2017年~2018年にかけて非常に人気のあった女性の活躍に
着目したテーマファンド、女性活躍応援ファンド『愛称:椿』。

 

まさに日本の女性らしさを表すような名称の投資信託です。

 

こちらの投資信託は、「応援」という言葉がファンド名に
入っているため、社会貢献的な投資信託とみなされがちですが、
実際は少しニュアンスが異なります。

 

あくまで、今後の日本株の成長には、「女性の活躍」が必須であり、
女性の活躍により恩恵を受けるであろう企業に投資をして、
投資家にリターンを返していこうという方針になります。

 

今回は、この「椿」について、詳細に分析していきたいと思います。

 

女性活躍応援ファンド『椿』の基本情報

投資対象は?

女性活躍応援ファンド『椿』は、以下に挙げる4つのタイプの企業に着目し、
銘柄選定を行います。

 

例えば、女性の活躍を推進する企業というのは、男女ともに優秀な
人材を獲得しやすい傾向にあります。

 

そして、少子高齢化の進展により優秀な人材確保が困難になっていく
中で、女性の活躍を推進できている企業は人材獲得の面で一歩リード
しており、持続的な成長が期待できます。

 

また介護支援や待機児童の解消に政府が積極的に取り組み始めたこと
から、女性の社会進出を支援する企業というのは、今後成長産業と
して期待が持てます。

 

日本の女性というのは、商品やサービスを見る目が特に厳しいと
言われており、その日本の女性に人気のある商品は海外でも売れる
可能性が高いと言われています。

 

そういう意味では、女性に人気の商品・サービスを提供している企業も
今後成長が期待できます。

 

女性活躍応援ファンド『椿』の業種別の組入比率は以下のように
なっています。情報・通信業の比率が最も高く、次いでサービス、
小売り業と続きます。

2020年7月末
情報・通信業 43.1%
サービス業 21.2%
小売業 10.6%
化学  6.5%
電気機器 6.5%
精密機器 3.9%
医薬品 1.1%
建設業 1.1%
食料品 0.8%
その他 1.3%

※引用:マンスリーレポート

 

もう少しイメージが沸くように、具体的にどういった銘柄が
組み入れられているのか見てみましょう。

 

半年前と比べると、組入銘柄数は約10銘柄ほど増えているようです。

 

組入上位10銘柄のラインナップを比較してみると、エニグモ・
イトクロ以外は顔ぶれが入れ替わっています。

2020年1月 2020年7月
1 ビジョン エニグモ
2 エスプール NECネッツエスアイ
3 エニグモ イトクロ
4 花王 野村総合研究所
5 資生堂 ZOZO
6 ディップ オイシックス・ラ・大地
7 イトクロ 富士通
8 ファンケル インフォコム
9 オープンドア メニコン
10 アイスタイル ソラスト
銘柄数 113銘柄 126銘柄

※引用:マンスリーレポート

 

運用体制は?

女性活躍応援ファンド『椿』の運用は、運用スタイルや得意分野が
異なる5名で構成されています。

 

運用スタイルでは、小型グロース、小型バリュー、大型グロース、
得意分野では、非製造業、製造業、素材などと異なっています。

 

この5人のメンバーが自分の苦手な分野を補いつつ、他のメンバーの
意見を取り入れて銘柄選定を行うことで、幅広い分野での収益機会を
狙える運用体制になっているといえるでしょう。

 

純資産総額は?

続いて、女性活躍応援投資信託「椿」の純資産総額はどうなって
いるか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性
がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

現在の純資産総額は約300億円となっています。2017年の1月頃から、
資金流入が加速していましたが、2018年の10月以降は、パフォー
マンスの悪化とともに純資産総額も下落に転じています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなけれ
ばなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

女性活躍応援ファンド『椿』の実質コストは1.60%となっており、
ほぼ信託報酬と等しくなっています。

 

とは言っても、販売手数料もかかりますし、パフォーマンスが良く
なければ、まず投資はしないほうがよいですね。

購入時手数料 2.2%(税込)※上限
信託報酬 1.595%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.60%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

女性活躍応援ファンド『椿』の評価分析

基準価額の推移は?

女性活躍応援ファンド『椿』の基準価額は2018年に大きく
下落して以来、下落傾向が続いており、かなり厳しい運用
が続いています。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

女性活躍応援ファンド『椿』の直近の利回りを見てみると、
1.25%と同カテゴリー内では下位2割のパフォーマンスと
なっており、この1年はかなり苦戦を強いられています。

 

3年平均、5年平均利回りは平均以上のパフォーマンスは
残せています。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 1.25% 82%
3年 6.36% 44%
5年 9.84% 36%
10年

※2020年7月時点

 

年別のパフォーマンスは?

