インデックスファンド分析

『楽天VTI』楽天・全米株式インデックス・ファンドの評価や評判は?利回りはどう?

S&P500に連動したインデックスファンドはいくつかあり
ますが、大型中型株式で構成されているので、市場の全体
をカバーできているとはいえません。

その点、楽天・全米株式インデックス・ファンドは、小型
株式も含めた3000銘柄以上に投資し、市場を100%カバー
できるCRSPUSトータルマーケット;インデックス(円換算
ベース)に連動した投資信託です。

今回は楽天・全米株式インデックス・ファンドを独自目線で
徹底分析したいと思います。

「楽天・全米株式インデックス・ファンドって投資対象としてどうなの?」

「楽天・全米株式インデックス・ファンドって持ってて大丈夫なの?」

「楽天・全米株式インデックス・ファンドより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。

[br num="1"]

楽天・全米株式インデックス・ファンド『楽天VTI』の基本情報

投資対象は?

楽天・全米株式インデックス・ファンドの実質的な主要投資
対象は、ETFの「バンガード・トータル・ストック・マーケット
ETF(VTI)」です。

これを通じ米国株式に投資をし、CRSP USトータル・マーケ
ット・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を
目指します。

直近の組入上位10業種は以下の通りになります。

米国は他の先進国と比べ情報技術業種の割合が高くなります。
これはアップル、マイクロソフト、アルファベット(グーグル)
などの世界を代表するテクノロジー企業が多いためです。

直近の投資銘柄数は、4109銘柄です。


※引用:マンスリーレポート

組入銘柄を見てみると、上位はアップル、マイクロソフト、
アマゾンといった超一流企業が上位を占めています。


※引用:マンスリーレポート

CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)とは?

ここでベンチマークとなるCRSP USトータル・マーケット
・インデックス(円換算ベース)について説明しておきます。

この指数は、米国株式市場の大型株から小型株までを網羅し、
投資可能銘柄のほぼ100%となる約3,500銘柄で構成された
時価総額加重平均型の株価指数です。

日本ではS&P500やNYダウといった大型銘柄に投資する
ファンドが中心だったので、小型株にも投資をしたいと
言う人には願ってもないチャンスです。

バンガードとは?

それから、実質的な投資対象となるETF「バンガード・トー
タル・ストック・マーケットETF(VTI)」を運用するバンガード
についても知らない人もいるかもしれませんので、説明して
おきます。

バンガードは、1976年に世界で初めて個人投資家向けにイン
デックスファンドを設定。

現在、世界のインデックス運用商品の約4割のシェアを握り、
シェア NO.1となっています。

またローコストリーダーとしても知られています。運用に携わっ
ている人でまず知らない人はいないですね。

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

楽天・全米株式インデックス・ファンドのつみたてNISAと
iDeCoの対応状況を確認しておきましょう。

つみたてNISA、iDeCoともに取り扱いがあるので、投資を
する場合は、積極的に活用したいところです。

つみたてNISA iDeCo
楽天証券、松井証券

※2022年2月時点

純資産総額は?

純資産総額は投資信託を見極める際に大切なポイントと
なります。

純資産総額が多い方が、ファンドマネージャーが資金を
投資する際に有利であったり、他の投資家の解約の際の
影響が小さくなりますので、良い投資信託と判断されます。

また純資産総額が減少しているファンドは、解約が増えて
いるということです。

さらに投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその
投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなること
もあります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

楽天・全米株式インデックス・ファンドの純資産総額は、
2017年9月の設定以来、着実に純資産を増やしています。

コロナショックでわずかに目減りしましたが、それ以降も
堅調に純資産を増やしており、すでに4500億円を超える
までになりました。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用が
かかることを知っていますか?これを実質コストと言います。

実質コストには、株式売買手数料や有価証券取引税、監査
費用などが含まれており、運用報告書を見なければ詳しい
数字はわかりません。

ただし、信託報酬と大きくずれていることもあり、かならず
確認しておきたいポイントです。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

楽天・全米株式インデックス・ファンドの実質コストは、
0.192%になります。

このファンド1本でアメリカの小型株~大型株まで、すべてを
カバーできると考えれば、このコストであれば十分でしょう。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 なし
信託報酬 0.162%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 0.192%(概算値)

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

楽天・全米株式インデックス・ファンド『楽天VTI』の評価分析

基準価額をどう見る?

楽天・全米株式インデックス・ファンドの基準価額は、
2020年3月のコロナショックで大きく下落しましたが、
それ以降は堅調に推移しています。


※引用:モーニングスター

利回りはどう?

つづいて、楽天・全米株式インデックス・ファンドの利回りを
みてみましょう。

直近1年間の平均利回りは+25.55%となっています。3年平均も
20%を超えており、インデックスファンドでありながら、
この利回りであれば、文句を言う人はまずいませんね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 25.55%
3年 21.21%
5年 -
10年 -

※2022年2月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している北米株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

楽天・全米株式インデックス・ファンドは、北米カテゴリー
に属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。

楽天・全米株式インデックス・ファンドはどの期間で見ても、
上位40%以内にランクインしており、インデックスファンド
としては十分な結果と言えます。

上位●%
1年 37%
3年 35%
5年 -
10年 -

※2022年2月時点

年別の運用利回りは?

