値がなく
なっている可能性があるので注意してください。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄
を入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少
していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬ
マイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

フィデリティ・日本成長株・ファンドは3,200億円ほど集まって
いる巨大ファンドですので、規模としては全く問題ありません。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資
判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

フィデリティ・日本成長株・ファンドの実質コストは1.714%と
なっており、前期と比べると安くなりましたが、それでも
かなり割高です。

 

購入時手数料と併せて5%近く取られますので、積極的には
おすすめできません。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.6524%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.714%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

フィデリティ・日本成長株・ファンドの評価分析

基準価額の推移は?

フィデリティ・日本成長株・ファンドの基準価額は2018年1月
以降は大きく上下しながらも下落トレンドになっています。

 

コロナショックでは一時期30%ほど下落しましたが、半値
ほど戻しました。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

フィデリティ・日本成長株・ファンドの直近1年間の利回りは
▲6.44%となっており、マイナスではありますが、同カテゴ
リー内でも上位25%にランクインしています。

 

3年、5年平均利回りは1%程度しかないので、実質運用会社
のほうがこの期間は儲けていることがわかります。

 

10年平均で見ると、5%程度はあるので、コロナショック等の
暴落相場でもやはり保有を続けることが大事であるとわかり
ます。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解して
いますか?

 

もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてく
ださい。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲6.44% 25%
3年 +0.75% 58%
5年 +1..21% 58%
10年 +5.66% 85%

※2020年4月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している国内大型株式ファンドランキング

 

標準偏差は?

フィデリティ・日本成長株・ファンドの基準価額の変動幅の
大きさを比較する上で役に立ちます。

 

フィデリティ・日本成長株・ファンドは平常時は15~16で
すが、コロナショックの影響で19近辺まで上昇しました。

 

ただ、1.5倍や2倍にまで上昇しているわけではないので、
コロナショックの影響はそこまで大きくなかったことが
わかります。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 18.79 44%
3年 17.33 50%
5年 17.39 53%
10年 17.60 32%

※2020年4月時点

 

年別のパフォーマンスは?

<フィデリティ・日本成長株・ファンドの年別のパフォーマ
ンスも見てみましょう。

 

2018年、2020年は20%近くの下落をしていますが、それ
以上にプラスを出している年もあり、直近4年間はかなり
値動きが大きくなっていることがわかります。

年間利回り
2020年 ▲18.50%
2019年 +28.81%
2018年 ▲24.09%
2017年 +30.70%
2016年 ▲0.71%
2015年 +11.70%
2014年 +7.74%

※2020年4月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、インデックス
ファンドとのパフォーマンスの比較は必ずしておいたほうが
良いです。

 

特に組入銘柄数が300銘柄近いので、日経平均やTOPIXの動きに
近くなる可能性があります。

 

そこで、今回はフィデリティ・日本成長株・ファンドと日経225
に連動するニッセイ 日経225インデックスファンドのパフォーマ
ンスを比較しました。

 

直近3年間で見ると、ニッセイ日経225インデックスファンド
のほうが勝っています。この傾向は中長期でも変わらりません。

 

ここからわかるように低コストのインデックスファンドに勝て
ていないようなアクティブファンドでは投資する価値がありま
せん。

 

あなたはただ高いコストを運用会社に支払っているだけになって
しまいます。

 


※引用:モーニングスター

 

フィデリティ・日本成長株F ニッセイ 日経225インデックスF
1年利回り ▲6.44% ▲8.93%
3年平均 +0.75% +1.88%
5年平均 +1.21% +1.43%
10年平均 +5.66% +7.21%

※2020年4月時点

 

最大下落率はどれくらい?

投資するにあたって、最大どの程度下落する可能性があるのか
知っておくことは非常に重要です。

 

結局、多くの人が、大きな下落を経験すると、もうこれ以上は
損をしたくないと思い、基準価額が大きく下がったタイミングで
売却してしまうのです。

 

フィデリティ・日本成長株・ファンドの最大下落率は、2007年11月~
2008年10月で▲49.21%となっています。

 

リーマンショックと比べると、今回のコロナショックはたいした
ことがなかったと言えます。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲23.63%
3カ月 ▲35.63%
6カ月 ▲41.44%
12カ月 ▲49.21%

※2020年4月時点

 

評判はどう?

フィデリティ・日本成長株・ファンドの評判はネットでの書き
込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番
役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

 

資金が流出しているということは、それだけこのファンドを
解約している人が多いということなので、評判が悪いという
ことです。

 

フィデリティ・日本成長株・ファンドは全体として、資金流出
している月が多く、評判がいいとは言えません。

 

インデックスファンドにパフォーマンスで負けているので、
当然と言えば、当然の結果ですね。

 


※引用:モーニングスター

 

フィデリティ・日本成長株・ファンドの今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

 

20年という長期間の間、多くの投資家から愛され続けている
ファンドというのは、それだけでも素晴らしいのですが、
残念ながら、時代にあった内容になっているとは思えません。

 

特に、実質コストが1%後半となっており、近年の低コスト
ファンドと比べると、10倍くらいの差があります。

 

運用会社としては儲けの源泉なので、そうそう信託報酬を
さげることはありませんが、投資家が気づかないとどうにも
なりません。

 

そして、さきほど比較をしたように、低コストである
ニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを
比較しても、負けてしまっており、これではわざわざ高い
コストを支払うメリットが一切ありません。

 

もし、現在、フィデリティ・日本成長株・ファンドを保有して
いる人は、他にももっと優れたファンドは色々ありますので、
比較検討するようにしてください。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点