あのYahooがビッグデータを使って投資信託の運用を始めると
いうことで注目を集めたYjamプラス!。

 

アセマネoneのディープAIやゴールドマンサックスのグローバル
ビッグデータ戦略
など、銘柄選定でAIを活用しているファンドが
増えてきていますが、果たして優位性はあるのでしょうか?

 

今日は、Yjamプラス!の評判や今後の見通しについて徹底的に
分析していきます。

 

 

Yjamプラス!の基本情報

投資対象は?

Yjamプラス!の投資対象は主として、国内外の株式です。

 

ヤフーが提供するビッグデータ解析等を通じて、市場のゆがみ
(マーケットアノマリー)を見つけ出し、今後の株価の上昇が
高い確度で予想される銘柄を組み入れていきます。

マーケットアノマリーというのは、難しい言葉が使われていますが、
簡単に言ってしまえば、適正な株価水準よりなぜか割安、割高に
なっている状態のことを言います。

 

これは人間が合理性を欠いた行動をしてしまうことによって引き
起こされるものです。

 

現在の組入銘柄は136銘柄となっており、様々な業種に分散投資
されていることがわかります。

 

半年前と比べると50銘柄ほど少なくなっており、それより前は
450銘柄ほど組み入れていましたので、だんだん銘柄の絞り込みを
しているようですね。

 

ただ、後述しますが、AIを使って銘柄を絞り込んでいる割には、
新鮮な銘柄が上位に入ってきておらず、AIらしい特徴的な運用
とは程遠いところにいます。

 


※引用:マンスリーレポート

 

Yjamプラス!の組入上位銘柄を見てみると、いわゆる日本の大企業が
占めており、あまり物珍しさはありません。

2020年1月 2020年7月
1 トヨタ自動車
2 村田製作所
3 NTT
4 日本マクドナルド
5 MonotaRO
6 リクルート
7 ソニー
8 ダイキン
9 信越化学
10 ソフトバンク
銘柄数 186銘柄 136銘柄

※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

続いて、Yjamプラス!の純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性
がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

Yjamプラス!は、現在230億円となっています。規模としては
全く問題ありません。

 

AIという物珍しさで一時は資金流入もありましたが、化けの皮が
はがれてきてしまっているような状態ですね。


※引用:マンスリーレポート

 

運用体制は?

運用にあたっては、株式会社Magne-Max Capital Managementの
助言を受けます。

 

この会社はヤフーの子会社で人口知能を活用したビッグデータの
解析・株価の予測等を専門に行っています。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなけれ
ばなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

Yjamプラス!の実質コストは1.26%と割高となっています。
低コストをアピールしていますが、インデックスファンド等と
比べると割安とは決して言えません。

 

原因としては、AIの判断に合わせて、組み入れ銘柄をかなり頻繁に
入れ替えており、株式売買手数料がかなり上乗せされています。

購入時手数料 3.3%(税込)
信託報酬 1.012%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.26%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

Yjamプラス!の評価分析

基準価額の推移は?

現在のYjamプラス!の基準価額は2018年から下落傾向が
続いています。

 

コロナショック後の戻し幅も他の銘柄と比べると、小さく
なっており、やはり過去に類似の事例がないような事態が
おきると、AIでは対処の仕様がないということですね。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

Yjamプラス!の直近1年間の利回りは▲0.55%となっています。

 

3年平均利回りもマイナスとなっており、運用会社だけが
儲かっているという構造になっています。

 

他のAIファンドもそうですが、AIのほうがうまく運用が
できる時代が来るのはまだ先になりそうです。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年1月 2020年7月
1年 15.15% ▲0.55%
3年 6.00% ▲0.85%
5年
10年

※2020年7月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している国内大型株式ファンドランキング

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

Yjamプラス!は、国内の中型株カテゴリーに属して
います。

 

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。

 

Yjamプラス!は、1年、3年平均ともに下位10%に入って
しまっています。

 

半年前と比べても順位を落としており、コロナショックを
まったくうまく避けられなかったことを物語っています。

平均利回り(上位●%) 2020年1月 2020年7月
1年 66% 90%
3年 66% 81%
5年
10年

※2020年7月時点

 

年別のパフォーマンスは?

