ちばぎんアセットマネジメントが運用しているファンドの中で、
一番人気があるのが日本中小型株ファンド『愛称:発掘名人』です。
ちばぎんアセットが運用するファンドは、何とも微妙なパフォーマンス
のファンドが多いのですが、唯一まだましなファンドが発掘名人です。
「発掘名人って持ってて大丈夫なの?」
「発掘名人って投資対象としてどうなの?」
「発掘名人より良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。
今日は、発掘名人について独自の目線で徹底分析していきます。
日本中小型株ファンド『発掘名人』の基本情報
投資対象は?
発掘名人は、日本国内の中小型株に投資をしていきます。
中小型株は企業数が多く、情報もあまり開示されていないため、
しっかり企業調査をすることで思わぬ発掘銘柄と出会うことが
あります。
現在の発掘名人は184銘柄で構成されており、そのうち、上位
10社は以下のようになっています。
※引用:マンスリーレポート
1位のベイカレント・コンサルティングは総合コンサルティング
ファームとして、民間企業や官公庁などのクライアントに対して
経営戦略からITまでサポートする高い専門性をもった会社です。
2位のメドレーは成功報酬型の医療人材紹介システムや医療機関
向けのクラウド診療支援システムを提供しています。
3位のチェンジはふるさとチョイスを運営しています。
純資産総額は?
続いて、発掘名人の純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額
だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで売買できな
かったり、コストが嵩みますので、事前に確認すべきポイントの1つです。
発掘名人の純資産総額は、現在81億円程度となっています。
武蔵野銀行、千葉銀行、ちばぎん証券の3社だけで81億円ですので、
かなり力を入れて販売していることがわかりますね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。
そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが
通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
発掘名人の実質コストは1.94%となっており、カテゴリー内で見ると、
割高となっています。
購入時手数料とこの実質コストでは相当パフォーマンスが優れていないと
投資する気になれません。
購入時手数料 | 3.3%(税込)※上限 |
信託報酬 | 1.584%(税込) |
信託財産留保額 | 0 |
実質コスト | 1.94%(概算値) |
※引用:最新の運用報告書
と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り
日本中小型株ファンド『発掘名人』の評価分析
基準価額の推移は?
発掘名人の基準価額は、コロナショックで大きく急落しましたが、
その後、急回復をみせ、すでにコロナショックがなかったような
レベルにまで上昇しています。
コロナショックの急落からここまで大きく上昇できたのは
素晴らしいですね。
※2019年10月時点
利回りはどれくらい?
発掘名人の利回りを見てみましょう。
直近1年間の利回りは30.69%となっています。
この利回りの高さがやはり中小型株ファンドの魅力です。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | 30.69% |
3年 | 7.04% |
5年 | – |
10年 | – |
※2020年10月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
せっかく投資をするのであれば、同じカテゴリー内でも、
優れたファンドに投資をするべきです。
発掘名人は国内小型株の成長カテゴリーに属しています。
このカテゴリー内でのランキングを確認すると、平均より
少し優れている程度のパフォーマンスであることがわかります。
それだけ国内の小型株カテゴリーには優れたファンドが
多数存在しているということを意味します。
上位●% | |
1年 | 29% |
3年 | 46% |
5年 | – |
10年 | – |
※2020年10月時点
年別のパフォーマンスは?
発掘名人の年別の利回りを見てみると、2018年はかなり厳しい
結果となりました。
しかし、2019年、2020年は20%以上のプラスを出しており、
非常に好調であることがわかります。
年間利回り | |
2020年 | 21.98%(1-9月) |
2019年 | 21.29% |
2018年 | ▲22.91% |
2017年 | – |
※2020年10月時点
考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。
ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは
インデックスファンドとのパフォーマンス比較
アクティブファンドに投資をするのであれば、事前にインデックス
ファンドとのパフォーマスを比較しておいて損はありません。
今回は、日本を代表する指数である日経平均に連動する
ニッセイ 日経225インデックスファンドと比較してみました。
※引用:モーニングスター
ニッセイ 日経225インデックスファンドに抜きつ抜かれつの
状態なので、大きくインデックスファンドをアウトパフォーム
しているとは言えません。
この程度のパフォーマンスの差なのであれば、超低コストの
インデックスファンドに投資をするという選択肢も見えて
きます。
年平均利回り | 発掘名人 | ニッセイ 日経225 |
1年 | 30.69% | 8.41% |
3年 | 7.04% | 6.32% |
5年 | – | 7.72% |
10年 | – | 11.26% |
※2020年10月時点
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
アクティブファンドに投資をするのであれば、他のアクティブファンドと
パフォーマンスを比較してから投資をしても遅くはありません。
今回は、国内小型株カテゴリーで非常に優れた成果を出している
東京海上ジャパン・オーナーズ株式オープンと比較をしました。
※引用:モーニングスター
結果は、東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンの
圧勝です。
ここまで差がつくとは思いませんでしたが、いかに
東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンが
優れた運用をしているかがわかります。
これだけ大きく差を付けられるとあえて、発掘名人に
投資をする理由がなくなってきますね。
年平均利回り | 発掘名人 | 東京海上 |
1年 | 30.69% | 26.50% |
3年 | 7.04% | 24.62% |
5年 | – | 24.39% |
10年 | – | – |
※2020年10月時点
最大下落率は?
投資を検討するうえで、標準偏差などから、価格変動の
範囲をある程度は予想できますが、やはり実際に下落した
度合いをみたほうがイメージがわきます。
発掘名人は2018年1月~12月の1年間で最大22.91%の
下落をしました。
まだ運用期間が短いので、そこまで大きな下落は経験して
いませんが、今後もっと大きな下落が来ることを想定して
運用してください。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲14.44% |
3カ月 | ▲22.64% |
6カ月 | ▲21.69% |
12カ月 | ▲22.91% |
※2020年10月時点
評判はどう?
発掘名人の評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。
資金が流出しているということは、それだけ発掘名人を解約している人が
多いということなので、評判が悪くなっているということです。
発掘名人は、直近、資金流出が続いており、評判はよくありません。
国内の小型株ファンドの大半が似たような状況に陥っていますね。
※引用:モーニングスター
日本中小型株ファンド『発掘名人』の評価まとめと今後の見通し
千葉銀行に口座をお持ちの方だと、発掘名人を勧められることが
増えてきているのではないかと思います。
しかし、さきほど比較したとおり、日経平均に連動する
インデックスファンドに劣るパフォーマンスしか出せて
いないのであれば、高い購入時手数料とコストを支払って
まで、発掘名人に投資する理由がありません。
たいていの人が販売員におすすめされるがままに投資をしており、
他のファンドと比較することなく投資をしてしまっている人も
いるかと思いますが、投資信託は5000本超あるわけですから、
もっと自分にとって最適なファンド見つかる可能性は大いにあるわけです。
発掘名人に投資をしていても、年数%の利回りは期待できると
思いますが、せっかくであれば、より高いパフォーマンスのファンドに
投資をしたほうがよいでしょう。
当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。
その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点