しんきんアセットマネジメントが運用するしんきん3資産ファンド
(毎月分配型)。

しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)は、一応「バランス型ファンド」
を標榜していますが、その運用方針からして突っ込みどころ満載です。

初心者の投資家が勘違いをして購入すると、本来の目的とは異なる
運用を知らず知らずのうちにしている可能性があります。

今日は、しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)について徹底分析
していきます。

「しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)って投資対象としてどうなの?」

「しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)って持ってて大丈夫なの?」

「しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)より良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。


しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)の基本情報

投資対象は?

投資対象は、国内株式、外国債券、Jリートの3資産に均等に
分散投資をしていきます。

一見まともそうに聞こえますが、昨今のマーケットや経済環境を
考えると、国内債券に投資をしないというのはわかりますが、
外国株式や海外REITをあえていれずに、3つに分散している点に
疑問が残ります。


※引用:交付目論見書

これは、あくまでも予想ですが、しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)
が設定された2005年時点では、あえて3資産に絞ることで、アルファを
狙いやすい市況環境だったということでしょう。

設定当時、あまりよく考えずに、アセットアロケーションを固定する
方針にしてしまったため、この15年間アセットアロケーションを変えた
くても変えれなくなってしまったというのが本音ではないかと思います。

現在のポートフォリオの構成は以下のようになっており、ほぼ比率に
変動はありません。


※引用:マンスリーレポート

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

つみたてNISAやiDeCoで積立投資を検討している人も多いと
思います。

そこで、つみたてNISAやiDeCoの対応状況をまとめました。

つみたてNISA iDeCo
× ×

※2021年4月時点

純資産総額は?

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)の純資産額は一時期
1000億円規模でしたが、その後、パフォーマンスの悪化と
ともに減少し、現在は620億円程度です。

少なくともこの資産規模であれば、デメリットはありません。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが
通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)の実質コストは1.09%と
カテゴリー内では低くなっています。

ただし、近年のバランス型ファンドは購入時手数料がゼロのものも多く、
あえて、高い手数料を払う価値があるのかは見極める必要があります。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.2%(税込)※上限
信託報酬 1.045%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.09%(概算値)

※引用:最新運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)の評価分析

基準価額をどう見る?

しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)の直近の基準価額は
コロナショックで一時期大きく下落しましたが、3年間で
ほとんど変化はありません。

分配金を受け取らずに運用をした場合の基準価額(青)は
3年間で15%程度上昇していることから、運用自体は
プラスになっているようです。

基準価額が8,000円程度なので、ひどいタコ足配当をしてきた
ファンドではないことがわかります。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

しんきん3資産ファンドの直近1年の利回りは21.78%と
なっています。

3年、5年、10年平均利回りで見ても、4%を超えている
バランスファンドとしては、十分な利回りになっている
と言えます。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 +21.78%
3年 +5.44%
5年 +4.49%
10年 +8.13%

※2021年4月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年平均利回りランキングで見る圧倒的に優れた投資信託まとめ

同カテゴリー内での利回りランキングは?

しんきん3資産ファンドはバランスファンドのバランス
カテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンス
のファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォー
マンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)の運用利回りはバランス
ファンドとしては悪くないように見えましたが、カテゴリー内では
下位20%程度に位置しており、他にもっと優れたファンドが多数
あることがわかります。

上位●%
1年 81%
3年 81%
5年 87%
10年 40%

※2021年4月時点

年別の運用利回りは?

