今も昔も常に一部の投資家から注目を集めている不動産投資。

「不動産投資を実際始めるには最初の手続きや管理が難しそう、、」
そういう考えから少額から分散投資ができる不動産投資信託・
Jリートを購入してみようと考え始めている方が増えています。

その中で毎月分配金型は毎月お小遣いが入っているようなお得感が
味わえて人気があります。

しかし、投資家にとって本当にお得なのでしょうか?

今回はMHAM J-REITアクティブオープン毎月決算コース『物件満彩』
について徹底分析していきます。

「物件満彩って投資対象としてどうなの?」

「物件満彩って持ってて大丈夫なの?」

「物件満彩より良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。


MHAM J-REITアクティブオープン毎月決算コース『物件満彩』の基本情報

投資対象は?

物件満彩の投資対象は、国内の金融商品取引所に上場している
不動産投資信託証券(Jリート)です。

現在は51銘柄で構成されており、RIETの構成比率は以下の
ようになっています。

もともとJ-REIT自体が60銘柄程度しかないので、ほとんど
すべてを組み入れているということになります。


※引用:マンスリーレポート

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

つみたてNISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

そこで、つみたてNISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

つみたてNISA iDeCo
× ×

※2021年4月時点

純資産総額は?

続いて、物件満彩の純資産総額はどうなっているか見て
みましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、ファンドの運用で必ず発生する
運営コストが相対的に高くなるので、ファンドのパフォーマンスを
悪化させる原因になります。

そのため、純資産総額も事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

物件満彩は、現在230億円で、2016年をピークに純資産は
減少の一途をたどっています。パフォーマンスが悪いわけで
はないのですが、

比較的健全な分配金の支払いをしていることもあり、
投資家からあまり注目されていない要因だと思われます。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

物件満彩の実質コストは1.11%となっており、他のアクティブ
ファンドに比べて割安となっています。とは言っても、そこ
まで銘柄選定に時間がかからないので、もう少しコストが低く
なってしかるべきだと思っています。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.75%(税込)
信託報酬 1.1%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.11%(概算値)

※引用: 最新運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

MHAM J-REITアクティブオープン毎月決算コース『物件満彩』の評価分析

基準価額をどう見る?

物件満彩の基準価額は、2017年から2020年までは分配金
を支払っても基準価額が上昇していくというまさに理想の
状況でした。

しかし、コロナショックで基準価額が一時40%以上下落し、
状況は一変します。

J-REITは平常時はリスクの小さい値動きをしますが、暴落
相場では、株式以上に下落することがありますので、今回
改めてそれを実感した人も多いのではないでしょうか。

1年たっても、コロナ前の水準にまだ戻せていないです。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

つづいて、物件満彩の利回りを見てみましょう。
直近1年間の利回りは27.54%となっています。

コロナショックで大きく下落したあとからの1年間の
利回りですので、あまり参考になりません。

3年、10年平均利回りは10%近くあり、5年平均利回りは
4%なので、年ごとの利回りにかなり差があるようです。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 +27.54%
3年 +9.59%
5年 +4.14%
10年 +10.83%

※2021年4月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出しているJリートファンド ランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

物件満彩は国内RIETカテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンス
のファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォー
マンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

物件満彩は10年平均利回りだけ上位30%にランクインしており、
他の期間では平均以下の水準となっています。

上位●%
1年 88%
3年 69%
5年 76%
10年 33%

※2021年4月時点

年別の運用利回りは?

物件満彩の年別のパフォーマンスで見てみると、2桁以上
のプラスの年も多いですが、マイナス幅も大きい年もあり
利益が相殺されてしまっています。

もう少し毎年プラスの運用ができると、投資をしやすく
感じます。

年間利回り
2021年 +12.63%(1-3月)
2020年 ▲13.01%
2019年 +24.79%
2018年 +10.04%
2017年 ▲8.15%
2016年 +8.34%
2015年 ▲3.82%
2014年 +28.43%

※2021年4月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとの利回り比較

物件満彩に投資をするのであれば、より低コストで
投資ができるインデックスファンドとのパフォーマンスは
比較してから投資をしても遅くはありません。

今回は、東証REIT指数と連動するeMAXIS 国内リート
インデックスとパフォーマンスを比較してみました。


※引用:モーニングスター

かなり拮抗しており、ほとんどパフォーマンスには差がありませんが、
終始、eMAXIS 国内リートインデックスが上回っています。

より長期の利回りを比較してみるとどうでしょうか?

