昨年につづき、投信ブロガーが選ぶファンド・オブ・ザ・
イヤーでトップ3にランクインした楽天・全米株式インデ
ックス・ファンド。

 

S&P500に連動したインデックスファンドはいくつかあり
ますが、大型中型株式で構成されているので、市場の全体
をカバーできているとはいえません。

 

その点、楽天・全米株式インデックス・ファンドは、小型
株式も含めた3000銘柄以上に投資し、市場を100%カバー
できるCRSPUSトータルマーケット;インデックス(円換算
ベース)に連動した投資信託です。

 

今回は楽天・全米株式インデックス・ファンドを独自目線で
徹底分析したいと思います。

 

 

楽天・全米株式インデックス・ファンドの基本情報

投資対象は?

楽天・全米株式インデックス・ファンドの実質的な主要投資
対象は、ETFの「バンガード・トータル・ストック・マーケット
ETF(VTI)」です。

 

これを通じ米国株式に投資をし、CRSP USトータル・マーケ
ット・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を
目指します。

 

直近の組入上位10業種は以下の通りになります。

 

米国は他の先進国と比べ情報技術業種の割合が高くなります。
これはアップル、マイクロソフト、アルファベット(グーグル)
などの世界を代表するテクノロジー企業が多いためです。

 

直近の投資銘柄数は、3521銘柄です。

 


※引用:マンスリーレポート

 

組入銘柄を見てみると、上位はマイクロソフト、アップル、
アマゾンといった超一流企業が上位を占めています。

 

CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)とは?

ここでベンチマークとなるCRSP USトータル・マーケット
・インデックス(円換算ベース)について説明しておきます。

 

この指数は、米国株式市場の大型株から小型株までを網羅し、
投資可能銘柄のほぼ100%となる約3,500銘柄で構成された
時価総額加重平均型の株価指数です。

 

日本ではS&P500やNYダウといった大型銘柄に投資する
ファンドが中心だったので、小型株にも投資をしたいと
言う人には願ってもないチャンスです。

 

バンガードとは?

それから、実質的な投資対象となるETF「バンガード・トー
タル・ストック・マーケットETF(VTI)」を運用するバンガード
についても知らない人もいるかもしれませんので、説明して
おきます。

 

バンガードは、1976年に世界で初めて個人投資家向けにイン
デックスファンドを設定。

 

現在、世界のインデックス運用商品の約4割のシェアを握り、
シェア NO.1となっています。

 

またローコストリーダーとしても知られています。運用に携わっ
ている人でまず知らない人はいないですね。

 

純資産総額は?

純資産総額は投資信託を見極める際に大切なポイントと
なります。

 

純資産総額が多い方が、ファンドマネージャーが資金を
投資する際に有利であったり、他の投資家の解約の際の
影響が小さくなりますので、良い投資信託と判断されます。

 

また純資産総額が減少しているファンドは、解約が増えて
いるということです。

 

さらに投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその
投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなること
もあります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

楽天・全米株式インデックス・ファンドの純資産総額は、
2017年9月の設定以来、着実に純資産を増やしていましたが、
コロナショックの影響で初めて大きく減少しました。

 

とは言え、いまだ770億円程度の規模となっていますので、
規模としては問題ありません。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用が
かかることを知っていますか?これを実質コストと言います。

 

実質コストには、株式売買手数料や有価証券取引税、監査
費用などが含まれており、運用報告書を見なければ詳しい
数字はわかりません。

 

ただし、信託報酬と大きくずれていることもあり、かならず
確認しておきたいポイントです。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

楽天・全米株式インデックス・ファンドの実質コストは、
0.233%になります。

 

まだ信託報酬と実質コストとの差はありますが、純資産が
増えるにつれさらに下がってくると思います。

 

このファンド1本でアメリカの小型株~大型株まで、すべてを
カバーできると考えれば、このコストであれば十分でしょう。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 なし
信託報酬 0.172%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 0.233%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

楽天・全米株式インデックス・ファンドの評価分析

基準価額の推移は?

楽天・全米株式インデックス・ファンドの基準価額は、
2020年2月まで大きく上昇していましたが、2020年3月
のコロナショックで一時は30%近く下落しました。

 

設定されてから大きく利益を積み増していましたが、
コロナショックの影響でほとんど利益が吹き飛んで
しまった形です。

 


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

楽天・全米株式インデックス・ファンドの直近1年間の
利回りは▲9.46%と北米株カテゴリーでは平均より少し
だけ優れています。

 

ただ、設定来から積み上げた利益がほとんどなくなり
ましたので、多くの投資家が含み損を抱えている状況
だと思います。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解
していますか?

 

もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいて
ください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲9.46% 36%
3年
5年
10年

※2020年4月時点

 

楽天・全米株式インデックスファンドの中長期のパフォー
マンスを調べるには、実質投資対象となっているVTIの
パフォーマンスが参考になります。

 

直近1年間の利回りは▲9.2%とマイナスになっていますが、
3年、5年、10年、15年平均利回りではどの期間でもプラス
になっています。

 

つまり、短期的に下落することはあったとしても中長期で
保有を続けることができれば、十分プラスを狙っていける
というわけです。

年間利回り
1年 ▲9.2%
3年 +2.7%
5年 +5.2%
10年 +9.8%
15年 +7.3%

※引用;わたしのインデックス

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

 

標準偏差は?

