まだ記憶に新しいコロナショックで大きく躍進をしている
のが、米国のIT関連銘柄です。

 

コロナショックで30%近い下落をしたのち、急速に株価は
回復し、すでに最高値を更新しています。

 

そして、このコロナショックで大きく基準価額を伸ばし、
注目を集めているのが、三井住友DSアセットマネジメント
のUSテクノロジー・イノベーターズ・ファンドです。

 

成長著しいアメリカのIT業界の中で、特に有望な銘柄に
絞り込んで投資を行うこのファンドは果たして投資価値が
あるのでしょうか?

 

個人的に銘柄を30~40程度に絞り込んでいるファンドは
好きなのですが、果たして、実際のところはどうなのか、
今日は徹底的に分析していきます。

 

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンド の基本情報

投資対象は?

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンドの投資対象は、
米国の上場企業の中から、情報技術の開発、進化、活用により
高い成長が期待される企業の株式に投資をしていきます。

 

コロナショックで業績を伸ばしているIT系の銘柄やネットの
メディア・娯楽系の銘柄に多く投資をしているようです。


※引用:マンスリーレポート

 

現在のUSテクノロジー・イノベーターズ・ファンドの組入銘柄数は
約40銘柄となっています。

 

最近、ファンドの分析をしていてよく思うのは、組入銘柄数を絞り
こんでいるファンドが、パフォーマンスが良好なことが多いです。

 

組入上位銘柄を見てみると、アマゾン、ネットフリックス、スラック
とまさにコロナでリモートワークや外出自粛制限により売り上げを
大きく伸ばしている企業が上位にランクインしています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

続いて、USテクノロジー・イノベーターズ・ファンド の純資産総額は
どうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

 

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンド は、もともと
200億円程度で推移していましたが、コロナショック後は、
すでに600億円を超えるまでに成長しています。

 


※引用:マンスリーレポート

運用体制は?

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンドの実質的な運用は、
ティー・ロウ・プライスのグローバルテクノロジー株式運用
チームが担当しています。

 

銘柄の選定は以下のプロセスで行われており、情報技術関連事業
の比率が高い銘柄を500銘柄ほど抽出し、そのユニバースから
さらに20~40銘柄に絞り込みます。


※引用:交付目論見書

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが
通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

 

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンド の実質コストは1.952%と
かなり高くなっています。

 

購入時手数料も高いので、なかなか投資しづらいファンドであることは
間違いありませんね。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.903%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.952%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンド の評価分析

基準価額の推移は?

続いて、USテクノロジー・イノベーターズ・ファンド の基準価額の
推移を見てみましょう。

 

コロナショック後の伸び方がかなりえげつないことになっています。

 

これも米国のIT関連銘柄の恩恵ですね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

続いて、USテクノロジー・イノベーターズ・ファンドの
利回りを見ていきます。

 

直近1年間の利回りは27.87%となっています。

 

3年平均利回りも20%近いパフォーマンスとなっており、
非常に優秀です。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年8月
1年 27.87%
3年 19.83%
5年
10年

※2020年8月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している先進国株式(特定地域)ファンドランキング

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンドは北米株式
カテゴリーに属しています。

 

投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォ
ーマンスのファンドに投資をしたいと思うので、同カテゴリー
内でのパフォーマンスのランキングを調べました。

 

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンドは、競合ひしめく
米国株カテゴリーにおいて、常に上位5%に入る好成績を
残しています。

 

2020年8月
1年 5%
3年 4%
5年
10年

※2020年8月時点

 

年別運用パフォーマンスは?