物件満彩 eMAXIS国内リート
1年 +27.54% +31.11%
3年 +9.59% +9.94%
5年 +4.14% +4.90%
10年 +10.83% +10.79%

※2021年4月時点

5年平均利回りまではeMAXIS 国内リートインデックスに
分がありますが、10年平均利回りだけは物件満彩が
上回っています。

ただ、ほとんど誤差の範囲ですので、インデックスファンド
と同じ程度のパフォーマンスということです。

類似ファンドとの利回り比較

毎月分配型のアクティブファンドに投資するのであれば、
同じく毎月分配型のアクティブファンドとパフォーマンスを
比較してから投資をしても遅くはありません。

今回は同じくJ-RIETに投資ができるJ-REITリサーチ・
オープン(毎月分配型)
と比較をしてみました。


※引用:モーニングスター

直近3年間で5%程度、J-REITリサーチオープンが上回って
います。

5年、10年平均利回りでもこの傾向はかわりませんので、
これであれば物件満彩をあえて選択する理由はありません。

物件満彩 J-RIETリサーチ
1年 +27.54% +30.76%
3年 +9.59% +10.94%
5年 +4.14% +6.71%
10年 +10.83% +11.09%

※2021年4月時点

最大下落率は?

投資するのであれば、物件満彩がどの程度下落する可能性がある
のかは知っておきたいところです。

もちろん標準偏差から変動幅を予測することはできますが、
やはり過去にどの程度下落したことがあるのかを調べるのが
よいでしょう。

物件満彩は、2007年11月~2008年10月で最大▲49.33%と
なっています。

この下落はリーマンショックによる影響ですが、少なくとも
コロナショックはこのレベルではなかったということです。

ただ、あなたが思っている以上に大きく下落しますので、
その点は忘れてはいけません。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかも
しれません。

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの
可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲18.69%
3カ月 ▲30.75%
6カ月 ▲37.88%
12カ月 ▲49.33%

※2021年4月時点

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
1979円 420円 571%

※2020/4/28~2020/4/29

物件満彩の直近1年間の分配健全度は571%と
なっています。

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

直近1年間はファンドの運用益ですべて分配金を支払う
ことができています。

物件満彩は分配金利回りが健全な水準ですので、
大きく100%を下回る心配はなさそうです。

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

分配金利回りは1年間で受け取った分配金の合計金額を
基準価額で割ることで計算できます。

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

物件満彩の分配金利回り4.39%なので、J-REITファンドの
中では、比較的健全な運用がされています。

この利回りであれば、ファンドの運用益から分配金を
払い出すことができますね。

運用利回り 分配金利回り
1年 +27.54% 4.39%
3年 +9.59%
5年 +4.14%
10年 +10.83%

※2021年4月時点

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

物件満彩の分配金余力は、まだ300カ月近くあります
ので、減配の心配はいったんしなくても大丈夫そうです。

分配金 繰越対象額 分配金余力
186期 320円 10,237円
187期 35円 10,235円 293カ月
188期 35円 10,235円 293カ月
189期 85円 10,191円
190期 35円 10,165円 291カ月
191期 35円 10,148円 290カ月
192期 35円 10,138円 290カ月
193期 35円 10,120円 290カ月
194期 35円 10,118円 290カ月
195期 35円 10,126円 290カ月
196期 35円 10,107円 289カ月
197期 35円 10,084円 289カ月

※引用:最新運用報告書

評判はどう?

続いて、ファンドの収益力を見てみましょう。

物件満彩の評判はネットでの書き込みなどで調べる方法
もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の
資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけ物件満載を解約
している人が多いということなので、評判が悪くなっている
ということです。

直近は流出超過となっており、評判が下がっています。
残念ながら、見かけだけでも分配金利回りが高いファンドに
資金が集まる傾向は変わりません。

健全な運用をするほど、資金が集まらないという矛盾が
生じているのが毎月分配型ファンドですが、このブログの
読者の方はくれぐれも誤った選択をしないでください。


※引用:モーニングスター

MHAM J-REITアクティブオープン毎月決算コース『物件満彩』の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしたでしょうか?

コロナショックの影響で、東京オリンピックも延期となり
またコロナショックの経済への影響も計り知れません。

J-REITは今後数年厳しい時期を迎える可能性は大いに
あると思います。

また毎月分配型の投資信託についても、つみたてNISA、 iDeCo
の出現により少額積立して再投資するような投資信託に人気
が集まっていくので、今までのように分配型の人気はなくな
っています。

物件満彩のパフォーマンスはインデックスファンドと同程度
なので、可もなく不可もなくといったところではありますが、
そうすると、あえて高いコストを支払ってまでアクティブ
ファンドに投資をする理由がありません。

少なくともインデックスファンドを上回る運用をしていなければ、
投資をする価値がありません。

幸いにも物件満彩はJ-REITの中では比較的健全な分配をして
いますので、タコ足配当の心配はあまりありませんが、今後、
タコ足配当にならないとも言えませんので、十分に注意してください。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点