アセマネOneが今、一番注力しているのが、未来の世界シリーズです。未来の世界に始まり、未来の世界(先進国)、未来の世界(新興国)と次々とファンドをリリースし、次に未来の世界(ESG)が登場しました。

未来の世界のパフォーマンスは、一時期、非常に優れていたため、そのファンドの名前を使って、投資家からお金を集めようと運用会社が目論んだのだと思いますが、こういうやり方は好きではありません。

とは、言いつつも、募集を開始してわずか1年足らずでシリーズ累計1兆円を突破していたので、いかに多くの投資家が注しているテーマであるかがわかります。

今日は、グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)『愛称:未来の世界(ESG)』について、徹底分析していきます。


グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)『愛称:未来の世界(ESG)』の基本情報

投資対象は?

未来の世界(ESG)の投資対象は、世界のハイクオリティ成長企業です。ハイクオリティ成長企業の定義は以下のようになっており、特徴的なのが左下のESG評価を銘柄選定に取り入れているという点です。


※引用:交付目論見書

どこまでこのESG評価の項目が銘柄選定に影響を与えるのかわかりませんが、明らかに近年のESGブームに乗っていきたいという運用会社の意図を感じます。

ちなみにESGというのは、Enviroment(環境)、Social(社会)Governance(統治)の頭文字をとった言葉で、企業が持続的な成長をするにはこのESGの観点が必要だと近年言われています。

では、具体的に、ESG評価とはどのようなことをしているのか。

ESG評価の観点により除外される銘柄としては、酒、たばこ、ギャンブル、化石燃料の生産、武器の製造等を主な事業とする企業や国による株式保有比率が20%を超える企業などが対象となります。

このESG評価基準で除外させるような企業がそもそもスクリーニングのタイミングで残っているのか甚だ疑問です。

続いて、未来の世界(ESG)の国別の資産構成比を見ていきます。

米国が約70%、次いで、インド、デンマーク、イタリアと続きます。よくよく比較をしてみると、未来の世界とほとんど構成比は変わらないようですね。


※引用:マンスリーレポート

では、もう少し具体的に組入銘柄も見ていきます。

組入銘柄は現在24銘柄となっており、かなり強気の銘柄選定が行われています。個人的には銘柄を絞っての運用は評価が高く、ファンドマネジャーが自信がなければ、まずできない運用です。

ただ、上位に組み入れられている銘柄自体はよく聞く有名な銘柄ばかりですので、目新しさにはかけますね。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

続いて、未来の世界(ESG)の純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

純資産総額は大きいほうが、ファンドマネージャーが資金を運用する際に効率よくできたり、保管費用や監査費用が相対的に低くなりますので、コストが低く抑えられます。

また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

未来の世界(ESG)はわずか1年たらずで1兆1000億円を超える規模にまで成長しており、一瞬で巨大ファンドに成長しました。現在はパフォーマンスの悪化に伴い、純資産は減っていますが、それでも7800億円ありますので規模の面では問題ありません。

近年いかに多くの投資家がESGを意識しているかがよくわかりますね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

未来の世界(ESG)の実質コストは1.87%とかなり割高です。しっかり購入時手数料もかかりますので、パフォーマンスが優れていないのであれば、投資するべきではありません。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.848%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.87%(概算値)

※引用:最新運用報告書

グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)『愛称:未来の世界(ESG)』の評価分析

基準価格をどう見る?

未来の世界(ESG)は新規で設定したタイミングもよかったので、2021年末までは大きく上昇を続けました。しかし、2022年に入ってからは大きく下落しており、ついに基準価額10,000円を割り込んでいます。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

未来の世界(ESG)の直近1年間の利回りは▲25.35%でした。

ただ、この段階で利回りを判断してしまうのは時期尚早ですので、同カテゴリー内での順位やインデックスファンドとのパフォーマンスを比較してから投資をしても遅くありません。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 ▲25.35%
3年
5年
10年

※2022年10月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

未来の世界は、日本株を含む国際株式カテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をしたいと思うので、同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングを調べました。

結果、未来の世界(ESG)はなんと下位10%に入ってしまっており、パフォーマンスはお世辞にも良いファンドではないことがここからわかります。

上位●%
1年 95%
3年
5年
10年

※2022年10月時点

年別の運用利回りは?

