1985年に設定以来、長期間投資家に愛されている大和投信の
ストック インデックスファンド225。
他のインデックスファンド何か違いがあるのかというと、特に
違いがあるわけではありませんが、500億円以上の純資産を維持
できているというのは、人気が衰えていないという証拠です。
近年は、日経225に連動するインデックスファンドの低コスト競争
が激化しており、厳しい環境にありますが、はたしてどのような
ポジションにいるのでしょうか?
今日は、ストックインデックスファンド225について徹底分析して
いきます。
ストックインデックスファンド225の基本情報
投資対象は?
ストックインデックスファンド225の投資対象は、日本国内の
株式で、日経平均株価の動きに連動するような投資成果を
目指します。
日経平均株価に採用されている銘柄で200銘柄以上に等株数投資を
していきます。
現在の組入銘柄数は225銘柄となっているので、ほぼ100%
連動していることになりますね。組入銘柄上位の銘柄は以下
のようになっています。
※引用:マンスリーレポート
ベンチマークの推移は?
インデックスファンドに投資をするのであれば、ベンチマークに
採用されている指標が過去にどのように推移をしているのかを
確認しておくことはとても重要です。
いくらコストが安くても、ベンチマークが右肩上がりに成長
しなければ、あなたの資産は目減りするだけです。
日経平均株価の推移を以下に示します。
2007年~2008年のリーマンショック以降で見ると、リーマン
ショック前の水準から+50%程度上昇していますが、1990年ごろ
につけた高値の半値くらいの位置にいることがわかります。
国内株のインデックスファンドに投資をしたいのであれば、
日経225をおすすめはしますが、私個人としてインデックス
ファンドに投資をするのであれば、日経225は選択しません。
※引用:交付目論見書
純資産総額は?
続いて、ストックインデックスファンド225 の純資産総額は
どうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を
入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少
していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬ
マイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。
ストックインデックスファンド225の純資産総額は、現在
約800億円となっており、リーマンショック以降は700~800億円
あたりを推移しています。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。
そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
ストックインデックスファンド225の実質コストは0.572%と
なっており、近年の低コストファンドと比べるとかなり割高です。
さらに今どき購入時手数料を取るなんていうのもあり得ないですね。
残念ながら、このコストでは他の低コストファンドと戦えません。
購入時手数料 | 2.2% |
信託報酬 | 0.572%(税込) |
信託財産留保額 | 0 |
実質コスト | 0.572%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。
無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り
ストックインデックスファンド225の評価分析
基準価額の推移は?
ストックインデックスファンド225の基準価額は、2018年10月
に大きく下落しましたが、2019年には回復し、2019年末には
ついに高値を更新しました。
世界の株式と比べると見劣りしますが、日本株も健闘しています。
※引用:モーニングスター
利回りはどれくらい?
ストックインデックスファンド225 の利回りを見てみましょう。
直近1年間の利回りは5.89%です。
3年、5年、10年の平均利回りは7%以上を超えてきていますので、
しっかり長期保有をすればインデックスファンドとしては十分な
パフォーマンスとなっています。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | ランク | |
1年 | 5.89% | 56% |
3年 | 9.92% | 42% |
5年 | 7.40% | 36% |
10年 | 11.04% | 33% |
※2019年12月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内大型株式ファンドランキング
標準偏差は?
標準偏差は1年間の基準価額の変動幅を把握したい時に
役立ちます。
ただ、インデックスファンドの場合は、日経225の変動に
追随するだけですので、あまり気にしなくてもいいでしょう。
標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。
標準偏差 | %ランク | |
1年 | 18.00 | 45% |
3年 | 14.11 | 50% |
5年 | 16.12 | 53% |
10年 | 17.72 | 70% |
※2019年12月時点
年別運用パフォーマンスは?
ストックインデックスファンド225の年別の運用パフォーマンスを
見てみましょう。
2018年は残念ながらマイナスで終わりそうですが、それ以外の
年ではプラスのリターンを出しており、投資家からすると好評価
ですね。
年間利回り | |
2019年 | 10.11%(1-9月) |
2018年 | ▲10.76% |
2017年 | 20.59% |
2016年 | 1.88% |
2015年 | 10.40% |
2014年 | 8.32% |
※2019年12月時点
考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。
ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。
>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略
類似ファンドとのパフォーマンス比較
日経225に連動するインデックスファンドへの投資を検討する
のであれば、他の日経225をベンチマークとする類似ファンドとの
パフォーマンスを比較しておいて損はありません。
近年、非常に人気の高い超低コストインデックスフファンドと
比較をしてみると、ストックインデックスファンド225が一番
パフォーマンスが悪くなっています。
この原因は、コストにあり、他の3ファンドは信託報酬が0.1%台で
あるため、どうしても差がついてしまいます。
長期保有すると、このわずかな差が大きな差になりますので、
eMAXIS Slim国内株式やiFree日経225インデックスあたりに
投資をするのが無難でしょう。
※引用:モーニングスター
最大下落率は?
投資するのであれば、ファンドがどの程度下落する可能性が
あるのかは知っておきたいところです。
もちろん標準偏差から変動幅を予測することはできますが、やはり
過去にどの程度下落したことがあるのかを調べるのがよいでしょう。
ストックインデックスファンド225は2007年11月~2008年10月の間
に最大48.19%下落しています。
リーマンショック級の下落が早々来るものではないですが、株式
ファンドはこういうこともあり得ると肝に銘じて起きたほうがよいです。
下落したタイミングで売ってしまうのが最悪ですので、下落しても
動じずに長期で保有しましょう。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲23.98% |
3カ月 | ▲35.58% |
6カ月 | ▲41.86% |
12カ月 | ▲48.19% |
※2019年12月時点
評判はどう?
ストックインデックスファンド225の評判はネットでの書き込みなどで
調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の
資金流出入額です。
資金が流入しているということは、それだけストックインデックス
ファンド225を購入している人が多いということなので、評判がよく
なっているということです。
ストックインデックスファンド225は、流入超過となっている月も
ありますが、全体としては流出傾向にあります。
コストが半分以下の同類ファンドが出てきていますので、当然と
言えば当然の結果ですね。
※引用:モーニングスター
ストックインデックスファンド225の今後の見通し
ポートフォリオの中に一部に日経225に連動するインデックス
ファンドを組み入れるのは悪くありません。
ただ、ストックインデックスファンド225がよいかは別問題です。
日経225に連動するインデックスファンドは数多く存在します。
どのファンドも日経225に連動するので、パフォーマンスは変わりません。
そうすると、コストが安いかどうかがあなたの手元に残る利益を左右する
ことになります。
近年では、ETFと変わらないレベルの超低コストファンドが出てきて
いますので、日経225に連動するインデックスファンドに投資をしたい
のであれば、eMAXIS Slim国内株式やiFree日経225インデックスあたり
のほうがよいと思います。
当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。
その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点