グローバル株式とオプション取引を組み合わせて毎月分配型に
しているニッセイ グローバル高配当株式プラス(毎月決算型)。

通常のグローバル株式投資とは異なり、オプション取引のプレミアム
で毎月の分配金の一部を賄おうとしているようですが、果たして
このような奇策はうまく行くのでしょうか?

今日は、ニッセイ グローバル高配当株式プラス(毎月決算型)に
ついて徹底分析していきます。

「ニッセイ グローバル好配当株式プラスって投資対象としてどうなの?」

「ニッセイ グローバル好配当株式プラスって持ってて大丈夫なの?」

「ニッセイ グローバル好配当株式プラスより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。


ニッセイ グローバル好配当株式プラス の基本情報

投資対象は?

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の投資対象は、
日本を含む世界各国の好配当株式および、コール・オプションです。

株式は、配当利回りの水準だけでなく、配当の安定性や成長性、
企業の動向などをもとに銘柄の選定を行います。

オプション取引では、コールオプションを売却することで、
プレミアムを獲得を狙います。

収益のイメージは下図のような感じです。

オプション取引は、一度理解してしまえば、簡単なのですが、
ここで説明するには、相当の記事ボリュームになってしまうので、
また別の機会にまとめて説明したいと思います。

今日は、オプション取引を追加することで、株価が大きく値上がり
しない限り、オプション料という収益を毎月得られるとだけ覚えて
おいてください。

地域ごとの組入比率を見てみると、イギリスが約25%、米国が約20%、
日本が約15%となっており、米国や欧州の比率が高くなっている
ことがわかります。

これは投資助言で入っているシュローダー・インベストメント・
マネジメントがイギリスのロンドンを本拠地としており、欧州に
強いという背景もあります。

通常のグローバル株式であれば、米国が一番比率が高くなりますので、
特徴的と言えますね。


※引用:マンスリーレポート

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

つみたてNISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

そこで、つみたてNISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

つみたてNISA iDeCo
× ×

※2021年4月時点

純資産総額は?

続いて、ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の
純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性
がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)は2015年ごろ
から急激に純資産総額を増やしていましたが、2018年以降は
パフォーマンスが優れず、純資産も減少傾向にあります。

現在では、600億円程度ですが、それでも規模としては
十分な大きさです。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが
通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の実質コストは
1.727%と高くなっています。

初年度は、購入時手数料と合わせて5%近く取られますので、慎重に
選ばなければなりません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.727%(税込)
信託財産留保額 0%
実質コスト 1.727%(概算値)

※引用: 最新運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の評価分析

基準価額をどう見る?

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の基準価額は、
3年間で70%以上下落しています。

分配金を受け取らずに運用を続けた場合の基準価額(青線)を見ると、
3年間でほぼ変わらない水準にいますので、この3年間でいかに無謀な
分配をしてきたかがよくわかります。

なかなかここまで過剰な分配をしているファンドはお目にかかった
ことがありませんが、あまりにも酷いですね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の直近1年間の
利回りは52.96%です。

これはコロナショックで大きく下落した後からの1年のため、利回りが
高く見えています。

3年平均、5年平均の利回りのほうが実態に近いファンドの運用利回りと
言えるでしょう。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 +52.96%
3年 +2.25%
5年 +5.00%
10年

※2021年4月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)は日本を含む
グローバル株式カテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンス
のファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォー
マンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

ニッセイ グローバル好配当株式プラスはどの期間においても、
平均以下の順位となっています。

ここから、他にもっと優れたファンドが多数あるということなので、
他のファンドと比較をするべきだとわかります。

全期間上位10%に入るようなファンドはほとんどありませんが、
少なくとも30%以内には入っているようなファンドに投資を
したいものです。

上位●%
1年 57%
3年 91%
5年 77%
10年

※2021年4月時点

年別の運用利回りは?

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の年別の
運用パフォーマンスを見てみましょう。

2桁のプラスを出している年も多いのですが、2桁のマイナスを
出してしまっている年も多く、運用が安定していません。

オプション売戦略がうまく機能していれば、もう少し安定した
運用益が期待できるのではないかと思っていましたが、なかなか
難しいようです。

年間利回り
2021年 +17.15%(1-3月)
2020年 ▲12.54%
2019年 +15.52%
2018年 ▲14.84%
2017年 +13.19%
2016年 +5.21%
2015年 ▲7.50%
2014年 +19.02%

※2021年4月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとの利回り比較

ニッセイ グローバル好配当株式プラスへの投資を検討している
ような投資家は分配金利回りばかりを気にして、ファンド本来の
収益力を軽視しがちです。

しかし、ファンドの運用利回りが高くなければ、あなたが
受け取れる分配金も投資元本が削られて返ってくるだけになって
しまいます。

アクティブファンドに投資をするのであれば、インデックス
ファンドよりも優れたパフォーマンスでなければ投資をする
価値がありません。

今回は、世界中の株式に分散投資ができ、今非常に人気の
高いeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)と比較を
行いました。


