投資対象として、VXXやVXXB、1552 国際のETF VIX短期
先物指数を研究している人は必ずといっていいほど、ある
疑問に行きつきます。

それは、VIX指数が急騰したときに、上記の投資対象はどの
程度急騰するのだろうかという疑問です。

私も投資を始めた初期のころは同じような疑問を持っていました。
この疑問はVIX指数とS&P500 VIX短期先物指数の関係性が
しっかりとわかれば理解できるのですが、なかなかここまで
理解できている人は少ないと思います。

今日は、この疑問について徹底解説していきます。

VXXやVXXBが連動している指数は何?

まず、初めに理解しておかなければいけないのは、VXX、
VXXB、1552 国際のETF VIX短期先物指数はVIX指数に
直接連動しているわけではないという事実です。

これをしっかりと理解しておかなければ、さきほどの問題は
解決しません。

では、VXX、VXXB、1552 国際のETF VIX短期先物指数は
何に連動しているのでしょうか。

それは、S&P500 VIX短期先物指数です。

これだけみると、VIXの先物に連動しているのだ。ということは
分かりますが、それだけの浅い理解では本質を理解できません。

まずVIX指数先物というのは、VIX指数が直接取引できないこと
から生まれた商品です。VIX指数の先物取引は1カ月後、2カ月後・・・
6カ月後などの決められた期日に、現時点で決めた金額で取引する
というものです。

そして、S&P500VIX短期先物指数というのは、VIX指数先物の
第一限月と第二限月の先物のみで構成されており、ロールオーバー
により、毎日第一限月の先物を一定数売り、第二限月の先物を
一定数購入することで、常時満期が1カ月の合成先物を作っています。

(厳密にはここからロールオーバーコストを差し引いたものです)

このS&P500VIX短期先物指数に連動するように設計されているのが、
VXXやVXXB、1552 国際のETF VIX短期先物指数というわけです。

S&P500VIX短期先物指数については、こちらの記事でかなり細かく
解説しています。ロールオーバーのイメージがつかない人や、
ロールオーバーすることによりなぜ減価していくのか、しっかり
説明できない人はこちらの記事も併せて読んでみてください。

S&P 500 VIX 短期先物指数とは?なぜ下落を続けるのか?

さて、ここまででVXXやVXXB、1552 国際のETF VIX短期先物指数
がVIX指数ではなく、S&P500VIX短期先物指数に連動することが
わかりました。

ですので、VIX指数が急騰したときにS&P500VIX短期先物指数が
どのように変動するのかを分析すればよいということです。

VIXとS&P500VIX短期先物指数の騰落率の関係性

さて、ここでは、実際に過去のVIX指数の騰落率とS&P500VIX
短期先物指数の騰落率を比較することで、イメージを沸かせて
もらいたいと思います。

今回は、VIX指数とS&P500VIX短期先物指数に連動するVXXの
終値を利用しました。騰落率は前日の終値と当日の終値を比較
して何%上昇したかをグラフ化しています。

さて、グラフをみてもらうと一目でわかりますが、VXXの騰落率
よりVIXの騰落率のほうがほぼ全期間において高いことがわかります。

特に大きくVIX指数が上昇したときでも、VXXの上昇率は
VIX指数の上昇率と比べて、かなり小さくなっています。

この傾向は2017年~2018年の直近だけでなく、2009年~2010年の
約10年前でも変わりません。

では、なぜこのような現象が起きるのでしょうか。

それはVIX指数の値動きの特徴と、VXXがS&P500VIX短期先物指数に
連動していることと大きく関係しています。

ご存じのとおり、VIX指数は年に何回かだけ急騰することがありますが、
それ以外のときは10~20の値で推移しています.

そして、このような値動きをするので、VIX指数先物は次のような
特徴を持ちます。

それが、コンタンゴとバックワーデーションの状態の変化です。

VIX指数が平常時はコンタンゴの状態です。そして、VIX指数が
急騰したときはバックワーデーションの状態となり、第一限月の
VIX先物価格ほど、大きく上昇します。

第二限月、第三限月になるほど、VIX指数先物の価格は上昇率が
小さくなっています。

コンタンゴとバックワーデーションについて、あまり詳しく
知らないという人はこちらにかなり詳しくまとめてありますので、
併せて読んでみてください。

コンタンゴとバックワーデーションって何?

そして、思い出していただきたいのがVXXが連動している
S&P500VIX短期先物指数はVIX先物の第一限月と第二限月を
満期が常に一定になるように合成した先物指数です。

つまり、上昇率の小さい期先の先物が含まれている分、
VIX指数が大きく上昇したとしても、S&P500VIX短期先物
指数はそこまで大きく上昇しないというわけなのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今日の話を踏まえれば、S&P500VIX短期先物に連動するVXX、
VXXB、1552国際のETF VIX短期先物指数を売りから入るときに
どの程度上昇する確率があるのかをある程度予測することが
できるようになります。

また、VIX指数の上昇に期待をして、VXXやVXXB, 1552 国際の
ETF VIX短期先物指数に投資をすることはおすすめできないと
いうことです。

ただでさえ、S&P500VIX短期先物指数は仕組み上、下落する
方向に力が作用しますし、VIXが上昇したとしても上昇率は
VIX指数ほど上昇はしません。

VIX指数が大きく上昇するタイミングをあらかじめ予測する
ことができるのであれば、上昇前に購入して大きく利益を
上げることができますが、そのようなことは不可能に近いので、
投資方法を見直したほうが賢明です。