標準偏差とは基準価格の変動幅の大きさを把握するときに
役立ちます。楽天・全米株式インデックス・ファンドの直近
1年の標準偏差は約21です。

 

平常時は16~17程度なので、コロナショックの影響で、基準
価額が大きく変動したということですね。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じで
しょうか?

 

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいて
くださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 21.61 43%
3年
5年
10年

※2020年4月時点

 

年別のパフォーマンスは?

つづいて、年別のパフォーマンスを確認しておきます。

 

楽天・全米株式インデックス・ファンドは、2018年と2020年
に大きくマイナスとなっており、2019年の約30%の利益を
ほとんど相殺してしまいました。

 

株式市場は2018年~2020年はかなり苦戦しましたので、
その中でもトータルリターンがマイナスになっていない
のはまだ救いです。

年間利回り
2020年 ▲20.50%(1-3月)
2019年 +29.84%
2018年 ▲8.41%

※2020年4月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

楽天・全米株式インデックス・ファンドへの投資を検討する
のであれば、類似のインデックスファンドとパフォーマンス
を比較しておいて損はありません。

 

多くの方が悩むのは、S&P500やNYダウに連動するインデック
スファンドとの比較ですので、今回は、iFree S&P500インデックス
iFree NYダウ・インデックスと比較してみることにします。

 

ちなみに楽天・全米株式インデックス・ファンドが米国市場
全体が投資対象であるのに対して、NYダウは米国を代表する
30銘柄、S&P500は米国を代表する500銘柄が投資対象です。

 

コロナショックまではNYダウが一番好調だったのですが、
コロナショックで順位が逆転し、S&P500が上位となって
います。

 

米国市場全体に分散投資をしたいという気持ちもわかりますが
この結果を見る限り、あえて米国市場全体に投資をしなくても、
十分に高いリターンが期待できそうです。

 


※引用:モーニングスター

 

最大下落率は?

標準偏差がわかれば、どの程度下落する可能性があるかは
ある程度予測できますが、実際にどれくらい下落したこと
があるのか確認するほうがイメージが湧きます。

 

楽天・全米株式インデックス・ファンドの最大下落率は、
2020年1月~3月の20.50%です。運用期間が短いことも
ありコロナショック時の下落が最大下落となりました。

 

米国株式に投資しますので価格変動リスクに加え為替変動
リスクもあるので、今後大きく下落する可能性も十分に
ありますのでご注意ください。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかも
しれません。

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの
可能性を限りなく低くすることが可能です。

期間 下落率
1カ月 ▲13.75%%
3カ月 ▲20.50%
6カ月 ▲11.51%
12カ月 ▲9.46%

※2020年4月時点

 

評判はどう?

それでは、楽天・全米株式インデックス・ファンドの評判
はどうでしょうか?

 

資金の流出入を見れば、投資信託の評判がわかります。解約
が増えているということは、この投資信託の魅力が減ってい
るということです。

 

以下のグラフを見てみると、設定以来積立NISA目的の購入者
を中心に資金を集めています。

 

低コストで、米国株式市場全体を網羅できるファンドは日本で
唯一ですので、今後どんどん資金は流入していくでしょう


※引用:モーニングスター

 

楽天・全米株式インデックス・ファンド の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

 

信託報酬の低さや分散性の高さから楽天・全米株式イン
デックス・ファンドは十分オススメできるファンドです。

 

楽天・全米株式インデックス・ファンドの実質的な投資
対象であるVTIの中長期のリターンは平均すると10%程度
はありますので、今後もそれくらいの利回りは期待でき
そうです。

 

ただ、米国株式に投資をすることを考えたときに、小型
株も含めた米国市場全体に投資をすべきかは検討の余地
があります。

 

さきほど比較したように、30銘柄に絞り込んでいるNY
ダウや大手の優良企業500社に絞り込んでいるS&P500
のほうがパフォーマンスが優れています。

 

この結果は中長期で比較をしてみても変わりません。

 

分散投資をしたほうが安全なんじゃないかという偏見を
持っている人も多いので、冷静にパフォーマンスを比較
して判断してみてください。

 

また、中にはバンガード・トータル・ストック・マーケット
ETFを直接買った方が信託報酬0.04%とさらにコストを
抑えられるのでは?とお考えの方もいると思います。

 

ある程度まとまった資金で購入するのであれば、ETFを
直接購入したほうが手数料も安くなります。

 

しかし、毎月少額ずつ購入するとなると、毎月購入の
手続きをしなければならなかったり、手数料が割高に
なったりしますので、あまり手間をかけたくないという
人は楽天・全米株式インデックス・ファンドを購入して
おけば十分です。

 

どちらにしても、6000本以上ある投資信託の中で、
数少ないオススメできるファンドであることは間違い
ありません。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点