純資産総額はそこまで大きくはないものの、毎月安定して
資金流入が続いているDIAM 世界好配当株式ファンド(毎月
決算型)『愛称:ハッピーインカム』。

 

今後安定的な配当が続くであろう企業に投資をすることで、
安定的な分配金を確保する戦略ですが、果たして運用はうまく
いっているのでしょうか?

 

ハッピーインカムには為替ヘッジ無/有の2種類がありますが、
今日はより人気の高い為替ヘッジ無を見ていきたいと思います。

 

 

DIAM 世界好配当株式ファンド(毎月決算型)『ハッピーインカム』の基本情報

投資対象は?

ハッピーインカムの投資対象は、日本を除く世界の好配当
株式に投資し、安定的な配当収入の確保と中長期的な値上が
り益の確保を目指します。

 

ハッピーインカムの投資対象は大きく安定好配当株、成長好配当株、
潜在好配当株の3つに分類し、投資していきます。

 


※引用:交付目論見書

 

国別の構成比率を見てみると、1位がアメリカで約40%、
2位のイギリスが約16%、3位のフランスが約7%となって
います。

 

ある程度成熟したマーケットである北米と欧州が中心となって
いる点にも特徴があると言えますね。

 


※引用:マンスリーレポート

 

業種は特に絞っていませんので、さまざまな分野に分散投資され
ていることがわかります。

 


※引用:マンスリーレポート

 

純資産総額は?

続いて、ハッピーインカム の純資産総額はどうなっているか見て
みましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

ハッピーインカム の純資産総額は、約170億円となっており、
直近のコロナショックで純資産を減らしましたが、それまで
は堅調に純資産を増やしていました。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資
判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

ハッピーインカムの実質コストは1.24%となっており、
かなり高いというわけではありませんが、1%を超えて
いますので、割高です。

 

初年度の手数料を考えると、かなり高い印象ですが、あとは
パフォーマンス次第といったところです。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.21%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.24%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

DIAM 世界好配当株式ファンド(毎月決算型)『ハッピーインカム』の評価分析

基準価額の推移は?

ハッピーインカムの基準価額は、直近3年間で約40%ほど
下落しています。

 

分配金を受け取らずに再投資して運用したときの基準価額
(青線)は、3年間で10%ほど上昇してはいましたが、コロ
ナショックで10%ほど減少しています。

 

後述しますが、基準価額が下落したことで、分配金の支払い
がかなり厳しくなっていますので、今後、さらに下落は
加速していってしまうでしょう。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

ハッピーインカム の利回りを見てみましょう。

 

直近1年間の利回りは▲16.77%、3年平均、5年平均利回り
もマイナスとなっており、同カテゴリー内での順位も
下位30%程度になっています。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解して
いますか?

 

もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲16.77% 70%
3年 ▲4.86% 75%
5年 ▲3.32% 71%
10年 +5.46% 76%

※2020年4月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

 

標準偏差は?

標準偏差は基準価額の変動幅の大きさを把握するときに
役立ちます。

 

ハッピーインカムの標準偏差は平常時13前後で推移して
いますが、直近1年間の標準偏差は大きく上昇しています。

 

株式ファンドなので、ある程度は仕方ありませんが、
コロナショックのような暴落が起きたときに標準偏差
の上昇が小さいファンドを選ぶと、安心しながら、
運用ができるポイントになります。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 21.26 23%
3年 16.00 16%
5年 15.59 8%
10年 15.84 4%

※2020年4時点

 

年別運用パフォーマンスは?

ハッピーインカムの年別の運用パフォーマンスを見てみましょう。

 

せっかくプラスのリターンを出す年があっても、それを上回る
マイナスリターンを出してしまい、トータルで見ると、たいして
プラスのリターンを出すことができていません。

年間利回り
2020年 ▲23.97%(1-3月)
2019年 +21.44%
2018年 ▲14.96%
2017年 +10.87%
2016年 +1.30%
2015年 ▲4.52%
2014年 +17.11%

※2020年4月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

最大下落率は?

投資する上で、ファンドがどの程度、下落する可能性が
あるのかを事前に知っておくことは非常に重要です。

 

もちろん標準偏差を使って、求めることはできますが、
やはり実際にどの程度下落したのかを見ておいたほうが
イメージがわきます。

 

ハッピーインカムは2020年1月~2020年3月までに最大23.96%
下落しました。ファンドによっては、コロナショックが最大
下落率を記録していないことも多いですが、ハッピーインカムは
かなり影響を受けたことがわかりますね。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲12.43%
3カ月 ▲23.97%
6カ月 ▲17.05%
12カ月 ▲17.66%

※2020年4月時点

 

分配金の推移は?

続いて、分配金の推移を見てみましょう。

 

ハッピーインカムは、2014年ごろから、毎月130円の分配金を出して
います。

 

今回、コロナショックで基準価額が大きく下落したことで
今まで分配金利回りは15%程度だったのですが、コロナ
ショック後は23%近くまで上昇しました。

 

当然ですが、ここまで高い利回りでファンドを運用できる
わけもなく、ますますタコ足配当をすることになります。

 

下の表をご覧いただくと、分配金が当期収益以外から、
9割以上支払われており、分配金余力が恐ろしい勢いで
減少しています。

 

分配金余力もあと20カ月程度になってきたので、そろそろ
減配が行われてもおかしくありません。

 

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
113期 130円 114円 3,355円
114期 130円 102円 3,253円
115期 130円 109円 3,144円
116期 130円 113円 3,030円
117期 130円 117円 2,913円
118期 130円 96円 2,817円

評判はどう?

ハッピーインカムの評判はネットでの書き込みなどで調べる
方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、
月次の資金流出入額です。

 

資金が流入しているということは、それだけハッピーインカムを
購入している人が多いということなので、評判がよくなっている
ということです。

 

ハッピーインカムは、2014年ごろから、ほぼ毎月資金が流入して
おり、毎月決算型ファンドにしては、とても人気のあるファンド
となっています。

 

分配金利回りが高いため、無知な投資家がとりあえず投資をしている
といった構造になっているのでしょう。分配金のうち半分以上が
自分が投資した元本が戻ってきているという事実を知ったら、どの程度
の人が投資を続けるかは疑問です。

 


※引用:モーニングスター

 

DIAM 世界好配当株式ファンド(毎月決算型)『ハッピーインカム』の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

 

まず理解しておいてほしいのは、株式の配当と投資信託の
分配金を同じ感覚で考えないことです。

 

株の場合は、配当利回りが高いと利益を投資家にたくさん
還元してくれる投資家想いの会社ということになりますが、

 

投資信託の場合は一概にそうとは言えません。運用がどれ
だけうまくいっていなかったとしても、基準価額が下がっ
てきてしまうと、自動的に分配金利回りは上昇します。

 

これを理解せず分配金利回りの高いファンドに投資をして
しまうと、分配金は受け取れたとしても、それは、あなた
が投資した元本がただ戻ってきているだけの可能性も
高いです。

 

ハッピーインカムのようなタコ足配当ファンドは、分配金が
ファンドの儲けなのか、自分の元本が戻ってきただけなのか
把握することが難しく、とりあえず分配金が出ているからと
安心していると痛い目をみます。

 

基準価額が下落したことで、さらに分配金利回りが高くなり
危険な状況ですので、今後減配されるのは間違いないですね。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点