未来の世界(ESG)の年別のパフォーマンスを見てみましょう。

2021年からのデータしかありませんので、ここはあまり気にしなくて構いません。

年間利回り
2022年 ▲28.29%(1-9月)
2021年 +9.62%

※2022年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとの利回り比較

未来の世界(ESG)に投資を検討するのであれば、世界の株式に投資ができるインデックスファンドとの比較をしておいて損はありません。

未来の世界(ESG)はアメリカ株を中心に、新興国にも投資をしていますので、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)とパフォーマンスを比較しました。


※引用:モーニングスター

2020年までは未来の世界(ESG)が優勢でしたが、2021年以降はeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)に負けてしまっています。

まだ運用期間が短いということと、未来の世界(ESG)の場合は、組入れ銘柄数が少ないため、かなり基準価額の変動が大きいため、こういった時期も当然ありますが、インデックスファンドにパフォーマンスで負けてしまっていると、高いコストを支払ってでもアクティブファンドに投資をしようと思えなくなってきますね。

未来の世界(ESG) オールカントリー
1年 ▲25.35% +3.04%
3年 +14.91%
5年
10年

※2022年10月時点

類似ファンドとの利回り比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、他のアクティブファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。

今回は、海外株式ファンドで長期に渡り、優れた成果を残しているセゾン 資産形成の達人ファンドとパフォーマンスを比較しました。


※引用:モーニングスター

こちらも同じように2021年以降は資産形成の達人ファンドに大きく差をつけられています。

資産形成の達人ファンドは長期にわたり、二桁成長を続けていますので、普通に考えれば、資産形成の達人ファンドに投資をするほうが投資家としては安心です。

未来の世界(ESG) 資産形成の達人
1年 ▲25.35% ▲4.07%
3年 +12.02%
5年 +8.65%
10年 +14.88%

※2022年10月時点

未来の世界との利回り比較

未来の世界(ESG)に投資をしている人がもう1つ気になっているであろうことが、未来の世界とのパフォーマンスの違いでしょう。

そこで、グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド『未来の世界』とパフォーマンスを比較しました。


※引用:モーニングスター

2022年以降は、ほぼ互角となっており、パフォーマンスに大きな差は見られません。

どちらのファンドも銘柄数を絞り込んで運用している関係で、値動きがかなり大きくなっています。

未来の世界(ESG) 未来の世界
1年 ▲25.35% ▲28.14%
3年 +8.74%
5年 +8.46%
10年

※2022年10月時点

最大下落率はどれくらい?

投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気になるのが、最大どの程度、資産が下落する可能性があるのかという点かと思います。

そこで過去の最大下落率を見てみましょう。

期間 下落率
1カ月 ▲12.54%
3カ月 ▲19.14%
6カ月 ▲25.93%
12カ月 ▲26.03%

※2022年10月時点

未来の世界(ESG)は2021年6月~2022年5月の1年間で26.03%ほどの下落をしています。

株式ファンドであれば、30~40%程度の下落は当たり前ですので、これくらいの下落は何度もあると思ったほうがいいですね。くれぐれも動揺してすぐに売却するようなミスだけはしないようにしてください。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入している人が多いということなので、評判がいいということです。

未来の世界(ESG)は募集初月に4000億円という驚異的な金額が流入しており、それ以降も2021年中は安定して流入が続いていました。

しかし、2022年以降はパフォーマンスがかなり悪化していることもあり、資金が流出に転じています。


※引用:モーニングスター

グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)『愛称:未来の世界(ESG)』の評価分析

正直、アセマネOneの、ESGという流行りのテーマに乗るために、無理くりファンド名に名前をつけて、投資家から資金を集めるという方法は好きではありません。

ただ、ESGに注力している企業に資金が回っていくというのは決して悪いことではないので、社会的な課題解決と投資のリターンが両立するような素晴らしいファンドになってほしいと思って今s。

まだ運用期間が短いので、良い悪いを判断するには少し早いですが、現状のパフォーマンスはインデックスファンドにも劣っています。銘柄数を絞り込んだ運用をしているので、大きく上下に変動するわけですが、ここからどれだけ挽回できるかがカギとなってきます。

直近のパフォーマンスだけを見ると、決しておすすめできませんが、未来の世界自体が過去に非常に優れた運用ができていますので、それと近い運用ができれば、今後のリターンには期待ができると思います。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点