2020年は新型コロナウイルスのせいもあって、あまり注目されませんでしたが、多くの運用会社からSDGsをテーマにしたファンドが登場しました。

そのうちの1つがいちよしアセットマネジメントのいちよし SDGs中小型株ファンドです。

今日は、このいちよし SDGs中小型株ファンドについて、独自目線で徹底分析していきます。

「いちよし SDGs中小型株ファンドって投資対象としてどうなの?」

「いちよし SDGs中小型株ファンドって持ってて大丈夫なの?」

「いちよし SDGs中小型株ファンドより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。


いちよし SDGs中小型株ファンドの基本情報

投資対象は?

いちよし SDGs中小型株ファンドの投資対象は、日本の中小型株式で、いちよし経済研究所が調査対象銘柄としている500銘柄から、ESG評価、SDGs評価を経て、最終的に50~60銘柄に投資をしていきます。


※引用:交付目論見書

現在の組入銘柄は60銘柄となっており、上位5銘柄は以下のようになっています。

1位の東洋炭素は等方性黒鉛の先駆者で世界シェア3割とトップを誇っています。2位のアサヒホールディングスは事業を通じたリサイクルで資源の再製品化を行っています。3位のTREホールディングスはタケエイとリバーHDが21年10月統合した会社で廃棄物の再資源化から処分まで一貫で行っています。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するようにしてください。

純資産総額が多いほうが、ファンドマネージャーが資金を投資する際に有利であったり、他の投資家の解約の際の影響が小さくなりますので、優れた投資信託と言えます。

投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

いちよし SDGs中小型株ファンドは設定から約1年で、約220億円の規模となっています。やはり注目のテーマなので、資金の集まりは順調ですね。この規模であれば、問題ありません。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用がかかっていることをご存知ですか?

これを実質コストと言いますが、実質コストには株式売買手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストがかなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

いちよし SDGs中小型株ファンドは購入時手数料が3.3%、信託報酬が約1.75%と決して安くありません。

こういった手数料が高い商品に投資をするときは、自分の中でしっかりと投資をする根拠を持ってから投資をするようにしてください。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 上限3.3%(税込)
信託報酬 1.584%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.753%

※引用:最新交付目論見書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

いちよし SDGs中小型株ファンドの評価分析

基準価額をどう見る?

いちよし SDGs中小型株ファンドは設定したタイミングが良かったこともあり、右肩上がりに上昇を続けましたが、2021年末からは大きく下落しています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

つづいて、いちよし SDGs中小型株ファンドの運用実績を見てみましょう。

直近1年間の利回りは▲15.02%となっています。この1年は大きく下落しています。ただし、この利回りだけをみて、判断してはいけません。必ず他のファンドと比較をしてから投資をするようにしてください。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 ▲15.02%
3年
5年
10年

※2022年10月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

いちよし SDGs中小型株ファンドは、国内小型株のブレンドカテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をしたいと思うので、同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングを調べました。

いちよし SDGs中小型株ファンドは、上位40%程度なので、大して良いファンドと言えないことが分かります。

上位●%
1年 35%
3年
5年
10年

※2022年10月時点

年別のパフォーマンスは?

設立から1年が経ち、2022年の現時点までの利回りは▲13.91%となっています。

年間利回り
2022年 ▲13.91%(1-9月)
2021年 +9.94%

※2022年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

いちよし SDGs中小型株ファンドに投資をするのであれば、最低限、低コストのインデックスファンドよりパフォーマンスが優れていなければ、投資をする価値がありません。

そこで日本を代表する指数である日経225に連動するインデックスファンドであるニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを比較してみました。


※引用:モーニングスター

ほぼ全期間において、ニッセイ 日経225インデックスファンドのほうがパフォーマンスで上回っていることがわかります。

これでは高いコストを支払ってでも投資をする価値があるとは言えません。

いちよしSDGs ニッセイ 日経225
1年 ▲15.02% ▲10.29%
3年 +7.77%
5年 +6.77%
10年 +13.08%

※2022年10月時点

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドへ投資をするのであれば、アクティブファンドの中でも優秀なファンドに投資をしたいものです。

そこで、今回は中小型株で近年非常に人気が出てきている東京海上 ジャパン・オーナーズ株式オープンと比較しました。


※引用:モーニングスター

直近は東京海上 ジャパン・オーナーズ株式オープンのパフォーマンスがいまいちだったこともあり、いちよしSDGs中小型ファンドのほうが上回っています。ただ前述のとおり、インデックスファンドにパフォーマンスで負けるようでは話にならないですね。

いちよし SDGs 東京海上ジャパン
1年 ▲15.02% ▲16.84%
3年 +7.65%
5年 +13.80%
10年

※2022年10月時点

最大下落率は?

投資をするにあたって、気になるのがどの程度下落するかでしょう。標準偏差である程度は理解できるものの、やはり実際に下落したかを調べておくことで心構えができます。

いちよし SDGs中小型株ファンドは2021年10月~2022年9月の1年間で▲15.02%の下落を記録しています。

期間 下落率
1カ月 11.45%
3カ月 13.03%
6カ月 ▲14.79%
12カ月 15.02%

※2022年10月時点

ファンドの運用においては、大きく下落することもありますが、長期保有をすることでしっかりプラスのリターンが出ていますので、くれぐれもパニック売りはしないようにしてください。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

評判はどう?

それでは、いちよし SDGs中小型株ファンドの評判はどうでしょうか?

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を見ることで、評判がわかります。評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪くなっていれば、資金が流出超過になります。

いちよし SDGs中小型株ファンドは2022年に入ると資金流出が続いており、評判はよくありません。インデックスファンドにパフォーマンスで負けてしまっていることも大きな要因と言えそうです。


※引用:モーニングスター

いちよし SDGs中小型株ファンドの今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

人口増加や地球温暖化などに端を発する環境問題の深刻化を背景に、それらを解決を促す環境関連ビジネスの市場規模は拡大しています。

今後、EVや燃料電池車が標準になり、スマート農業や配送システムの進化によって食料増産や食品ロスが軽減されることも期待できます。

また、中東諸国では海水淡水化技術の活用がさらにすすみ、あらゆる素材のリサイクル技術が進むことが予想できます。

これらな環境課題を支援するという意味で、いちよし SDGs中小型株ファンドに投資をするというのも投資の楽しみ方の1つだと思いますので、それはそれで良い選択だと思っています。

ただし、一方で私たちが投資で実現したいのは、やはりリターンです。

少なくともインデックスファンドよりは高い利回りで運用できなければ、あえてコストの割高なアクティブファンドに投資をしても仕方がありません。

リターンも追及でき、環境問題の解決の役にも立てる、そんな素晴らしいファンドに育っていくことを期待しつつ、モニタリングしていきたいと思います。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点