しんきんアセットマネジメントが運用するしんきんJリート
オープン(毎月決算型)。

 

運用会社であるしんきんアセットマネジメントは信用金庫
の元締めである信金中央金庫の子会社です。そのため、
しんきんJリートオープン(毎月決算型)は信用金庫でしか
購入できません。

 

もともと毎月決算型のJリートファンドは問題のあるものが
多いのですが、本ファンドもなかなか酷い分類に入ります。

 

今日は、徹底的に分析していきたいと思います。

 

 

しんきんJリートオープン(毎月決算型)の基本情報

投資対象は?

投資対象はファンド名のまま、日本国内のリートです。
このブログの読者の方ですとリートを知らない人のほう
が少ないと思いますが、簡単にだけ説明しておきます。

 

リートというのは、投資家から集めた資金を使って、
不動産を購入し、賃貸収入を得たり、時には売却して
売却益を得たりしながら、その利益を投資家に分配金と
して還元していく仕組みです。

 

投資家からすると少額の資金でオフィスビルや商業施設に
投資ができるというのは非常に魅力的です。

 


※引用:交付目論見書

 

現在の組入銘柄は55銘柄となっており、上位は下図の
ようになっています。

 

国内リートは全体で60銘柄程度しかありませんので、
ほとんどの銘柄を組入れていると考えてよいでしょう。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、ファンドの運用で必ず発生する
運営コストが相対的に高くなるので、ファンドのパフォーマンスを
悪化させる原因になります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

しんきんJリートオープン(毎月決算型)の純資産額は約2,400億円
となっています。投資信託を積極的には販売していない信用金庫
だけで、ここまでの水準になるというのが驚きです。

 

ただ、直近ではコロナショックの影響で基準価額が急落した
こともあり、純資産が大幅限となっています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資
判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

しんきんJリートオープン(毎月決算型)の実質コストは1.14%と
なっています。

 

後述しますが、東証REIT指数に連動するインデックスファン
ドよりもパフォーマンスが悪い癖に高いコストを取るのは
最悪ですね。

購入時手数料 2.2%(税込)
信託報酬 1.045%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.14%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

しんきんJリートオープン(毎月決算型)の評価分析

基準価額をどう見る?

しんきんJリートオープン(毎月決算型)の基準価額は直近3年間で
約40%ほど下落しています。

 

コロナショックの影響で一時期50%ほど基準価額が下落した
時はさすがに驚きました。が、さすがに急落しすぎたという
ことで、その後は反発しています。

 

ただ、株式ファンドなどと比べると、戻りは非常に弱く、
コロナショックの影響でオフィス需要が減ったことなどが
影響しています。

 

常々このブログでは言っていますが、REITは不動産への
投資なので、一見リスクが低く見えますが、暴落相場で
は株式並に大きな値動きをしますので、その点を理解し
たうえで投資をしなければいけません。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

しんきんJリートオープン(毎月決算型)の利回りを見てみましょう。

 

直近1年間の利回りは▲14.50%です。

 

3年平均、5年平均はかろうじてプラスとなっており、
10年平均利回りだけが10%近い高パフォーマンスと
なっています。

 

直近で調子を取り戻してきていたJ-REITですが、
コロナ前の利回りと比較すると、かなり下落して
おり、いかにコロナショックの影響が大きかった
かがわかります。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年4月 2020年8月
1年 ▲13.64% ▲14.50%
3年 ▲0.46% 2.13%
5年 ▲0.25% 1.72%
10年 +8.57% 9.31%

※2020年8月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出しているJリートファンド ランキング

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

しんきんJリートオープン(毎月決算型)は国内RIETカテゴリーに
属しています。

 

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンス
のファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォー
マンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

 

しんきんJリートオープン(毎月決算型)は下位20~30%に
位置しており、コロナショック前後で大きく順位の変動は
していません。

 

つまり、平均以下の水準なので、まだほかに優秀な国内RIET
ファンドがあるということです。

2020年4月 2020年8月
1年 59% 63%
3年 73% 85%
5年 66% 73%
10年 93% 93%

※2020年8月時点

 

年別のパフォーマンスは?

しんきんJリートオープン(毎月決算型)の年別のパフォーマンス
も見てみましょう。

 

総じてプラスのリターンにはなっていますが、プラスと
マイナスのリターンの年が交互になっているので、そこ
まで高いリターンにはなっていません。

 

何より、リターンがプラスの年に対して、マイナスの
年はかなり大きなマイナスになっているのも気になり
ますね。

年間利回り
2020年 ▲20.94%(1-6月)
2019年 34.45%
2018年 +9.67%
2017年 ▲7.39%
2016年 +8.36%
2015年 ▲4.91%
2014年 +27.16%

※2020年8月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

しんきんJリートオープン(毎月決算型)に投資をするのであれば、
より低コストで投資ができるインデックスファンドとのパフォー
マンスは比較してから投資をしても遅くはありません。

 

今回は、東証REIT指数と連動するeMAXIS 国内リート
インデックスとパフォーマンスを比較してみました。

 

どの期間においても、低コストのeMAXIS 国内リート
インデックスが勝っています。

 

これでは、高い手数料を支払ってまで投資するメリット
を感じません。


※引用:モーニングスター

 

5年、10年のより長い期間でパフォーマンスを比較してみても、
やはりしんきんJリートオープン(毎月決算型)が劣っています。

 

これであれば、インデックスファンドに投資をすれば、十分
と言えます。

しんきん Jリート eMAXIS国内リート
1年 ▲14.50% ▲14.71%
3年 2.13% 2.80%
5年 1.72% 2.35%
10年 9.31% 10.30%

※2020年8月時点

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

毎月分配型のアクティブファンドに投資するのであれば、
同じく毎月分配型のアクティブファンドとパフォーマンスを
比較してから投資をしても遅くはありません。

 

