ニッセイアセットマネジメントが運用する超低コストインデックスファンドの1つで、非常に人気の高いのが日経225に連動するニッセイ 日経平均インデックスファンドです。
果たして、ニッセイ 日経平均インデックスファンドとはどのようなファンドなのか、独自目線で徹底分析していきます。
- ニッセイ 日経平均インデックスファンドって投資対象としてどうなの?
- ニッセイ 日経平均インデックスファンドって持ってて大丈夫なの?
- ニッセイ 日経平均インデックスファンドより良いファンドってある?
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
ニッセイ 日経平均インデックスファンドの基本情報
投資対象は?
ニッセイ 日経平均インデックスファンドの投資対象は日本の株式で、日経225(配当込み)の動きに連動する投資成果を目指します。
日経平均株価は東証プライム市場銘柄のうち代表的な225銘柄の平均株価指数で、日本経済新聞社により算出・好評されています。この指数は国内の株式市場の動向を継続的にとらえる代表的な指数として、広く利用されています。
業種別の構成比率をいると、電気機器の比率が高くなっていますね。ニッセイ 日経平均インデックスファンドの現在の組入銘柄数は225銘柄で構成されており、組入上位10銘柄は以下のようになっています。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
つづいて、ニッセイ 日経平均インデックスファンドの純資産総額を見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。早期償還のリスクもありますね。
また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。
一方、純資産総額が大きく、直近も純資産が増え続けているファンドは、多くの投資家が継続的に投資をしていることになるので、ファンドの評判をはかる指標の1つになります。
500~1000億=人気、1000億円以上=かなり人気と考えていいです。
ニッセイ 日経平均インデックスファンドの純資産総額は、現在約950億円です。毎年右肩上がりで増え続けており、人気の様子がうかがえます。規模としては全く問題ないですね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託を運用する際には、購入時手数料や信託報酬以外にも、実際にはコストがかかっています。具体的には、株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用などが該当します。
これを実質コストと言いますが、実質コストが信託報酬よりもかなり高くなっていることもありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
ニッセイ 日経平均インデックスファンドの実質コストは0.146%となっており、日経平均に連動するインデックスファンドの中でも最安値クラスです。購入時手数料もありませんので、投資家にとってはとても良い条件です。
購入時手数料 | なし |
信託報酬 | 0.143%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 0.146%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
ニッセイ 日経平均インデックスファンドの独自評価と分析
基準価額をどう見る?
ニッセイ 日経平均インデックスファンドの基準価額を見てみましょう。
2022年は伸び悩んでいましたが、2023年に入り、日経平均が40,000円を突破した恩恵を受け、大きく上昇しています。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
それでは、ニッセイ 日経平均インデックスファンドの運用実績を見ていきます。
直近1年間の利回りは20.57%となっています。3年、5年平均利回りでも、13%を超えていますので、かなり高い利回りで運用できていそうです。
ただし、この時点で良し悪しを判断するのは時期尚早です。他の類似ファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしましょう。
平均利回り | |
1年 | +20.57% |
3年 | +13.30% |
5年 | +15.34% |
10年 | ー |
※2024年9月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
ニッセイ 日経平均インデックスファンドは、国内大型グロースカテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。
利回りが良く見えても、実は同カテゴリー内では、ランキングが低かったということがよくあります。
ニッセイ 日経平均インデックスファンドは、全期間上位20%以内にランクインしており、インデックスファンドにしてはかなり優秀です。
上位●% | |
1年 | 15% |
3年 | 12% |
5年 | 24% |
10年 | ー |
※2024年9月時点
年別のパフォーマンスは?
