2007年に三井住友アセットマネジメントから出された
三井住友・げんきシニアライフ・オープン。

 

元気で健康な高齢者関連ビジネスと介護関連ビジネスという
超高齢化社会の日本にとってははずせないテーマを扱う、
代表的なテーマファンドです。

 

2007年以来、そこまで純資産総額も伸びることなく低迷して
いましたが、直近になって急激に人気が出てきています。

 

今日は、三井住友・げんきシニアライフ・オープンについて
徹底分析していきます。

 

 

三井住友・げんきシニアライフ・オープンの基本情報

投資対象は?

三井住友・げんきシニアライフ・オープンの投資対象は、高齢化社会が
生み出す新ビジネス、新技術あるいは様々なニーズをシルバービジネス
としてとらえ、こうした分野に注目し、事業を展開していく企業の株式
を中心に投資をしていきます。

 

特に、元気で健康なシニアを対象としたビジネスと、介護や支援が
必要なシニアを対象としたビジネスにしぼって投資をしていきます。

 

業種で言うと、下図のようなところです。

 

現在、組み入れ銘柄は110銘柄となっており、上位の銘柄は以下の
ようになっています。

 

1位の堀場製作所は自動車、環境、医用、半導体などの分析・計測
機器を製造しています。

 

2位のSBテクノロジーは法人・官公庁向けのクラウド・セキュリティ
導入支援を行っています。

 

3位の太陽ホールディングスはプリント配線板用のインキ製造の
トップメーカーです。

 

半年前と比べると、銘柄数を大きく入れ替えつつ、かつ銘柄数も
40銘柄ほど減らしていることがわかります。

2020年1月 2020年7月
1 ミクロ情報サービス 堀場製作所
2 TOKAIホールディングス SBテクノロジー
3 アサヒホールディングス 太陽ホールディングス
4 イオンディライト 扶桑化学工業
5 パルグループ ミンカブ・ジ・インフォノイド
6 タムロン 横河ブリッジ
7 NECネッツエスアイ トーカロ
8 MCJ 日東紡績
9 ノーリツ鋼機 前田工繊
10 EIZO TOKAIホールディングス
銘柄数 148銘柄 110銘柄

※引用:マンスリーレポート

 

高齢化社会というキーワードを聞いたことがない人はほとんど
いないと思いますので、うまく時流に合わせて設定したテーマ
ファンドと言えるでしょう。

純資産総額は?

続いて、三井住友・げんきシニアライフ・オープンの純資産総額は
どうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

三井住友・げんきシニアライフ・オープンは、2000年に設定されて以来、
純資産額はまったく増加していなかったのですが、2015年ごろから
増加をし始め、2016年以降急激に純資産総額が増加しています。

 

現在では、2018年には1000億円を越える規模まで成長しましたが、
現在は520億程度に収まっています。

 

規模としては全く問題ないですね。

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

三井住友・げんきシニアライフ・オープンの実質コストは1.84%となっており、
同カテゴリーの中では、かなり高い水準です。

 

利回りが高くなければ、決して購入しようとは思わないファンドですね。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.65%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.84%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

三井住友・げんきシニアライフ・オープンの評価分析

基準価格をどう見る?

三井住友・げんきシニアライフ・オープンの基準価額は2018年以降
下落が続いています。

 

2019年は多くのファンドが上昇し、2018年の最高値に迫るファンド
も多い中で、まったく奮いませんでした。

 

2020年もコロナショックで大きく下落してから、戻し幅も
そこまで大きくないので、下落傾向は変わらず続いています。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

三井住友・げんきシニアライフ・オープンの直近1年間の利回りは
▲3.06%となっています。

 

3年平均、5年平均ともにパフォーマンスとしては、いまいちな
結果となっています。

 

国内の小型株ファンドは優秀なファンドが多いのですが、
げんきシニアライフ・オープンはかなり苦戦を強いられています。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年1月 2020年7月
1年 8.12% ▲3.06%
3年 8.61% ▲0.34%
5年 11.03% 4.59%
10年 14.31% 13.73%

※2020年7月時点



10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している国内大型株式ファンドランキング

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

三井住友・げんきシニアライフ・オープンは、国内小型グロース株
カテゴリーに属しています。

 

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。

 

三井住友・げんきシニアライフ・オープンは、どの期間に
おいても、下位30%以内にランクインしており、特に、
直近のパフォーマンスは厳しい結果となっています。

 

半年前と比べても大きく順位の変動はなく、挽回も
できていない状況です。。

平均利回り(上位●%) 2020年1月 2020年7月
1年 99% 91%
3年 83% 85%
5年 60% 78%
10年 66% 69%

※2020年7月時点

 

年別のパフォーマンスは?

