国内株式のインデックスファンドの代表格と言えば、日経225か
TOPIXです。
近年ではインデックスファンドの超低コスト化が進み、ETFとほぼ
変わらないコストで購入できるようになりました。
各運用会社がしのぎを削って、低コスト競争を繰り広げており、
その最前線で戦っているのが三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slim
シリーズです。
今日は、三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)に
ついて徹底的に分析したいと思います。
「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)って投資対象としてどうなの?」
「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)って持ってて大丈夫なの?」
「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)より良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の基本情報
投資対象は?
投資対象は、東京証券取引所第一部に上場されている株式で、
TOPIX(東証株価指数)に連動する投資成果を目指します。
TOPIXは現在約2100銘柄で構成されており、上位10銘柄位は
以下のようになっています。
※引用:マンスリーレポート
つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)のつみたてNISAとiDeCoの
対応状況を確認しておきましょう。
つみたてNISA、iDeCoともに取り扱いがあるので、投資を
する場合は、積極的に活用していきたいですね。
つみたてNISA | iDeCo |
〇 | SBI証券(セレクトプラン)、松井証券 |
※2022年2月時点
純資産総額は?
続いて、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の純資産総額はどうなって
いるか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。
インデックスファンドの運用において、純資産総額というのも見る
べきポイントです。
ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替え
ることができず、インデックスから乖離してしまうリスクがあります。
また純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまく
できず、予期せぬマイナスを生む可能性があります。
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)は、下図のように2017年の新規設定以来、
純資産総額を伸ばしており、現在の純資産総額は約440億円となっています。
規模としては全く問題ありませんね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。
そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
インデックスファンドにおいて、実質コストというのは何よりも
重要な項目です。
TOPIX連動型のインデックスファンドは運用会社各社が作っていますが、
運用リターンはTOPIXに連動するため、どこも差がつきません。
そうすると、コストの部分で良し悪しを決めることになるわけです。
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の実質コストは0.159%となっており、
最低水準の実質コストとなっています。
現在、TOPIX連動型のインデックスファンドでは最安値となっているので、
今後も人気が続きそうです。
購入時手数料 | 0 |
信託報酬 | 0.154%(税込) |
信託財産留保額 | 0 |
実質コスト | 0.159%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
類似ファンドの信託報酬比較
参考までに類似ファンドの信託報酬を比較しておきましょう。
TOPIXをベンチマークとして採用しているファンドは信託報酬に
大きく差がないことがわかります。
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)とニッセイ TOPIXインデックス、
iFreeTOPIXインデックスであれば、ほとんどパフォーマンスに
差はつかないでしょう。
ファンド | 信託報酬 |
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) | 0.154% |
ニッセイ TOPIXインデックス | 0.154% |
iFreeTOPIXインデックス | 0.154% |
たわらノーロード TOPIX | 0.187% |
※2022年2月時点
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の評価分析
基準価額をどう見る?
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の基準価額は、コロナショック
で大きく下落しましたが、それ以降は堅調に推移しています。
ただ、海外株式と比較をするとどうしても上昇率が見劣り
してしまいますね。
※引用:モーニングスター
利回りはどう?
つづいて、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の運用実績を見て
いきます。
直近1年間の利回りは12.57%とかなり高い結果を残しています。
直近3年間はなんだかんだ言って日本株市場も好調でしたので、
3年平均利回りも12%台と悪くありません。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | 12.57% |
3年 | 12.51% |
5年 | - |
10年 | - |
※2022年2月時点
同カテゴリー内での利回りランキングは?
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)は、国内大型ブレンド
カテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)は一見すると、優れた成果を
残しているように見えますが、同カテゴリーの中では平均
よりも少し良いという程度にとどまっています。
上位●% | |
1年 | 44% |
3年 | 56% |
5年 | - |
10年 | - |
※2022年2月時点
年別の運用利回りは?