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンド の年別の
運用パフォーマンスを見てみましょう。

 

2018年も多くのファンドが2桁マイナスになる中で、
マイナス幅を抑えられていますが、それ以上に
他の年で20%を超えるリターンを出し続けているのは
素晴らしいですね。

 

年間利回り
2020年 23.39%(1-6月)
2019年 27.47%
2018年 ▲6.16%
2017年 37.47%
2016年 16.89%
2015年

※2020年8月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンドへの投資を検討する
のであれば、少なくとも低コストのインデックスファンドよりは
パフォーマンスが優れていなければ投資する価値がありません。

 

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンドは、米国株に投資を
していきますので、米国の代表的な指数であるS&P500に連動
するeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と比較をしました。

 


※引用:モーニングスター

 

コロナ前まではeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が優位でしたが、
コロナショック後はUSテクノロジー・イノベーターズ・ファンドが
大きく差を広げています。

 

こういった下落相場では、銘柄の出し入れを自由に行えるアクティブ
ファンドがまさに強みを発揮しますね。

 

USテクノロジー Slim 米国株式
1年 27.87% 5.36%
3年 19.83%
5年
10年

※2020年8月時点

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、他のアクティブ
ファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。

 

今回は、USテクノロジー・イノベーターズ・ファンドと
同じように米国株に投資をしているアライアンス・バーンスタインの
米国成長株投信Bコースとパフォーマンスを比較しました。

 


※引用:モーニングスター

 

かなり拮抗した戦いをしていますが、コロナショック後は
USテクノロジー・イノベーターズ・ファンドが大きく
リードしています。

 

とはいえ、アライアンスバーンスタインの米国成長株投信
も相当優秀なファンドです。

 

この2本であれば、どちらも投資対象として候補にあがって
おかしくないファンドですね。

 

USテクノロジー 米国成長株B
1年 27.87% 22.20%
3年 19.83% 18.26%
5年 12.34%
10年 18.65%

※2020年8月時点

 

最大下落率はどれくらい?

投資をするにあたって、気にあるのがどの程度下落するかでしょう。

 

標準偏差である程度は理解できるものの、やはり実際に下落したかは
気になります。

 

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンドは2018年の10月~12月で
最大14.67%下落しました。

 

コロナショックもさほど大きな下落を経験しておらず、堅調に推移
しています。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。

 

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲13.22%
3カ月 ▲14.67%
6カ月 ▲14.59%
12カ月 ▲6.16%

※2020年8月時点

 

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

積立NISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

 

そこで、積立NISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

 

積立NISA iDeCo
× ×

※2020年8月時点

 

分配金の推移は?

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンドでは、毎年2月末に
分配金が出ています。

 

直近数年はパフォーマンスも好調なので、毎年500円前後の
配当金が出ています。

 

また、このブログでは何度も言っていますが、分配金は受け取らずに
再投資したほうが投資効率は確実に高くなります。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2020年 630円
2019年 530円
2018年 540円
2017年 430円
2016年 0円

※2020年8月時点

 

評判はどう?

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンド 評判はネットでの
書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

 

資金が流入しているということは、それだけUSテクノロジー・
イノベーターズ・ファンドを購入している人が多いということなので、
評判が良くなっているということです。

 

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンドは2020年3月まで
全くと言っていいほど人気のないファンドでした。

 

しかし、コロナショックを経て、パフォーマンスが向上した
ことで、急激な資金流入が起きています。

 

ですので、ここにきて、USテクノロジー・イノベーターズ・ファンド
の評判は急上昇していることがわかります。


※引用:モーニングスター

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンドの評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

 

USテクノロジー・イノベーターズ・ファンドはコスト面から
見て、決して気軽に投資ができるファンドではありません。

 

ただ、米国のIT系の銘柄は、世界を相手に競争優位性を
発揮でいるビジネスモデルを確立している企業も多く、
これからも安定した成長が期待できます。

 

今のパフォーマンスががどこまで維持できるかは見物
ですが、一桁中盤程度の利回りはかなり高い確度で
維持できると思っています。

 

そして、超低コストで人気のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)には
大きな差を広げて勝っていますし、

 

10年平均利回りランキングでも上位のアライアンス・バーン
スタインの米国成長株投信Bコースとも拮抗しているので、
十分投資対象になるのでないでしょうか。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点