IPOに参加するには、証券会社の口座を開く必要があり
ます。
しかし、注意しなければいけないのが、どこの証券会社の
口座を開いてもIPOに参加できるというわけではありません。
日本国内には、店頭証券、ネット証券を合わせると100以上
の証券会社が存在していますが、IPOを扱っているのはごく
一部の証券会社なのです。
では、数多くの証券会社の中から、いったいどこの証券
会社に口座を開設したらよいのでしょうか。
理屈上では、IPOを取り扱う証券会社すべてに口座開設
することですが、資金量がかなり豊富でなければ、毎日
毎日、前受金の資金移動、入出金の繰り返しとなり、その
煩雑さに嫌気がさして、すぐにやめてしまうことになり
かねません。
ですので、今日はどの証券口座を開設しておいたほうが
よいのか私なりの考えを紹介していきたいと思います。
証券会社の口座開設順
まずは、IPOの申込に慣れるという意味で、ネット証券
の口座を開設しましょう。やはり引き受け社数の多いSBI
証券がおすすめです。
ネット証券であれば、開設後はWEB上からコツコツIPO
に申し込むだけですので、手間もかかりません。
IPOの情報を見て、総合評価を確認して、BB期間を確認
して、抽選に参加するかしないかを決めるというフロー
を繰り返してください。
SBI証券だけでは物足りないと思ったら、もう何社かネッ
ト証券の口座を開設しましょう。私も開設していますが、
野村ネット&コールと岡三オンライン証券がおすすめです。
この2社は引受社数も上位グループに入りますし、抽選
前に前受金が必要ありませんので、資金を移動させる必
要もありません。
ここまではいわゆる完全抽選方式の証券会社ですが、
さらにIPOの申込に慣れてきたら、対面証券の口座開設
もしてみましょう。
対面証券はSMBC日興証券もしくはみずほ証券がおすすめ
です。この2社はIPOの取り扱いがとにかく多いのが特徴
です。
対面証券で口座を開設すると、担当営業がつく場合が多い
のですが、担当営業によってはIPOを割り当てることがで
きる営業マンもおり、担当営業と仲良くすることでIPO枠
を獲得することができるようになります。
ただし、毎回IPOの申込の依頼をするだけでは当然関係性
がよくなることはありません。
世間話をしたり、他の投資商品の動向について話をしたり、
試しに担当営業マンのおすすめする商品を購入してみたり
することで、関係性を築いていく必要があります。
裁量配分方式、割当方式など呼ばれるのがこのパターン
ですが、ネットから申し込むよりも、難易度が高いです
ので、こちらは慣れてきたら挑戦するくらいの気持ちで
いいでしょう。
証券会社別IPO引受件数
口座開設する上で、IPOの引受社数が多くなければ、IPO
に申し込みをしたくでも申し込むことができません。
そこでIPO株を取り扱っている主要な証券会社別にIPO
引受件数を一覧にしました。どこで開設するか迷った場合
は、引受件数が多い証券会社で口座を開きましょう。
2018年 | 引受件数()は主幹事 |
SBI | 91 (12) |
松井 | 9 (0) |
マネックス | 53 (0) |
カブドットコム | 25 (0) |
野村 | 44 (26) |
大和 | 33 (12) |
SMBC日興 | 73 (25) |
みずほ | 78 (23) |
三菱UFJ | 27 (6) |
岡三 | 50 (1) |
東海東京 | 21 (2) |
いちよし | 29 (1) |
エイチエス | 11 (0) |
2017年 | 引受件数()は主幹事 |
SBI | 87 (8) |
松井 | 14 (0) |
マネックス | 49 (0) |
カブドットコム | 27 (0) |
野村 | 40 (28) |
大和 | 44 (16) |
SMBC日興 | 76 (13) |
みずほ | 64 (16) |
三菱UFJ | 31 (4) |
岡三 | 37 (5) |
東海東京 | 12 (3) |
いちよし | 37 (4) |
エイチエス | 10 (0) |
証券会社を選ぶ上でもう一つ重要なポイント
証券会社を選ぶポイントのひとつとして、引受社数が多い
ことは当然重要なのですが、もう一つ押さえておきたい
ポイントがあります。
それは、前受金の必要有無です。前受金というのは、
IPO株を購入するための資金のことで、ブックビルディ
ング(BB)に申し込むときに必要になります。
当選した場合は、その資金でIPO株を購入することになり
ますが、落選してしまった場合は手元に戻ってくるお金です。
前受金は証券会社によって扱い方が異なっており、次の
3つのパターンがあると思ってください。
① 完全前受制
多くの証券会社で採用されているのが、完全前受制です。
これはBBに参加するためには口座に必要な資金をあらか
じめ入れておく必要があるというパターンです。
② 初回or数回前受制
これは、初回もしくは数回は前受金が必要となりますが、
実績ができるとBBに参加するタイミングで口座に資金が
入っていなくても申し込みができるようになるパターンです。
これは、証券会社、支店によって運用が異なるため、
一概にどことは言えませんが、実際に存在します。
③ 前受金不要
最後が、BBに参加するために前受金が必要ないパターン
です。つまり抽選に毎回参加して当選した場合に口座に
資金を用意すればOKというパターンです。
いちいち証券会社間で資金の移動をする必要もないので、
とりあえず申し込んでおいて損はありません。
当然ですが、見事に当選したにもかかわらず、資金が
用意できずにキャンセルなどしてしまうと、その証券
会社からIPO株が当選する可能性は低くなる可能性が
高いです。
くれぐれも資金が用意できる目途だけはたてた上で申し
込むようにしてください。
ちなみに私が把握している限りでは、以下の証券会社で、
前受金不要でBBに参加することができます。
いきなり管理する証券会社が多くなると、大変だと思う
かもしれませんが、資金がなくても申し込みができます
ので、とりあえず開いておいて損はありません。
・野村ネット&コール
・岡三オンライン証券
・松井証券
・ライブスター証券
・いちよし証券
・HS証券
・むさし証券(トレジャーネット)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
IPOをとにかく当選したいと思い、多くの証券会社を
一度に開設する人もいるのですが、たいていは長続き
しません。
それよりも少しずつ慣れていき、証券会社を増やして
いくほうが長く続けられると思います。
IPOに何度も当選したことがある人は諦めずにIPOに
申し込み続けている人です。
ですので、まずはネット証券をいくつか開いて、IPO
の申込に慣れてください。慣れてきたら、証券会社を
増やしましょう。
さきほど説明したとおり、前受金が不要の証券会社は
確実に開設しておきたいですね。
それにも慣れてきたら、対面証券での口座開設もして
みましょう。
何度も繰り返しになりますが、長く続けることが何より
大事ですのであまり無理はせずにコツコツ続けてみて
ください。