モーニングスターのファンド オブ ザ イヤーを何度も受賞
している三菱UFJ国際投信のサイバーセキュリティ株式オープン。
Eメール、動画視聴、ネットショッピング、AI、クラウド
サービス、スマート家電など、IT分野で広がる技術革新で
私たちの生活はとても便利になりました。
しかし、この便利さは保証されたものではなく、クレジット
カードの情報が盗まれたり、ハッキングされたりと大きな危険
も抱えています。
そのため、サイバーセキュリティへの需要が拡大しており、
そこに目をつけたのが、三菱国際UFJ投信でした。
サイバーセキュリティ株式オープンは為替ヘッジ無と有が
ありますが、今日は人気の高い為替ヘッジ無を中心に分析
していきます。
ヘッジ有を保有している方、検討している方にも参考になる
ように書きましたので、ぜひ参考にしてください。
「サイバーセキュリティ株式オープンって投資対象としてどうなの?」
「サイバーセキュリティ株式オープンって持ってて大丈夫なの?」
「サイバーセキュリティ株式オープンより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。
サイバーセキュリティ株式オープン(為替ヘッジなし)の基本情報
投資対象は?
サイバーセキュリティ株式オープンの投資対象は、日本を
含む世界のサイバーセキュリティ関連企業の株式です。
もう少し具体的には、サイバー攻撃に対するセキュリティ技術
を有し、これを活用した製品・サービスを提供する企業を指します。
現在の組入銘柄は47銘柄となっており、地域別でみると、米国が
約90%となっています。
サイバーセキュリティの中心もやはり米国だということ
ですね。
※引用:マンスリーレポート
実際の組入上位10銘柄を見てみましょう。
1位のクラウドストライクはセキュリティ対策ソリュー
ションを提供する新興ベンダーです。
2位のゼットスケーラーはセキュリティ機能をクラウド
サービスで提供しています。
6位のオクタは企業向けにID管理システムを提供し、
様々な企業を統合化アプリに接続します。
※引用:マンスリーレポート
運用会社は?
サイバーセキュリティ株式オープンの運用は、実質的に
アリアンツ・グローバル・インベスターズが行います。
本ファンドのポートフォリオマネージャーはウォルター・
プライス氏で、44年に及ぶ資産運用業界の経験をもつ大ベ
テランです。
純資産総額は?
続いて、サイバーセキュリティ株式オープンの純資産総額は
どうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。
純資産総額は大きいほうが、ファンドマネージャーが資金
を運用する際に効率よくできたり、保管費用や監査費用が
相対的に低くなりますので、コストが低く抑えられます。
また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその
投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなる
こともありますので注意が必要です。
サイバーセキュリティ株式オープンの純資産総額は、この
厳しい相場環境下でも、そこまで大きな流出をすることなく
、現在は3400億円まで増えています。
2018年初めごろは10億円程度しかなかったので、そこから
ここまで成長するのは人気がある証拠です。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。
そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
サイバーセキュリティ株式オープンの実質コストは1.94%
とかなり割高です。
初年度は、購入時手数料と合わせると、5%を超えてきます
ので、手を出しづらいですが、このパフォーマンスであれば
検討の価値があります。
購入時手数料 | 3.3%(税込)※上限 |
信託報酬 | 1.870% |
信託財産留保額 | 0 |
実質コスト | 1.94%(概算値) |
※引用:運用報告書
と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り
サイバーセキュリティ株式オープン(為替ヘッジなし)の評価分析
基準価額をどう見る?
サイバーセキュリティ株式オープンの基準価額はコロナショックで
急落しましたが、その後、急反発しました。
コロナショック後の伸びが大きすぎて、コロナショックが
そこまでインパクトのなかったイベントのように見えて
しまいますね。
※引用:モーニングスター
利回りはどれくらい?
続いて、サイバーセキュリティ株式オープンの利回りを
見ていきます。
直近1年間の利回りは52.53%となっています。
3年平均利回りも30%近くとなっており、非常に優秀です。
しかし、この利回りだけを見て、投資判断をしてはいけません。
他の類似ファンドとパフォーマンスを比較したうえで投資を
しましょう。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | +52.53% |
3年 | +29.21% |
5年 | – |
10年 | – |
※2021年9月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している米国株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
サイバーセキュリティ株式オープンは北米株式カテゴリーに
属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォ
ーマンスのファンドに投資をしたいと思うので、同カテゴリー
内でのパフォーマンスのランキングを調べました。
サイバーセキュリティ株式オープンは、競合ひしめく米国株
カテゴリーにおいて、直近1年、3年平均利回りは
10%以内に入っており、非常に優れたパフォーマンスと
なっています。
上位●% | |
1年 | 9% |
3年 | 3% |
5年 | – |
10年 | – |
※2021年9月時点
年別のパフォーマンスは?
