三菱UFJ国際投信が運用しているつみたてNISA向けのファンドには大きく3つの種類があります。

一つは以前からある「eMAXISシリーズ」、もう一つが超低コストでネット証券向けの「eMAXIS Slimシリーズ」。それから金融機関で相談できる「つみたてんとうシリーズ」です。

ベンチマークは同じなので、あとはコストの差になるのですが、今日はこの「つみたてんとうシリーズ」から、日経平均株価に連動する「つみたて日本株式(日経平均)」を徹底分析したいと思います。

「つみたて日本株式(日経平均)って投資対象としてどうなの?」

「つみたて日本株式(日経平均)って持ってて大丈夫なの?」

「つみたて日本株式(日経平均)より良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。


つみたて日本株式(日経平均)の基本情報

投資対象は?

つみたて日本株式(日経平均)の投資対象は、東証プライムに上場している銘柄のうち代表的な225銘柄です。業種別の組入比率を見てみると、IT・機器といった業種の組入比率が高くなっています。

組入銘柄の上位を見てみると、あなたもほとんどの企業の名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。それだけ有名な企業が組入れられていると考えてください。


※引用:マンスリーレポート

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

つみたて日本株式(日経平均)のつみたてNISAとiDeCoの対応状況を確認しておきましょう。つみたてNISA、iDeCoともに取り扱いがあるので、投資をする場合は、積極的に活用していきましょう。

つみたてNISA iDeCo
auカブコム証券

※2022年10月時点

純資産総額は?

続いて、つみたて日本株式(日経平均)の純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

純資産総額が多いほうが、ファンドマネージャーが資金を投資する際に有利であったり、他の投資家の解約の際の影響が小さくなりますので、優れた投資信託と言えます。

投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

つみたて日本株式(日経平均)は下図のように2017年の新規設定以来、純資産総額を伸ばしており、現在の純資産総額は約440億円となっています。

コロナショックで一時期純資産が流出しましたが、それ以外の期間ではかなり安定して純資産が伸びています。規模としては問題ありませんね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

特に日経平均に連動するファンドは運用会社各社が作っていますので、運用リターンはほとんど変わりません。そうすると、ファンドのパフォーマンスは実質コストの部分で良し悪しを決めることになるわけです。

つみたて日本株式(日経平均)の実質コストは約0.203%となっており、アクティブファンドなどと比べれば、十分に低いのですが、他のインデックスファンドと比べると割高です。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 0
信託報酬 0.198%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 0.203%(概算値)

※引用:最新運用報告書

類似ファンドとの信託報酬比較

参考までに類似ファンドの信託報酬を比較をしてみましょう。

日経平均をベンチマークとして採用しているファンドは信託報酬自体がかなり低いのですが、それでも差があることはわかります。

そこまで大きな差はないので、どのファンドを購入したとしても大差はないのですが、せっかく購入するのであれば、手数料は安いに越したことはありませんね。

ファンド 信託報酬
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) 0.154%
Smart-i 日経225インデックス 0.187%
たわらノーロード日経225 0.187%

※2022年10月時点

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

つみたて日本株式(日経平均)の評価分析

基準価額をどう見る?

つみたて日本株式(日経平均)の基準価額は、2021年以降、伸び悩んでいることがわかります。


※引用:モーニングスター

利回りはどう?

つづいて、つみたて日本株式(日経平均)の運用実績を見てみましょう。

直近1年間の平均利回りは▲10.18%です。3年平均、5年平均は6%以上ありますので、まずまずのパフォーマンスであることがわかります。

ただ、この時点で判断せず、他のファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしてください。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 ▲10.18%
3年 7.86%
5年 6.85%
10年

※2022年10月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している国内大型株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

つみたて日本株式(日経平均)は、国内大型グロースカテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

つみたて日本株式(日経平均)は、1年、5年平均利回りで上位20%程度に入っており、インデックスファンドとしては十分な位置にいます。

上位●%
1年 23%
3年 42%
5年 20%
10年

※2022年10月時点

年別の利回りは?

