現在、日本国内の株式ファンドの中で、他を圧倒するパフォーマンスをたたき出しているファンドがあります。それが、アセマネOneが運用する、企業価値成長小型株ファンド『愛称:眼力』です。
コロナ禍において、多くのファンドが苦戦を強いられる中で、見事なまでにコロナを利用して、大きく基準価額を伸ばしました。
今日は、そんな企業価値成長小型株ファンド『愛称:眼力』を徹底分析していきます。
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企業価値成長小型株ファンド『眼力』の基本情報
投資対象は?
企業価値成長小型株ファンドの投資対象は、国内小型株市場の中から、利益成長による将来のROE水準やその改善に着目し、企業価値の成長が見込める企業を選定していきます。
現在の組入銘柄数は60銘柄となっており、上位組入銘柄は以下のようになっています。
1位のアドベンチャーは航空券の予約・販売からスタートしたskyticketを運営している企業です。2位のIMAGICA GROUPはグローバルで映像の企画・制作・編集や配信・流通の支援サービスを提供している企業です。3位のBUYSELLは家にある不用品を出張買取し、ネットで販売する事業が主力です。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
純資産総額というのは、投資家から集めた資金の総額を指しますが、必ず確認しておきたいポイントです。
純資産総額が少なければ、効率よく運用ができないため、コストが嵩みますし、運用会社としても運用に力を入れないため、パフォーマンスに影響が出てきます。
企業価値成長小型株ファンドの純資産総額は現在約400億円となっています。
企業価値成長小型株ファンドは新興株式に投資しますので、純資産総額が増えすぎるとファンドマネジャーが投資したいと思う銘柄だけに投資できなくなるため、上限が設定されていると思われます。
とりあえず、今のところは問題なく売買できますので、買うのであれば、早めの対応が必要ですね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託には、販売時の手数料・信託報酬・信託財産保留金以外にも費用がかかっているのをご存知でしょうか?
これを実質コストと言いますが、実質コストにはファンドの銘柄を入れ替える際にかかる売買手数料や有価証券取引税、監査費用や印刷費用が含まれます。
目論見書の信託報酬よりも実質コストがかなり割高になっているファンドもあるので、必ずチェックしたいポイントです。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
企業価値成長小型株ファンドの実質コストは、1.68%となっており、決して割安な水準ではありません。しかし、これだけのパフォーマンスが出ていれば、このコストで文句をいう人はまずいないでしょう。
購入時手数料 | 3.3%(税込)※上限 |
信託報酬 | 1.595%(税込) |
信託財産留保額 | 0.3% |
実質コスト | 1.68%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
企業価値成長小型株ファンド『眼力』の評価分析
基準価額をどう見る?
企業価値成長小型株ファンドの基準価額は、2021年後半まで異常な伸びを見せていましたが、2022年はさすがに相場全体の下落基調と重なって、20%近く下落しています。
※引用:モーニングスター
利回りはどれくらい?
つづいて、企業価値成長小型株ファンドの運用実績を見てみましょう。
直近1年間の利回りは▲16.94%となっています。3年平均、5年平均利回りでも約20%を超えており、驚異的な結果です。
ただ、この利回りだけを見て、判断するのではなく、他のファンドのパフォーマンスを比較を比較してから確信をもって投資をしましょう。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | ▲16.94% |
3年 | 22.85% |
5年 | 19.08% |
10年 | - |
※2022年10月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
せっかく投資をするのであれば、同じカテゴリー内でも、優れたファンドに投資をするべきです。
企業価値成長小型株ファンドは国内小型成長株カテゴリーに属しています。予想通りではありますが、上位2%に入る最高ランクのファンドですね。
上位●% | |
1年 | 52% |
3年 | 2% |
5年 | 2% |
10年 | - |
※2022年10時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは年別のパフォーマンスは?