しんきん3資産ファンドの年別のパフォーマンスを見てみましょう。

総じて、プラスのリターンで終わっている年のほうが多いですが、
トータルで見ると、そこまで大きなプラスになっていません。

マイナスの年が頻発するようなファンドよりは数倍マシですね。

年間利回り
2021年 +10.39%(1-3月)
2020年  ▲5.00%
2019年 +13.77%
2018年 ▲4.62%
2017年 +5.20%
2016年 +3.63%
2015年 +1.51%
2014年 +17.88%

※2021年4月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、より低コストの
インデックスファンドよりも優れたパフォーマンスでなければ
投資をする価値がありません。

今回は、株式、債券、RIETに分散投資ができて、非常に
人気の高いインデックスファンドであるeMAXIS Slim バラ
ンス(8資産均等型)
と比較をしてみました。


※引用:モーニングスター

両者、かなり競っている時期もありますが、総じて
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)が優位にたって
います。

コロナショック後はさらにその差が広がっており、
インデックスファンドにこれだけ差をつけられると
あえて、高いコストを支払ってまで、しんきん3資産
ファンドに投資をする理由がありません。

しんきん3資産ファンド slim 8資産バランス
1年 +21.78% +30.17%
3年 +5.44% +7.15%
5年 +4.49%
10年 +8.13%

※2021年4月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

しんきん3資産ファンドに投資するうえで、他のバランスファンド
とのパフォーマンスも比較してみましょう。

類似したアセットアロケーションのファンドはあまりないの
ですが、アクティブファンドで株式、債券、RIETに分散
投資をしている財産3分法ファンドとパフォーマンスを
比較しました.


※引用:モーニングスター

結果は、財産3分法ファンドの圧勝です。

最終的にこれだけ大きな差がつくと、しんきん3資産ファンドに
投資をしているメリットがなくなりますね。

5年、10年のより長期のパフォーマンスを比較してみると、
10年平均利回りだけはしんきん3資産ファンドが勝っています。

ただ、直近のパフォーマンスは明らかにしんきん3資産ファンド
は劣りますので、あえて選択する理由にはなりません。

しんきん3資産ファンド 財産3分法
1年 +21.78% +24.64%
3年 +5.44% +7.29%
5年 +4.49% +5.95%
10年 +8.13% +7.92%

※2021年4月時点

最大下落率は?

投資を検討するうえで、標準偏差などから、価格変動の範囲をある
程度は予想できますが、やはり実際に下落した度合いをみたほうが
イメージがわきます。

しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)は2007年11月~2008年10月の間に
最大▲33.90%下落しています。

リーマンショック級の大暴落はそうそう来ないとは思いますが、
この程度下落しても耐えられるという人は投資をしてもよいと思います。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲13.97%
3カ月 ▲23.49%
6カ月 ▲26.53%
12カ月 ▲33.90%

※2021年4月時点

分配健全度はどれくらい?

分配金を毎月受け取っていると、受け取っていることに安心
してしまい、自分の投資元本からの配当なのか、ファンドの
収益からの配当なのか調べなくなります。

そこで、分配金がファンドの収益からちゃんと支払われている
のかを調べるときに役立つのが分配健全度です。

分配健全度とは、1年間の分配金の合計額と基準価額の変動幅を
もとに、あなたが受け取った分配金の約何%がファンドの収益
によるものなのかを計算できる指標です。

基準価額の変動幅 1年間の分配合計額 分配健全度
1263円 360円 450%

※2020/4/23~2021/4/22

しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)の直近1年間の分配
健全度は450%となっています。

分配健全度は100%を切ると、一部ファンドの収益以外から
分配金が支払われていることを意味しますが、0%を下回る
ということは、ファンドの収益からの支払いは一切ない
ということを意味します。

コロナショック後の1年は非常に好調だったこともあり、
分配金をすべてファンドの収益で賄うことができています。

分配金利回りはどれくらい?