サイバーセキュリティ株式オープンの年別の運用パフォー
マンスを見てみましょう。
2018年はほとんどの株式ファンドがマイナスになりましたが、
サイバーセキュリティ株式オープンはしっかりプラスを
残しています。
2019年、2020年の運用は文句なしの結果で、これであれば、
高いコストを支払ってでも投資をしたくなります。
2021年もどこまでパフォーマンスを伸ばせるかが見物ですね。
年間利回り | |
2021年 | +18.24%(1-6月) |
2020年 | +53.83% |
2019年 | +31.39% |
2018年 | +8.25% |
※2021年9月時点
考えずに投資をしてしまいがちです。 しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。 ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。 >>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略
インデックスファンドとのパフォーマンス比較
サイバーセキュリティ株式オープンへの投資を検討するのであれば、
少なくとも低コストのインデックスファンドよりはパフォーマンスが
優れていなければ投資する価値がありません。
サイバーセキュリティ株式オープンは、米国株に投資を
していきますので、米国の代表的な指数であるS&P500に
連動するeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と比較をしました。
※引用:モーニングスター
直近3年間では、ほぼ全期間において、サイバーセキュリティ
株式オープンのほうが優れていることがわかります。
これであれば、高いコストを支払ってでも投資する価値があると
言えます。
サイバーセキュリティ | Slim 米国株式 | |
1年 | +52.53% | +36.37% |
3年 | +29.21% | +17.27% |
5年 | – | – |
10年 | – | – |
※2021年9月時点
類似ファンドとのパフォーマンス比較
アクティブファンドに投資をするのであれば、他のアクティブ
ファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。
今回は、サイバーセキュリティ株式オープンと同じように
米国株に投資をしているアライアンス・バーンスタインの
米国成長株投信Bコースとパフォーマンスを比較しました。
※引用:モーニングスター
どの期間においても、サイバーセキュリティ株式オープンが
勝っています。
アライアンスバーンスタインの米国成長株投信も相当優秀な
ファンドですが、サイバーセキュリティ株式オープンもかなり
優れていることがわかります。
この2本であれば、どちらも投資対象として候補にあがって
おかしくないファンドですね。
サイバーセキュリティ | 米国成長株B | |
1年 | +52.53% | +35.47% |
3年 | +29.21% | +23.86% |
5年 | – | +24.89% |
10年 | – | +23.51% |
※2021年9月時点
為替ヘッジ有か無か
いざ、投資をしようか検討する最後に為替ヘッジが有を
選ぶか無を選ぶかで多くの投資家は悩むことになります。
ここはそこまで深く考えても正解があるわけではありま
せん。
1つ覚えておいてほしいのは、為替ヘッジ有を選ぶと
その分、ヘッジコストが上乗せされます。信託報酬から
比べればわずかな金額ではありますが、この点は覚えて
おいてください。
そして、とにかく為替のリスクは取りたくないという
強い思いがあるのであれば、ヘッジ有を選択肢、特に
そこまで不安を感じない人はヘッジ無で良いです。
自分が平常心で投資ができるほうを選択してください。
ちなみにサイバーセキュリティ株式オープン為替ヘッジ有
と為替ヘッジ無を比較してみると、直近の3年は、ヘッジ無
のほうが好調です。
※引用;モーニングスター
最大下落率は?
サイバーセキュリティ株式オープンに投資をする前に、
最大でどの程度下落する可能性があるのかを知っておく
ことは非常に重要です。
どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、
大きく下落した相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。
それではここでサイバーセキュリティ株式オープンの最大
下落率を見てみましょう。
最大下落率は2018年に3カ月間で▲18.96%下落しています。
今回のコロナショックよりも2018年のときの下落のほうが
ダメージが大きかったといういことです。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかも
しれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの
可能性を限りなく低くすることが可能です。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲15.92% |
3カ月 | ▲18.96% |
6カ月 | ▲10.50% |
12カ月 | ▲5.18% |
※2021年9月時点
評判はどう?
サイバーセキュリティ株式オープンの評判はネットでの書き
込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番
役に立つのが、月次の資金流出入額です。
資金が流入しているということは、それだけサイバーセキュ
リティ株式オープンを購入している人が多いということなので、
評判が良いということです。
サイバーセキュリティ株式オープンも2021年の前半まで資金が
流入超過となっていたのですが、後半にかけて流出超過となって
います。
パフォーマンスから考えると、流出超過になるようなイメージは
ないのですが、利益確定売りが増えているというところでしょう。
※引用:モーニングスター
サイバーセキュリティ株式オープン(為替ヘッジなし)の今後の見通しと評価まとめ
いかがでしたでしょうか?
今まで、企業におけるサイバーセキュリティへの予算は、
IT全体の予算に占める割合としては非常にわずかでした。
しかし、近年では、デジタル化やネットワーク化の進展に
伴い、サイバー攻撃への被害は増加し、サイバーセキュリ
ティへの需要が高まっており、セキュリティに対する予算
も拡大しています。
加えて、新たなサイバー攻撃手法が次々と生み出され、
サイバー攻撃を受けてしまうと、金銭的な損失だけでなく、
企業イメージなども悪化することから、企業にとってサイバ
ーセキュリティへの投資は必要不可欠となっています。
5Gの世界が到来すれば、よりサイバーセキュリティへのニーズ
も出てくることが予想されるので、サイバーセキュリティ株式
ファンドはコストは高いですが、投資を検討する価値ありだと
思います。
何より現状、eMAXIS Slim 米国株式を大きく上回る成果を
残していますし、北米株式ファンドの中でもトップクラスの
パフォーマンスです。
ぜひ自分のポートフォリオに加えたい1本ですね。
当然ながら、弱点もあります。 今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。 その理由をこちらで話をしています。 >>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点