国内株式のインデックスファンドの代表格と言えば、日経225か
TOPIXです。

 

近年ではインデックスファンドの超低コスト化が進み、ETFとほぼ
変わらないコストで購入できるようになりました。

 

各運用会社がしのぎを削って、低コスト競争を繰り広げており、
その最前線で戦っているのが三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slim
シリーズです。

 

今日は、三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)に
ついて徹底的に分析したいと思います。

 

 

eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の基本情報

投資対象は?

投資対象は、東京証券取引所第一部に上場されている株式で、
TOPIX(東証株価指数)に連動する投資成果を目指します。

 

TOPIXは現在約2100銘柄で構成されており、上位10銘柄位は
以下のようになっています。

 


※引用:交付目論見書

 

eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の値動きのイメージがつきやすいよう
にベンチマークの推移を見てみましょう。

 

2007年~2008年のリーマンショックで50%ほど下落して以来、
もとの水準まで戻るのに相当の日数がかかりましたが、ようやく
当時の高値を超えてきた形です。

 

日本全体に投資ができるということで、TOPIXをベンチマークとする
インデックスファンドに興味を持つ方も多いですが、私からすると、
あまりおすすめできるベンチマークではありません。

 

S&P500やNYダウと比べるとどうしても見劣りしますね。

 


※引用:交付目論見書

 

純資産総額は?

続いて、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の純資産総額はどうなって
いるか見てみましょう。

 

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

 

インデックスファンドの運用において、純資産総額というのも見る
べきポイントです。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替え
ることができず、インデックスから乖離してしまうリスクがあります。

 

また純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまく
できず、予期せぬマイナスを生む可能性があります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)は、下図のように2017年の新規設定以来、
純資産総額を伸ばしており、現在の純資産総額は約90億円となっています。

 


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

インデックスファンドにおいて、実質コストというのは何よりも
重要な項目です。

 

TOPIX連動型のインデックスファンドは運用会社各社が作っていますが、
運用リターンはTOPIXに連動するため、どこも差がつきません。
そうすると、コストの部分で良し悪しを決めることになるわけです。

 

eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の実質コストは0.172%となっており、
2期目にして信託報酬とほぼ変わらない水準にまで下がりました。

 

通常純資産総額が小さいうちは影響が出てしまうため、実質コストは
割高になってしまいますが、投資家にとっては非常にありがたいですね。

 

現在、TOPIX連動型のインデックスファンドでは最安値となっているので、
今後も人気が続きそうです。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 0
信託報酬 0.17172%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 0.172%(概算値)

※引用:第1期 運用報告書(決算日2018年4月25日)

実質コストも加味して、私がオススメする最強のインデックスファンド

類似ファンドの実質コスト比較

類似ファンドの実質コストを比較をしてみましょう。

 

TOPIXをベンチマークとして採用しているファンドは信託報酬と
大きく差がないことがわかります。

 

類似ファンドの実質コストもほとんど変わりませんので、正直
どのファンドを購入してもほとんど結果に差はないと思って
大丈夫です。

ファンド 実質コスト(概算値)
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) 0.172%
ニッセイ TOPIXインデックス 0.178%
iFreeTOPIXインデックス 0.191%
i-SMT TOPIXインデックス 0.188%
たわらノーロード TOPIX 0.186%

※2019年7月時点

 

eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の評価分析

基準価額の推移は?

eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の基準価額は、2017年は好調でしたが、
2018年末に大きく下落をして以来、回復の兆しが見えません。

 

海外株式ファンドは2018年の高値を更新する勢いで上昇している
ファンドが多いので、やはり国内株は弱いですね。

 


※引用:モーニングスター

利回りは?

つづいて、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の運用実績を見て
みましょう。直近1年間の利回りは8.37%となっています。

 

同カテゴリーランキングでは上位4割に入っており、国内株式型の
ファンドがいかに厳しかったかがよくわかります。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲8.37% 38%
3年
5年
10年

※2019年7月時点

 

標準偏差は?

eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の標準偏差を見てみると、
同カテゴリーの中でも上位4割程度にランクインしています。

 

パフォーマンスも基準価額の変動幅もまさに平均的な水準
となっています。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じ
でしょうか?

