レオスキャピタルのひふみシリーズと言えば、数年前までは日本株中心のファンドしかありませんでした。しかし、近年、海外株式ファンドを新規で設定し、手を広げていましたが、ここにきて、ついにバランス型ファンドの運用にも乗り出します。

もともと非常に人気の高いひふみシリーズですので、今回のファンドもそれなりに人気が出るのだと思いますが、まるごとひふみは投資する価値があるのか、まるごとひふみ15、50、100を比較しながら、徹底分析していきます。

「まるごとひふみって投資対象としてどうなの?」

「まるごとひふみって持ってて大丈夫なの?」

「まるごとひふみより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。


まるごとひふみ15、50、100の基本情報

投資対象は?

まるごとひふみの投資対象は、世界の株式と債券です。すでに運用しているひふみ投信、ひふみワールドを通じて国内の株式、および世界の株式に分散投資をしていきます。

さらにひふみグローバル債券ファンドを通じて、国内外の債券にも投資をしていきます。まるごとひふみには15、50、100の3種類があり、それぞれ国内株式、海外株式、債券の組み入れ比率を変えています。

※引用:目論見書

もともとまるごとひふみのコンセプトは今まで株式ファンドはリスクが高くて投資をしたくても手が出せなかった投資家をターゲットに設定されているので、まるごとひふみ15や50がメインというところでしょうか。

まるごとひふみ100については、ひふみ投信とひふみワールドを組み合わせているだけですので、まるごとひふみに投資をしなくても同じ運用はできてしまいますので、目新しさはないですね。

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するようにしてください。

純資産総額が多いほうが、ファンドマネージャーが資金を投資する際に有利であったり、他の投資家の解約の際の影響が小さくなりますので、優れた投資信託と言えます。

一方、投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

まるごとひふみはそれぞれ純資産額にかなり開きがでています。リスクの高いまるごとひふみ100が一番人気のようですね。純資産の規模としてはどれも問題ないレベルです。

まるごとひふみ15 まるごとひふみ50 まるごとひふみ100
純資産 約86億 約306億 約429億

※2022年10月時点

■まるごとひふみ15
※引用:マンスリーレポート

■まるごとひふみ50
※引用:マンスリーレポート

■まるごとひふみ100

※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用がかかっていることをご存知ですか?

これを実質コストと言いますが、実質コストには株式売買手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストがかなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

まるごとひふみの実質コストはまだ運用報告書が出ていないので、正確にはわかりませんが、信託報酬は割安とは言えない水準です。購入時手数料もしっかり3%かかってきますので、投資をする際には十分に検討してから購入するようにしてください。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

まるごとひふみ15 まるごとひふみ50 まるごとひふみ100
購入時手数料 3.3%※上限 3.3%※上限 3.3%※上限
信託報酬 0.660% 0.935% 1.320%
信託財産留保額 なし なし なし
実質コスト 0.696%(概算値) 1.025%(概算値) 1.484%(概算値)

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

まるごとひふみ15、50、100の評価分析

基準価額をどう見る?

つづいて、まるごとひふみの基準価額を見ていきます。興味深いのは普通であれば、株式比率の高いまるごとひふみ100の基準価額が一番値動きが大きくなるのですが、まるごとひふみ15が一番値下がりしています。

この理由は2022年は金利上昇に伴い、債券価格が急落しているため、債券比率の高かったまるごとひふみ15が一番大きく下落したというわけです。

■まるごとひふみ15

■まるごとひふみ50

■まるごとひふみ100

※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

つづいて、利回りを見ていきましょう。直近1年間の利回りでみると、ひふみ100が一番下落しています。

まるごとひふみ100は株式比率が100%なので、当然といえば当然ですね。ただ、まるごとひふみ15やまるごとひふみ50も10%以上下落しており、株式も債券も下落するという二重地獄のような状況になっています。

■まるごとひふみ15

平均利回り
1年 ▲11.56%
3年
5年
10年

■まるごとひふみ50

平均利回り
1年 ▲12.64%
3年
5年
10年

■まるごとひふみ100

平均利回り
1年 14.48%
3年
5年
10年

※2022年10月時点

同カテゴリー内での利回りランキングは?

パフォーマンスが良く見えても、実はもっと優れたファンド見つかることもありますので、同カテゴリー内でのパフォーマンスは必ず比較するようにしてください。

まるごとひふみ15、50、100は株式、債券の組み入れ比率が異なることから、それぞれ別のカテゴリーに属していますが、どのカテゴリーにおいても、平均以下の結果となっています。

■まるごとひふみ15

バランス安定カテゴリー 上位●%
1年 79%
3年
5年
10年

■まるごとひふみ50

バランス安定成長カテゴリー 上位●%
1年 85%
3年
5年
10年

■まるごとひふみ100

グローバル株式(日本含む)カテゴリー 上位●%
1年 76%
3年
5年
10年

※2022年10月時点

年別のパフォーマンスは?

