2020年に最も評価を挙げたのが投資顧問会社のARK
インベストメントでしょう。
ARKが投資助言に入って、日興アセットが運用する
ファンドが日本にも5本ほどありますが、軒並み
超ハイパフォーマンスとなっています。
そんなARKが助言に入って、また新たなファンドが
登場します。
それが、日興アセットのイノベーティブ・カーボン
ニュートラル戦略ファンドです。
今日は、イノベーティブ・カーボンニュートラル戦略
ファンドを徹底分析していきます。
「イノベーティブ・カーボンニュートラル戦略って投資対象としてどうなの?」
「イノベーティブ・カーボンニュートラル戦略って持ってて大丈夫なの?」
「イノベーティブ・カーボンニュートラル戦略より良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションの基本情報
投資対象は?
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションの投資対象は
世界の上昇株式のうち、社会課題解決への寄与が期待される
破壊的イノベーション関連企業の株式です。
ここでいう社会課題とはSDGs(持続可能な開発目標)を指し、
銘柄選定していきます。
個別銘柄の選定ではARKインベストメントの投資助言を受けて
いますので、運用の成否はARKにかかっていると言っても、
過言ではありません。
2021年1月現在の国別・業種別の構成比は以下のようになっています。
米国を中心にアジア圏の企業にも積極的に投資をしていくようです。
※引用:販売資料
上位の組入れ銘柄は以下ようになっています。
ARKが大好きなテスラが1位です。
ARKインベストメントの特徴は?
ARKインベストメントを語る上ではずせないのが、ユニークな
調査体制と独自の調査スタイルです。
一般的な運用会社のアナリストであれば、業種ごとに担当が
割り振られます。
一方で、ARKでは、3Dプリンティング、ビッグデータ、自動運転、
遺伝子治療といったイノベーションの技術ごとにアナリストを
配置します。
この調査体制により、ある特定の技術を他の運用会社では不可能な
レベルまで深く深くリサーチすることができます。
そして、もう1つの特徴がオンライン・SNSやクラウドソーシング等の
ツールを積極的に活用して調査を進めるという点です。
一般的な運用会社であれば、ファンダメンタルズ分析やボトムアップ分析に
より、調査委対象企業の優位性を分析します。
しかし、AKRでは、SNSを通じて、大学教授、起業家など
外部の専門家との人脈を構築し、イノベーションについての
共同分析や成長モデルを構築したり、
クラウドソーシングを活用し、世間の認識とのギャップを
確認し、理解を細部まで深めるような調査をしています。
このような独自の調査体制と調査スタイルにより、
圧倒的なパフォーマンスをあげているというわけです。
ARKインパクト・ストラテジーとは?
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションでは、
AKRインパクト・ストラテジーという運用戦略が採られています。
これは銘柄選定のプロセスに社会課題解決の視点を追加したものです。
ARKでは、ロボティクス/AI/エネルギー貯蔵/ゲノム解析/ブロックチェーン
をイノベーションによって改善が期待される5つの大きな社会課題と定義し、
企業の製品・サービスがこれらの社会課題解決にどの程度のインパクトを
与えるのかを独自指標で評価します。
純資産総額は?
投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するように
してください。
純資産総額は大きいほうが、ファンドマネージャーが資金
を運用する際に効率よくできたり、保管費用や監査費用が
相対的に低くなりますので、コストが低く抑えられます。
また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその
投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなる
こともありますので注意が必要です。
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションはまだ
募集を開始してから1か月も経っていませんが、すでに
2800億円を超える規模にまで資金が集まっています。
ARKが投資助言で入っている他のファンドが
軒並み高パフォーマンスであることも影響して、
とてつもない人気を見せています。
実質コストは?
投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用が
かかっていることをご存知ですか?
これを実質コストと言いますが、実質コストには株式売買
手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。
特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストが
かなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションの実質コストは
まだ運用報告書が出ていないので、正確にはわかりませんが、
1.8~1.9%辺りに落ち着くと思われます。
購入時手数料と信託報酬を合わせると、初年度は5%程度取られ
ますので、投資する際は慎重に判断をしてください。
購入時手数料 | 3.3%※上限 |
信託報酬 | 1.6675%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | まだ不明 |
※引用:最新運用報告書
と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションの評価分析
新規で設定されたファンドを評価する場合、今後期待できる
テーマなのかというのも重要な要素の1つではありますが、
大抵、時流にのったテーマファンドが設定されるため、
今後期待できるテーマであることが多いです。
そのため、見るべきはテーマよりも運用会社の能力ということに
なります。
今回でいえば、ARKインベストメントの運用力です。
ただ、目論見書や販売資料にARKの運用戦略が細かく書かれて
いますが、一般の個人投資家にとっては、他のファンドと
何が違うのかよくわからないと思います。
では、どのようにして運用力を調べればいいのか。
それは、過去にARKが運用してきたファンドのパフォーマンスです。
類似したテーマでの運用実績があれば、より参考になります。
日興アセットではARKが投資助言に入って、運用をしている
ファンドが5本ほどあります。
2020年の5本のファンドのパフォーマンスは以下のように
なっています。
ファンド名 | 利回り |
グローバル・フィンテック株式ファンド | 82.66% |
グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド | 78.10% |
グローバル・スペース株式ファンド | 30.67% |
グローバル全生物ゲノム株式ファンド | 90.36% |
デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド | 37.61%(2020/08/03~2021/4/30) |
長期間の運用実績があれば、なおよいですが、少なくとも、
ここ数年のARKが投資助言に入っているファンドのパフォーマンスは
他のファンドと比較をしても頭1つ2つとびぬけるほど高いです。
2020年が好調過ぎたため、2021年も同じように高いパフォーマンスを
維持できるかという疑問は残るものの、ここ数年のARKの結果を
見れば、十分可能性があるファンドと言えます。
ARKインベストメントが投資助言をしているファンドは他にもあるので、
あえてグローバル・エクスポネンシャル・イノベーションに投資をするかは
悩むところではありますが、投資先の1つとして検討する価値があるファンド
であると思います。
当然ながら、弱点もあります。 今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。 その理由をこちらで話をしています。 >>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点