※引用:モーニングスター

見てすぐわかるとおり、ニッセイ グローバル好配当株式
プラス(毎月決算型)はパフォーマンスで完敗しています。

インデックスファンドにパフォーマンスで負けるよう
では、あえて高いコストを支払ってまで投資をする
メリットがありません。

ニッセイ グローバル好配当 slim オールカントリー
1年 +52.96% +56.46%
3年 +2.25%
5年 +5.00%
10年

※2021年4月時点

類似ファンドとの利回り比較

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)への投資を
検討するのであれば、類似ファンドとのパフォーマンス比較は
しておいて損はありません。。

今回は毎月分配型のアクティブファンドで、世界の好配当株式に
分散投資ができるピクテ グローバル・インカム株式ファンド
パフォーマンスを比較しました。


※引用:モーニングスター

こちらも大きく負け越しており、これだけ差がついていると、
ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)を選択
する理由がありません。

5年以上の利回りで見ると、ニッセイ グローバル好配当株式プラスが
勝っていますが、この程度の差なのであれば、安定した運用ができて
いるピクテ・グローバル・インカム株式ファンドのほうがまだ
良いです。

ニッセイ グローバル好配当 グロイン
1年 +52.96% +18.55%
3年 +2.25% +8.55%
5年 +5.00% +4.63%
10年 +6.24%

※2021年4月時点

最大下落率は?

投資を検討するうえで、標準偏差などから、価格変動の範囲を
ある程度は予想できますが、やはり実際に下落した度合いを
みたほうがイメージがわきます。

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)は2020年1月~
2020年3月の間に最大▲33.01%下落しています。

やはりコロナショックの影響がかなり大きかったと言えます。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲22.66%
3カ月 ▲33.01%
6カ月 ▲26.98%
12カ月 ▲29.28%

※2021年4月時点

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
97円 820円 111%

※2020/4/23~2021/4/22

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の
直近1年間の分配健全度は111%となっています。

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

コロナショック後の1年は非常に好調だったこともあり、
分配金をすべてファンドの収益で賄うことができています。

ただ、分配金利回りが異常に高いので、すぐに分配健全度は
100%を切ってくることは間違いありません。

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の
分配金利回りは38.7%と異常な利回りとなっており、
受け取れる分配金の額はかなり大きいです。

ただ、ファンドの運用利回りはそこまで高くありませんので、
分配金利回りとの差分は、あなたが投資した元本から取り
崩されているということです。

未だ多くの投資家が勘違いをしながら、分配金利回りが
高いファンドに投資をしていますが、くれぐれも気を
つけてほしいと思います。

運用利回り 分配金利回り
1年 +52.96% 38.7%
3年 +2.25%
5年 +5.00%
10年

※2021年4月時点

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)は
昨年も減配していますが、ほぼ間違いなく今年も減配します。

ここまで異常な分配を続けているようなファンドはもう、
毎年減配しなければ、分配金余力がなくなってしまうので、
かなり高頻度に減配が行われることは確実です。

分配金 繰越対象額 分配金余力
97期 100円 1,497円 15.9カ月
98期 100円 1,428円 15.2カ月
99期 100円 1,355円 14.5カ月
100期 100円 1,281円 13.8カ月
101期 100円 1,208円 13.0カ月
102期 70円 1,167円 17.6カ月
103期 70円 1,123円 17.0カ月
104期 70円 1,081円 16.4カ月
105期 70円 1,036円 15.8カ月
106期 70円 993円 15.1カ月
107期 70円 947円 14.5カ月
108期 70円 900円 13.8カ月

※引用:最新運用報告書

評判はどう?

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の評判は
ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知る
うえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけニッセイ グローバル
好配当株式プラスを購入している人が多いということなので、
評判が良いということです。

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)は、2018年
以降、流入額が小さくなっていましたが、2020年に入り、再び
流入量が増え始めています。

これは、何もわかっていない投資家が分配金利回りの高さだけ
を見て投資をしているからです。

毎月分配型の仕組みをしっかり理解している投資家であれば、
まず投資をしないファンドです。


※引用:モーニングスター

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の今後の見通し

通常のグローバル株式への投資だけでなく、オプション戦略も
取り入れているニッセイ グローバル好配当株式プラスですが、
残念ながら、その効果は皆無と言っても過言ではありません。

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の一番
酷いところは、明らかに過剰な分配を続けているにもかかわらず、
分配金を大きく減額しないことです。

ファンドの収益と分配金利回りから考えれば、ここから3分の1に
減額してもまだ割高と言える水準です。

それをしないのは、ひとえに資金が流出し、純資産額が減るのを
運用会社が嫌がっているからです。

こういった投資家を騙すために作られたようなファンドには、
くれぐれも投資をしないようにしてください。

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)よりも
低コストでパフォーマンスの高いインデックスファンドに投資
をしたほうがあなたの資産は確実に増えるでしょう。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点