つづいて、年別のパフォーマンスを見ていきましょう。こちら運用期間が1年程度なので、あまり参考になりませんね。

■まるごとひふみ15

年間利回り
2022年 ▲11.94%(1-9月)

■まるごとひふみ50

年間利回り
2022年 ▲13.17%(1-9月)

■まるごとひふみ100

年間利回り
2022年 ▲15.12%(1-9月)

※2022年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

ひふみ投信とインデックスファンドの利回り比較

まるごとひふみに投資をするのであれば、低コストのインデックスファンドと利回りを比較してから投資をしても損はありません。

ただ、バランス型ファンドの場合、組み入れ比率が異なることも多く、一概に比較はできません。

そこで、今回は、まるごとひふみに組み入れられているひふみ投信、ひふみワールドがそれぞれ、インデックスファンドと比較をして、パフォーマンスが優れているのかを比較しました。

※ひふみグローバル債券ファンドは比較するものがないので、今回は除外しています。


※引用:モーニングスター

直近3年間の利回りでは2022年以降、日経225に連動するニッセイ日経225インデックスファンドにパフォーマンスで負けていることがわかります。

より長期のパフォーマンスはどうでしょうか。

ひふみ投信 ニッセイ日経225
1年 ▲18.28% ▲10.29%
3年 +5.40% +7.7%
5年 +3.10% +6.77%
10年 +14.67% +13.08%

※2022年10月時点

5年平均利回りでもひふみ投資は負けており、10年平均利回りだけ勝ち越しているような状態です。

10年平均利回りはたしかにひふみ投信に軍配があがっているのですが、直近の運用はインデックスファンドに軍配があがるので、無理にひふみ投信を選ぶ必要もないと言えます。

ひふみワールドとインデックスファンドの利回り比較

続いて、まるごとひふみの海外株式部分であるひふみワールドと世界中の株式に分散投資ができるeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)のパフォーマンスを比較してみました。


※引用:モーニングスター

こちらも2021年まではひふみワールドがアウトパフォームしていましたが、2022年に入るとかなりeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)に逆転されてしまっています。

運用期間が短いというのもありますが、あえて高いコストを支払って投資をする先ではないですね。

ひふみワールド slim 全世界
1年 ▲8.58% +3.04%
3年 +14.91%
5年
10年

※2022年10月時点

まるごとひふみ15、50、100の利回り比較

最後に、まるごとひふみ15、50、100にそれぞれ投資をした場合の利回りを比較してみましょう。

組み入れ比率が全く違うにもかかわらず、パフォーマンスはほぼ同じとなっています。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気になるのが、「このファンドは最大どの程度、資産が下落する可能性があるのか」という点だと思います。

そこでまるごとひふみの最大下落率を調べてみました。

■まるごとひふみ15

期間 下落率
1カ月 ▲3.67%
3カ月 ▲5.12%
6カ月 ▲8.78%
12カ月 ▲11.56%

■まるごとひふみ50

期間 下落率
1カ月 6.18%
3カ月 ▲6.98%
6カ月 10.86%
12カ月 ▲12.64%

■まるごとひふみ100

期間 下落率
1カ月 ▲11.35%
3カ月 ▲12.90%
6カ月 13.98%
12カ月 ▲14.48%

※2022年10月時点

評判はどう?

それでは、まるごとひふみ15、50、100の評判はどうでしょうか?

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を見ることで、評判がわかります。評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪くなっていれば、資金が流出超過になります。

どのファンドも共通して、2022年に入ってからは資金の流出が続いています。いくらひふみブランドがあったとしてもパフォーマンスが優れなければ資金が流出し、評判も悪くなるということです。

■まるごとひふみ15

■まるごとひふみ50

■まるごとひふみ100

※引用:モーニングスター

まるごとひふみ15、50、100の今後の見通しと評価まとめ

まるごとひふみを構成しているひふみ投信とひふみワールドのパフォーマンスはさきほど、比較をしてみたように、どちらもインデックスファンドにパフォーマンスで負けてしまっています。

つまり、ひふみ投信とひふみワールドで構成されているまるごとひふみ15、50、100も同じような状況にあるということです。

唯一、ひふみグローバル債券ファンドだけは比較するものがなかったので、正確なパフォーマンスはわかりませんが、同カテゴリー内でのパフォーマンスを比較したかぎりは、大して運用がうまく行っているとも思えません。

日本人は分散投資とバランス型ファンドが好きな人が多い傾向にありますが、正直あえてまるごとひふみに投資をするメリットはゼロだと思います。

もし投資をするのであれば、eMAXIS Slim全世界株式、eMAXIS Slim日経平均、eMAXIS Slim先進国債券インデックスに自分で投資をしたほうが高いパフォーマンスが期待できます。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点