コスト最前線で戦いながら、そこまで知名度が上がっていないのが三井住友DSアセット・マネジメントのSMBC・DCインデックスファンド(S&P500)です。
果たして、SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)とはどのようなファンドなのか、徹底分析していきます。
「SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)って投資対象としてどうなの?」
「SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)って持ってて大丈夫なの?」
「SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)より良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)の基本情報
投資対象は?
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)の投資対象は、米国の株式です。S&P500(配当込み、円ベース)に連動する投資成果を目指します。
S&P500インデックスはS&P Dow Jones Indicesが算出・公表している株価指数で、米国の大型株の動向を表し、主要産業を代表する500銘柄の時価総額で加重平均して算出されています。
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)の現在の組入銘柄数は500銘柄で構成されており、組入上位10銘柄は以下のようになっています。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
つづいて、SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)の純資産総額を見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)の純資産総額は、現在約280億円です。純資産は着実に増えており、規模としては全く問題ありません。
※引用:三井住友DSアセットマネジメント HP
実質コストは?
投資信託を運用する際には、購入時手数料や信託報酬以外にも、実際にはコストがかかっています。具体的には、株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用などが該当します。
これを実質コストと言いますが、実質コストが信託報酬よりもかなり高くなっていることもありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)の実質コストは0.140%となっており、思ったよりも、実質コストが割高になっています。とはいえ、超低コストの最前線で戦っているファンドですので、十分割安と言えます。
購入時手数料 | なし |
信託報酬 | 0.0968%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 0.140%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)の評価分析
基準価額をどう見る?
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)の基準価額を見てみましょう。2022年は伸び悩みましたが、2023年以降はまた大きく上昇し始めました。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
それでは、SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)の運用実績を見ていきます。
直近1年間の利回りは9.02%となっています。3年平均利回りは20%を超えており、十分な利回りに見えます。
ただし、この時点で良し悪しを判断するのは時期尚早です。他の類似ファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしましょう。
平均利回り | |
1年 | +9.02% |
3年 | +22.89% |
5年 | ー |
10年 | ー |
※2023年11月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)は、国際株式・北米カテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。
利回りが良く見えても、実は同カテゴリー内では、ランキングが低かったということがよくあります。
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)は、どの期間でも上位35%以内にランクインしており、インデックスファンドとしてはかなり優秀と言えますね。
上位●% | |
1年 | 35% |
3年 | 22% |
5年 | ー |
10年 | ー |
※2023年11月時点
年別のパフォーマンスは?
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)の年別の利回りを見てみましょう。
年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。
まだ運用期間が短いので、評価しづらいですが、マイナス幅は小さく、プラス幅は大きいので、投資家としても投資をしやすいですね。
年間利回り | |
2023年 | +25.60%(1-9月) |
2022年 | ▲6.16% |
2021年 | +44.09% |
※2023年11月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略インデックスファンドとのパフォーマンス比較
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)に投資をするかを考える上で、超低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスの比較は必須です。
パフォーマンスが大きく劣るようであれば、わざわざ高いコストを支払ってまで投資をする価値がないからです。
今回は、北米株で構成されているeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とパフォーマンスを比較してみました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、ベンチマークが同じということもあり、ほぼ互角のパフォーマンスとなっています。ただ、やはり実質コストの差で、SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)のほうが終始負けていますね。
どちらも投資ができる証券会社の口座を使っているのであれば、迷わずeMAXIS Slim米国株式を選択してください。
年平均利回り | SMBC・DC(S&P500) | slim S&P500 |
1年 | +9.02% | +9.20% |
3年 | +22.89% | +23.20% |
5年 | ー | +17.05% |
10年 | ー | ー |
※2023年11月時点
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)に投資をするかを検討するのであれば、アクティブファンドともパフォーマンスを比較しておきましょう。
投資信託は6000本以上ありますので、もっと優れたファンドが見つかるかもしれません。
今回は、北米ファンドで何度も優秀ファンド賞を受賞をしたことがあるアライアンス・バーンスタインの米国成長株投信Bコースと比較をしてみました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、ほぼ全期間において、SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)がパフォーマンスで上回っています。
より長期のパフォーマンスで見ると、米国成長株投信もかなり強いのですが、わざわざアクティブファンドに投資をしなくても十分高い利回りが期待できるのが、SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)です。
年平均利回り | SMBC・DC(S&P500) | 米国成長株投信 |
1年 | +9.02% | +15.21% |
3年 | +22.89% | +18.02% |
5年 | ー | +18.46% |
10年 | ー | +17.44% |
※2023年11月時点
最大下落率は?
投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。
特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。
そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。
それでは、SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)の最大下落率を調べてみましょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲7.13% |
3カ月 | ▲9.08% |
6カ月 | ▲5.77% |
12カ月 | ▲6.16% |
※2023年11月時点
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)の最大下落率は2022年11月~2023年1月で▲9.08%となっています。まだ運用期間が短いこともあり、大した下落を経験していません。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。
評判はどう?
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)の評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。
資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。
それでは、SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)の評判を見てみましょう。
設定来、毎月、流入が続いており、かつ流入額が増えていますので、非常に評判がよくなっているということです。やはりコストが最安値付近にあるということで、人気が高い理由も納得ですね。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)はどちらも取り扱いがありますので、投資をする場合は積極的にこの制度を活用していきましょう。
NISA | iDeCo |
〇 | 三井住友銀行(標準コース)、三井住友銀行(みらいプロジェクト)、SMBC日興証券 |
※2023年11月時点
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)の評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
米国株のファンドはアクティブファンド、インデックスファンド問わず、中長期でS&P500にパフォーマンスで勝てません。
そのため、米国株のファンドに投資をするのであれば、最低でも一本は持っておきたいのが、S&P500に連動するインデックスファンドです。
そして、S&P500に連動するインデックスファンドは多数ありますが、同じベンチマークなので、最終的には実質コストの多寡でパフォーマンスが決まってきます。
その点、SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)は信託報酬が0.1%を切っており、昔では考えられないくらい低コスト化していますので、投資を検討する価値は十分にあります。
ただ、SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)は三井住友銀行でしか取り扱いがないので、三井住友銀行で投資信託を購入しているという人はぜひ活用を検討してください。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点