グローバル株式とオプション取引を組み合わせて毎月分配型に
しているニッセイ グローバル高配当株式プラス(毎月決算型)。

 

通常のグローバル株式投資とは異なり、オプション取引のプレミアム
で毎月の分配金の一部を賄おうとしているようですが、果たして
このような奇策はうまく行くのでしょうか?

 

今日は、ニッセイ グローバル高配当株式プラス(毎月決算型)に
ついて徹底分析していきます。

 

 

ニッセイ グローバル好配当株式プラス の基本情報

投資対象は?

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の投資対象は、
日本を含む世界各国の好配当株式および、コール・オプションです。

 

株式は、配当利回りの水準だけでなく、配当の安定性や成長性、
企業の動向などをもとに銘柄の選定を行います。

 

オプション取引では、コールオプションを売却することで、
プレミアムを獲得を狙います。

 

収益のイメージは下図のような感じです。

 

 

オプション取引は、一度理解してしまえば、簡単なのですが、
ここで説明するには、相当の記事ボリュームになってしまうので、
また別の機会にまとめて説明したいと思います。

 

今日は、オプション取引を追加することで、株価が大きく値上がり
しない限り、オプション料という収益を毎月得られるとだけ覚えて
おいてください。

 

地域ごとの組入比率を見てみると、イギリスが約30%、米国が約16%、
日本が約12%となっており、米国や欧州の比率が高くなっている
ことがわかります。

 

これは投資助言で入っているシュローダー・インベストメント・
マネジメントがイギリスのロンドンを本拠地としており、欧州に
強いという背景もあります。

 

通常のグローバル株式であれば、米国が一番比率が高くなりますので、
特徴的と言えますね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

続いて、ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の
純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性
がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)は2015年ごろ
から急激に純資産総額を増やしていましたが、2018年以降は
パフォーマンスが優れず、純資産も減少傾向にあります。

 

現在では、500億円程度ですが、それでも規模としては
十分な大きさです。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが
通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の実質コストは
1.727%と高くなっています。

 

初年度は、購入時手数料と合わせて5%近く取られますので、慎重に
選ばなければなりません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.727%(税込)
信託財産留保額 0%
実質コスト 1.727%(概算値)

※引用: 最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の評価分析

基準価額をどう見る?

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の基準価額は、
3年間で70%以上下落しています。

 

分配金を受け取らずに運用を続けた場合の基準価額(青線)を見ると、
3年間で15%ほどは下落していますが、この下落の大半の要因は、
過剰すぎる分配金の影響です。

 

なかなかここまで過剰な分配をしているファンドはお目にかかった
ことがありませんが、あまりにも酷いですね。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の直近1年間の
利回りは▲21.65%となっており、3年平均、5年平均利回りともに、
すべてマイナスとなっています。

 

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の特長でも
あるカバード・コール戦略が一切プラスに働いていないことが
ここからわかります。

 

高い信託報酬をとられ、運用もマイナスでは何のために投資を
しているのかわからなくなります。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り 2020年1月 2020年7月
1年 15.52% ▲21.65%
3年 3.65% ▲7.63%
5年 1.62% ▲4.92%
10年

※2020年7月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

 

同カテゴリー内における利回りランキング(上位●%)の変化

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)は日本を含む
グローバル株式カテゴリーに属しています。

 

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンス
のファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォー
マンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

 

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)は、
もともと最下位に近いパフォーマンスでしたが、コロナショック
前後で相も変わらず、最下位付近を推移しています。

2020年1月 2020年7月
1年 96% 95%
3年 92% 91%
5年 75% 89%
10年

※2020年7月時点

 

年別のパフォーマンスは?

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の年別の
運用パフォーマンスを見てみましょう。

 

2桁のプラスを出しては、2桁のマイナスを出してしまっており、
トータルで全くプラスになっていません。

 

ファンドのパフォーマンスが酷いのも当然問題ですが、何より
後述する過剰な分配のほうがもっと問題ですね。

年間利回り
2020年 ▲24.01%(1-6月)
2019年 15.52%
2018年 ▲14.84%
2017年 13.19%
2016年 5.21%
2015年 ▲7.50%
2014年 19.02%

※2020年7月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、インデックス
ファンドよりも優れたパフォーマンスでなければ投資をする
価値がありません。

 

今回は、世界中の株式に分散投資ができ、今非常に人気の
高いeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)と比較を
行いました。

 

見てすぐわかるとおり、ニッセイ グローバル好配当株式
プラス(毎月決算型)はパフォーマンスで完敗しています。

 

インデックスファンドにパフォーマンスで負けるよう
では、あえて高いコストを支払ってまで投資をする
メリットがありません。

 


※引用:モーニングスター

 

