インデックスファンドの低コスト競争において、最前線で戦っている
大和証券投資信託委託のiFreeシリーズ。
「iFree新興国債券インデックスって投資対象としてどうなの?」
「iFree新興国債券インデックスって持ってて大丈夫なの?」
「iFree新興国債券インデックスより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。
今日は、大和証券投資信託委託のiFree新興国債券インデックスに
ついて徹底的に分析したいと思います。
iFree新興国債券インデックスの基本情報
投資対象は?
投資対象は、新興国の現地通貨建て債券に投資し、JPモルガン・
ガバメント・ボンド・インデックス-エマージング・マーケッツ・
グローバル・ディバーシファイド(円換算)に連動する投資成果を
目指します。
JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス-エマージング・
マーケッツ・グローバル・ディバーシファイドとは、JPモルガンが
算出し、公表している債券指数です。
どのあたりの国への投資比率が高いのかを見てみると、人民元、
インドネシア・ルピア、メキシコ・ペソの比率が高いようです。
かなり変動の大きい通貨の保有比率が高いので、債券ファンド
だからと言って、決してリスクが小さいと思わないように
してください。
※引用:マンスリーレポート
つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?
iFree新興国債券インデックスのつみたてNISAとiDeCoの対応状況を
確認しておきましょう。
iDeCoでは取り扱いがありますので、積立投資をする場合は、
積極的に活用していきましょう。
つみたてNISA | iDeCo |
× | マネックス証券、SBI証券(セレクトプラン)、ソニー銀行、滋賀銀行、松井証券 |
※2021年9月時点
純資産総額は?
続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。
純資産総額が小さいと運用が効率的に行えず、余計なコストが
発生したり、運用会社も運用に力を入れないため、パフォーマンスが
優れないといったデメリットが発生します。
また純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性があります。
iFree新興国債券インデックスは下図のように2016年の
新規設定以来、純資産総額を伸ばしており、現在の
純資産総額は約58億円となっています。
今後も資金流入が続くと予想されるので、資産規模は特に
心配しなくてよさそうです。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。
そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
インデックスファンドにおいて、実質コストというのは何よりも重要な項目です。
JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス-エマージング・マーケッツ・
グローバル・ディバーシファイド連動型のファンドは運用会社各社が作っていますが、
運用リターンはベンチマークに連動するため、どこも差がつきません。
そうすると、実質コストの部分で良し悪しを決めることになるわけです。
iFree新興国債券インデックスの実質コストは、0.343%となっており、
同類ファンドの中で最安値を争っています。
購入時手数料 | 0 |
信託報酬 | 0.242%(税込) |
信託財産留保額 | 0 |
実質コスト | 0.343%(概算値) |
※引用:運用報告書
と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り
iFree新興国債券インデックスの評価分析
基準価額をどう見る?
iFree新興国債券インデックスの基準価額を見てみると、
コロナショックで一時は10000円を割り込みました。
しかし、その後、立て直し、今は12000円近辺を推移
しています。
※引用:モーニングスター
利回りはどう?
つづいて、iFree新興国債券インデックスの運用実績を見てみましょう。
直近1年間の利回りは7.29%です。
3年平均利回りで5%弱ですので、債券ファンドとしては、
十分な利回りではないでしょうか。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | 7.29% |
3年 | 4.63% |
5年 | – |
10年 | – |
※2021年9月時点
同カテゴリー内での利回りランキングは?
せっかく投資をするのであれば、同じカテゴリー内でも、
優れたファンドに投資をするべきです。
iFree新興国株式インデックスは新興国債券(複数国)
カテゴリーに属しています。
このカテゴリー内でのランキングを確認すると、
平均的な水準に位置しています。
つまり、iFree新興国債券インデックスよりも優れた
ファンドが何本もあるということです。
上位●% | |
1年 | 61% |
3年 | 51% |
5年 | – |
10年 | – |
※2021年9月時点
年別のパフォーマンスは?
つづいて、iFree新興国債券インデックスの年別の
パフォーマンスを見てみましょう。
2桁のプラスのリターンを出しては、2桁に迫る
大きなマイナスを出しており、トータルで見ると、
たいしてプラスが出ていない状態です。
新興国債券は債券と言う名前がついていますが、
あなたが思っている以上に価格は変動しますので、
注意してください。
年間利回り | |
2021年 | 3.17% |
2020年 | ▲3.26% |
2019年 | 11.45% |
2018年 | ▲8.63% |
2017年 | 10.35% |
2016年 | – |
※2021年9月時点
考えずに投資をしてしまいがちです。 しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。 ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。 >>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは
インデックスファンドとのパフォーマンスの差は?
インデックスファンドに投資をするのであれば、同じベンチマークを
採用している類似ファンドとのパフォーマンス比較は不可欠です。
iFree新興国債券インデックスと同じく新興国債券のインデックス
ファンドであるeMAXIS 新興国債券インデックスと比較をしました。
結果は、iFree新興国債券インデックスの勝利です。信託報酬の
コスト分、iFree新興国債券インデックスが有利となったとがわかります。
※引用:モーニングスター
最大下落率は?
投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が
気になるのが、最大どの程度、資産が下落する可能性が
あるのかという点かと思います。
iFree新興国債券インデックスは2020年1月~3月の3カ月間で
16.09%の下落を記録しています。
新興国債券ファンドはリスクが低いと思われがちですが、
20%近くは下落することがあると思っておいたほうがいいですね。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲13.37% |
3カ月 | ▲16.09% |
6カ月 | ▲12.45% |
12カ月 | ▲10.22% |
※2021年9月時点
評判はどう?
続いて、iFree新興国債券インデックスの評判を見ていきましょう。
ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。
資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを
購入しているということなので、評判がいいということになります。
2017年の11月、2020年の3月に大きく流出はしていますが、
それ以外の月では、毎月流入しており、新興国債券ファンドの中で、
コストが安いだけのことはあるなという印象です。
ただ、直近のパフォーマンスが悪いので、今後は流出超過になる
かもしれません。
※引用:モーニングスター
iFree新興国債券インデックスの評価まとめと今後の見通し
iFree新興国債券インデックスは新興国債券のインデックスファンド
の中でもコスト面でほぼ最安値なので、安定してつみたてのニーズが
あるようです。
ただ、パフォーマンスを見てわかる通り、お世辞にも優れた成果を
残しているとは言えません。ほとんどの人はこんなことを気にせず、
新興国債券カテゴリーで一番コストが安いからという理由だけで
購入してしまっていると思います。
いくらインデックスファンドでも、ベンチマークが適切でなければ、
プラスのリターンを生むことができませんので、くれぐれも
注意してください。
当然ながら、弱点もあります。 今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。 その理由をこちらで話をしています。 >>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点