つづいて、つみたて日本株式(日経平均)の年別のパフォーマンスを見ていきます。

2018年、2022年は2桁のマイナスになりそうですが、2019年~2021年はしっかりプラスのリターンを残すことができています。

年間利回り
2021年 ▲8.44%(1-9月)
2021年 +6.33%
2020年 +18.06%
2019年 +20.53%
2018年 ▲10.45%
2017年

※2022年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

類似ファンドとの利回り比較

つみたて日本株式(日経平均)へ投資をするのであれば、他のインデックスファンドとパフォーマンスを比較してからでも遅くはありません。実質コストを込みで考えると、信託報酬が安くても、パフォーマンスが優れないといったことが時々起こります。

今回は、三菱UFJ投信が運用しているeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)と比較をしてみました。


※引用:モーニングスター

わずかではありますが、信託報酬の差だけeMAXIS Slim国内株式(日経平均)が優れていることがわかります。

この程度の差であれば、正直なところどちらに投資をしてもよいのですが、どちらにも投資ができるのであれば、eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)へ投資するべきですね。

つみたて日本株式 slim 国内株式
1年 ▲10.18% ▲10.14%
3年 7.86% 7.90%
5年 6.85%
10年

※2022年10月時点

アクティブファンドとの利回り比較

つみたて日本株式(日経平均)のようなインデックスファンドに投資をするのであれば、コストは高くなるものの高い利回りが期待できるアクティブファンドと利回りを比較してから投資をしても遅くはありません。

今回は、国内のアクティブファンドで有名なスパークスの新・国際優良日本株ファンド『厳選投資』と比較をしました。


※引用:モーニングスター

2022年に入ってからはつみたて日本株式(日経平均)のほうがパフォーマンスで上回っていることが分かります。

つみたて日本株式 厳選投資
1年 ▲10.18% ▲22.13%
3年 7.86% 5.38%
5年 6.85% 5.59%
10年 16.29%

※2022年10月時点

最大下落率は?

投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気になるのが、「最大どの程度、資産が下落する可能性があるのか」という点だと思います。

まだ設定来の期間が短くデータが少ないですが、最大下落率を見てみましょう。

期間 下落率
1カ月 ▲10.30%
3カ月 ▲19.21%
6カ月 ▲12.00%
12カ月 ▲10.45%

※2022年10月時点

つみたて日本株式(日経平均)は2020年1月~2020年3月までの間に最大で▲19.21%下落しています。やはりコロナショックの影響は大きかったようです。

下落が続いているとすぐに手放したくなる衝動に駆られる人もいるかもしれませんが、マイナスの時に感情的になり手放すのは最も悪手です。一度保有を決めたのであれば、もう少し中長期視点で考え、保有を続けましょう。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

評判はどう?

続いて、つみたて日本株式(日経平均)の評判を見ていきましょう。ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを購入しているということなので、評判がいいということになります。

2017年の新規設定以来、毎月資金流入しており、2018年のつみたてNISA開始と同時に純資産総額を大きく伸ばしています。

つみたて投資をしている人たちなので、コロナショックでもあまり動じずにたんたんとつみたてを続けている人が多いということがわかります。同カテゴリーでほぼ最安値の低コスト戦略が見事に人気に火をつけていますね。


※引用:モーニングスター

つみたて日本株式(日経平均)の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

インデックスファンドに投資をする投資家は、長期保有で手堅く資産が増えることを望んでいる人が多いと思います。そのため、低コストであることも重要ですが、ベンチマークがしっかり右肩上がりに成長していることが何より重要になります。

日経平均はリーマンショック以降、着実に右肩上がりに成長していますので、悪くはない指数ではあるものの、どうしても米国株や先進国株式と比べるとパフォーマンスで劣ります。

下手なアクティブファンドに投資するよりは、つみたて日本株式に投資をするほうが健全ですが、つみたて日本株式をコアに置くのはあまりおすすめできません。

あくまでポートフォリオの一部として、日本株式を入れておきたいという人が投資をするのがよいと思います。

また実質コストベースでみるとやはりeMAXIS Slimシリーズのほうが優れています。ネット証券をどうしても使いたくないという人以外はeMAXIS Slimシリーズを購入することをおすすめします。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点