大量生産、大量消費の拡大とともに、世界経済は成長してきました。しかし、その経済成長の裏側では、様々な環境負荷が起きてきました。

そして、今、「廃棄」された商品や原材料を新たな「資源」と捉え、廃棄物を出すことなく資源を循環させる経済、サーキュラーエコノミーが注目を集めています。

もう少し具体的に見ると、ゴミ・汚染を出さない設計を基本とし、製品・原材料の最大限の活用、廃棄物の回収・再生をすることで、限りある資源を浪費せず、効率的に利用することを目指す経済のことを指します。


※引用:販売資料

そんなサーキュラーエコノミーに関連する銘柄に着目したのが、野村アセットマネジメントの野村ブラックロック循環経済関連株投信『愛称:ザ・サーキュラー』です。

「ザ・サーキュラーって投資対象としてどうなの?」

「ザ・サーキュラーって持ってて大丈夫なの?」

「ザ・サーキュラーより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。


野村 ブラックロック循環経済関連株投信 『ザ・サーキュラー Bコース』の基本情報

投資対象は?

ザ・サーキュラーBコースの投資対象は世界中の株式です。

ファンドの投資対象を①変化に適応する企業②変化を促進する企業③変化の恩恵を受ける企業の3つに絞り、投資をしていきます。

ザ・サーキュラーBコースの直近の組入上位10カ国・セクターは以下の通りです。

近年のテーマ型ファンドでは、米国株が50%を超えるファンドが圧倒的に多かったので、久々に40%台のファンドを見ました。その分、欧州株の比率が高くなっているのが特徴です。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するようにしてください。

純資産総額が多いほうが、ファンドマネージャーが資金を投資する際に有利であったり、他の投資家の解約の際の影響が小さくなりますので、優れた投資信託と言えます。

投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ザ・サーキュラーBコースの純資産額は800億円くらいの規模をずっと推移しています。やはり、SDGs関連のファンドということで、資金が集まりやすいですね。Aコースと合わせると1000億円を超える規模なので、かなり巨大なファンドです。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用がかかっていることをご存知ですか?

これを実質コストと言いますが、実質コストには株式売買手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストがかなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ザ・サーキュラーBコースの実質コストは1.84%とかなり割高な設定になっています。相当パフォーマンスが優れない限りは決して投資をしてはいけません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.83%程度(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 1.84%(税込)

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

野村 ブラックロック循環経済関連株投信 『ザ・サーキュラー Bコース』の評価分析

基準価額をどう見る?

ザ・サーキュラーBコースは設定したタイミングが良かったこともあり、2021年末までは大きく上昇しました。しかし、2022年に入ると下落トレンドに入っています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

つづいて、ザ・サーキュラーBコースの運用実績を見てみましょう。

直近1年間の利回りは▲9.39%となっています。株式市場全体が下落基調なので、仕方がないと言えば仕方がないですね。

投資信託は長期保有が前提になりますので、あまり短期のパフォーマンスは気にしなくても大丈夫です。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 ▲9.39%
3年
5年
10年

※2022年10月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

同カテゴリー内での利回りランキングは?

ザ・サーキュラーBコースは、日本株を含むグローバル株式カテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をしたいと思うので、同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングを調べました。

ザ・サーキュラーBコースは同カテゴリー内で、平均以下の水準ですので、決して優れたファンドというわけではないことがここからわかります。

上位●%
1年 63%
3年
5年
10年

※2022年10月時点

年別のパフォーマンスは?

設立から2年経ち、2022年の現時点までの利回りは▲19.49%となっています。

年間利回り
2022年 ▲19.49%(1-9月)
2021年 30.33%

※2022年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

ザ・サーキュラーBコースに投資をするのであれば、最低限、低コストのインデックスファンドよりパフォーマンスが優れていなければ、投資をする価値がありません。

ザ・サーキュラーBコースの投資対象は世界の株式ですので、今回は世界の株式に分散投資ができ、低コストで非常に人気の高い、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)と比較をしました。


※引用:モーニングスター

2021年末まではザ・サーキュラーBコースの方が上回っていましたが、2022年に入ると、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)に逆転されてしまいました。

この結果を見ると、あえて高いコストを支払ってでもアクティブファンドに投資をするメリットを感じませんね。

ザ・サーキュラー slim 全世界株式
1年 ▲9.39% +3.04%
3年 +14.91%
5年
10年

※2022年10月時点

最大下落率は?

投資をするにあたって、気になるのが、このファンドはどの程度下落するかでしょう。標準偏差である程度は理解できるものの、やはり実際にどの程度下落したかを調べることで心構えができます。

ザ・サーキュラーBコースは2022年1月~6月の半年間で、最大16.27%下落しています。

期間 下落率
1カ月 13.59%
3カ月 ▲10.57%
6カ月 16.27%
12カ月 ▲9.39%

※2022年10月時点

ファンドの運用においては、大きく下落することもありますが、長期保有をすることでしっかりプラスのリターンが出ていますので、くれぐれもパニック売りはしないようにしてください。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

評判はどう?

それでは、ザ・サーキュラーBコースの評判はどうでしょうか?

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を見ることで、評判がわかります。評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪くなっていれば、資金が流出超過になります。

ザ・サーキュラーBコースは初月の流入額が大きすぎて、他の月の流入額が見えづらいですが、2022年以降は資金流出となっています。

パフォーマンスは大して良くないので、当然の結果と言えますね。


※引用:モーニングスター

野村 ブラックロック循環経済関連株投信 『ザ・サーキュラー Bコース』の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

サーキュラーエコノミー界隈では、様々なイノベーションが日々実現しており、画像認識やロボティクスの発展により、使用済み製品を回収し、部品を仕分けして再利用・回収・リサイクルを行うことができるようになっています。

他にも、海洋プラスチックごみにより環境汚染の問題が表面化しており、植物を原料としたバイオプラスチック市場の拡大が期待されています。

地球の環境が良くなりかつ、自分も投資のリターンを得られるということで、多くの投資家が積極的に投資を始めてはいますが、私たちが投資で実現したいのは、やはり投資リターンです。

少なくともインデックスファンドよりは高い利回りで運用できなければ、あえてコストの割高なアクティブファンドに投資をしても仕方がありません。

その点、ザ・サーキュラーBコースは現状、インデックスファンドにもパフォーマンスで負けてしまっているので、高いコストを支払って投資をするメリットがありません。

運用期間が短いので、これからですが、注目していきたいファンドではあります。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点