毎月分配型のファンドに投資をしている場合、どれくらいの
分配金が受け取れるのかを知るために分配金利回りを参考
にします。

ただし、投資信託の場合、分配金利回りだけをみていると、
受け取っている分配金がファンドの収益から出ている
ものなのか、投資元本が削られているのか、判断できません。

そのため、ファンドの運用利回りと分配金利回りを比較して、
ファンドの運用利回りのほうが高ければ、あなたが受け取って
いる分配金がファンドの運用の収益から支払われていると
判断することができます。

しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)の分配金利回りは
4.5%程度なので、健全な水準です。

ただ、ファンドの運用利回りよりも若干高い程度ですので、
基準価額の下落や分配金の減配も起きづらい水準になって
います。

運用利回り 分配金利回り
1年 +21.78% 4.45%
3年 +5.44%
5年 +4.49%
10年 +8.13%

※2021年4月時点

分配金余力はどれくらい?

毎月分配型ファンドに投資をしている場合、もう1つ気になる
のが今後いつごろ、減配されそうかという点です。

そんなときに役立つのが分配金余力という考え方です。

分配金余力というのは、今の分配金の水準をあと何か月
続けられそうかを判断するための指標です。

明確にこの水準になったら減配されるという指標では
ありませんが、12カ月を切ったファンドはたいてい近々、
減配されることが多いです。

しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)は12カ月を切って
いることから、近々減配される可能性が高いですね。

分配金 繰越対象額 分配金余力
173期 30円 438円 15.6カ月
174期 30円 467円 16.5カ月
175期 30円 444円 15.8カ月
176期 30円 437円 15.5カ月
177期 30円 416円 14.8カ月
178期 30円 400円 14.3カ月
179期 30円 420円 15.0カ月
180期 30円 400円 14.3カ月
181期 30円 378円 13.6カ月
182期 30円 361円 13.0カ月
183期 30円 344円 12.4カ月
184期 30円 328円 11.9カ月

※引用:最新運用報告書

評判はどう?

しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)の評判はネットでの書き込み
などで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、
月次の資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけしんきん 3資産ファンド
(毎月分配型)を解約している人が多いということなので、評判が悪い
ということです。

しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)は、2017年以降、資金流入が
続いていました。

一見すると、評判がよくなっていたように見えますが、このファンド
の場合はそうとも言えません。

もともと信用金庫というのは、投資信託の販売に積極的ではありません
でした。

しかし近年、収益が圧迫されており、新たな収益源として、投資信託の
販売に力を入れ始めたという背景があります。

ここで、問題となってくるのが、信用金庫自体、取り扱っている
ファンドがかなり限定されており、例えば、近年メガトレンドと
なっているAI関連ファンドや、ロボティクス系のファンドは
取り扱っていない信金が多いです。

そうすると、必然的に、販売できるファンドが限られて、リスクが
低く見えるバランス型ファンドがよく売れるということになるわけです。

つまり、しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)の資金流入は評判に
裏付けられたものではなく、信用金庫の顧客の選択肢が狭いことに
起因しているものだと思います。


※引用:モーニングスター

しんきん 3資産ファンド(毎月分配型)の評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

本来バランス型ファンドというのは、アセットクラスを
分散させて、リスクを抑えながら、手堅く増やしていくというのが
セオリーであり、国内株式、国内リート、欧州債券の3つに絞る
というのは、非常にナンセンスに感じます。

パフォーマンスもさきほど比較したようにインデックスファンド
にも負けていますので、お世辞にも優れた分散ができているとは
いえません。

分散するのであれば、最近流行りのeMAXIS Slim 8資産均等型ファンド
のように、先進国株式、新興国株式、国内株式、先進国債券、新興国債券、
国内債券、先進国REIT、国内REITの8資産にバランスよく分散したほうが
正しい分散と言えるでしょう。

また分配利回り自体は4%台とかなり健全な水準なので、今後タコ足配当に
なる心配はあまりないですが、分配金余力は12か月を切っており、
かなり危険な水準で、近々減配される可能性が高いです。

ですので、毎月分配型にこだわりがなければ、eMAXIS Slim バランス
(8資産均等型)を選択するのがよいと思います。

それでも毎月分配金を受け取りたいという人は、パフォーマンスの
観点からみて、まだ財産3分法ファンドのほうがよいと思います。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点