つづいて、企業価値成長小型株ファンドの年別のパフォーマンスを見てみましょう。
2018年のマイナス幅の小ささも素晴らしい運用ができている証拠ですが、何より、それ以外の年での高いパフォーマンスはかなり高いですね。
年間利回り | |
2022年 | ▲15.30%(1-9月) |
2021年 | 11.85% |
2020年 | 69.94% |
2019年 | 32.07% |
2018年 | ▲2.90% |
2017年 | 57.01% |
2016年 | 7.11% |
※2022年10月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略インデックスファンドとのパフォーマンス比較
企業価値成長小型株ファンドに投資するにあたって、より低コストで運用できるインデックスファンドとのパフォーマンスを比較しておいて損はありません。
今回は、日経225をベンチマークとするニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを比較してみました。
※引用:モーニングスター
一目でわかるくらい企業価値成長小型株ファンドのほうがパフォーマンスで優れていることがわかります。
昨今ではインデックスファンドが推奨されがちですが、眼力のようなアクティブファンドであれば投資する価値はあると思います。
企業価値成長小型株 | ニッセイ日経 225 | |
1年 | ▲16.94% | ▲10.29% |
3年 | 22.85% | 7.77% |
5年 | 19.08% | 6.77% |
10年 | - | 13.08% |
※2022年10月時点
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
せっかくアクティブファンドに投資をするのであれば、同じカテゴリーの中でも優秀なファンドに投資をしたいと思うもの。
国内小型株の中で優秀なのはすでにわかっているので、国内大型株カテゴリーのファンドと比較してパフォーマンスがどうなのかを比較したいと思います。
今回は、中長期で高い実績を残している東京海上・ジャパンオーナーズ株式オープンとパフォーマンスを比較しました。
※引用:モーニングスター
コロナショック以降は企業価値成長小型株ファンドの圧勝です。東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンも悪くないファンドなのですが、眼力のパフォーマンスが異常ということですね。
企業価値成長小型株 | ジャパン・オーナーズ | |
1年 | ▲16.94% | ▲16.84% |
3年 | 22.85% | 7.65% |
5年 | 19.08% | 13.80% |
10年 | - | - |
※2022年10月時点
最大下落率は?
投資をするうえで、どの程度下落する可能性のあるファンドなのか事前に把握しておくことはとても重要です。事前に覚悟ができていれば、いざ大きな下落相場になったときにも慌てずに済むためです。
それでは、企業価値成長小型株ファンドの最大下落率を見てみましょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲21.49% |
3カ月 | ▲25.19% |
6カ月 | ▲23.98% |
12カ月 | ▲17.52% |
※2022年10月時点
2021年11月~2022年1月で最大▲25.19%下落しています。コロナショックでは多くのファンドが一時は30%近い下落を記録したにもかかわらず、20%前半で済んでいます。
リターンが大きいファンドは下落幅が大きくなりがちですが、下落幅も抑えられている企業価値成長小型株ファンドはもう言うことはありません。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。
分配金は?
続いて企業価値成長小型株ファンドの分配金を見てみましょう。
企業価値成長小型株ファンドは毎年かなり高額の分配金を分配していましたが、2021年2022年は分配金が出ていません。
本来このファンドは分配金を出すことを目的とするようなファンドではないので、分配金はすべて再投資に回して収益を追求してほしいところです。
計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?
分配金 | |
2022年 | 0円 |
2021年 | 0円 |
2020年 | 3,500円 |
2019年 | 1,550円 |
2018年 | 3,500円 |
2017年 | 2,520円 |
2016年 | 0円 |
※2022年10月時点
評判はどう?
企業価値成長小型株ファンドの評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。
資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。
企業価値成長小型株ファンドは全体的に見ると、流入超過となっている月のほうが多いのですが、流出超過となっている月も目につきます。
こういったパフォーマンスが優れたファンドですと、投資をしてすぐに成果がでないと売却してしまう投資家がいますので、その影響でしょう。
※引用:モーニングスター
企業価値成長小型株ファンド『眼力』の評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
ここまでのパフォーマンスを出しているファンドであれば、ぜひ投資したいという人も多いと思います。
少なくとも国内中小型株、大型株ファンドの中でも、ほぼトップのパフォーマンスなので、ファンドの上限が来て、投資ができなくなる前に、買い付けしておくのも悪くないと思います。
短期的には15%以上のマイナスが出ていますが、小型株ファンドであれば、単年でこれくらいのマイナスが出る年も普通にありますので、あまり気にするようなレベルではありません。
むしろ、来年以降に期待してポートフォリオに加えておいてもいい銘柄ですね。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点