 

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 18.33 35%
3年
5年
10年

※2019年7月時点

 

年別のパフォーマンスは?

eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の年別のパフォーマンスを
見てみましょう。

 

2017年は+20%程度出ており、インデックスファンドにしては
十分な結果ですが、2018年はその反動を受けて大きく下落を
してしまいました。

 

このように前年のプラス分を相殺してしまうような運用では
高い利回りは期待できません。

年間利回り
2019年 5.31%(1-6月)
2018年 ▲16.09%
2017年 20.06%
2016年

※2019年7月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)に投資を検討する上で、同じく
TOPIXをベンチマークとする他のインデックスファンドと
パフォーマンスを比較しておきましょう。

 

下図を見ると、ほとんど差はないものの、eMAXIS Slim国内株式
(TOPIX)(黄線)が優れた結果を残していることがわかります。

 

これであれば、他のインデックスファンドに投資するよりも
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)に投資をしたほうがよいと言えますね。

 

ちなみにTOPIXと日経平均のどちらに投資をするのがよいかと
良く聞かれるので、ここでパフォーマンスを比較しておきます。

 

こう見ると、eMAXIS 日経225インデックス(赤)のほうが明らかに
パフォーマンスが優れています。私もこのブログでずっとお伝え
していますが、TOPIXよりも日経平均に連動するインデックス
ファンドのほうがおすすめですね。

 


※引用:モーニングスター

 

最大下落率は?

投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気になる
のが、最大どの程度、資産が下落する可能性があるのかという点です。

 

まだ設定期間が短いですが、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の
最大下落率は2018年10月~12月の▲17.64%となっています。

 

ただし、長期保有すれば、しっかりプラスが出ていますので、大きく
下落したとしても、すぐ売り払ってしまわないようにしてくださいね。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

期間 下落率
1カ月 ▲10.27%
3カ月 ▲17.64%
6カ月 ▲12.84%
12カ月 ▲16.09%

※2019年7月時点

 

ベンチマークとの乖離率は?

インデックスファンドの運用においては、ベンチマークとの乖離率
というのが運用の巧拙を見極める一つのポイントとなります。

 

eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)では、ベンチマークとの乖離率が3.3%
となっており、ベンチマークよりもかなり高くなっています。

 

ただ、これはベンチマークに配当が含まれていないことが原因であり、
実際銘柄選定における差ではありません。

 

ですので、運用はベンチマークに沿って適切に運用がされている
と言えますね。

ファンド ベンチマーク
▲6.3% ▲8.3%

※2019年7月時点

 

評判はどう?

続いて、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の評判を見ていきたい
と思います。

 

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知る
うえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

 

資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを購入して
いるということなので、評判がいいということになります。

 

eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)は、2017年の新規設定以来、毎月
資金流入しています。特に10月には資金が大きく流入しました。

 

TOPIX連動型のインデックスファンドの中でコストが最安値だけ
あって、当分この流れは続くと思います。

 


※引用:モーニングスター

 

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の積立NISAとiDeCoの対応状況を
確認しておきましょう。

 

iDeCoでも積立NISAでも購入が可能となっています。2018年末
からSBI証券のセレクトプランで選択できるようになりました。

 

こちらはiDeCoの変更手続きをしないといけませんので、もし
購入を検討している人はセレクトプランに切り替えましょう。

積立NISA iDeCo
SBI証券(セレクトプラン)

※2018年12月時点

 

eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の評価まとめ

多くの投資家が、TOPIXや日経平均に連動するインデックスファンド
を購入しています。

 

やはり投資をするなら、自分が生まれた国で、一番よく知っている国に
投資をしたいという気持ちがあるのもわかります。

 

しかし、インデックスファンドへ投資する場合、もちろんコストが安い
ことは当然必要なことですが、ベンチマークとなっている指数がちゃんと
成長する指数でなければ、あなたの資産は増えません。

 

そう考えたときにTOPIXという指数は残念ながら、そこまで成長
できていません。

 

多くの人が、TOPIXは日本全体に投資ができるから、日本の経済成長に
期待して、投資するにはおすすめです。

 

などど言っていたりしますが、日本経済自体が、他国と比べて成長率が
鈍化しているにも関わらず、あえて日本を選択する理由というのがわかりません。

 

アクティブファンドであれば話は別ですが、インデックスファンドに
投資をするのであれば、S&P500やNYダウといった指数に連動する
ファンドのほうが断然おすすめです。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点