では、Yjamプラス!の年別のパフォーマンスを見てみま
しょう。

 

2018年、2020年はマイナスとなっており、パッとしない
パフォーマンスが続いています。

 

後述しますが、このパフォーマンスではインデックスファンドに
さえ勝てないので、しっかり比較してから投資するようにして
ください。

年間利回り
2020年 ▲9.05%(1-6月)
2019年 15.15%
2018年 ▲18.56%
2017年 27.01%
2016年

※2020年7月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

Yjamプラス!への投資を検討するのであれば、より低コストの
インデックスファンドとパフォーマンスを比較してからでも遅くは
ありません。

 

Yjamプラス!は国内株式に投資をするファンドですので、
今回は、日経225をベンチマークとしているニッセイ日経225
インデックスファンド
と比較をしてみました。

 

結果はニッセイ 日経225インデックスファンドの圧勝です。
この結果を見るとわざわざ高いコストを支払ってまで、
AIに運用を任せるメリットを一切感じませんね。

 


※引用:モーニングスター

 

Yjamプラス! ニッセイ日経 225
1年 ▲0.55% 6.78%
3年 ▲0.85% 5.52%
5年 3.70%
10年 10.82%

※2020年7月時点

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

せっかくアクティブファンドに投資をするのであれば、
同じカテゴリーの中でも優秀なファンドに投資をしたい
と思うもの。

 

今回は、国内大型株カテゴリーで中長期で高いパフォーマンス
を残している厳選投資とパフォーマンスを比較しました。

 

結果は、厳選投資の圧勝と言う結果になりました。

 

アクティブファンドに投資をするのであれば、AIを活用せず
とも、厳選投資のようなアクティブファンドに投資をすべき
です。

 


※引用:モーニングスター

 

Yjamプラス! 厳選投資
1年 ▲0.55% 8.20%
3年 ▲0.85% 8.34%
5年 8.69%
10年 15.90%

※2020年7月時点

 

最大下落率は?

続いて、Yjamプラス!の最大下落率を見てみましょう。

 

投資をするうえで、標準偏差などから、値動きの幅をある程度
予測はできますが、過去にどの程度下落したことがあるのかを
把握しておいたほうが実感がわきます。

 

Yjamプラス!の最大下落率は2020年1月~3月の3カ月で
▲19.05%となっています。

 

運用期間が短いので、もう少し大きく下落することもあると
思いますが、何よりAIを使っても同じ程度は下落することは
肝に銘じておいてください。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲12.10%
3カ月 ▲19.05%
6カ月 ▲16.55%
12カ月 ▲18.56%

※2020年7月時点

 

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

積立NISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

 

そこで、積立NISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

積立NISA iDeCo
× ×

※2020年7月時点

 

評判はどう?

Yjamプラス!の評判はネットでの書き込みなどで調べる方法も
ありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出
入額です

 

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入
している人が多いということなので、評判が良いということです。

 

Yjamプラス!は2019年に入ってからは資金流出が続いており、
投資家が期待するレベルのリターンを残せていないということ
ですね。

 

設定当初は大きな期待とともに評判を呼びましたが、今となっては
評判は着実に落ちています。

 


※引用:モーニングスター

 

Yjamプラス!の評価まとめと今後の見通し

ビッグデータ×AIでの運用はまだ始まったばかりであるため、
今後に期待したいというのは間違いないのですが、現状、
Yjamプラス!に投資をするメリットをほとんど感じません。

 

Yjamプラス!が挙げている運用の3つのポイントですが、
①については、情報が多ければ多いほど、運用の成績がよく
なるわけではなく、運用に活かせなければ意味がありません。

 

②については、現状のパフォーマス程度で、期待を超えられて
いるとは思えません。

 

③についても、低コストのように見えますが、売買回転数が多いため、
実質コストベースで見ると、決して低コストとは言えません。

 

今後、AIが進化して、人が運用するよりも高いパフォーマンスが
出せるようになれば、投資するに値すると思いますが、
人の手で運用したほうが高いパフォーマンスが出るとわかっていて、
あえてYjamプラス!に投資をしようとは思いませんね。

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点