つづいて、楽天・全米株式インデックス・ファンドの年別の
パフォーマンスを見ていきます。

2018年は10%近いマイナスになりましたが、2019年以降は
非常に好調です。

年間利回り
2021年 +40.90%
2020年 +12.75%
2019年 +29.84%
2018年 ▲8.41%
2017年 -

※2022年2月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

類似ファンドとの利回り比較

楽天・全米株式インデックス・ファンドへ投資をするのであれば、
他のインデックスファンドとパフォーマンスを比較してからでも
遅くはありません。

今回は、米国の代表的な指数であるNYダウに連動するiFree NYダウ
インデックスと、S&P500に連動するeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
と比較をしてみました。


※引用:モーニングスター

iFree NYダウ・インデックスとの比較では、終始勝っている
ことがわかります。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)との比較では、かなりパフォーマンスは
競っており、直近では、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のほうが
わずかに上回っています。

S&P500は米国の大型株だけですが、中小型株は入っていてもいなくても
あまり大きな差はないと言えるでしょう。

楽天・全米株式 slim 米国株式
1年 25.55% 30.76%
3年 21.21% 22.22%
5年 - -
10年 - -

※2022年2月時点

アクティブファンドとの利回り比較

楽天・全米株式インデックス・ファンドのようなインデックス
ファンドに投資をするのであれば、コストは高くなるものの
高い利回りが期待できるアクティブファンドと利回りを
比較してから投資をしても遅くはありません。

今回は、米国株のアクティブファンドとして非常に人気の高い
アライアンス・バーンスタインの米国成長株投信Bコース
比較をしてみました。


※引用:モーニングスター

終始、米国成長株投信のほうがパフォーマンスで上回っている
ことがわかります。

3年平均で見ても、米国成長株投信のほうが上回っていますし、
こうして比較をしてみると、アクティブファンドに投資するのも
悪くないとわかりますね。

楽天・全米株式 米国成長株投信
1年 25.55% 24.14%
3年 21.21% 24.82%
5年 - 20.66%
10年 - 21.83%

※2022年2月時点

最大下落率は?

標準偏差がわかれば、どの程度下落する可能性があるかは
ある程度予測できますが、実際にどれくらい下落したこと
があるのか確認するほうがイメージが湧きます。

楽天・全米株式インデックス・ファンドの最大下落率は、
2020年1月~3月の20.50%です。運用期間が短いことも
ありコロナショック時の下落が最大下落となりました。

米国株式に投資しますので価格変動リスクに加え為替変動
リスクもあるので、今後大きく下落する可能性も十分に
ありますのでご注意ください。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかも
しれません。

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの
可能性を限りなく低くすることが可能です。

期間 下落率
1カ月 ▲13.75%%
3カ月 ▲20.50%
6カ月 ▲11.51%
12カ月 ▲9.46%

※2022年2月時点

評判はどう?

それでは、楽天・全米株式インデックス・ファンドの評判
はどうでしょうか?

資金の流出入を見れば、投資信託の評判がわかります。解約
が増えているということは、この投資信託の魅力が減ってい
るということです。

以下のグラフを見てみると、設定以来つみたてNISA目的の購入者
を中心に資金を集めています。

低コストで、米国株式市場全体を網羅できるファンドは日本で
唯一ですので、今後どんどん資金は流入していくでしょう


※引用:モーニングスター

楽天・全米株式インデックス・ファンド『楽天VTI』の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

信託報酬の低さや分散性の高さから楽天・全米株式イン
デックス・ファンドは十分オススメできるファンドです。

楽天・全米株式インデックス・ファンドの実質的な投資
対象であるVTIの中長期のリターンは平均すると10%程度
はありますので、今後もそれくらいの利回りは期待でき
そうです。

人によっては、米国全体に投資をしたほうがよいのか、
S&P500のように米国の大手企業にだけ投資をしたほうが
よいのか悩んでいる人もいると思います。

ただ、実際には銘柄もかなりの部分が重なっていることも
あり、パフォーマンスには大きな差はつきません。

ですので、どちらに投資をしても大きな失敗はありません
ので、安心して投資をしてください。

また、中にはバンガード・トータル・ストック・マーケット
ETFを直接買った方が信託報酬0.04%とさらにコストを
抑えられるのでは?とお考えの方もいると思います。

ある程度まとまった資金で購入するのであれば、ETFを
直接購入したほうが手数料も安くなります。

しかし、毎月少額ずつ購入するとなると、毎月購入の
手続きをしなければならなかったり、手数料が割高に
なったりしますので、あまり手間をかけたくないという
人は楽天・全米株式インデックス・ファンドを購入して
おけば十分です。

どちらにしても、6000本以上ある投資信託の中で、
数少ないオススメできるファンドであることは間違い
ありません。

近年では、インデックスファンドこそが正義のように
語られることが多いのですが、さきほど比較をしたように
アクティブファンドでも優れたファンドは存在します。

大きくリターンを狙っていきたいという人であれば、
アクティブファンドでの運用も検討する価値があると思います。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点

新しい記事はありません

  • この記事を書いた人

ネコみたいに気楽に生きたい投資マニア いの

【理論より実践】で役立つ投資情報を配信中。投資歴20年超。元大手証券マン。投資経験は100案件超。 【保有資格】1級ファイナンシャルプランニング/プライマリープライベートバンカー/MBA/証券外務員一種/宅地建物取引士/AFP/相続診断士/競売不動産取扱主任者/

-インデックスファンド分析
-