今回は同じくJ-RIETに投資ができるJ-REITリサーチ・
オープン(毎月分配型)
と比較をしてみました。

 

同じJ-REITに投資をしていても、3年間で7%以上の
差がついています。

 

これだけ差がつくと、しんきんJリートオープン(毎月決算型)を
選択する理由がなくなります。

 


※引用:モーニングスター

 

より長期間でのパフォーマンスを比較してみても、
終始、しんきんJリートオープン(毎月決算型)は
パフォーマンスで劣っています。

 

実質コストが割高であるというのと、単純に運用が
うまくいっていないということでしょう。

 

しんきん Jリート J-RIETリサーチ
1年 ▲14.50% ▲11.76%
3年 2.13% 4.51%
5年 1.72% 3.33%
10年 9.31% 10.80%

※2020年8月時点

 

最大下落率は?

しんきんJリートオープン(毎月決算型)に投資をする前に、
最大でどの程度下落する可能性があるのかを知っておく
ことは非常に重要です。

 

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、
大きく下落した相場でも落ち着いて保有を続けられる
からです。

 

それではここでしんきんJリートオープン(毎月決算型)の
最大下落率を見てみましょう。

 

最大下落率は2007年からの1年間で49.95%となっており、
思った以上に大きな下落をしていることがわかります。

 

J-REITは比較的下落が小さいと思われがちですが、下落する
ときは大きく下落しますので、注意してください。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまう
かもしれません。

 

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れ
の可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲20.28%
3カ月 ▲30.94%
6カ月 ▲38.65%
12カ月 ▲49.95%

※2020年8月時点

 

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

 

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

 

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
▲1,307円 625円 ▲109%

※2019/8/29~2020/8/28

 

しんきんJリートオープン(毎月決算型)の直近1年間の
分配健全度は▲109%となっています。

 

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

 

しんきんJリートオープン(毎月決算型)の場合、マイナス
ですので、この1年で受け取った分配金はすべてファンド
の収益以外から支払われていたことを意味します。

 

かつ、投資元本が大きく削られてしまっているということです。

 

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

 

分配金利回りは1年間で受け取った分配金の合計金額を
基準価額で割ることで計算できます。

 

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

 

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

 

しんきんJリートオープン(毎月決算型)の分配金利回りは16%と
かなり高くなっています。

 

この利回りの高さに釣られて多くの投資家が投資を始めている
状況ですが、分配金利回りとファンドの運用利回りは全く
別物です。

 

今のファンドのパフォーマンスでは、あなたが受け取る分配金
のほんの一部しか稼ぐことができていません。

 

大半は、あなたが投資した資金から払い戻されているだけです
ので、詐欺のようなものです。

運用利回り 分配金利回り
1年 ▲14.50% 16%
3年 2.13%
5年 1.72%
10年 9.31%

※2020年8月時点

 

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

 

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

 

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

 

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

 

しんきんJリートオープン(毎月決算型)の分配金余力は
まだ120カ月以上ありますので、減配の心配はいったん
しなくても大丈夫そうです。

 

ただ、分配金余力があるからといって、あなたの受け取る
分配金がすべてここから支払われるわけではありません。

 

現状、あなたが受け取る分配金のほとんどが投資資金から
出ていますので、決して素直に喜べる状況ではないという
ことです。

 

分配金 繰越対象額 分配金余力
166期 75円 6,034円 81.4カ月
167期 75円 5,999円 80.9カ月
168期 75円 5,929円 80.0カ月
169期 75円 5,997円 80.9カ月
170期 75円 5,944円 80.2カ月
171期 75円 6,007円 81.0カ月
172期 75円 6,138円 82.9カ月
173期 75円 6,205円 83.7カ月
174期 50円 6,440円 129カ月
175期 50円 6,395円 128カ月
176期 50円 6,356円 127カ月
177期 50円 6,330円 126カ月

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

積立NISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

 

そこで、積立NISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

積立NISA iDeCo
× ×

※2020年8月時点

 

評判どう?

しんきんJリートオープン(毎月決算型)の評判はネットでの
書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

 

資金が流入しているということは、それだけしんきん
Jリートオープン(毎月分配型)を購入している人が多いと
いうことなので、評判が良いということです。

 

本ファンドは、ほぼ毎月資金が流入していることから、
人気が高いことは間違いありませんが、これは間違いなく
無知な信用金庫の顧客がよくわからないまま購入している
からだと考えられます。

 

Jリートが好調であることは間違いありませんが、あえて
しんきんJリートに投資をする理由が見つかりません。

 


※引用:モーニングスター

 

しんきんJリートオープン(毎月決算型)の今後の見通しと評価まとめ

好調だった国内不動産市況が今回のコロナショック一変
しました。

 

都内では、外出自粛要請がいつまで続くのか目途もたたず、
旅行、イベント、レジャー系の企業だけでなく、多くの企業
で業績に影響がすでに出始めています。

 

倒産件数も着実に増えており、コロナショックの影響で、
不況に入ったという見方も多くでてきました。

 

J-REIT自体は、急落した後ということもあり、コロナショックが
落ち着けば、ある程度、堅調に推移することが予想されますが、

 

しんきんJリートオープン(毎月決算型)へ投資していいのか
どうかというと話が異なります。

 

低コストでパフォーマンスが優れているインデックスファ
ンドが存在するにもかかわらず、あえて高コストでパフォー
マンスも劣るしんきんJリートオープンを選択する理由が
ありません。

 

しんきんJリートオープン(毎月決算型)に投資するくらいで
あれば、ニッセイJリートインデックスファンドに投資を
したほうがよほど堅実に資産を増やすことができます。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点