ニッセイ グローバル好配当 slim オールカントリー
1年 ▲21.65% 1.62%
3年 ▲7.63%
5年 ▲4.92%
10年

※2020年7月時点

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)への投資を
検討するのであれば、類似ファンドとのパフォーマンス比較は
しておいて損はありません。。

 

今回は毎月分配型のアクティブファンドで、世界の好配当株式に
分散投資ができるピクテ グローバル・インカム株式ファンド
パフォーマンスを比較しました。

 

途中まではニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)
が有利になっていましたが、コロナショック以降は大きな差が
広がってしまい、どちらに投資をしたほうがよいか一目で
わかりますね。


※引用:モーニングスター

 

5年以上の長期のパフォーマンスで比較をしても、
ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)が
負けていることには変わりないようです。

ニッセイ グローバル好配当 グロイン
1年 ▲21.65% ▲3.11%
3年 ▲7.63% 1.61%
5年 ▲4.92% 0.53%
10年 6.23%

※2020年7月時点

 

最大下落率は?

投資を検討するうえで、標準偏差などから、価格変動の範囲を
ある程度は予想できますが、やはり実際に下落した度合いを
みたほうがイメージがわきます。

 

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)は2020年1月~
2020年3月の間に最大▲33.01%下落しています。

 

やはりコロナショックの影響がかなり大きかったと言えます。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲22.66%
3カ月 ▲33.01%
6カ月 ▲26.98%
12カ月 ▲29.28%

※2020年1月時点

 

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

 

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

 

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
▲1,689円 1080円 ▲56%

※2019/7/22~2020/7/21

 

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の
直近1年間の分配健全度は▲56%となっています。

 

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

 

コロナショックの影響も当然ありますが、分配金のすべてを
ファンドの収益ではカバーできていませんので、あなたが
受け取っている分配金はあなたの投資元本だということです。

 

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

 

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

 

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

 

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

 

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の
分配金利回りは51%と異常な利回りとなっています。

 

ただ、ファンドの運用利回りがマイナスなので、あなたが
受け取っている分配金のほとんどはあなたが投資した資金
が戻ってきているに過ぎないということです。

 

未だ多くの投資家が勘違いをしながら、分配金利回りが
高いファンドに投資をしていますが、くれぐれも気を
つけてほしいと思います。

運用利回り 分配金利回り
1年 ▲21.65% 51%
3年 ▲7.63%
5年 ▲4.92%
10年

※2020年7月時点

 

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

 

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

 

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

 

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

 

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)は
直近で減配していますが、それでも分配金余力はほぼ
回復していません。

 

この勢いだと、さらに数カ月後にはまた減配するしか
ないでしょう。

分配金 繰越対象額 分配金余力
91期 100円 1,904円 20.0カ月
92期 100円 1,835円 19.3カ月
93期 100円 1,770円 18.7カ月
94期 100円 1,700円 18.0カ月
95期 100円 1,634円 17.3カ月
96期 100円 1,564円 16.6カ月
97期 100円 1,497円 15.9カ月
98期 100円 1,428円 15.2カ月
99期 100円 1,355円 14.5カ月
100期 100円 1,281円 13.8カ月
101期 100円 1,208円 13.0カ月
102期 70円 1,167円 12.6カ月

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

積立NISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

 

そこで、積立NISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

積立NISA iDeCo
× ×

※2020年7月時点

 

評判はどう?

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の評判は
ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知る
うえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

 

資金が流入しているということは、それだけニッセイ グローバル
好配当株式プラスを購入している人が多いということなので、
評判が良いということです。

 

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)は、2018年
以降、流入額が小さくなっていましたが、2020年に入り、再び
流入量が増え始めています。

 

これは、何もわかっていない投資家が分配金利回りの高さだけ
を見て投資をしているからです。

 

毎月分配型の仕組みをしっかり理解している投資家であれば、
まず投資をしないファンドです。

 


※引用:モーニングスター

 

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の今後の見通し

通常のグローバル株式への投資だけでなく、オプション戦略も
取り入れているニッセイ グローバル好配当株式プラスですが、
残念ながら、その効果は皆無と言っても過言ではありません。

 

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)の一番
酷いところは、明らかに過剰な分配を続けているにもかかわらず、
分配金を大きく減額しないことです。

 

ファンドの収益と分配金利回りから考えれば、ここから3分の1に
減額してもまだ割高と言える水準です。

 

それをしないのは、ひとえに資金が流出し、純資産額が減るのを
運用会社が嫌がっているからです。

 

こういった投資家を騙すために作られたようなファンドには、
くれぐれも投資をしないようにしてください。

 

ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)よりも
低コストでパフォーマンスの高いインデックスファンドに投資
をしたほうがあなたの資産は確実に増えるでしょう。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点