近年、ビッグデータとAIを活用して、無数のデータから有益な解を見つけ出す試みが多くの企業で行われています。

その波は運用業界にも広まっており、膨大な情報を処理・分析させて、今後値上がりするであろう銘柄を予測する試みが続いています。

アセマネoneのディープAIやアストマックスのYjamプラス!など、なかなか良いパフォーマンスを出せていないのが現状ですが、GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースはどうなのでしょうか?

「GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースって投資対象としてどうなの?」

「GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースって持ってて大丈夫なの?」

「GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。

為替ヘッジありのAコースと、為替ヘッジ無しのBコースがありますが、今日はより純資産が集まっているBコースのほうを見ていきたいと思います。


GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの基本情報

投資対象は?

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの投資対象は、日本を含む先進国の株式です。ゴールドマン・サックス・アセットマネジメントが独自開発した計量モデルを用いて、銘柄選定を行い、幅広い銘柄に分散投資をしていきます。

計量モデルを投資判断に活用する例として、アナリストが書いている100万本以上のリサーチレポートを分析し、文章の変化から、意図を読み取り、アナリストが買い推奨に転じる前に株式を購入することで、株価上昇の恩恵を狙うといったものや、企業のウェブサイト
へのアクセス動向を分析することで、収益性の予測に用いるといったことが挙げられます。

銘柄選定においては、モメンタム、バリュー、収益性の3つの投資テーマをもとに行っていきます。


※引用:交付目論見書

現在の組入銘柄数は約285銘柄となっており、国別の比率で見ると、アメリカが約70%、次いで日本、ドイツとなっています。


※引用:マンスリーレポート

組入銘柄の上位は、アメリカの企業でほぼ独占されており、正直ビッグデータとAIを駆使した割には、あまり特徴的な銘柄構成になっていません。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

続いて、GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースは徐々に純資産を減らしていますが、未だに950億円の規模がありますので、全く問題ありません。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの実質コストは1.355%となり、AIを使ってコストを削減している割にかなり高くつきます。購入時手数料もしっかり3%かかるので、もう少しコストを下げてほしいものです。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.3475%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.355%(概算値)

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの評価分析

基準価額をどう見る?

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの基準価額はコロナショックで大きく下落したあと、急上昇しており、あのコロナショックも後から見れば、小さな下落に見えます。

ただ、2022年以降はほぼ横ばいとなっていますね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

続いて、GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの利回りを見ていきます。

直近1年間の利回りは▲0.29%となっています。3年平均利回りは10%を超えており、5年平均は8%を超えていますので、このパフォーマンスだけを見ると、「AIすごい!」と思ってしまいたくなります。

ただし、この段階でファンドのパフォーマンスの良しあしはわかりません。必ず、同カテゴリー内でも順位は確認しましょう。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 ▲0.29%
3年 +13.00%
5年 +7.91%
10年

※2022年10月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している先進国株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースは日本株を含むグローバル株式カテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をしたいと思うので、同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングを調べました。

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースのランキングは平均的な水準であり、一見すると高そうなパフォーマンスも実はそこまで大したことはなかったことがわかります。

上位●%
1年 40%
3年 43%
5年 50%
10年

※2022年10月時点

年別のパフォーマンスは?

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの年別のパフォーマンスも見てみましょう。

2018年、2022年のマイナスは痛手ですが、それ以外の年は、概ね良好なパフォーマンスとなっています。

年利回り
2022年 ▲7.74%(1-9月)
2021年 +34.43%
2020年 +6.90%
2019年 +22.88%
2018年 ▲15.28%
2017年 16.42%(4-9月)

※2022年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースへの投資を検討するのであれば、少なくとも低コストのインデックスファンドよりはパフォーマンスが優れていなければ投資する価値がありません。

今回は同じカテゴリーに属する、先進国株式ファンドの代表格のeMAXIS Slim先進国株式インデックスとパフォーマンスを比較しました。


※引用:モーニングスター

詳しく見るまでもなく、eMAXIS Slim先進国株式インデックスのほうが終始パフォーマンスで上回っていることがわかります。

これでは、高いコストを支払ってまで、GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースに投資をする理由がありません。

より長期のパフォーマンスはどうでしょうか。

GSグローバル スリム先進国株式
1年 ▲0.29% +5.43%
3年 +13.00% +16.65%
5年 +7.91% +11.72%
10年

※2022年10月時点

5年平均利回りを見ても、eMAXIS Slim先進国株式インデックスのほうがパフォーマンスで上回っていることがわかります。

類似ファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、他のアクティブファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。

今回は、GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースと同じように米国を中心に先進国株に分散投資をしている大和住銀 DC海外株式アクティブファンドと比較を行いました。


※引用:モーニングスター

こちらも比較をすると、大和住銀 DC海外株式アクティブファンドが圧倒的に優れていることがわかります。

大和住銀 DC海外株式アクティブファンドが優秀過ぎるのですが、せっかく投資をするのであれば、こういったファンドに投資をしていきたいものですね。

GSグローバル DC海外株式
1年 ▲0.29% ▲14.29%
3年 +13.00% +17.00%
5年 +7.91% +12.98%
10年 +17.63%

※2022年10月時点

最大下落率は?

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースに投資をする前に、最大でどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではここでGS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの最大下落率を見てみましょう。

下落率
1カ月 ▲18.87%
3カ月 ▲24.08%
6カ月 ▲17.33%
12カ月 ▲18.43%

※2022年10月時点

最大下落率は2020年1月~3月の3カ月間で▲24.08%となっています。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入している人が多いということなので、評判が良いということです。

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースは設定当時は、圧倒的な期待から1000億円単位で資金が流入しましたが、期待に応えるほどのパフォーマンスを出せていないことから、2019年以降は資金が流出し続けています。

いくらAIやビッグデータといった今流行りの技術が使われているとはいえ、インデックスファンドにもパフォーマンスで勝てないようであれば、投資家もついてきてくれませんね。


※引用:モーニングスター

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの評価まとめと今後の見通し

膨大な量のデータをAIを使って分析すれば、何かしら人間では選定できないような優れた銘柄を組み入れることができるように感じてしまいますが、実際そううまくはいきません。

AIが現在活躍できているフィールドは、例えば囲碁や将棋といった膨大な量の手数はあるものの、無限には存在しない分野です。膨大な勝ちパターンを記憶させることで、人間には到底不可能な先まで読み切ることができるわけです。

一方で、株の分野はそう簡単なものではありません。過去と同じようなイベントが起こればよいですが、そのようなことは一切なく、ありとあらゆる事象をもとに、今後何が起こるか予想しなくてはいけません。

ウクライナ戦争が勃発したり、原子力発電者が爆発したり、予想するのは不可能な事象が複雑に組合わさって株価が動きます。

ルール通りで勝てるのであれば、それにこしたことはありませんが、コロナショックで市場が大暴落したときも、多くのシステムトレードが過去にない想定外の下落の影響をうけ、必要以上にポジションを整理したことで、より大きな下落となりました。

もしかしたら、今後、将来を精度高く予測するモデルが作られるかもしれませんが、現状で言えば、人間が運用したほうが高いパフォーマンスが期待できるというのが本音です。

現状、GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースはインデックスファンドにもパフォーマンスで劣りますし、アクティブファンドには大きな差をつけられています。投資をするのであれば、他のファンドを検討するべきでしょう。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点