続いて、四半期別の三井住友・げんきシニアライフ・オープンの
パフォーマンスを見てみたいと思います。

 

2018年に続き、2020年もマイナスとなっています。2014年、
2015年、2017年あたりは非常に好調だっただけに、今後に
期待したいところではあります。

年間利回り
2020年 ▲7.61%(1-6月)
2019年 8.12%
2018年 ▲19.62%
2017年 47.41%
2016年 0.80%
2015年 30.66%
2014年 24.32%

※2020年7月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

三井住友・げんきシニアライフ・オープンへの投資を検討するのであれば、
少なくともインデックスファンドよりもパフォーマンスが優れている
ことが最低条件です。

 

今回は、日経225に連動するニッセイ日経225インデックスファンド
パフォーマンスを比較してみると、2019年以降は明確にパフォー
マンスに差がついています。

 


※引用:モーニングスター

 

5年平均、10年平均利回りで見ると、インデックスファンドの
パフォーマンスを上回っているので、今後パフォーマンスが
回復してくることに期待したいところです。

 

現状は、直近のパフォーマンスが優れないため、あえて、
高いコストを支払ってまで投資をする価値を見出せません。

げんきシニア ニッセイ日経 225
1年 ▲3.06% 6.78%
3年 ▲0.34% 5.52%
5年 4.59% 3.70%
10年 13.73% 10.82%

※2020年7月時点

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

せっかくアクティブファンドに投資をするのであれば、
同じカテゴリーの中でも優秀なファンドに投資をしたい
と思うもの。

 

今回は、国内小型株カテゴリーの中で非常に高い成果を
残している東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン
とパフォーマンスを比較しました。

 

結果は、東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン
圧勝となりました。

 

同じカテゴリーでここまでパフォーマンスに差があると、
三井住友・げんきシニアライフ・オープンに投資をする
メリットはないと言えます。

 


※引用:モーニングスター

 

5年平均利回りで見ても、東京海上・ジャパン・オーナーズ株式
オープンが圧勝しています。

 

げんきシニア ジャパン・オーナーズ
1年 ▲3.06% 22.76%
3年 ▲0.34% 21.06%
5年 4.59% 20.52%
10年 13.73%

※2020年7月時点

 

最大下落率はどれくらい?

投資するにあたって、三井住友・げんきシニアライフ・オープンが
最大どの程度下落する可能性があるのか知っておくことは非常に重要です。

 

結局、多くの人が、大きな下落を経験すると、もうこれ以上は
損をしたくないと思い、基準価額が大きく下がったタイミングで
売却してしまうのです。

 

しかし、大きく下げたあとは、大きく戻るというのが基本であり、
事前にどの程度下落するかを知っておくことで、一番下げきった
ところで売却してしまうことを避けることができます。

 

当ファンドは、2007年11月~2008年10月で最大▲39.52%ほど
下落しています。

 

しかし、長期保有していればしっかりプラスが出ていますので、
これくらいの下落はあると心にとめておきましょう。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲16.92%
3カ月 ▲26.63%
6カ月 ▲35.82%
12カ月 ▲39.52%

※2020年7月時点

 

分配金の推移は?

次に三井住友・げんきシニアライフ・オープンの過去の分配金の
推移を見てみましょう。

 

このファンドは運用実績に応じて、分配金を決めているため、
運用実績に応じて大きく分配金の額は変わってきます。

 

分配金利回りがかなり高かったために、2018年に資金が大きく流入
しましたが、2018年は運用がうまくいかなかったため、分配金も
650円と奮いませんでした。

 

2019年以降はパフォーマンスが奮わないため、分配金もゼロが
続いており、分配金目当ての投資家が離脱していっています。

 

このブログでは何度も言っていますが、分配金は受け取らずに
再投資したほうが投資効率は確実に高くなります。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2020年 0円
2019年 0円
2018年 650円
2017年 3,850円
2016年 150円
2015年 3,000円

※2020年7月時点

 

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

 

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入している
人が多いということなので、評判がいいということです。

 

三井住友・げんきシニアライフ・オープンは、2018年10月以降、
パフォーマンスの悪化とともに資金の流出が続いており、
評判も落ちてきていることがわかります。

 

パフォーマンスも優れず、分配金も出ずでは、あえてこの
ファンドに投資をしたい投資家が少なくなるのは当然ですね。


※引用:モーニングスター

 

三井住友・げんきシニアライフ・オープンの評価まとめと今後の見通し

今後、高齢化社会は間違いなく進んでいきますので、その中で、
元気で健康な高齢者関連ビジネスや介護関連ビジネスを積極的に
展開していく企業に投資をしていくというのは、非常に理に
かなっていると思います。

 

しかし、現状、どの企業も手探りで新ビジネスを始めているような
状況で、主力のビジネスとなっているわけではありません。

 

そのため、テーマで区切られてはいるものの、他の要因で大きく株価が
上下する可能性には注意が必要です。

 

インデックスファンドとパフォーマンスを比較しても、中長期の
パフォーマンスは悪くないの一桁中盤のパフォーマンスは今後も
期待はできます。

 

ただ、同カテゴリーで、東京海上・ジャパン・オーナーズ株式
オープンのようなアクティブファンドがあるので、あえて、
三井住友・げんきシニアライフ・オープンに投資をするメリット
はないでしょう。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点