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の年別のパフォーマンスを
見てみましょう。
2018年は二桁のマイナスとなってしまっていますが、
それ以外の年では、十分な運用利回りとなっています。
この利回りで運用が続けられるのであれば、TOPIXに連動
するインデックスファンドに投資をするのも悪くないかも
しれません。
年間利回り | |
2021年 | +12.57% |
2020年 | +7.27% |
2019年 | +17.94% |
2018年 | ▲16.09% |
2017年 | +20.06% |
2016年 | - |
※2022年2月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは類似ファンドとの利回り比較
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)へ投資をするのであれば、
他のインデックスファンドとパフォーマンスを比較してから
でも遅くはありません。
今回は、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)と同じくTOPIXに
連動するたわらノーロード TOPIXと、
日経225に連動するインデックスファンドの中でも、
信託報酬が最安値のeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)と
利回りを比較をしてみました。
たわらノーロードTOPIXとは信託報酬のコスト分程度の
差しかないので、どちらを選んでも大差はありません。
※引用:モーニングスター
一方、国内株ファンドに投資をするとなると、多くの人が
TOPIXに連動するインデックスファンドを選択しがちです。
しかし、結果を見るとわかるとおり、日経平均に連動する、
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)のほうがはるかに高い運用利回り
になっています。
TOPIXに投資をするべきだという声のほうが多いですが、実際の
パフォーマンスを見れば、どちらに投資をしたほうがあなたの
資産が増えるかは明白ですね。
Slim TOPIX | Slim 日経平均 | |
1年 | 12.57% | 6.36% |
3年 | 12.51% | 14.85% |
5年 | - | - |
10年 | - | - |
※2022年2月時点
アクティブファンドとの利回り比較
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)のようなインデックスファンドに
投資をするのであれば、コストは高くなるものの高い利回りが
期待できるアクティブファンドと利回りを比較してから投資を
しても遅くはありません。
今回は、国内のアクティブファンドで有名なスパークスの
新・国際優良日本株ファンド『厳選投資』と比較をしました。
※引用:モーニングスター
終始、スパークスの厳選投資のほうがパフォーマンスで
上回っています。
5年、10年平均利回りでみると、厳選投資のほうがさらに大きく
パフォーマンスで差をつけていますので、インデックスファンド以外へ
も投資を検討してみてもよいと思います。
Slim TOPIX | 厳選投資 | |
1年 | 12.57% | 10.96% |
3年 | 12.51% | 16.93% |
5年 | - | 14.26% |
10年 | - | 20.60% |
※2022年2月時点
最大下落率は?
投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気になる
のが、最大どの程度、資産が下落する可能性があるのかという点です。
まだ設定期間が短いですが、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の
最大下落率は2018年10月~12月の▲17.64%となっています。
ただし、長期保有すれば、しっかりプラスが出ていますので、大きく
下落したとしても、すぐ売り払ってしまわないようにしてくださいね。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲10.27% |
3カ月 | ▲17.64% |
6カ月 | ▲12.84% |
12カ月 | ▲16.09% |
※2022年2月時点
評判はどう?
続いて、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の評判を見ていきたい
と思います。
ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知る
うえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。
資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを購入して
いるということなので、評判がいいということになります。
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)は、2017年の新規設定以来、毎月
資金流入しています。特に10月には資金が大きく流入しました。
TOPIX連動型のインデックスファンドの中でコストが最安値だけ
あって、当分この流れは続くでしょう。
※引用:モーニングスター
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の評価まとめ
多くの投資家が、TOPIXや日経平均に連動するインデックスファンド
を購入しています。
やはり投資をするなら、自分が生まれた国で、一番よく知っている国に
投資をしたいという気持ちがあるのもわかります。
しかし、インデックスファンドへ投資する場合、もちろんコストが安い
ことは当然必要なことですが、ベンチマークとなっている指数がちゃんと
成長する指数でなければ、あなたの資産は増えません。
そう考えたときにTOPIXという指数は残念ながら、そこまで成長
できていません。
多くの人が、TOPIXは日本全体に投資ができるから、日本の経済成長に
期待して、投資するにはおすすめです。
などど言っていたりしますが、結果だけ見れば、日経平均に連動する
インデックスファンドのほうがはるかに高い利回りで運用ができています。
また、アクティブファンドはコストが高いからダメだと言われて久しいですが、
実際に優れたアクティブファンドに投資をすれば、インデックスファンドを
上回る成果を得ることもできます。
ぜひ実際に色々なファンドを比較して、投資先を決めるようにしてください。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点