ニッセイ 日経平均インデックスファンドの年別の利回りを見てみましょう。
年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。
マイナスの年も10%程度のマイナスですんでいるので、投資家としても投資をしやすいですね。
年間利回り | |
2024年 | +19.64%(1-6月) |
2023年 | +30.70% |
2022年 | ▲7.56% |
2021年 | +6.39% |
2020年 | +18.14% |
2019年 | +20.55% |
2018年 | ▲10.41% |
2017年 | +21.05% |
※2024年9月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略類似ファンドとのパフォーマンス比較
ニッセイ 日経平均インデックスファンドに投資をするかを考える上で、超低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスの比較は必須です。
同じ指数(日経225)を参照するインデックスファンドでも信託報酬や実質コストによって、パフォーマンスに差がつくからです。わざわざコストの高い商品を選ぶのは勿体ないですよ。
そこで、今回は、ニッセイ 日経平均インデックスファンドと日経225に連動するインデックスファンドの中でも信託報酬が最安値クラスのeMAXIS Slim国内株式(日経平均)、たわらノーロード日経225、PayPay投信日経225インデックスファンドを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
同じ日経225をベンチマークとしているので、ほぼ互角のパフォーマンスです。ただ、信託報酬の差で、わずかですが、ニッセイ 日経平均インデックスファンドがパフォーマンスで1位となっています。
この結果から、日経225に連動するインデックスファンドへの投資を検討しているのであれば、ニッセイ 日経平均インデックスファンドで間違いないと言えます。
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
ニッセイ 日経平均インデックスファンドに投資をするかを検討するのであれば、アクティブファンドともパフォーマンスを比較しておきましょう。
投資信託は6000本以上ありますので、もっと優れたファンドが見つかるかもしれません。
今回は、国内の大型株カテゴリーで中長期で高いパフォーマンスを残している厳選投資とパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間においては、ほぼ全期間で、ニッセイ 日経平均インデックスファンドのパフォーマンスが上回っています。
5年平均利回りでもほぼ互角ですので、これであれば、アクティブファンドに投資をせずとも、インデックスファンドに投資をしておけば十分です。
年平均利回り | ニッセイ 日経平均 | 厳選投資 |
1年 | +20.57% | +32.12% |
3年 | +13.30% | +11.43% |
5年 | +15.34% | +15.94% |
10年 | ー | +14.39% |
※2024年9月時点
最大下落率は?
投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。
特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。
そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。
それでは、ニッセイ 日経平均インデックスファンドの最大下落率を調べてみましょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲10.29% |
3カ月 | ▲19.21% |
6カ月 | ▲12.02% |
12カ月 | ▲10.41% |
※2024年9月時点
ニッセイ 日経平均インデックスファンドの最大下落率は2020年1月~2020年3月で▲19.21%となっています。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。
評判はどう?
ニッセイ 日経平均インデックスファンドの評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。
資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。
それでは、ニッセイ 日経平均インデックスファンドの評判を見てみましょう。
流出超過となっている月もありますが、総じて、流入超過の月が多く、かつ流入額も増えていることから、評判は良くなっていることが分かります。日経225に連動するインデックスファンドの中でもコスト最安値なので、納得の結果です。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。
ニッセイ 日経平均インデックスファンドはどちらも取り扱いがありますので、投資をする場合は積極的にこの制度を活用していきましょう。
NISA | iDeCo |
〇 | SBI証券(セレクトプラン) |
※2024年9月時点
ニッセイ 日経平均インデックスファンドの個人的評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
インデックスファンドに投資をする上で、一番重要なのは同じ指数を参照している他のファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断することです。
よく信託報酬だけを見て、最安値のファンドを選択している人がいますが、信託報酬以外にもかかるコストを合わせると、実は、他のファンドのほうがコストが安かったということも良く起きます。
ただ、1ファンドずつ実質コストを計算するのは手間がかかるので、一番シンプルな方法は信託報酬が最安値近辺のファンドのパフォーマンスをすべて比較することです。
こうすることで、実質コストが最安値のファンドを選んでいるのにほぼ等しい結果となります。
ニッセイ 日経平均インデックスファンドは、日経225に連動するインデックスファンドの中でもパフォーマンスで一位となっており、日経平均に投資をしたいのであれば、選んでおいて間違いないファンドとなっています。
ただ、直近10年程度は、日経225のパフォーマンスがかなり好調であることから、このくらいの利回りがずっと期待できるのでは?と思いがちですが、実際は、もっと悪くなることもあると思うので、年5~6%くらいが妥当な水準だと思って投資をするのがおすすめです。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点