近年、ビッグデータとAIを活用して、無数のデータから有益な解を
見つけ出す試みが多くの企業で行われています。

 

その波は運用業界にも広まっており、膨大な情報を処理・分析させて、
今後値上がりするであろう銘柄を予測する試みが続いています。

 

アセマネoneのディープAIやアストマックスのYjamプラス!など、
なかなか良いパフォーマンスを出せていないのが現状ですが、
GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースはどうなのでしょうか?

 

為替ヘッジありのAコースと、為替ヘッジ無しのBコースがありますが、
今日はより純資産が集まっているBコースのほうを見ていきたいと思います。

 

 

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの基本情報

投資対象は?

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの投資対象は、
日本を含む先進国の株式です。ゴールドマン・サックス・
アセットマネジメントが独自開発した計量モデルを用いて、
銘柄選定を行い、幅広い銘柄に分散投資をしていきます。

 

計量モデルを投資判断に活用する例として、アナリストが書いている
100万本以上のリサーチレポートを分析し、文章の変化から、
意図を読み取り、アナリストが買い推奨に転じる前に株式を

 

購入することで、株価上昇の恩恵を狙うといったものや、
企業のウェブサイトへのアクセス動向を分析することで、
収益性の予測に用いるといったことが挙げられます。

 

銘柄選定においては、モメンタム、バリュー、収益性の
3つの投資テーマをもとに行っていきます。

 


※引用:交付目論見書

 

現在の組入銘柄数は約260銘柄となっており、国別の比率で見ると、
アメリカが約70%、次いで日本、英国となっています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

組入銘柄の上位は、アメリカの企業で独占されており、
正直ビッグデータとAIを駆使した割には、面白みのない銘柄
構成と言えます。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

続いて、GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの純資産総額は
どうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額
だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を
入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少して
いると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを
生む可能性がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースは現在2000億円ほど
集まっていますので、規模としては全く問題ありません。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの実質コストは1.328%となり、
AIを使ってコストを削減している割にかなり高くつきますね。

 

もう少しコストを下げてほしいものです。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.323%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.328%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの評価分析

基準価額をどう見る?

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの基準価額は
11,000円程度となっています。

 

2018年の10月以降は他の株式ファンドと同様に大きく下落しました。
こういった場面で下落幅を大きく抑えられるとAIを活用する醍醐味が
出てきますが、同じように下落してしまっては意味がありません。

 

2019年はある程度反発して戻しては来ているものの、戻し幅はそこまで
大きくありません。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの直近1年間の利回りは
▲11.48%です。同カテゴリー内でも下位2割のパフォーマンスとなっており、
まったく強みを活かした運用ができていないと言えます。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲11.48% 86%
3年
5年
10年

※引用:2019年9月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

 

標準偏差は?

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの基準価額の変動を
調べる上で、標準偏差が役に立ちます。

 

標準偏差が22程度となると、国内小型株式と同程度の変動幅なので
かなり変動は大きいということがわかります。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 23.15 78%
3年
5年
10年

※引用:2019年9月時点

 

年別のパフォーマンスは?

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの年別のパフォーマンスも
見てみましょう。

 

2017年はそれなりのプラスリターンを出していましたが、2018年の運用で
大きなマイナスを出したため、相殺されてしまっています。これでは、
コストだけを支払っているようなものです。

 

2019年は今のところ10%以上のプラスが出ていますので、悪くないと言えます。

年間利回り
2019年 +12.81%(1-6月)
2018年 ▲15.28%
2017年 16.42%(4-9月)
2016年
2015年
2014年

※引用:2019年9月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

高いコストを支払ってGS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースに
投資をするのであれば、低コストで運用できるインデックスファンドに
パフォーマンスで負けていないことは最低条件です。

 

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースは米国株の比率が高い
のでS&P500に連動するiFree S&P500 インデックスと比較をしました。

 

結果はiFree S&P500 インデックスの圧勝です。これでは高いコストを
支払って投資する理由がありません。

 

現状、コストが一番安いS&P500に連動するインデックスファンドの
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)で十分です。

 

最大下落率は?

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースに投資をする前に、
最大でどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことは非常に
重要です。

 

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

 

それではここでGS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの
最大下落率を見てみましょう。

 

最大下落率は3カ月で▲20.63%となっています。ただ1年間で見ると、
▲15.28%になっていますので、焦ってすぐに売却しないことの重要性が
よくわかります。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

下落率
1カ月 ▲12.47%
3カ月 ▲20.63%
6カ月 ▲13.86%
12カ月 ▲15.28%

※引用:2019年9月時点

 

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

 

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入
している人が多いということなので、評判が良いということです。

 

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースは設定当時は、圧倒的な
期待から1000億円単位で資金が流入しましたが、期待に応えるほどの
パフォーマンスを出せていないことから、直近では流出超過に転じて
います。

 

いくらAIやビッグデータといった今流行りの技術が使われているとはいえ、
インデックスファンドにもパフォーマンスで勝てないようであれば、投資家
もついてきてくれませんね。

 


※引用:モーニングスター

 

GS グローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースの今後の見通し

膨大な量のデータをAIを使って分析すれば、何かしら人間では選定
できないような優れた銘柄を組み入れることができるように感じて
しまいますが、実際そううまくはいきません。

 

AIが現在活躍できているフィールドは、例えば囲碁や将棋といった
膨大な量の手数はあるものの、無限には存在しない分野です。

 

膨大な勝ちパターンを記憶させることで、人間には到底不可能な先まで
読み切ることができるわけです。

 

一方で、株の分野はそう簡単なものではありません。過去と同じような
イベントが起こればよいですが、そのようなことは一切なく、ありと
あらゆる事象をもとに、今後何が起こるか予想しなくてはいけません。

 

戦争が突然勃発したり、トランプさんがとんでもない発言をしたり、
予想するのは不可能な事象が複雑に組合わさって株価が動きます。

 

ルール通りで勝てるのであれば、それにこしたことはありませんが、
2018年10月末に市場が大暴落したときには、多くのシステムトレードが
過去にない想定外の下落の影響をうけ、必要以上にポジションを整理した
ことで、より大きな下落となりました。

 

もしかしたら、今後、将来を精度高く予測するモデルが作られるかもしれませんが、
現状で言えば、人間が運用したほうが高いパフォーマンスが期待できるというのが
本音です。

 

現状、悪くないパフォーマンスではありますが、あえて購入するかで言うと、
、まだ物足りないというのが本音です。AIが銘柄選定するのであれば、
優秀なファンドマネージャーとは違う何かしらのメリットがなければ、
あえて、乗り換える気にはなりません。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点