近年、成長が著しいと言えばアジアですが、多くの投資家が注目して
いるのがベトナムです。

ベトナムは人口約1億人で、毎年約150万人が社会に進出しており、
安価で勤勉な労働力が国際競争力の源泉となっています。

そんなベトナムだけに直接投資ができるファンドは国内に10本もない
のですが、今日はその中でもキャピタルアセットのベトナム成長株
インカムファンドを徹底分析していきます。

「ベトナム成長株インカムファンドって投資対象としてどうなの?」

「ベトナム成長株インカムファンドって持ってて大丈夫なの?」

「ベトナム成長株インカムファンドより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。


ベトナム成長株インカムファンドの基本情報

投資対象は?

ベトナム成長株インカムファンドの投資対象は、ベトナムで上場して
いるもしくはベトナムで営業活動を行う企業です。

現在は56銘柄で構成されており、業種別の組入比率を見てみると、
銀行、不動産の順に高くなっています。

新興国では、金融、インフラ関連、不動産関連銘柄が有望ですので、
ある意味セオリーどおりの銘柄選定が行われています。


※引用:マンスリーレポート

組入銘柄の上位は以下のようになっており、やはり銀行や
不動産会社が上位にランクインしています。


※引用:マンスリーレポート

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

つみたてNISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

そこで、つみたてNISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

つみたてNISA iDeCo
× ×

※2021年4月時点

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するようにしてください。

純資産総額が多いほうが、ファンドマネージャーが資金を投資する際に
有利であったり、保管費用や監査費用が相対的に低くなりますので、
優れた投資信託と言えます。

また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に力を
注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ベトナム成長株インカムファンドは2017年末から急激に純資産を
伸ばしており、現在では250億円程度の規模です。規模としては、
全く問題ありません。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用がかかっている
ことをご存知ですか?

これを実質コストと言いますが、実質コストには、株式売買手数料や
有価証券取引税、監査費用などが含まれています。

特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストがかなり
割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ベトナム成長株インカムファンドの実質コストは2.28%とかなり割高です。

海外株式ですので保管費用が高くついたり、売買委託手数料が高くなって
いるようです。

購入時手数料もしっかり3%かかりますので、そう簡単におすすめ
できない条件がそろっていますね。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.881%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 2.40%(概算値)

※引用:最新運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

ベトナム成長株インカムファンドの評価分析

基準価額をどう見る?

ベトナム成長株インカムファンドの基準価額は2018年から
下落しつづけており、コロナショック以降にようやく
回復してきました。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

ベトナム成長株インカムファンドの直近1年間の利回りは
84.21%となっています。

コロナショックで大きく下落した分、そのあとの反発も
大きかった形です。ただ、直近1年の利回りはあまり参考に
なりませんので、ご注意ください。

3年平均はマイナス、5年平均は2桁プラスということで、
年ごとにかなりリターンのばらつきがあるようです。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 +84.21%
3年 ▲1.82%
5年 +11.99%
10年

※2021年4月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

ベトナム成長株インカムファンドは、グローバル株式の
エマージングカテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォ
ーマンスのファンドに投資すべきなので、同カテゴリー
内でのパフォーマンスのランキングを調べました。

ベトナム成長株インカムファンドは、どの期間においても
上位40%以内にはランクインしています。

ベトナム成長株インカムファンドも悪くない順位では
ありますが、少なくとも全期間30%以内には入っているような
ファンドに投資をしたいものです。

上位●%
1年 35%
3年 38%
5年 14%
10年

※2021年4月時点

年別の運用利回りは?

ベトナム成長株インカムファンドの年別のパフォーマンスも見て
みましょう。

2018年は2桁のマイナスですが、それ以外の年ではプラスの
運用ができています。

もっと大きくマイナスの年が何年もあるかと思いましたが、
思った以上に安定してプラスの運用ができているようです。

年間利回り
2021年 +14.94%(1-3月)
2020年 +5.35%
2019年 +3.67%
2018年 ▲15.37%
2017年 +40.28%
2016年 +12.41%
2015年 +1.98%
2014年

※2021年4月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

ベトナム成長株インカムファンドに投資を検討するのであれば、
より低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンス
を比較してからでも遅くありません

