オーストラリア株式といえば、資源株なので相場の影響を受けにくく、
比較的高い利子を受け取れるため、一部の投資家から人気があります。

「LM・オーストラリア高配当株ファンドって投資対象としてどうなの?」

「LM・オーストラリア高配当株ファンドって持ってて大丈夫なの?」

「LM・オーストラリア高配当株ファンドより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。

今日はより人気の高いLM・オーストラリア高配当株ファンドを徹底分析
していきます。


LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)の基本情報

投資対象は?

LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)の主要投資対象
はオーストラリアで上場している株式やREITです。

毎月分配型のファンドなので、配当利回りに着目し、高い配当銘柄を
中心に投資をしています。

現在の組入銘柄数は42銘柄となっており、組入比率を見てみると、
金融が約3割、次いでREIT、消費サービスが続いています。
組入銘柄の平均配当利回りは4.6%となっています。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

続いて、豪州力の純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

純資産総額が小さいと運用が効率的に行えず、余計なコストが発生
したり、運用会社も運用に力を入れないため、パフォーマンスが
優れないといったデメリットが発生します。

ですので、必ずチェックするようにしてください。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)の純資産総額
は、現在約1900億円です。

2017年には6000億円ほどあったのですが、パフォーマンスの悪化と
分配金の切り下げに伴い、純資産総額が急激に減少した形です。

とは言っても、まだ2000億円規模ですので、規模によるデメリット
はありませんね。

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬以外にも、隠れたコスト
が存在します。

それは株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用といったもので、
運用報告書を見なければわかりません。

この実質コストは信託報酬よりもかなり高くなっていることも
ありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)の実質コスト
は1.87%で、かなり割高です。

購入時手数料と合わせると初年度は5.5%超のマイナスからの
スタートになりますので、銘柄選定は慎重に行いたいところです。

購入時手数料 3.85%(税込)※上限
信託報酬 1.826%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 1.87%(概算値)

※引用:最新運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)の評価分析

基準価額をどう見る?

LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)の基準価額は
わずか3年間で50%近く下落しています。

分配金を受け取らずに運用に回した場合の基準価額(青線)を見ても、
3年間で20%近く下落していることから、もともと運用がうまくいって
いません。

それに加えて、過剰な分配が行われているため、このように基準価額が
急落しています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

それでは、LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)
の利回りはどうでしょうか?

直近1年間の利回りは▲16.72%となっています。

3年平均利回りも7%近くのマイナスで、5年平均利回りが
かろうじてプラスといった状況です。

これでは、運用会社がもらう信託報酬のほうが高くなって
しまっており、運用会社を儲けさせるために投資をしている
ようなものです。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 ▲16.72%
3年 ▲7.43%
5年 0.52%
10年

※2020年10月時点

同カテゴリー内での利回りランキングは?

せっかく投資をするのであれば、同じカテゴリー内でも、
優れたファンドに投資をするべきです。

LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)は
オセアニア株式カテゴリーに属しています。

このカテゴリー内でのランキングを確認すると、
下位20%程度の位置にランクインしています。

つまり、ほとんどのファンドは、LM・オーストラリア
高配当株ファンド(毎月分配型)よりも、高い利回りで
運用されているということなので、あえて投資をする
理由が見当たりません。

上位●%
1年 87%
3年 79%
5年 72%
10年

※2020年10月時点

年別のパフォーマンスは?

LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)年別の
利回りを見てみましょう。

直近、数年はプラスとマイナスが交互になっており、これでは
あなたの資産はなかなか増えません。

年間利回り
2020年 ▲9.46%(1-9月)
2019年 17.22%
2018年 ▲20.08%
2017年 10.69%
2016年 8.63%
2015年 ▲6.10%
2014年 17.12%

※2020年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

類似ファンドとのパフォーマンス比較

あなたが投資可能なファンドは6000本超ありますので、類似
ファンドとのパフォーマンス比較は必須です。

毎月分配型の投資信託であれば、タコ足配当によって利回りが
高くなっているファンドではなく、しっかり収益をあげながら、
分配金も高いファンドが理想です。

そこで、今回はLM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)
と毎月分配型の米国成長株投信を比較してみたいと思います。


※引用:モーニングスター

結果は一目でわかる通り、米国成長株投信が上回っています。

このファンドに投資をしている人の多くが分配金を多く受け取りたい
と思っているはずですので、国によるこだわりはそこまでないと
思います。

それであれば、明らかにパフォーマンスの優れたファンドに投資を
して毎月分配金を受け取るほうが賢明でしょう。

最大下落率は?