では、女性活躍応援ファンド『椿』の年別のパフォーマンスを
見てみましょう。

 

2018年は▲15.07%とパフォーマンスが奮いませんでしたが、
それ以外の年では、しっかりプラスを残しています。

 

2017年は+73.18%と驚異的な結果を残していますね。ただ、
直近はなかなか運用に苦戦しているようです。

年間利回り
2020年 +1.24%(1-6月)
2019年 +13.06%
2018年 ▲15.07%
2017年 +73.18%
2016年 +7.67%
2015年

※2020年7月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

女性活躍応援ファンド『椿』への投資を検討するのであれば、
より低コストで日本株に投資ができるインデックスファンドと
パフォーマンスを比較しておいて損はありません。

 

今回は、ニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォー
マンスを比較してみました。

 

2020年に入るまでは、椿がかなり大きく差を広げていましたが、
2020年に入り、ニッセイ 日経225インデックスファンドに
パフォーマンスで逆転されています。

 

ここからも直近の運用がかなり苦しい様子がわかりますね。

 


※引用:モーニングスター

 

もう少し長期のパフォーマンスを比較してみると、椿の
ほうが大きく差をつけています。

 

直近の運用の動向は気になるところではありますが、
インデックスファンドに投資をするよりは高い利回りが
期待できそうなファンドだと言えます。

椿 ニッセイ日経 225
1年 1.25% 6.78%
3年 6.36% 5.52%
5年 9.84% 3.70%
10年 10.82%

※2020年7月時点

 

優秀なアクティブファンドとのパフォーマンス比較

女性活躍応援ファンド『椿』以外にも、国内小型株ファンドは
何本も存在します。

 

あなたは1本の優秀なアクティブファンドを見つければよいので、
似たようなアクティブファンドをパフォーマンスを比較して、
損はないと言えます。

 

今回は国内小型株で私が一押しの東京海上・ジャパン・オーナー
ズ株式オープンと椿のパフォーマンスを直近3年間で比較して
みました。

 

結果は、東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンの圧勝
です。もし国内小型株ファンドで大きなリターンを狙いたいので
あれば、椿よりもジャパン・オーナーズ株式オープンを検討した
ほうがよいと思います。

 


※引用:モーニングスター

 

実際に椿と東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンの
パフォーマンスを数値で比較をしてみると、いかに大きな差が
あるかがわかります。

 

3年平均でも大きな差がつきましたが、5年平均利回りで見ると、
さらに大きな差がついていることがわかります。

椿 ジャパン・オーナーズ
1年 1.25% 22.76%
3年 6.36% 21.06%
5年 9.84% 20.52%
10年

※2020年7月時点

 

最大下落率は?

続いて、女性活躍応援ファンド『椿』の最大下落率を見てみましょう。

 

投資をするうえで、標準偏差などから、値動きの幅をある程度予測は
できますが、過去にどの程度下落したことがあるのかを把握しておいた
ほうが実感がわきます。

 

女性活躍応援ファンド『椿』は最大下落率は3カ月で▲28.03%と
なっており、コロナショックでの下落が一番大きくファンドの
基準価額を下げたと言えます。

 

現状のパフォーマンスで言えば、中長期で保有すれば高い実績を
残していますので、下落しても慌てずに保有を続けましょう。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲15.46%
3カ月 ▲28.03%
6カ月 ▲24.74%
12カ月 ▲26.32%

※2020年7月時点

 

分配金は?

女性活躍応援ファンド『椿』の分配金も見てみましょう。

 

2017年は1750円、2018年は800円の分配金を出しています。
2019年以降は運用がうまくいっていないため、分配金は
ゼロとなっています。

 

ですが、本来分配金を出すことを目的にしているファンドでは
ありませんので今後出ない可能性は十分にありますし、私自身
分配金は出すべきではないと考えています。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2020年 0円
2019年 0円
2018年 800円
2017年 1750円
2016年 50円

※2020年7月時点

 

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知る
うえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

 

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを
購入している人が多いということなので、評判が良いということです。

 

女性活躍応援ファンド『椿』は2016年以降、毎月資金が流入して
いましたが、2018年10月以降の大きな下落相場のタイミングで資金が
流出超過となりました。

 

パフォーマンスが回復してこない限りは、当面、資金流出が続く
でしょう。

 


※引用:モーニングスター

 

女性活躍応援ファンド『椿』の評価まとめと今後見通し

2017年ごろは非常にパフォーマンスも優れていたため、
もてはやされていましたが、直近では運用に苦戦して
おり、リターンもいまいちです。

 

インデックスファンドとのパフォーマンス比較では、
椿のほうが日経225に連動するインデックスファンドに
勝っているので、最低限の条件はクリアしていると言え
ます。

 

しかし、椿と同じ国内小型株ファンドである東京海上・
ジャパン・オーナーズ株式オープンと比較をすると、
パフォーマンスで大きな差を付けられています。

 

低コストで運用をしたいのであれば、日経225に連動する
インデックスファンドに投資をすればよいですし、リスクを
とって、アクティブ運用したいのであれば、あえて、椿を
選択する理由がないと言えます。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点