今回は、MSCIエマージング・マーケット・インデックスに連動する
eMAXIS Slim 新興国株式インデックスとパフォーマンスを比較
しました。


※引用:モーニングスター

比較してみると、明らかにベトナム成長株インカムファンドの
ほうがパフォーマンスで劣っています。

新興国に投資をするのであれば、単一国に投資をするより
分散をしたほうがパフォーマンスが良くなると言えます。

ベトナム成長株 Slim 新興国株式
1年 +84.21% +64.20%
3年 ▲1.82% +7.53%
5年 +11.99%
10年

※2021年4月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、他のアクティブ
ファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。

そもそも新興国株式と先進国株式はどちらのほうがパフォーマンスが
優れているのか気になっている人もいると思いますので、

今回は、北米ファンドで何度も優秀ファンド賞を受賞をしたこと
があるアライアンス・バーンスタインの米国成長株投信Bコース
と比較をしてみました。


※引用:モーニングスター

見てわかる通り、ベトナム成長株インカムファンドとは比べモノに
ならないくらいパフォーマンスに差がつきました。

何度も言っていますが、新興国株式は一時的には高いリターンが
期待できるのですが、トータルでみると、先進国とくに、米国株
にはパフォーマンスで全く勝てていないのが現状です。

さきほどのグラフは3年間の比較でしたが、5年の平均利回りを
見ても、ベトナム成長株インカムファンドのほうが圧倒的に
劣っています。

ベトナム成長株 米国成長株投信
1年 +84.21% +50.22%
3年 ▲1.82% +22.32%
5年 +11.99% +19.07%
10年 +18.65%

※2021年4月時点

最大下落率は?

ベトナム成長株インカムファンドに投資をする前に、最大でどの程度
下落する可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではここでベトナム成長株インカムファンドの最大下落率は
2019年10月~2020年3月の半年で▲37.27%となっています。

先進国株式は上記の期間でそこまで大きなマイナスとはなって
いないので、パフォーマンスに大きな差が生まれています。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲29.40%
3カ月 ▲34.26%
6カ月 ▲37.27%
12カ月 ▲35.49%

※2021年4月時点

分配金の内訳と余力は?

ベトナム成長株インカムファンドは年4回の分配金を出しています。

基準価額に対して分配金の割合を示す、分配金利回りは2~3%
ですので、この利回りであれば、ファンドの運用リターンで
十分賄える水準です。

タコ足配当にはなっていないので、健全な分配がされていると言えます。

ただ、この程度の金額を分配するくらいなのであれば、初めから
分配をせずに再投資に回してほしいものです。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

年間利回り
2021年 100円(残3回) 
2020年 200円
2019年 400円
2018年 800円
2017年 600円

※2021年4月時点

評判はどう?

それでは、ベトナム成長株インカムファンドの評判はどうでしょうか?

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を見ることで、
評判がわかります。

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪くなっていれば、
資金が流出超過になります。

ベトナム成長株インカムファンドはあまりパフォーマンスが優れていない
にもかかわらず、資金が流入超過となっている月もあります。

ただ、直近では、資金の流出超過額がかなり大きくなっており、評判が
悪くなっていることがわかります。

インデックスファンドに大きく差をつけられていますので、仕方のない
結果と言えるでしょう。


※引用:モーニングスター

ベトナム成長株インカムファンドの評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

新興国株式というのは値動きが大きく、高いリターンが期待できる
イメージを持っている人も多いと思います。

確かに過去においては、新興国株が非常に強かった時期もあるのですが、
直近10年程度では、あきらかに先進国株とくに米国株が強いです。

ベトナム市場はTPP11、RCEP、EVFTAなどの発効やベトナムへの
生産拠点の移転により、経済が恩恵を受けることが期待できますので、
強気で見ている投資家もいると思いますが、そもそもベトナムに投資を
するべきかは一度しっかりと検討したほうがよいでしょう。

もちろん、米国一強時代がいずれ終わることを想定してベトナム株式を
仕込んでおくというのも戦略の1つではあります。

ただ、現状でいえば、米国株ファンドや新興国株のインデックスファンド
のほうがパフォーマンスは優れていますので、高いコストを支払ってまで、
ベトナム成長株インカムファンドに投資をするべきかは疑問が残ります。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点