標準偏差がわかれば、どの程度下落する可能性があるかはある程度
予測できますが、実際にどれくらい下落したことがあるのか確認する
ほうがイメージが湧きます。

LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)の最大下落率は
2020年1月〜2020年3月の3カ月の▲38.54%となっています。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲31.84%
3カ月 ▲38.54%
6カ月 ▲35.80%
12カ月 ▲34.95%

※2020年10月時点

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
▲1815円 960円 ▲89%

※2019/10/10~2020/10/9

LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)の
直近1年間の分配健全度は▲89%となっています。

分配健全度は100%を切ると、一部、ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

コロナショックの影響も当然ありますが、分配金のすべてを
ファンドの収益ではカバーできていませんので、あなたが
受け取っている分配金はあなたの投資元本だということです。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)の
分配金利回りは17.5%と高めの設定となっています。

ただ、ファンドの運用利回りがマイナスなので、あなたが
受け取っている分配金のほとんどはあなたが投資した資金
が戻ってきているに過ぎないということです。

未だ多くの投資家が勘違いをしながら、分配金利回りが
高いファンドに投資をしていますが、くれぐれも気を
つけてほしいと思います。

運用利回り 分配金利回り
1年 ▲16.72% 17.5%
3年 ▲7.43%
5年 0.52%
10年

※2020年10月時点

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)は
30カ月程度あるので、まだ余力はあると言えます。

ただ、このペースで過剰な分配を続ければ、減配ラッシュが
来るのはもう間近です。

分配金 繰越対象額 分配金余力
91期 80円 3,212円 41.0カ月
92期 80円 3,156円 40.4カ月
93期 80円 3,079円 39.4カ月
94期 80円 3,018円 38.7カ月
95期 80円 2,953円 37.9カ月
96期 80円 2,953円 37.9カ月
97期 80円 2,885円 37.0カ月
98期 80円 2,837円 36.4カ月
99期 80円 2,757円 35.4カ月
100期 80円 2,695円 34.6カ月
101期 80円 2,625円 33.8カ月
102期 80円 2,615円 33.6カ月

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

つみたてNISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

そこで、つみたてNISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

つみたてNISA iDeCo
× ×

※2020年10月時点

評判はどう?

LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)の評判を
確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。

資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドで
あるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が
悪くなっているファンドと言えます。

それでは、LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)の
評価はどうでしょうか?以下のグラフをご覧ください。

2016年〜2017年中頃までは大きく資金が流入しましたが、設定初月
に大きく資金が流入しましたが、減配が決まると同時に大きく資金
が流出しています。

ファンドの収益力に対して分配金が多すぎるため、今後も分配金は
減り続けることが想定されます。これでは資金の流出が止まらない
のも仕方ないですね。


※引用:モーニングスター

LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)の評価まとめと今後の見通し

今後は中国の景気と、資源価格の2つについてよく見ておく必要が
あります。

まず中国の景気ですが、オーストラリアは中国が最大の貿易相手国です。
中国の景気が落ち込めば、オーストラリアからの輸出が減り国内の景気
も打撃を受けることになります。

米中の貿易問題はいったん落ち着いたかの様相を見せてはいますが、
いつ再燃してもおかしくありません。そうなれば、中国経済は間違い
なく打撃を受けるので注意が必要です。

次に資源価格ですが、オーストラリアは鉄鉱石などの資源が豊富な国
ですので、これらの国際価格によって、貿易にも影響が出てきます。

現在世界では環境問題に真剣に取り組む傾向が強く、鉄鉱石など資源
ではなく再生可能エネルギーに頼る国が増えてきましたので、今後は
資源に頼らない経済構造を構築していくことも必要と言えます。

政府の動きにも注目していきたいところです。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点